1 少年審判までの流れ
(1)事件が家庭裁判所に送られるまでの流れ
少年事件の場合も、警察が事件の捜査をし、それを検察官に送るという流れが最も多いことに変わりはありません。そして検察官が少年が犯人であるとの疑いがあると判断した場合には、事件が家庭裁判所に送られることになります。
しかし、少年の場合には、検察官以外にも、児童相談所からの送致により事件が始まる場合もあります。
(2)家庭裁判所調査官による調査
事件が家庭裁判所に送られると、家庭裁判所の調査官による調査が始まります。
家庭裁判所調査官は、心理学等の専門家で、専門的知見に基づき少年の心身の状態や、性格、家庭環境等について調査をします。この調査では、本人のみならず、保護者も質問されることとなります。
家庭裁判所の調査官が事件の処分を決めるわけではないですが、処分の決定には調査官の意見も一定の影響力を持ちます。したがって、家庭裁判所調査官からの質問にどのように答えるかが、今後の審判の結果に大きく影響します
(3)審判開始決定
家庭裁判所の調査が終わると、審判をするかしないかを決定することとなります。家庭裁判所で調査をされるからといって、必ず審判をされるわけではありません。家庭裁判所に送られたが、審判を開始しないと家庭裁判所が決定することを審判不開始と呼んでいます。
2 少年審判開始
(1)少年審判の目的
少年審判は、少年が受ける裁判の手続きで、少年が事件について受ける処分が判断される手続きになります。
少年審判は、厳粛な雰囲気の中で行われる正式な手続きですから、このような手続きを受けること自体、少年が事件の重大性に気付くこと等、少年の今後に与える影響が大きいものになります。そのため、裁判官が審判の結論は不処分であると考えていても、厳粛な雰囲気を少年に味わってもらい、今後の一層の更生を促すということを考え、あえて審判を開くというケースもあるとされています。
(2)少年審判の流れ
- まず、目の前にいる少年が、人違いでないか確認をされます。具体的には氏名や生年月日、住所等を確認することで、本人であることを特定します。裁判官からの質問に少年が答える形で手続きが進んでいきます。
- 次に、少年に対し、黙秘権があること、つまり言いたくないことは言わなくてもいいこと等の説明が裁判官から少年に対してあります。
黙秘権を告知する際には、裁判官が少年に対しわかりやすく告げなければならないとされています(少年審判規則29条の2)。 - その後、少年が犯したとされる罪が裁判官から読み上げられ、少年自身に対し、間違いがないかを尋ねます。
- 少年が罪を認めれば、そのまま裁判官から少年への質問へ進みます。罪を認めない場合等、少年以外の者にも話を聞く必要がある場合には、少年への質問の前に、証人への質問(証人尋問)等が行われることがあります。
- 裁判官からの質問が終わった後、付添人である弁護士や、家庭裁判所調査官も、少年に対して質問をすることができます。
また少年への質問が終わった後に、裁判官や弁護士から保護者の方に質問がされることもあります。 - 最後に、付添人が処分に対する意見を述べ、裁判官が審判結果を述べます。
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