Archive for the ‘薬物事件’ Category

薬物所持で逮捕

2021-05-28

薬物所持逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
三重県津市の交番に、落とした財布を取りに来たAさんは、大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕されました。
Aさんは、乾燥大麻が入った袋を財布に入れており、落とし物として届けられた財布の持ち主を確認しようと警察官が財布の中身を調べたところ、乾燥大麻が見つかったため、持ち主のAさんを逮捕したということです。
Aさんは、逮捕されるまで大麻を財布に入れていたこと自体を失念していました。
(フィクションです。)

薬物の所持

覚せい剤、大麻、麻薬、危険ドラッグなど薬物事件の大半を占めるのは、使用や単純所持の事案です。
薬物所持の罪における所持とは、「人が物を保管する実力支配関係を内容とする行為をいうのであって、その実力支配関係の持続する限り所持は存続するものというべく、かかる関係の存否は、各場合における諸般の事情に従い社会通念によって決定されるもの」であり(最大判昭30・12・21)、「必ずしも覚せい剤を物理的に把持することは必要ではなく、その存在を認識してこれを管理し得る状態にあるをもって足り」(最判昭31・5・25)、「人が物を保管する意思をもって、その物に対し実力支配関係を実現する行為をすれば、それによって物の所持は開始される。そして一旦所持が開始されれば爾後所持が存続するためには、その所持人が常にその物を所持しているということを意識している必要はないのであって、苟くもその人とその物との間にこれを保管する実力支配関係が持続されていることを客観的に表明するに足るその人の容態さえあれば所持はなお存続する」(最大判昭24・5・18)とされています。

所持には、様々な種類に分けられます。
自ら直接物に対する実力支配関係を有していることを「直接所持」といい、物を把持・携帯するなどの形態で物を身体的に直接支配している場合、自己が支配・管理している住居や事務所などの場所に置くことにより直接支配している場合、コインロッカーに入れてそのカギを所持する場合などが該当します。
また、知人などに者の保管・管理を任せている場合の所持を「間接所持」といいます。

このような「所持」の概念を前提とすれば、薬物を紛失・遺棄した場合であって、物に対する実力支配関係が中断されているケースではどうなるのでしょうか。

Aさんは、大麻が入っている財布を落とし、警察に逮捕されるまで、大麻を財布に入れていたことを忘れていました。
判例に基づく「所持」の概念の理解によれば、薬物の存在を認識してこれを管理し得る状態であれば「所持」と言えるのですが、Aさんが警察に逮捕されるまで、Aさんは一定期間薬物の存在を認識しておらず、これを管理できる状態でなかったとなれば、所持罪は成立しないことになります。
ただ、それは少なくともAさんが財布を落としてから警察に逮捕されるまでの間についてのみであって、それ以前の、Aさんが大麻を財布に入れていることを認識しており、大麻を管理できる状態にあった期間については所持罪が成立するものと考えられますので、置き忘れた薬物所持の事案について何ら罪が成立しないとは限りません。

しかしながら、Aさんが財布を落としてからかなりの間財布が放置されており、第三者が大麻を財布に忍ばせたという可能性が否定できないという場合には、罪の成立を争う余地があるでしょう。

薬物の単純所持であっても、その法定刑は決して軽くはありません。
ご家族が薬物所持逮捕された場合には、早期に薬物事件に強い弁護士に相談されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、薬物事件をはじめとした刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件を起こし対応にお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

薬物事件における弁護活動

2021-05-11

薬物事件における弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
三重県熊野市に住むBさんは、ある日、三重県熊野警察署から、「薬物事件でご主人を逮捕しました。」と電話で連絡を受けました。
Bさんの夫は容疑を認めているとのことでしたが、突然のことで頭が真っ白になったBさんは、どう対応したらいいものか分からず、ネットで相談に乗ってくれる弁護士を探しました。
弁護士に連絡を入れると、すぐに警察署で接見してくれることになりました。
(フィクションです。)

薬物事件における弁護活動

通常、刑事事件における重要な弁護活動のひとつとして挙げられるのが、被害者との示談交渉です。
被害者がいる刑事事件では、被害が回復しているかどうか、被害者が被疑者・被告人に対してどのような感情を抱いているか、といった点が、検察官が起訴・不起訴を決める際、あるいは、裁判官が被告人を有罪とする場合にいかなる刑罰を科すべきか考える際に考慮されます。
そのため、できる限り早くに被害者への謝罪・被害弁償を行い、示談を成立させるよう働きかけることが重要であり、弁護人は代理人として被害者との示談交渉を行います。

しかしながら、薬物事件のように被害者がいない事件の場合には、示談の有無は最終的な結果には影響しないことになります。
それでは、被害者が存在しない薬物事件では、弁護人はどのような弁護活動を行うことが期待されるのでしょうか。
ここでは、上記事例のように被疑事実を認めている場合について説明します。

