1 廃棄物処理法とは
廃棄物処理法は正式名称を、「廃棄物処理及び清掃に関する法律」と言います。そして、この法律では廃棄物を
- 一般廃棄物
- 産業廃棄物
の2種類に分けて、廃棄物の処理方法について定めています。このページでは特に一般の方でもしばしば問題になる一般廃棄物についての規定について詳しく説明します。
2 廃棄物とは
廃棄物処理法における「廃棄物」とは,ごみ,粗大ごみ,燃え殻,汚泥,ふん尿,廃油,廃酸,廃アルカリ,動物の死体その他の汚物又は不要物であって,固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによって汚染された物を除く。)のことをいいます(廃棄物処理法第2条第1項)。
廃棄物処理法の事件では「廃棄物」に当たるか、特に不要物であるといえるかについて争いになることが少なくありません。これは過去の事例等を参考にする必要があるので、刑事事件に詳しい弁護士にアドバイスを受ける必要があります。
3 一般廃棄物の処理について
(1)一般廃棄物とは何か
一般廃棄物には定義がありません。廃棄物の中から産業背筋物といわれるものを除いた廃棄物が一般廃棄物になります。普通の家庭から出るごみを想像してください。
(2)一般廃棄物の処理について
廃棄物処理法では私人に対しても義務を課しています。
街中がごみであふれないようにするのが廃棄物処理法の目的でもありますから、私人に対し、理由なくごみを捨てることを禁止しています(16条)。
また、適当に燃やしてしまって、有害物質が大気中に放出されることも防ぐ必要がありますから、私人の焼却も禁止しています(16条の2)。
(3)罰則
廃棄物の投棄の禁止、焼却禁止に違反した場合には、5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金又は併科という刑が定められています。1000万円の罰金というと非常に重く感じるかもしれませんが、これは制定背景に企業の不法投棄を取り締まる目的があったことに起因するもので。一般の個人の場合で、廃棄した量がさほど多くなければ、数百万円単位の罰金額となることはないと思われます。
~廃棄物処理法違反の弁護活動~
①示談交渉
廃棄物処理法は公益が保護法益なので厳密には特定の被害者がいない犯罪ですが、廃棄した場所が他人の敷地や管理する場所であれば、その場所の所有者や管理者に処理費用等の被害を与えることになります。そのような場合には、かかった費用等を支払って示談をすることが処分結果に影響を与える場合があります。
示談交渉については、弁護士が間に入ることで有利には働くことがあります。個人の方を相手にする場合であっても、弁護士限りで個人情報を教えてもらえる場合もありますし、仮に連絡先を知っていたとしても、相手の被害感情を考えると直接被疑者が被害者と交渉を行うのは困難であり、示談ができたとしても不相当に過大な金額での示談解決になる可能性が大きいと考えられます。弁護士が間に入れば、冷静な交渉により妥当な金額での示談解決が図りやすくなります。
②廃棄物処理法違反に関するアドバイスを受ける
廃棄物処理法違反で起訴される場合には、起訴状にはどれだけの容積の物を捨てたか、燃やしたかが問われます。したがって、事実関係をしっかり調査した上で、これらの点について誤った内容で調書がとられないように対応についてアドバイスを受けることで、自分がした罪以上の罰則を受けることを防ぐことができます。また処理費用を負担しているなど、処分について影響を与える事情については積極的に主張するようにアドバイスしたり、弁護士が被疑者に代わって検察官と交渉することも可能です。
③身柄解放活動
逮捕・勾留されてしまうのは、証拠隠滅や逃亡のおそれがあるためです。そこで、弁護士は早期釈放・早期保釈のために証拠隠滅や逃亡の恐れがないことを示す客観的証拠を収集し、社会復帰後の環境を整備するなどして釈放や保釈による身柄解放を目指します。
④公判での弁護活動
事実を認めている事件であれば、再犯をしないための環境調整や被害者対応を行い、被告人にとって有利な事情を主張し執行猶予判決などの有利な処分を獲得することを目指します。
否認事件であれば、独自に事実調査を行うとともに、証拠の収集・作成などを行い裁判において無罪や被告人の言い分通りの判決になるような弁護活動を行います。
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