【志摩市の少年事件】少年事件の手続きや、弁護士の活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~少年事件~
A君は15歳の中学3年生(15歳)です。
A君の家庭環境は悪くありませんが、A君は中学生になってから不登校、深夜徘徊などの素行不良が目立っています。
そんな中、A君は遊ぶ金欲しさに、志摩市のコンビニの駐車場にたむろしている小学生に対して、ナイフを見せつけながら、「金を出せ」と要求し、数千円の現金とゲーム機を強奪しました。
事件直後に被害者等が逃げ込んだコンビニの店員によって捕まったA君は、その後、三重県志摩警察署に連行されて強盗罪の疑いで取調べを受けています。
(フィクションです)
少年事件の手続き
A君は、少年(20歳未満の男女をいいます)ですから、少年事件として手続が進行します。
少年法は「少年の健全育成」を目指す保護主義を掲げており、成人の刑事事件の手続とは大きく異なる点が存在します。
~逮捕後の勾留~
捜査段階では、少年事件においても刑事訴訟法の適用がありますから、逮捕後さらに身体拘束を行う必要があると判断された場合には、「勾留」されることになります。
通常の刑事事件においては、
①罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があり、
②(ⅰ)住所不定、(ⅱ)逃亡のおそれ、(ⅲ)罪証隠滅のおそれのうちいずれか一つに該当する
③勾留の必要性が認められる場合
に勾留の要件を満たしますが、少年事件においては、少年を勾留することによる悪影響が考慮されており、上記の要件に加えて「やむを得ない場合」に勾留をすることができるとされています。
勾留される期間は最長10日間、勾留延長されればさらに最長10日間となる点は成人事件と変わりません。
~勾留に代わる観護措置~
少年を身体拘束する場合における処遇上の配慮として、「勾留に代わる観護措置」の制度が挙げられます。
鑑別所で身体拘束を受けることになりますが、留置場における拘束よりも一般的に環境が良好とされています。
身体拘束を受ける期間は10日間で、延長はできません。
少年事件は全件送致主義
通常の刑事事件において、検察官は、捜査を遂げた事件につき、被疑者を起訴するか、不起訴にするかを決めなければなりません。
この場合、有罪の立証ができると考えている場合であっても、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況を考慮し、裁判にかけない「起訴猶予処分」を行うことができます。
これに対し、少年事件では「全件送致主義」が採用されており、捜査機関は、犯罪の嫌疑があると判断したときは、全ての事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。
家庭裁判所に送致後の手続き
家庭裁判所へ送致された後は、事件について調査がなされます。
調査は、非行事実の存否、要保護性(少年の犯罪的危険性、矯正可能性、保護相当性)について行われます。
この結果は、後に行われる審判の結果にも影響します。
~観護措置~
少年の心情の安定・情操の保護を図りながら鑑別を行う制度です。
在宅で観護を行う「調査官観護(在宅観護、1号観護などとも呼称)」と、少年鑑別所に収容して観護を行う「収容観護」があります。
前者の調査官観護はほとんど活用されておらず、実務上「観護措置」というときは、後者の収容観護を指します。
収容観護の期間は2週間を超えることができず、とくに継続の必要があるときに1回に限り更新することができます。
さらに、一定の事件については、「特別更新」が認められ、さらに2回を限度として更新することができます。
特別更新がなされた場合には、最長8週間観護措置をとることができます。
少年審判
審判開始決定が出されると、家庭裁判所による審判が行われます。
少年の非行事実、要保護性について審理され、最後に
①不処分
②保護処分(少年院送致、保護観察処分、児童自立支援施設または児童養護施設送致)
③都道府県知事または児童相談所長送致
④検察官送致(逆送)
⑤試験観察処分
のいずれかの処分がなされます。
少年院送致の処分がなされると、少年院に収容され、矯正教育を受けることになります。
できるだけ少年にとって負担の少ない処分により、社会復帰を目指すことが理想的ですので、弁護士は、そのような処分が決定するように活動します。
少年事件に強い弁護士
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所であり、少年事件に関しましても解決実績が豊富です。
志摩市の少年事件でお困りの方、お子様が強盗事件を起こし、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。