裁判員裁判

1 裁判員裁判とは?

裁判員制度とは、裁判官と選ばれた市民が一緒に話し合い(評議という)をして刑事事件について判決を下すという制度です。この選ばれた市民を、裁判官と区別するために「裁判員」と呼びます。

 

2 裁判員対象事件

刑事裁判の中には、裁判官のみで開かれるこれまで通りの裁判と、裁判員と裁判官が一緒になって裁く裁判員裁判の2種類があります。

全ての刑事事件が裁判員によって裁かれるわけではありません。裁判員裁判の対象となる事件は、①死刑若しくは無期の懲役又は禁錮に当たる罪②故意の犯罪行為によって人を死傷させた罪のうち、短期1年以上の刑の定めがある罪です。

①に該当するものとしては、殺人・現住建造物放火・営利目的の麻薬密輸入などがあり、②に該当するものとしては、傷害致死、危険運転致死などがあります。

刑法犯の中でも一定の重い刑罰を定めた犯罪が裁判員対象事件になります。

 

3 裁判員の職務

裁判員が行うのは、裁判官と共に、事件を審理することです。

具体的には、①罪となるべき事実を認定し②有罪の場合には被告人に科すべき刑を決定することが職務です。

裁判員裁判であっても、法律の解釈は裁判官のみで行うとされています。裁判員裁判では難解な法律概念については、裁判官から裁判員に対し説明がなされることになっています。反対に、証拠からの事実の認定や刑の重さの判断など、刑事裁判における法律解釈以外については全て裁判員も裁判官と一緒になって行います。

 

4 裁判員の選任方法

裁判員は、選挙権を持つ者の中から、裁判員候補者の名簿を作成し、その名簿の中から実際に裁判に参加する裁判員が選出されるという方式です。

名簿は事件ごとにつくられるのではなく、今年裁判員に選ばれる可能性のある人の名簿になっています。そのため、この名簿に載ったからといって必ず裁判員に選ばれるとは限りません。

名簿に登載された人については事件ごとに名簿の中から何名かを選んで裁判員候補者を選任します。この時候補者に選任された人は、裁判所に行かなければなりません。裁判所では面接のようなものがあり、欠格事由の有無などを尋ねられます。そして、抽選のうえ、ようやく実際に裁判を担当する裁判員6名と補充裁判員数名が選ばれることになります。補充裁判員とは、後に説明する評決には参加しませんが、実際の議論には参加しますし、6人の裁判員のうち誰かが、体調を崩した場合など途中で裁判に参加できなくなった場合には、補充裁判員がその代わりを務めることになります。ですので、補充裁判員になった場合にも、その事件に関わることになります。

 

5 「裁判員をやりたくない」といえるの?

裁判員制度は,特定の職業や立場の人に偏らず,広く国民の皆さんに裁判に関与してもらおうという趣旨の制度ですので,原則として辞退することはできません。

ただし,国民の皆さんの負担が過度に重くならないようにとの配慮などから,法律等で次のような辞退事由を定めており,裁判所からそのような事情にあたると認められれば辞退することができます。具体例として下記のものが挙げられます。

  1. 70歳以上の人
  2. 学生,生徒
  3. 一定の「やむを得ない理由」があって,裁判員の職務を行うことや裁判所に行くことが困難な人。

「やむを得ない理由」としては,例えば,以下のようなものがあります。

  • 重い病気又はケガ
  • 親族・同居人の養育・介護
  • 仕事上重要な業務を任せており、本人でなければ処理できない事情がある
  • 父母の葬式への出席など社会生活上の重要な用務がある。
  • 妊娠中又は出産の日から8週間を経過していない。
  • 重い病気又はケガの治療を受ける親族・同居人の通院・入退院に付き添う必要がある。
  • 妻・娘の出産に立ち会い,又はこれに伴う入退院に付き添う必要がある。
  • 住所・居所が裁判所の管轄区域外の遠隔地にあり,裁判所に行くことが困難である。

 

6 裁判官と裁判員の関係

裁判員裁判では、裁判員と裁判官は基本的に対等な権利を有しています。

審理は、裁判官3名、裁判員6名の合計9名で行います。補充裁判員は議論には参加しますが審理の段階では以下で述べるような票を投じる権利はありません。

裁判員裁判の評議(話合い)は、原則的に争点ごとに評決という投票を行い、争点ごとの結論を出していく形で進めていきます。

 

①評決に関するルール1

原則的に裁判官と裁判員は1人1票を投じます。裁判官だけ票数が多いということはありません。

 

②評決に関するルール2

評議は基本的には多数決で決します。例えば、有罪5名、無罪4名となった場合には、有罪となります。

 

③評決に関するルール3

ただし、多数の意見に裁判官が最低でも1名は含まれていなければなりません。もちろん多数意見に裁判員も含まれている必要はありますが、人数の関係上、裁判員が1人もいない方が多数になることはありません。

例えば、有罪5、無罪4となっても、有罪が裁判員5名、無罪が裁判員1名と裁判官3名であった場合には、このルールに反するので多数決は不成立になります。有罪が裁判官3名と裁判員2名、無罪が裁判員4名であれば、裁判員だけを見ると無罪の方が多いですが、合計の多数である有罪の意見になります。

 

④評決に関するルール4

量刑を決める際には特殊な方法を用います。量刑について多数決が成立しなかった場合には、最も重い刑の票を、2番目に重い刑に加え、ある量刑に過半数が集まるまでこの作業を繰り返すことになります。

 

7 裁判員の義務

裁判員は、独立してその職務を行い、法令に従い公平性実にその職務を行わなければならず、このような職務を果たすよう、裁判員の一定の行為についても罰則が定められています。

 

①裁判員として知りえた秘密などを漏らした場合(守秘義務違反)

→6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金(裁判員法108条)

※裁判員には裁判で知った事件の内容、評議の内容(誰がどのような意見だったか等)について守秘義務が課されています。しかしそれ以外のことについては自由に話をできます。裁判員を経験しての感想などはもちろん自由に話すことができます。

 

②裁判員候補者が質問票に虚偽の記載をした場合

→50万円以下の罰金、30万円以下の過料(裁判員法110条、111条)

 

③裁判員候補者が裁判所の呼出しに応じない・公平な裁判をする旨の宣誓を拒んだ場合

→10万円以下の過料(裁判員法112条)

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