1 はじめに
外国人の方であっても日本で刑事事件の被疑者となることはあります。その場合には事件への対応について、特に問題になることがあります。以下では、どのような問題があるか、またそれらの問題にどのように対応していくべきかを説明させていただきます。
2 外国人事件特有の問題
(1)言葉の問題
日本に長く居住しており、日本語で不自由なくコミュニケ―ションをとれる場合はあまり問題ありませんが、日本語が分からなかったり、多少話せたとしても日常的な会話しか分からない場合には取調べを受けるにあたって言葉の問題があります。
言葉でのコミュニケーションが困難な場合には通訳人がついての取調になりますが、あくまで間接的なコミュニケーションになるので、重要な権利について十分に理解しないまま取調べを受けることになるおそれもあります。
ですので、早期に弁護人が接見し、権利を正確に伝える、調書の意味が正確に分からなければ署名押印の拒否を行うなど、事案に応じて適切なアドバイスを行う必要があります。また適当な通訳人が選任されていなければ、その点についても警察署に対して働きかけを行っていく必要があります。
(2)文化の壁
次に問題となるのは、法制度をはじめとした文化の壁です。
国によっては警察官の役割や、捜査の流れ、認められている権利が異なる可能性もあります。もちろん逮捕されたり、捜査を受けるということは多くの方が経験したことがないものですが、文化も異なれば対応する際の戸惑いも大きくなります。
ただでさえ、生活文化の違いへの戸惑いがあることに加え、法律制度への戸惑いも重なれば大変不安になりますし、捜査機関からの誘導に誤った理解のまま応じてしまう場合もあります。弁護人がアドバイスすることで、誤解を解いて捜査にも適切に対応することができるようになります。また文化や宗教上の問題で不自由な留置環境であった場合には、弁護人から改善を求めることも可能です。
(3)在留資格の問題
外国籍の方は、何らかの在留資格で国内に滞在している場合がほとんどです。
逮捕され、刑が確定すると、退去強制となる場合があります。一方で在留資格には罰金刑であれば在留資格に影響のない場合もあります。身体拘束されている外国人の方は法定刑と在留資格の関係について十分に理解していない方も多くいらっしゃいます。制度について正確に把握することで弁護方針も適切に立てることが可能になってきます。
それを踏まえて不起訴や罰金刑を目指した弁護活動を起こっていくことができます。
~外国人事件の弁護活動~
外国人事件においては通常の事件で問題となる点に加え、在留資格との関係で、入管法上の問題が常につきまとってきます。在留資格との関係で不起訴や罰金刑で解決したい場合には、取調べでの対応や示談交渉も重要になってきます。
また、在留資格との関係では本人の意向も重要になります。弁護士は、当人が日本へ今後も在留したいのか、そうではないのか等の当人の希望を聞いたうえで、今後の見通しや対応について、しっかりと説明します。
津や四日市など三重県の刑事事件でお困りの外国籍の方または外国籍の方のご家族など関係者の方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご連絡ください。外国人の刑事事件について圧倒的な解決実績を誇る弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、職場や学校への対応、取り調べ対応、刑事裁判への対応、在留資格への影響などについて刑事事件・少年事件に専門特化した弁護士による無料の法律相談を行っています。
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