10代少女に背後から抱き付きわいせつ行為をしたとして、強制わいせつ致傷罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
三重県津警察署は、10月20、津市内の路上で、県内に住む10代女性の背後から抱きつき、胸や下半身などを触るわいせつ行為をし、その際に捻挫や打撲など全治約1週間のけがを負わせた強制わいせつ致傷罪の疑いで、10月31日、20代の男を逮捕しました。
逮捕された男は犯行を認めているようです。
強制わいせつ致傷罪
まず強制わいせつ致傷罪を解説する前に、強制わいせつ罪を解説します。
強制わいせつ罪とは
①13歳以上に対して、わいせつな行為をすること
②13歳未満に対して、わいせつな行為をすること
の何れかで成立する犯罪です。
今回の事件は被害者の年齢まで公表されていないので①と②何れに該当するかは分かりませんが、何れにしても、抱き付くという行為は、強制わいせつ罪でいうところの「暴行」に該当するでしょう。
ちなみに強制わいせつ罪の法定刑は「6月以上10年以下の懲役」です。
それでは「強制わいせつ致傷罪」について解説します。
強制わいせつ致傷罪とは、強制わいせつ行為の際に被害者に傷害を負わせた時に成立する犯罪です。
今回の事件で被害者は全治1週間の傷害を負っているようですが、ちょっとしたかすり傷だったとしても、被害者が怪我をすると強制わいせつ致傷罪となります。
その場合、法定刑は「無期又は3年以上の懲役」となり、起訴された場合の刑事裁判は裁判員裁判で行われます。
強制わいせつ致傷罪は、数ある刑事事件の中でも重い犯罪に分類され、初犯であっても実刑判決となることが十分に考えられる事件です。
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