1.身柄解放

薬物事件で逮捕された場合、その後に勾留される可能性は非常に高いです。
薬物の入手経路が明確でない場合、共犯者がいる事件や薬物の前科前歴がある場合などは、特に勾留される可能性が高いと言えます。
しかしながら、不要・不当な身体拘束は認められるべきではありませんので、勾留の要件を満たしていないと考えられる場合には、勾留に対して不服申し立てを行う必要があります。
弁護人は、客観的な証拠に基づき、勾留の要件を満たしていない旨を主張し、裁判官に対して勾留をしないよう働きかける、勾留がなされてしまった後にはその決定に対して不服申してを行い、早期釈放に向けて働きかけます。
残念ながら勾留となり、不服申し立ても認められなかった場合であっても、起訴後に保釈を利用して釈放となる可能性はあります。
保釈は、一定金額の保釈保証金を納めることで釈放される制度です。
保釈は起訴後でなければ請求することができません。
捜査段階での釈放が難しいと言われる薬物事件であっても、保釈は、身元引受人がおり、帰住先が確保されている場合には認められる可能性はあります。

2.裁判に向けた弁護活動

容疑を認めている薬物事件では、裁判において、いかに被告人が再び薬物に手を出してしまうおそれがないことを立証するかが重要となります。
弁護人は、事件後から裁判までの間に、どのように被告人が薬物を断ち切り、薬物とは縁を切った生活を送るようになったのかを裁判で明らかにします。
そのためには、薬物に手を出してしまった根本的な原因を明確にし、その上で、薬物に手を出さないようにするためには今後どうしていくべきかを、被告人本人やその家族と一緒になって考えていかなければなりません。
弁護人は、被告人やその家族、また専門家と協力しながら一緒に薬物との関係を断ち切るプロセスに関与します。
そして、そのプロセスを証拠化し、裁判では、裁判官に被告人が社会内での更生が期待できると認めてもらるよう努めます。

薬物事件は決して軽い犯罪ではありませんので、長期の身体拘束や厳しい結果が予想されることが少なくありません。
しかしながら、早い段階から適切な弁護活動を行うことで、身柄解放や執行猶予の獲得に成功するケースもありますので、できるだけ早期に弁護士に相談されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、薬物事件を含めた刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が薬物事件を起こし逮捕されてお困りであれば、弊所の弁護士に今すぐご相談ください。
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危険ドラッグの所持事件 違法性の認識

2020-03-13

危険ドラッグ所持と違法性の認識について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士が説明します。

◇危険ドラッグの所持事件◇

三重県桑名市に住んでいるAさんは、友人からいわゆる危険ドラッグの購入を勧められました。
Aさんは、当初は購入を拒んだが、友人から「これは海外ではリラックス効果のあるアロマとして販売されており、日本での使用や所持は禁止されていないから大丈夫だ」といわれ、その言葉を信じ、危険ドラッグを購入することにしたのです。
しかし後日、Aさんは法律上禁止された危険ドラッグを購入したとして、三重県桑名警察署に逮捕されてしまいました。
Aさんは、購入したのは単なるアロマだと思っていた以上、犯罪にはならないと主張しているようです
(フィクションです。)

◇危険ドラッグについて◇

「危険ドラッグ」や「脱法ドラッグ」といった言葉には法律上明確な定義があるわけではなく、どのような薬物が対象となるのかは明確ではありません。
もっとも、「危険ドラッグ」や「脱法ドラッグ」と呼ばれる薬物は、身体に影響がないわけではなく、大麻や麻薬、覚せい剤と同じ成分が含まれており、薬物によっては麻薬や覚せい剤よりも身体に悪影響を与えるおそれのあるものもあります。

このような「危険ドラッグ」や「脱法ドラッグ」については、医薬品医療機器等法に基づいて指定されているものが多く、医療等の用途以外の用に供するための、指定薬物の製造・購入・販売・所持・使用・輸入・授与・譲受が処罰の対象となります。
上記のような行為を行った場合には、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はこれらが併科されるおそれがあります。

◇違法性の認識・故意について◇

上記の事例でのAさんは、購入した危険ドラッグは指定薬物として購入や所持が禁止されていないと考えて購入しています。
そのため、Aさんには危険ドラッグの購入、所持について違法性の認識がないと主張することが考えられます。

しかし、犯罪が成立するためには、違法性の認識は必要ないとされています(刑法38条3項:「法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし、情状により、その刑を減刑することができる」)
学説でも、一般的には違法性の認識がなくとも、違法性の認識の可能性が認められれば良いと考えられています。

仮にある行為が犯罪になることを知らなかった場合であっても、法律を確認したり、官公庁に問い合わせるなどすれば、当該行為が犯罪になることを確認することが可能といえることから、違法性の認識の可能性は否定されません。

もっとも、裁判例では、違法薬物であるとの認識が未必的でさえなかったのであれば、故意がないとして無罪となっていますので、犯罪になるかどうかを知っていたかは故意の判断で重要となっています。

