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運転免許証を偽造

2019-09-01

運転免許証を偽造について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇事件◇

三重県南牟婁郡美浜町に住む会社員のAさんは、大学生の時に自動車教習所を卒業して、三重県公安委員会が発行する自動車の運転免許証を取得しました。
取得以降、更新を繰り返していたAさんでしたが、昨年の誕生日の際に更新を忘れてしまい、最近になって失効していることに気付きました。
Aさんは、通勤等で日常的に車を使用していますが、教習所に行く時間的な余裕もありません。そこでAさんは、失効した自分の運転免許証の氏名欄に、双子の弟の氏名を記載して免許証を偽造し、しばらくはこの偽造運転免許証を使用することにしたのです。
運転免許証を偽造して数週間後、Aさんは車で帰宅途中、赤信号で停止していたところ、後方からトラックに追突されるもらい事故にあいました。そして、その事故処理をした警察官に対して、偽造運転免許証を提示したのです。
この交通事故の数日後、Aさんのもとに三重県紀宝警察署の警察官から電話があり「運転免許証のことで事情聴取したいので警察署に出頭するように。」と言われてしまいました。
Aさんは、運転免許証の偽造が発覚したと思い、出頭前に刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

◇運転免許証◇

自動車の運転には、お住いの都道府県公安委員会が発行する運転免許証が必要なことは皆さんご存知でしょう。
運転免許証は、公安委員会で発行を受けると、その後決められた期間に更新さえしていれば生涯有効です。
しかし、定められた期間内の更新手続きを怠ってしまえば、その人の運転免許証は失効してしまい、その後、車を運転すると無免許運転になってしまいます。
更新の際は、事前に更新を知らせる通知が、運転免許証の住所地に郵送されますが、引っ越し等の際に運転免許証の住所変更をしていなければ手元に通知が届かず、知らぬ間に運転免許証が失効してしまうこともあるのが注意しなければなりません。
このコラムをご覧の方で、運転免許証をお持ちの方は、ご自身の運転免許証に記載されている有効期限をお確かめください

◇運転免許証の偽造等の法定刑◇

運転免許証の偽造行為は、有印公文書偽造罪に該当します。
有印公文書偽造罪の法定刑は、1年以上10年以下の懲役です(刑法第155条第1項、2項)。
公文書偽造罪とは、公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造することです。
文書偽造罪は、「行使の目的」を持って犯行に及ばなければ犯罪は成立しません。(目的犯)

今回の事件でAさんは、自ら偽造した運転免許証を、事故処理をする警察官に提示して使用いますが、この行為は偽造公文書行使罪となります。(刑法第158条第1項)
偽造公文書行使罪は、運転免許証を偽造した場合(有印公文書偽造罪)と同様の法定刑が定められています。

◇刑事弁護活動◇

~不起訴・無罪判決(前科回避)を目指す~

身に覚えのない運転免許証の偽造の容疑を掛けられてしまった場合、弁護士を通じて、警察や検察などの捜査機関または裁判所に対して、アリバイや真犯人の存在を示す証拠を提出したり、故意ではなく過失(記入ミス、申告漏れなど)であることを客観的証拠に基づいて指摘したりして、公文書偽造罪、偽造文書行使罪、道路交通法違反を立証する十分な証拠がないことを主張することで不起訴処分又は無罪判決を目指します。
実際に、偽造した運転免許証を所持していた場合でも、偽造免許証を使うつもりがなかったとか偽造免許証で他人を騙すつもりがなかったなどの事情がある場合には、免許証の偽造に「行使の目的」がなかった又は偽造免許証の「行使」には該当しないことを主張・立証することで、不起訴処分又は無罪判決を目指す弁護活動を行います。

~前科回避・正式裁判回避を目指す~

運転免許証の偽造による公文書偽造罪・道路交通法違反の成立に争いのない場合、免許証の偽造について犯行態様が悪質でないこと、組織的・反復的な犯行ではないことなどを主張して、起訴猶予による不起訴処分または略式裁判による罰金処分になるように(正式裁判にならないように)弁護活動を行うことが可能です。

