凶器準備集合罪で逮捕

凶器準備集合罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇事件◇

Aさんは、津市内を中心として活動している旧車会のメンバーです。
最近、Aさんの所属している旧車会と、地元の暴走族グループとの間で些細な諍いが絶えず、2日前には、旧車会のメンバーが、暴走族グループに集団暴行を受ける事件が発生しました。
そして、この集団暴行事件に報復するために、Aさん等旧車会のメンバーは、凶器となる木刀や、金属バット、ゴルフクラブ等を所持して河川敷に集合したのです。
しかし事前にこの情報を得ていた三重県警によって、Aさん等は凶器準備集合罪で現行犯逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

◇凶器準備集合罪◇

刑法第208条の3(凶器準備集合及び結集)

二人以上の者が他人の生命、身体又は財産に対し共同して害を加える目的で集合した場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って集合した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

上記のように刑法には「凶器準備集合罪」が規定されています。
この法律が施行された昭和30年代は、日本各地で暴力団による抗争事件が頻発していました。そのような社会情勢の中で、凶器を用いて行われる集団暴力犯罪を未然に防止することを目的に施行されたのが「凶器準備集合罪」です。
ですから、この法律は、個人の生命、身体、財産の安全を第一次的な保護法益としていますが、公共的な社会生活の平穏も二次的な法益とされています。

~共同して害を加える目的~

この法律が成立するには「二人以上の者の共同加害目的」つまり、 他人の生命、身体又は財産に対し 共同して害を加える目的で集合した ことが必至となります。
ここでいう「共同して害を加える目的」とは、必ずしも集合前にこのような目的を有する必要はなく、集合後にその目的が生じた場合でもよいとされています。
またこの目的に、積極的な加害意思までは必要とされておらず、もし相手が攻撃してきた時に応戦しようという受動的な加害意思でも足りるとされています。

~「凶器」とは~

この法律でいう「凶器」とは、性質上の凶器だけでなく、用法上の凶器も含まれます。
性質上の凶器とは、けん銃などの銃砲刀剣類等のように、その器具本来の性質上、人を殺傷する用に供されるために作られたものです。
用法上の凶器とは、性質上の凶器ではないが、使い方によっては、人を殺傷する用に供することのできるものを意味します。
バットやゴルフクラブ等が代表的な用法上の凶器に該当しますが、この法律で、用法上の凶器に該当するかどうかは、その物の大きさ、数量、形状、性質、用途、準備した集団の人数、その目的等から総合的に判断されますが、今回の事件の場合、金属バット、ゴルフクラブについては「凶器」に該当するでしょう。

◇首謀者には加罰規定が◇

凶器準備集合罪の首謀者には加罰規定があります。
そのことは、刑法第208条の3 第2項に明記されており、ここに「前項の場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って人を集合させた者は、3年以下の懲役に処する。」とあります。
凶器準備集合罪の法定刑には、罰金の処罰規定があるために、有罪でも略式起訴による罰金刑の可能性がありますが、首謀者には罰金刑の規定がないため、略式起訴はなく、起訴されると公開の刑事裁判によって刑事罰が言い渡されることとなります。

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