確かに、Aさんは危険ドラッグの購入の際に、売人の友人から「日本での使用や所持は禁止されていないから大丈夫だ」と言われ、その言葉を信じて指定薬物である危険ドラッグを購入しています。
もっとも、Aさんは、当初は購入を拒んでいたうえ、友人は医師や弁護士などの専門家ではなく、Aさんは危険ドラッグの購入に際し、官公庁などへの問い合わせも行わずに友人の話を信用しています。
そのため、Aさんは友人からの不確かな情報を信じて、法律上禁止された薬物かもしれないと考えて、指定薬物である危険ドラッグを購入したといえ、故意があったとされるでしょう。

このように、上記事例のAさんのように、アロマとして購入したものが指定薬物であったとしても、犯罪が成立しないとはいえず、医薬品医療機器法によって処罰されてしまうおそれがあります。
一方で、これまで問題なく購入していたとか、他の有名な小売店が輸入していたことを聞いていたなどの事情があれば、法律上禁止されていた薬物と認識しようがなかったといえ、故意が否定され、犯罪は成立しないでしょう。

危険ドラッグなどの指定薬物については、お香やアロマ、ハーブといった名称で販売されていることも多く、指定薬物であることが一見してわからないようになっています。
そのため、一般の人であっても知らず知らずのうちに犯罪に巻き込まれてしまうおそれがあります。
仮に指定薬物と知らずに購入してしまった場合には、弁護士を通じて、購入時に指定薬物であることを知らなかったことを警察などの捜査機関や裁判所に適切に主張する必要がありますので、できる限り早期に弁護士に相談することをお勧めします。

◇薬物事件に強い弁護士◇

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は、刑事事件を専門とした弁護士であり、危険ドラッグなど薬物事件の逮捕や取調べのご相談も受け付けています。
薬物事件についてお悩みの方は、フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお問い合わせください。

海外から覚せい剤を密輸 麻薬特例法違反で逮捕

2020-03-03

海外から覚せい剤を密輸しようとした麻薬特例法違反の容疑で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇事件◇

三重県名張市に住むAさんは、若いころから覚せい剤の密売で生計を立てています。
Aさんは、知人を通じて、ヨーロッパから100キロ単位の覚せい剤の密輸を企てました。
ヨーロッパの密売人が、重機の輸入品に覚せい剤を隠して日本に輸入しようとしたのですが、この取引を察知した、厚生労働省近畿麻薬取締局と、三重県警察本部薬物対策課によって、重機に隠されて輸入された覚せい剤が、覚せい剤を模した結晶に入れ替えられたのです。
その事実を知らないAさんは、重機が搬入された倉庫に覚せい剤を取りに行き、そこで捜査当局によって逮捕されてしまいました。        
(フィクションです)

◇麻薬特例法◇

「国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律」を省略して「麻薬特例法」といいます。
麻薬特例法は、平成4年に施行された法律で、薬物犯罪による薬物犯罪収益等のはく奪、規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図ることなどを目的にしています。

麻薬特例法で規制されている薬物は、麻薬、向精神薬、大麻、あへん、けしがら、覚せい剤です。
麻薬特例法でいう「薬物犯罪」とは、覚せい剤に限った場合、覚せい剤の輸出入、製造の罪(営利目的を含む)、又はこれらの未遂罪、所持、譲渡し及び譲受けの罪(営利目的を含む)、又はこれらの未遂罪、譲渡しと譲受け(営利目的を含む)の周旋の罪です。

◇コントロールド・デリバリー~泳がせ捜査~◇

コントロールド・デリバリーとは、捜査機関が覚せい剤などの禁制品であることを知りつつ、その場では押収せず、監視下の下に禁制品を流通させ、不正取引の関係者を特定する捜査手法をいいます。
その中でも、禁制品を無害の物品に入れ替えて流通させる方法をクリーン・コントロールド・デリバリーといいます。
コントロールド・デリバリーは、刑事訴訟法197条1項によって任意捜査として許容されており、麻薬特例法第4条第1項第1号では、税関長は、貨物に規制薬物が隠匿された場合が判明した場合、当該貨物の輸出入の許可をすることができることを規定しています。

◇薬物等の譲り受け等◇

規制薬物としての薬物等の譲り受け等の罪に関しては麻薬特例法第8条第2項に規定があります。
ここでは、薬物犯罪(規制薬物の譲渡し、譲受け又は所持に係るものに限る)を犯す意思をもって、薬物その他の物品を規制薬物として譲り渡し、若しくは譲り受け、又は規制薬物として交付を受け、若しくは取得した薬物その他の物品を所持した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する旨が明記されています。
ここでの「薬物」とは、規制薬物でないことが明らかである薬物のほか、規制薬物であるか否かの証明が十分でない薬物を含みます。
つまり、譲り受けなどした物が覚せい剤などの現物(薬物)でなくても、本罪による逮捕、処罰が可能になるのです。
この規定は、覚せい剤等の規制薬物に係る不正行為を助長する行為を防止するために設けられています。
つまり、規制薬物として譲り受けする行為は、覚せい剤等の規制薬物に係る不正行為を助長し、社会に害悪を及ぼす行為と考えられているのです。
覚せい剤取締法の譲り受け事件は、覚せい剤そのものが存在しなければ立件することが困難ですが、麻薬特例法ではその必要はありません。
ただ、現物が覚せい剤等の薬物ではないことから、本罪の法定刑は覚せい剤取締法よりもかなり軽くなっています。

