1 風営法とはどのような法律か
風営法の正式名称は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」といって、よく言われる風営法という名称はこの略称です。風俗営業というと性サービスを提供するお店をイメージされるかもしれませんが、それに限られずパチンコ店なども風営法の適用対象となっています。
2 風俗営業とは何を指すか
風営法では、風俗営業と性風俗関連特殊営業が分けて定義されています。つまり風俗営業で一般にイメージされる性風俗については風営法上の「風俗営業」には含まれません。
法律上、風俗営業として定義されている代表的なものは、①キャバレー②暗いバー③カップル喫茶④パチンコ屋⑤スロットといったものです。
3 風営法の処罰対象と違反した場合の罰則
風営法で処罰される行為としては、①無許可営業・名義貸し、②18歳未満の者に接客をさせること、③客引き行為をさせることがあります。なお③の客引きは、経営者が客引きを指示することを処罰するものであり、客引きをしている者については各地の条例により処罰されます。
それぞれの行為の刑罰は次の通りです
- 無許可営業・名義貸し→2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又は併科
- 18歳未満に接客させる→1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又は併科
- 客引き→6月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又は併科
4 性風俗関連特殊営業に関する規制について
風営法では性的サービスを提供するような風俗店を「性風俗関連特殊営業」に分類して、ここまで述べてきた「風俗営業」とは分けて規制しています。
そして「風俗営業」と異なる点として、「性風俗関連特殊営業」については許可制ではなく「届出制」にしている点が挙げられます。これは国が性風俗店を「許可する」というのが店舗で提供されるサービスから適当ではないと考えられた背景があります。
そして、届け出をしなければならないところ届出を行わずに営業していた場合の罰則については6月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又は併科となっています。
5 風営法違反の場合の行政処分
風営法に違反した場合、刑事罰以外にも行政処分が下される可能性があります。
具体的には、違反の態様により「許可取消し」「営業停止」「指示」という3つの処分を行うことができます。これらの処分はあくまで行政処分であり、刑事処分とは別物なので、刑事事件で不起訴処分を獲得したからといって行政処分の効力までなくなるわけではないです。
~風営法違反事件の弁護活動~
①不起訴処分の獲得を目指す
風営法違反事件で逮捕・勾留されてしまっても、不起訴処分を獲得すればすぐに釈放されます。不起訴処分となれば、前科も付きません。弁護士が不起訴処分につながるような様々な事情を検察官に伝え、交渉を行います。例えば、営業の適正化を行う、怠っていた手続きを速やかに行うといったことが考えられます
②身柄解放活動
逮捕・勾留されてしまうのは、証拠隠滅や逃亡のおそれがあるためです。そこで、弁護士は早期釈放・早期保釈のために証拠隠滅や逃亡の恐れがないことを示す客観的証拠を収集し、社会復帰後の環境を整備するなどして釈放や保釈による身柄解放を目指します。
③否認の場合の弁護活動
否認事件では、独自に事実調査を行うとともに、意見書を作成するなどして不起訴に向けて検察官に働きかけを行います。風営法の場合には、前任の経営者から引き継いだ場合で、許可申請や届出が適法に行われていたと認識していた、年齢確認した上で18歳未満とは知らずに接客させていたといった否認の場合が考えられます。
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