本日のコラムでは、レンタカーを乗り逃げしたとして横領事件で警察に逮捕された方の弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
事件内容
桑名市在住のフリーターAさんは、約2ヵ月前に市内のレンタカー会社で乗用車一台をレンタルしましたが、返却予定日を忘れてしまいレンタカーを返却しませんでした。
そしてその後も、レンタカー会社に連絡を入れずに乗り続けていました。
そんなある日、桑名市内をレンタカーでAさんは、三重県桑名警察署の警察官に職務質問を受け、レンタカーの横領が発覚し、逮捕されてしまいました。
逮捕されたAさんの家族は、刑事事件に強い弁護士にAさんの初回接見を依頼しました。
(フィクションです)
横領~刑法第252条第1項~
刑法第252条第1項に「自己の占有する他人の物を横領した者は、5年以下の懲役に処する」と横領罪が規定されています。
今回の事件では、Aさんはレンタカー会社の車を、契約期日を過ぎても返却せずにそのまま使用していたので、Aさんの行為は「横領罪」に当たる可能性が非常に高いでしょう。
しかし、もし契約時からAさんに、翌日にレンタカーを返却する意思がなかたった場合は、店員を騙してレンタカーを借りたことになるので、詐欺罪が成立する可能性があります。
詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」と横領罪に比べると厳しいものなのです。
最終的にどのような法律が適用されるかは、実行行為だけでなく、警察等の捜査機関での取調べ内容によって決定するので、横領罪等の刑事事件で警察の警察の取調べを受ける前に弁護士に相談することをお勧めします。
横領事件の弁護活動
今回のような横領事件では、逮捕された後に、勾留されることが少なくありません。
逮捕、勾留されている方は、弁護士以外から刑事手続きに関するアドバイスを受けることはできませんので、弁護士の助けがなければ、逮捕から勾留までの全てを一人で対処しなければなりません。
その様な事態を回避するために、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の「初回接見」サービスをご利用いただき、早期に弁護士の選任をご検討ください。
刑事事件専門の弁護士を選任することによって様々なメリットがございます。
①助言を受けれる
一度逮捕されてしまうと、最大で23日間身柄を拘束されることになります。
その期間、捜査機関からの取調べを受けることになりますが、逮捕された方は、どのように取調べを受けて良いのか分からないはずです。
取調べで発言した内容は、後に裁判で取り消すことが非常に困難です。
ご自身の判断だけでは、不利な発言をしてしまう可能性が高くなります。
そこで、先に弁護士からどのように取調べを受けるかの助言をしてもらうことで、取調べ段階で、不利益になるような事態を避けることができるでしょう。
②弁護士の面会
逮捕から勾留決定までの間は、ご家族の方でさえも面会ができません。
また、勾留中の場合、ご家族の方は面会できますが、面会時間に制限があり、立会人がいるため、お互いに伝えたいことを伝えきれない可能性があります。
また弁護士は逮捕から勾留が決定するまでの間でも面会ができ、弁護士は接見によって、逮捕された方の精神的負担を軽くするように努めます。
弁護士の面会は立会人なしで行われるため、逮捕された方は自分が思っていることを自由に話すことができます。
③被害者との交渉
検察官は、裁判で有罪であると証明できる場合でも、被疑者の情状や犯罪後の情況などを考慮して起訴する必要がないときは不起訴処分とします。
被害者との間に示談が成立していれば、検察官が不起訴処分とする可能性が非常に高まります。
そこで、弁護士は、代理人として被害者に対する謝罪や示談交渉を行います。
④不起訴処分となるように検察官へ働きかける
起訴して裁判を行うかどうかは、検察官が決定します。
そこで、弁護士は、検察官が起訴しない(不起訴処分とする)ように働きかけます。