◇薬物事件に強い弁護士◇

三重県内の薬物事件、ご家族、ご友人が麻薬特例法違反で厚生労働省麻薬取締局や三重県警察等の捜査当局に逮捕された方は、薬物事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料

3年前の覚せい剤所持罪で逮捕

2020-02-18

3年前の覚せい剤所持容疑で警察に逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇3年前の覚せい剤所持事件で逮捕◇

3年前Aさんは、三重県四日市市内のワンルームマンションで、交際していた女性と同居していました。
当時、二人は覚せい剤を常習的に使用しており、ある日、彼女は覚せい剤の使用容疑で、三重県四日市警察署に逮捕されてしまいました。
その後、Aさんと同居していたマンションにも警察の捜索が入り、そこから覚せい剤が押収されたようですが、彼女の逮捕を知ったAさんは、自分にも捜査の手が及ぶことをおそれ、実家のある九州に引っ越していました。
その後彼女は、執行猶予付きの判決を受けて釈放されたようですが、Aさんは覚せい剤を絶ち、九州で平穏に暮らしていました。
そして最近になって、彼女を逮捕した三重県四日市警察署の捜査員が、Aさんの実家を訪ねてきて、Aさんを逮捕したのです。
逮捕容疑は、3年前に彼女と同棲したマンションの部屋で覚せい剤を所持していたという覚せい剤所持容疑でした。
(フィクションです。)

◇覚せい剤の所持事件◇

3年も前の覚せい剤の所持事件で警察に逮捕されるなんて信じ難い話しかもしれませんが、覚せい剤の所持事件については、相当な時間が経過して逮捕されるケースが少なくありません。
「覚せい剤の所持事件は現行犯でなければ逮捕できない。」といった誤った情報がインターネット等に流れていますが、決してそうではなく、過去の覚せい剤の所持容疑で逮捕されることはよくあることです。

◇所持◇

覚せい剤の所持事件でいうところの「所持」の概念ですが、「所持」という文字だけを見ると「実際に持っている」というイメージがあるでしょう。
つまり

●手に持ったり、ポケットやカバンに入れて実際に持っている。
●運転する車の車内に隠し持っている。

などといったように、実際に携帯している場合が「所持」に当たると考えているのではないでしょうか。

当然、このような状態は所持に該当しますが、覚せい剤の所持違反でいうところの「所持」はこれだけではありません。
例えば、コインロッカーに覚せい剤を預けて、そのロッカーのカギを持っている場合や、自分の住んでいる部屋に覚せい剤を隠し持っている場合など、実質的支配下に覚せい剤がある場合は、覚せい剤の所持違反となる可能性が高いです。
つまりAさんの場合も、彼女が警察に逮捕された当時に住んでいたマンションに覚せい剤を隠し持っていたのであれば、警察の捜索時にマンションに居なかったとしても、Aさんに覚せい剤の所持容疑がかかることとなるのです。

◇覚せい剤容疑を免れるために◇

まずAさんにマンションの部屋に覚せい剤があった認識があるかが問題となります。
もし当時の彼女と使用する覚せい剤を、部屋に隠していたのであれば、その覚せい剤は彼女とAさんの共同所持(二人の物)となり、Aさんも覚せい剤所持違反となります。
逆に、彼女がAさんに黙って隠し持っていたとすれば、マンションの部屋はAさんの支配下にありますが、覚せい剤が室内にある認識がAさんにないので、覚せい剤所持の故意が認められず、Aさんは覚せい剤所持の刑責を免れる可能性があります。

3年も経過して、警察がAさんを逮捕したのは、客観的な証拠から「部屋から押収した覚せい剤はAさんの物」を裏付けることができたからだと考えられます。
例えば、逮捕された彼女が「部屋から押収された覚せい剤はAさんの物です。」などと供述したり、こういった供述がなくても、覚せい剤は入ってる袋などからAさんの指紋が検出されたりしたのではないでしょうか。

◇薬物事件に強い弁護士◇

刑事事件を専門にする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、これまで数多くの薬物事件を扱ってきた実績がございます。
覚せい剤の所持事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

津市の覚せい剤事件

2020-01-25

津市の覚せい剤事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇◆事件◆◇

三重県津市に住む会社員のAさんは、数年前から覚せい剤を使用しており、先日、ついに三重県津南警察署の警察官に職務質問を受け、所持していた覚せい剤が見つかり、覚せい剤所持罪逮捕されてしまいました。
Aさんは、10日間の勾留を経て、覚せい剤の所持罪で起訴されました。
(フィクションです)

◇覚せい剤取締法違反◇

覚せい剤取締法は、「覚せい剤の濫用による保健衛生上の危害を防止するため、覚せい剤及び覚せい剤原料の輸入、輸出、所持、製造、譲渡、譲受及び使用に関して必要な取締を行う」ことを目的とした法律です。

