大麻

1 大麻とは何か

大麻の定義については大麻取締法に定義があります。

【大麻取締法1条】

この法律で「大麻」とは、大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。

ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。

大麻製品に当たるものとしては、乾燥大麻・大麻樹脂などといった物があります。

 

2 大麻取締法の刑罰について

大麻取締法では次のように刑罰を定めています。

  1. 大麻を所持・譲渡・譲り受けた場合
    →24条の2第1項により、5年以下の懲役
  2. 営利の目的で、大麻を所持・譲渡・譲り受けた場合
    →24条の2第2項により、7年以下の懲役に処し、又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金
  3. 大麻を栽培・輸入・輸出した場合
    →24条1項により、7年以下の懲役
  4. 営利の目的で、大麻を栽培・輸入・輸出した場合
    →24条2項により、10年以下の懲役に処し、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金

見て分かるように、営利目的がつくと刑罰が重くなります。大麻の所持量が多い場合には、捜査機関から営利目的、すなわち他人に販売する目的があったのではないかと疑われる可能性があります。

また、前ページの覚せい剤取締法違反の刑罰と異なる点としては、覚せい剤の場合使用に刑罰が定められていない点があります。ただし、もちろん使用してもいいというわけではなく、使用が検査などから認定されれば、所持していたことが推認される場合もあります。大麻も非常に中毒性が高いものですから、決して手を出してはいけません。

 

3 大麻取締法違反でよくあるご質問

Q 大麻取締法違反事件が他の薬物事件と比べて特異な点はありますか

A 大麻は、大麻にくらべ、末端価格が安く、比較的手を出しやすい薬物です。

そのため、大麻取締法で逮捕されるのは、他の薬物と比較して若年層の人が増えています。そして20歳未満であれば、少年法の対象事件となるので手続きに注意が必要になります。

 

Q 大麻取締法違反事件では、どのような事情が量刑に影響を与えますか。

A 同種前科の有無、量や常習性などの再販可能性の有無の他、監督者の存在や薬物犯罪を再びしないような環境が構築されているかが挙げられます。

例えば、薬物依存症の患者向けのクリニックに通う、ダルク等の団体に参加する等が考えられます。具体的な環境調整については、以下の弁護活動の記述を参考にしてください。

 

~大麻取締法違反の弁護活動~

①身体解放活動

逮捕・勾留されてしまうのは、証拠隠滅や逃亡のおそれがあるためです。そこで、弁護士は早期釈放・早期保釈のために証拠隠滅や逃亡の恐れがないことを示す客観的証拠を収集し、社会復帰後の環境を整備するなどして釈放や保釈による身柄解放を目指します。

大麻取締法違反事件の場合、再犯防止のための活動が有利な判決を得るために重要でありそのためには公判の段階で治療施設を見つけ、監督体制を整備して、それをアピールしていくことが必要です。そのためには早期に身体解放することが重要になります。

 

②取調対応

大麻取締法違反事件では、しばしば営利目的の有無や、薬物を大麻であると認識していたかが争いになる場合があります。量が多い場合には、捜査機関も営利目的を疑ってくることが通常です。また大麻の認識についても、警察が大麻と認識していなかったという言い分を信じてくれることはほとんどないのが現状です。誤った調書にサインしてしまうと、刑罰が重くなる、無実にも拘らず処罰されるといった不利益が生じてしまうおそれがあります。

また、事実を認めている事件でも、販売ルートを正直に話すなど、取調べに適切に対応することで身体解放が早期に認められる場合もあります。このように、取調対応が非常に重要になってきます。

身柄事件であれば弁護士が接見することで、身体拘束のない在宅の事件であっても、弁護士と取調べ前に打合せすることで、取調べの際の注意点や、誤った調書にはサインしてはいけない等のアドバイスを受けることができます。このように弁護士をつけることで、取調べに対し適切に対応することが可能になります。

 

③公判で執行猶予判決を狙う弁護活動

大麻取締法違反の事件で初犯の事件の場合、再発防止策を講じることで執行猶予になる可能性はあります。執行猶予判決を獲得するためには、被告人が刑務所に入らなくても、再び大麻を使用しない・近づかないことを適切に主張する必要があります。

執行猶予判決の獲得へ向け、被疑者本人の真摯な反省や薬物依存症への治療、家族などの監督環境を整える等して、社会の中で更生するべきであることを説得的に主張していきます。実刑判決を避け、執行猶予を獲得したい場合には、すぐに弁護士へご相談ください。

 

④否認事件での弁護活動

大麻の所持や譲り渡し等の事件では、たとえば中身を知らされず運ばされた場合のように、違法な物とは知らずに行った行為で検挙されることが考えられます。

大麻の所持・譲渡も、故意にやった犯罪ですから、中身が大麻であることを認識していることが必要です。一般に大麻を所持、輸入していた場合に、大麻とは認識していなかったという弁解は警察に聴きいれられることは難しく、逮捕される蓋然性が高いです。しかし、弁護人が大麻でないという認識だったことを示す、証拠や証言を収集することで、認識がなかったと争って無罪を目指すことは可能です。現に大麻であるとの認識がなかったことが、裁判所に認められ無罪となったケースもあります。

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