保護責任者遺棄致死事罪で逮捕

保護責任者遺棄致死罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇保護責任者遺棄致死罪で逮捕◇

三重県亀山市に住む会社員のAさんは、病気で寝たきりである母親と、二人で暮らしていました。
しかし、Aさんは、母親の看病や介護を面倒に思うようになり、看病や介護をすることをやめてしまいました。
その結果、母親は症状が悪化して亡くなってしまい、Aさんは三重県亀山警察署に、保護責任者遺棄致死罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(この事例はフィクションです。)

今回の事例のAさんは、保護責任者遺棄致死罪の容疑で逮捕されています。
しかし、Aさんは、母親の看病等をしなかっただけで、殴る等、直接暴力をふるったりしているわけではありません。
Aさんのように、「何もしなかった」ことで逮捕されることはあるのでしょうか。
ここで、Aさんに容疑のかかっている犯罪である、保護責任者遺棄致死罪という犯罪に注目してみましょう。

◇保護責任者遺棄致死罪◇

刑法第218条(保護責任者遺棄)
老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、3月以上5年以下の懲役に処する。

上記の保護責任者遺棄により、保護しなければならない人を死亡させた場合に保護責任者遺棄致死罪となり、刑法第219条に規定されています。
保護責任者遺棄致死罪の法定刑は「傷害の罪と比較して重い刑」と規定されているので、傷害致死罪の「3年以上の有期懲役」からその範囲は「3年以上20年以下の懲役」ということになります。

◇「遺棄」とは◇

遺棄罪における「遺棄」については狭義の遺棄と広義の遺棄があるとされています。
狭義の遺棄については、被遺棄者を安全な場所から保護、助力を得られない危険場所へ移すという移置行為のことを指します。
刑法第217条に規定されている単純遺棄罪における遺棄がこの狭義の遺棄となります。
そして、広義の遺棄とは移置行為だけでなく、被遺棄者を置いてそのまま立ち去るなどのいわゆる置き去り行為なども含まれることになります。
今回の事例で問題となっている保護責任者遺棄については、この広義の遺棄によって成立するとされています。

◇不作為犯◇

先述のように保護責任者遺棄致死罪は、「保護をしなかった」ことで成立します。
こういった何もしないことで成立する犯罪を「不作為犯」といいます。
法により期待されている行為を行わない(為すべきことを為さない)ために成立する不作為犯の中でも刑法に明示されている種類のものは真正不作為犯と呼ばれます。
保護責任者遺棄罪の条文では「その生存に必要な保護をしなかったとき」とありますので、保護責任者遺棄罪も真正不作為犯となります。
事例のAさんは、病人である母親と同居していたのですから、母親を保護する義務が認められそうです。
すなわち、Aさんは、その看病等すべき立場にあったのに必要な措置を行わず、その結果母親が死亡してしまったので、保護責任者遺棄致死罪が成立しうる、ということになるのです。
また、真正不作為犯に対して、刑法に明示されているわけではないが不作為犯に該当する行為は不真正不作為犯として犯罪が成立する可能性があります。
そのため、状況によっては、Aさんに不作為による殺人罪が成立する可能性もありますので、詳しくは刑事事件に強い弁護士に相談するようにしましょう。

◇保護責任者遺棄致死罪に強い弁護士◇

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士が、逮捕されてしまった方、捜査を受けている方の不安や疑問にお答えします。
三重県の保護責任者遺棄致死罪についてお悩みの方、不作為犯に関連する犯罪でお困りの方は、お気軽に弊所弁護士までご相談ください。

 

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