覚せい剤取締法において規制の対象となる「覚せい剤」とは、
・フェニルアミノプロパン、フェニルメチルアミノプロパン及びその塩類
・上と同種の覚醒作用を有する者であって政令で指定するもの
・上の2つのいずれかを含有するもの
と定義されています。
ですので、覚せい剤取締法が規制の対象としているのは、必ずしも純粋な覚せい剤に限るものではなく、混合されたものであっても「覚せい剤」に当たることになります。
また、覚せい剤が他のものと混合し、覚せい剤の含有量が少量であっても、「覚せい剤」に当たります。

先述したように、覚せい剤取締法は、除外事由なく覚せい剤の輸入・輸出・所持・製造・譲渡・譲受・使用を禁止しています。
ここでは、上記ケースで容疑がかけられている「所持罪」について説明します。

◇所持罪◇

覚せい剤取締法第14条は、覚せい剤製造業者等の一定の資格を有する者が所持する場合等を除いて、覚せい剤の所持を禁止しています。
覚せい剤の所持罪は、①「覚せい剤を」、②「みだりに」、③「所持すること」、により成立する犯罪です。
「所持」とは、どのような行為を指すのでしょうか。
「所持」とは、「人が物を保管する実力支配関係を内容とする行為をいうのであって、その実力支配関係の持続する限り所持は存続するものというべく、かかる関係の存否は、各場所における諸般の事情に従い社会通念によって決定されるものである」とされます。
つまり、覚せい剤の所持は、「覚せい剤を自己の支配下に置く行為」となります。

過去の判例では、次のような場合も「所持」が認められています。
・物理的に把持する必要はなく、その存在を認識して管理し得る状態にある場合
・直接所持しなくてもよく、他人の行為を介して自己の所持を実現したと認められる場合
・所有者でない場合
・比較的短時間の携帯にすぎない場合

また、所持罪が成立するためには、「覚せい剤を自己の実力的支配内に置くことを認識していること」(=故意)が必要となります。
覚せい剤と知りつつ自己の実力的支配内に置けばそれだけで所持罪が成立し、積極的に覚せい剤を自己又は他人のために保管する意思や、自己使用又は第三者に使用させる意思などは必要ありません。

所持については未遂罪も処罰されます。
他人から覚せい剤の保管を頼まれ、これを承諾し、覚せい剤を預かり保管するために受け取ろうとした時点で逮捕された場合も、未遂罪が成立することになります。

所持罪の法定刑は、10年以下の懲役です。
ちなみに営利目的での所持は、1年以上の有期懲役、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金です。

三重県津市で、覚せい剤所持罪などの薬物事件に強い弁護士をお探しの方、ご家族、ご友人が覚せい剤の所持事件で警察に逮捕されてしまった方は、三重県の刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律にご相談ください。
フリーダイヤル0120-631-881で24時間365日、初回接見、無料法律相談のご予約を承っておりますのでお気軽にか電話ください。

家族を保釈してほしい方へ

2019-10-27

保釈について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事件~

三重県四日市市に住むAさんの息子は、過去に2回、覚せい剤を使用した事件で警察に逮捕された前科があり、昨年の夏まで、刑務所に服役していました。
息子は、刑務所から出所して、Aさんが営む家業を手伝っていたのですが、Aさんの知らないところで再び覚せい剤を使用していたらしく、1ヶ月ほど前に三重県四日市警察署に逮捕されて、つい先日、覚せい剤取締法違反で起訴されてしまいました。
そして国選弁護士からは「短い期間で再犯を繰り返しているので実刑判決が確実だろう。保釈も難しい。」と言われてしまいました。
しかしAさんの奥さんがガンで余命宣告を受けているので、Aさんは、せめて刑が確定するまで息子さんを保釈で自宅に帰ってこさせたいと考えています。
そこでAさんは三重県で保釈に強いと評判の弁護士に息子さんの保釈を依頼することにしました。(フィクションです)

◇保釈◇

警察等の捜査当局に身体拘束を受けた状態で起訴された場合、起訴されてから刑事裁判で刑が確定するまでの間、裁判官の許可を得て、保釈金を納付することで身体拘束が解かれます。これを保釈といいます。
保釈は、被告人に選任された刑事弁護人等が、裁判官に対して請求し、これが認められた上で保釈金を納付した場合にだけ認められます。
そして保釈には以下の3種類があります。

◇権利保釈◇

まず権利保釈について解説します。
権利保釈は、刑事訴訟法第89条に規定されており、以下の全ての要件を満たす場合、裁判官は保釈を認めなければいけません。
①死刑・無期・短期1年以上の懲役・禁錮に当たる事件ではない
②被告人が前に死刑・無期・長期10年を超える懲役・禁錮に当たる罪で有罪の宣告を受けたことがない
③常習として長期3年以上の懲役・禁錮に当たる罪を犯した事件ではない
④罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がない
⑤被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者・その親族の身体・財産に害を加え、またはこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由がない
⑥氏名・住居が分かるとき
Aさんのように、刑務所から出所したばかりの再犯の場合、権利保釈が認められる可能性は非常に低いと考えられます。