~刑務所回避・減刑を目指す~

運転免許証の偽造で裁判になった場合でも、裁判所に対して、免許証偽造・不正取得の態様、目的、被害結果などから被告人に有利な事情を主張・立証するとともに、再発防止の具体的な取り組みや環境を示すことで、減刑及び執行猶予付き判決を目指します。

~身体拘束からの解放を目指す~

運転免許証の偽造事件で逮捕・勾留されてしまった場合には、事案に応じ、釈放や保釈による身柄拘束を解くための弁護活動を行います。

三重県南牟婁郡美浜町の刑事事件でお困りの方、運転免許証の偽造事件でお困りの方は、三重県内の刑事事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
三重県内の刑事事件に関する無料法律相談についてはフリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。

刑事処分の種類

2019-08-16

刑事処分の種類について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件を起こしてしまった方からの法律相談が多数寄せられます。
その様な方々からの相談で一番多いのが「どのような処分になりますか?」といった処分に関するご相談です。
法律や、各種条例には、法定刑というものが定められており、法定刑の範囲内で刑事罰が科せられることになります。
当然、適用された法律や条例によって、その法定刑は異なるのですが、同じ法律や条例が適用された場合でも決定する刑事処分はそれぞれ違います。
そこで本日は、刑事事件を起こしてしまった方の処分の種類を少年事件と成人事件に分けてご紹介します。

◇少年事件◇

①不処分 

家庭裁判所は、審判の結果、「保護処分に付することができない」と認めた場合、または「保護処分に付する必要がない」と認めるときは、その旨の決定をしなければならないとされており、この決定を、不処分決定といいます。
    
家庭裁判所が「保護処分に付することが出来ない」と認めた場合とは、非行事実の存在の蓋然性が認められない場合や、少年の所在が不明の場合などです。
家庭裁判所が「保護処分に付する必要がない」と認めた場合とは、調査・審判の過程で、関係者による働きかけが講じられた結果、要保護性が解消し、再非行の危険性がなくなった場合や、非行事実が極めて軽微な場合などです。

②保護処分

・保護観察
保護観察とは、少年を施設に収容することなく、社会の中で生活させながら、保護観察所の指導監督及び補導援護という社会内処遇によって、少年の改善更生を図ることを目的として行う保護処分のことをいいます。
   
・児童自立支援施設等送致
児童自立支援施設とは、不良行為をなし、または、なすおそれのある児童及び家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所させまたは保護者のもとから通わせ、個々の児童に応じて必要な指導を行い、その自立を支援し、併せて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設です。
児童自立支援施設送致が選択される少年は、少年院送致が選択される少年と比べると、非行性が進んでおらず、少年自身の素養よりも保護者が養育を放棄していたり、少年を虐待していたりするなど家庭環境等に問題がある場合です。
   
・少年院送致
少年院では、特別の場合以外は外出を許さず、非開放的な施設で生活させ、規律ある生活に親しませて生活訓練を行い、規律に違反した者に対しては懲戒を行うなどして、少年に対して矯正教育を授ける施設です。
少年院送致は、少年の自由を拘束する点で保護処分のうち、最も強力な処遇といえます。
  
③検察官送致(逆送)

家庭裁判所は
・調査あるいは審判の結果、本人が20歳以上であることが判明したとき
・死刑、懲役または禁固に当たる罪の事件について、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分相当と認めるとき
の何れかに該当する場合、事件を検察官に送致を決定しなければならないとされています。
この逆送といい、逆送された少年事件は、成人の刑事事件と同様の手続きとなります。
なお、刑事処分相当として検察官に送致された場合、検察官は、公訴提起するに足りる犯罪の嫌疑があると思慮するときは起訴しなければならないとされており、成人事件における検察官の起訴裁量権は制限されています。