◇裁量保釈◇

裁判所の裁量で保釈を認めることを「裁量保釈」といいます。
裁量保釈は、権利保釈のように明確な要件が存在するわけではありません。
そのため、弁護人がいかにして保釈の必要性と相当性を裁判官に訴えるかが、保釈が認められるかどうかに影響するのです。
裁判官は
①逃亡のおそれがないこと
釈放された被告人に逃亡のおそれがないことを証明しなければなりません。
そのためには、保釈後に住定地があり、監督者が存在することが必要となります。
②罪証隠滅のおそれがないこと
事件の被害品等の証拠品は、起訴された時点で捜査機関の管理下にあるので、証拠品を隠滅することは事実上不可能でしょう。
③保釈を求める理由があること
一般的な保釈を求める理由とは、病気の治療や、仕事に関すること、家族に関すること等だといわれています。
身体拘束を受けることによって被告人が被る、健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益を裁判官に訴える必要があります。
それらに加えて裁判官は、事件の内容や、被告人の性格、素行、家族関係、健康状態、拘束期間、裁判の見通し、保釈金の額などの様々な諸事情を考慮し保釈の必要性や相当性を判断します。
Aさんの息子さんの場合、保釈が認められるとすれば、この裁量保釈によって保釈が認められる可能性が高いでしょう。

◇義務保釈◇

身体拘束が不当に長くなった被告人に認められるのが義務保釈ですが、実務上、滅多にあるものではなく、毎年数人しか義務保釈で釈放される被告人はいません。

保釈を求める理由は人それぞれですが、身体拘束が長期間に及ぶことによって、本人だけでなく、ご家族様にまで大きな不利益が生じてしまうことは少なくありません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は、被疑者、被告人、またご家族様の不利益を少しでも軽減し、その様な方々の権利を少しでも守るための活動をお約束します。
三重県でご家族、ご友人の保釈を求めておられる方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料

覚せい剤事件の一部執行猶予

2019-10-15

覚せい剤事件の一部執行猶予について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇事件内容◇

志摩市に住むAさんは、覚せい剤の使用事件で刑務所に2年間服役し、去年の9月に満期で出所しました。
出所後も覚せい剤を止められなかったAさんは、再び覚せい剤に手を出してしまい、1週間ほど前に覚せい剤を使用した数時間後、志摩市内のコンビニの駐車場で休んでいたところ、三重県志摩警察署の警察官に職務質問を受けました。
そして、警察署に任意同行されて任意採尿の後に、再び覚せい剤の使用容疑逮捕されてしまったのです。
Aさんの家族は、少しでもAさんの刑務所に服役する期間を短くしたいと考え、一部執行猶予について刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

◇執行猶予◇

執行猶予とは、裁判官が犯罪を認め有罪を認定したものの、言い渡した刑事罰(懲役刑、罰金刑)の執行を一定期間猶予することをいいます。執行猶予には「全部執行猶予」と「一部執行猶予」の2種類があります。

◇全部執行猶予◇

全部執行猶予を受けるための要件は、刑法に規定されており、その内容は下記のとおりです。

刑法第25条1項

次に掲げる者が3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる

第1号 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
第2号 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を受けた日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者

この内容を要約すると、執行猶予を受けるためには

①3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けること
②上記1号、あるいは2号に該当すること
③(執行猶予付き判決を言い渡すのが相当と認められる)情状があることこと

が必要となります。

◇Aさんの事件を検討◇

上記1号の「前に禁錮以上の刑に処せられた」とは、判決前に、禁錮以上の刑の言渡しを受け、その刑が確定していることを意味します。
Aさんは懲役2年の実刑判決を受け刑務所に服役している歴があるので、1号には当たりません。
続いて2号に当たるか検討します。「執行を終わった日」とは刑の服役期間が満了した日をいい、Aさんの場合、去年の9月に刑務所を満期出所していますので、2号の要件も満たしていません。
つまりAさんは、法律的にも全部執行猶予を得ることは不可能に近いでしょう。

◇一部執行猶予◇

薬物事件を犯した者に対する一部執行猶予については、「薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律(以下「法律」)」に規定があります。
一部執行猶予判決を受けるには次の要件が必要です(法律3条)。

①薬物使用等の罪を犯したこと
②本件で、1の罪又は1の罪及び他の罪について3年以下の懲役又禁錮の判決の言い渡しを受けること
③刑事施設における処遇に引き続き社会内において規制薬物等に対する依存の改善に資する処遇を実施することが、再び犯罪をすることを防ぐために「必要」であり、かつ、「相当」であること

なお、薬物使用等の罪については、他の犯罪と異なり、前科の要件は必要とされていませんので、Aさんのような累犯前科を持つ方であっても、一部執行猶予判決の対象となり得ます。

◇対象となる事件◇

法律第2条2項には列挙されている対象となる薬物事件とは

大麻の所持又はその未遂罪(2号)
覚せい剤の所持、使用等又はこれらの罪の未遂罪(4号)
麻薬及び向精神薬取締法の所持罪等(5号)

です。

◇全部執行猶予との違いは?◇

一部執行猶予判決がついてもあくまで「実刑判決」の一部であることに変わりはありません。執行猶予を猶予された期間以外は刑務所に服役しなければなりませんが、刑務所に服役する期間が短くなるというメリットがあります。

 

志摩市の薬物事件において執行猶予付きの判決を望んでいる方は、一度、薬物事件の一部執行猶予の獲得に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、薬物事件に関するご相談をフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。

【薬物事件】大麻事件で逮捕

2019-08-12

大麻事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇事件◇

三重県多気郡明和町に住むAさんは、高校時代の友人から大麻を勧められ、大麻を使用するようになりました。
Aさんが大麻を使用するのは、友人と一緒にいるときだけで、使用する大麻は友人が入手した物を分けてもらっていました。
ある日、友人が大麻取締法違反(大麻所持)三重県松阪警察署逮捕されたと知人を通じて知りました。
逮捕されることをおそれたAさんは、逮捕される前に刑事事件に強い弁護士に相談しようと思い、薬物事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に法律相談の予約を入れました。
(フィクションです)

◇大麻取締法違反◇

大麻を中心とした薬物が蔓延しており、最近は、芸能人等の著名人が薬物事件で逮捕・起訴されるといったニュースも珍しくありません。
大麻は、海外ではマリファナと呼ばれており、海外の一部の国や地域では、医療大麻だけではなく嗜好品としての大麻の使用や所持が合法とされています。
しかし、日本では、大麻は「大麻取締法」で規制されており、海外で合法であるからといって容易に大麻に手を出すと、刑事責任を問われることになります。

大麻取締法で規制される「大麻」とは、「大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。」(大麻取締法第1条)です。
許可を得た者以外の者が、大麻を所持し、栽培し、譲り受け、譲り渡し、又は研究のために使用することは禁止されています(同法第3条)。
これに反し、大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役が科せられる可能性があります(同法第24条の2)。

上記ケースでは、友人は大麻所持の容疑で逮捕となったようです。
所持の許可を得ている大麻取扱者である場合は別として、友人がそのような立場になく「みだりに」大麻を「所持」しているのであれば、大麻取締法違反に問われることになります。
「所持」とは、「人が物を保管する実力支配関係を内容とする行為」を意味します。
大麻について所有権や処分権を有している必要はありません。
所有の形態は、自ら保管・携帯している場合だけでなく、他人に保管させる場合、他人の依頼によって保管する場合、運搬する場合、隠匿する場合など社会通念上実力支配関係にあると認められるすべての場合が含まれます。
もし友人が、Aさんが使用する大麻を、Aさんに渡しているのであれば、友人は、大麻譲渡でも罪に問われる可能性が高くなります。

友人に対する取調べから、Aさんに大麻を渡したことも明らかになれば、当然、Aさんにも警察の捜査が及ぶでしょう。
そうなれば、警察はAさんに対して大麻譲受の罪で捜査を開始します。
しかし、大麻の譲受だけで逮捕されるケースは極めて稀です。
その理由は、Aさんに譲り渡し物が、はたして大麻かどうかを立証することが困難だからです。
この場合、Aさんに対して、その関係先に捜索差押えが行われて、それによって大麻が発見押収されれば、大麻の所持罪で逮捕されるでしょう。
大麻が発見されなかった場合は、譲受の容疑はかけられますが、その後、逮捕、起訴されるまでの可能性は非常に低いと考えられます。

さて、Aさんも友人も大麻を「使用」していますが、これについては罪に問われるのでしょうか。
実は、大麻の「使用」については罰則が設けられていません。
覚せい剤については、「使用」についても罰則が設けられており、その法定刑は10年以下の懲役とされています。
大麻の「使用」自体が罪にならないからといって、「私は大麻を使用しただけです」といった主張は通りません。
大麻を譲り受けたり所持したりせずに使用することは事実上不可能だからです。
「使用」したということは、誰かから大麻を譲り受けており、かつ所持していたということになります。
ただ実際は、大麻そのものが押収されていない限りは逮捕、起訴するまでの可能性は低く、大麻事件の場合は、その事件に関する大麻が押収されているかどうかが、起訴されるか否か、更には有罪か無罪かの判断基準になるようです。

大麻取締法違反逮捕されると、その後に勾留が付く可能性は高いでしょう。
大麻の入手経路を明らかにするために、被疑者に対して取調べをする必要がありますし、関係者らと接触し罪証隠滅をはかるおそれもあるため、逮捕に引き続き身体を拘束して捜査を進める必要があると判断されるからです。
また、大麻関係者らとの接触を阻止するため、勾留が決定するとともに、弁護士との接見以外を禁ずる接見禁止が付される可能性もあります。
そうなれば、勾留後であっても接見禁止が付されている間は、被疑者の家族であっても被疑者と面会することは出来ません。

弁護士であれば、逮捕から勾留までの間や接見禁止が付いている間であっても、いつでも被疑者と接見を行うことが可能です。

三重県多気郡明和町で、ご家族が大麻取締法違反逮捕された、接見禁止が付いていて面会できないとお困りであれば、今すぐ刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

三重県名張警察署から大麻所持容疑事件で逃走

2019-07-09

大麻所持事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇事件◇

無職のAさんは、友人から「三重県名張市の山中に大麻が自生している」という話を聞き、深夜、自生大麻を採りに三重県名張市の山中に行きました。
そこでAさんは、自生している大麻を伐採し、車に積み込んで自宅に帰ろうとしたのですが、車を運転し始めてすぐに、パトカーに乗った警察官から職務質問を受け、伐採した大麻が見つかってしまいました。
Aさんは、三重県名張警察署まで任意同行されて、取調べを受けると共に、先ほど伐採した大麻を警察に押収されてしまいました。
Aさんは、警察官から「これから大麻かどうか鑑定する。鑑定結果によっては逮捕するかもしれない。」と言われて帰宅が許されたのですが、今後逮捕されることをおそれたAさんは、自宅に戻らず逃亡生活を始めました。
(フィクションです。)

◇三重県名張警察署◇

【所在地】〒518-0751 三重県名張市蔵持町芝出837-3
【電話番号】0595-62-0110

三重県名張警察署は、名張市と伊賀市青山町を管轄する警察署です。
名張市は、大阪都市圏まで電車で1時間ほどですので、かつては大阪のベッドタウンとして発展し、人口も増加傾向にありましたが、最近は奈良県で住宅開発が進んだこともあり、人口は減少傾向にあり管内人口は8万8千人ほどです。
三重県警察のホームページによりますと、三重県名張警察署管内の、平成30年度の刑法犯犯罪発生件数は400件を超えており、三重県内では比較的大規模な警察署です。
(三重県警察のホームページを参考)

◇Aさんの違法行為◇

大麻を規制している大麻取締法では、大麻の栽培、輸入・輸出、所持、譲渡、譲受等が禁止しており、違反した場合の罰則が規定されています。
Aさんの行為について検討しますが、自然界に自生している大麻を伐採する行為自体が直ちに大麻取締法に抵触するとは考えにくいですが、伐採した大麻を自宅に持ち帰ろうとした行為は、大麻取締法でいうところの所持罪に当たるでしょう。
大麻取締法では、大麻を不法に所持することを禁止しており、これに違反した場合は、非営利目的で「5年以下の懲役」の罰則が設けられています。ちなみに、営利目的で所持していた場合には「7年以下の懲役情状によって200万円の罰金を併科」と罰則が厳罰化されています。

~大麻の所持罪で逮捕されるケース~

警察官から職務質問を受けたり、警察官の捜索を受けたりして、所持している大麻が見つかってしまった場合、その場で簡易鑑定が行われて現行犯逮捕されるケースがほとんどですが、所持していた大麻が微量であった場合や、所持している大麻の形状が簡易鑑定に向かない場合などは、その場で簡易鑑定が行われない場合があります
その場合は、科学捜査研究所で鑑定がなされて、その結果によって、後日通常逮捕されることになるようです。Aさんのケースは、これに該当します。

◇逮捕から逃れるために逃走すると◇

Aさんのように、警察の逮捕から逃れるために逃走すると、どうなってしまうのでしょうか?
逮捕から逃れるために逃走している事実が発覚すれば、警察は逮捕状を取得して行方を捜査するでしょうし、場合によって指名手配されて顔写真等が世間に公開される可能性もあり得ます。またいつまで逃げれば逮捕されるリスクがなくなるのかと考えると、それは、時効が成立するまで逃げ切るしかありません。
大麻所持罪(非営利目的)公訴時効「5年」ですので、逃走によって逮捕を完全に免れるには、事件が発覚した日から5年間もの長期にわたって逃げ続ける必要があります。
友人や、知人の援助を受けながら逃走した場合は、その友人や知人が犯人隠避罪や、犯人蔵匿罪などといった罪名で逮捕される可能性もあるので注意しなければならないでしょう。

◇大麻所持罪の量刑◇

上記したように、大麻所持の法定刑については
非営利目的所持・・・5年以下の懲役
営利目的所持 ・・・7年以下の懲役(情状により200万円以下の罰金を併科)
です。
大麻の所持罪で起訴されて有罪が確定すれば、この法定刑内の刑事罰が科せられることになるのですが、初犯の場合であれば、ほぼ執行猶予付きの判決となるでしょう。
ただAさんのように逮捕を免れるために逃走していた場合などは、反省が認めらないとして、通常の量刑よりも厳しい刑事罰が科せられるおそれがあります。
大麻の非営利目的で起訴された初犯の判決は「懲役6月~1年、執行猶予2年~3年」が言い渡される場合がほとんどです。

三重県名張警察署の刑事事件でお悩みの方、伐採した自生大麻を所持した容疑で警察の捜査を受けている方は、薬物事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
初回法律相談:無料

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