◇成人の刑事事件◇

①死刑

刑事施設内において、絞首して執行される刑です。
殺人罪(199条)、強盗致死罪(240条後段)、現住建造物等放火罪(刑法108条)などの罪で法定刑として定められています。
ただし、少年法の適用により、罪を犯した時に18歳未満であれば、死刑を科すことはできず、無期懲役にしなければなりません。

②懲役刑

刑事施設(刑務所)において拘置し身体の自由を拘束するもので、所定の作業(刑務作業)を行わせる刑であり、「無期」と「有期」に分けることができます。
「無期懲役」は、刑の執行の終わる時期が定められていないというものです。
なお、少年法の適用により、罪を犯した時に18歳未満であれば、無期刑を選択すべきときには、有期刑を選択することもできます。
「有期懲役」は、1月以上20年以下の期間で刑の長さが定められている懲役刑です。(併合罪となった最長で30年以下にまで延長することができる。)
そして、少年法の適用により、判決言い渡し時に少年である者に対する処断刑が、有期の懲役または禁固刑のときは、短期10年以下、長期は15年以下の範囲で不定期刑を言い渡さなければなりません(少年法第53条1項)。
ただし、刑の執行猶予の言渡しをするときは、定期刑が言い渡されることになります。

③禁固刑

刑事施設(刑務所)において拘置し身体の自由を拘束する刑です。懲役刑とは異なり、所定の作業(刑務作業)を行わせるものではありません。
もっとも、刑務作業が義務ではないというものであって、受刑者が希望すれば刑務作業をすることもできます。

④罰金

一定の金額(1万円以上)のお金を支払わせることを内容とする財産刑の一つです。
罰金を支払う能力がない場合には、裁判で定められた1日当たりの金額が罰金の総額に達するまでの日数分、労役場に留置して所定の作業(封筒貼りなどの軽作業)を行わせることにより、罰金を支払ったことにする制度があり、これを労役上留置といいます。
ただし、判決言い渡し時に少年である者に対しては、教育的意義を有さず少年の情操を害する労役場留置を言い渡すことはできません(少年法第54条)。
   
⑤拘留

1日以上30日未満の間、刑事施設(刑務所等)に拘束し身体の自由を拘束する刑です。

⑥科料

軽微な義務違反などについて、1000円以上1万円未満の金額のお金を支払わせることを内容とする財産刑の一つです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件、刑事事件に関するご相談を初回無料で承っております。
またご家族、ご友人が警察に逮捕されてしまった方には、初回接見サービスをご用意しております。
刑事処分の見通しについて不安のある方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料法律相談や初回接見サービスをご利用ください。

家族が逮捕されたら

2019-08-14

家族が逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇事件◇

三重県熊野市に住む会社員Aさんのもとに、ある日、いきなり警察署から電話がありました。
警察官から「奥さんを逮捕した」と聞かされたAさんはいきなりの出来事にとても驚き、パニックになってしまいました。
しかも妻がなぜ逮捕されたかについて、捜査中で話ができないと言われてしまいました。
どうしてよいか分からなくなったAさんは刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼しました。
すると奥さんは、買い物に行っていたスーパーでトラブルに巻き込まれて、相手に暴行し怪我させていたことが分かり、Aさんはすぐに弁護活動を依頼することにしました。
(この事例はフィクションです)

~逮捕されたら連絡が来るのか~

今回の事例のAさんには、警察から奥さんが逮捕されたという連絡は来ましたが、罪名や詳しい状況は分かりませんでした。
警察は、特に家族に連絡しなければならないというわけではありませんので、各警察署によって運用は異なりますが、捜査に支障のない範囲で、本人の希望する人物に伝えることになるようです。
そのため、時には、なかなか帰ってこない家族を心配して捜索願を出そうとして逮捕されていることを知ることもあります。
また、詳しい話はしないでくれと逮捕されている本人が警察に口止めしているというケースも考えられます。

~初回接見~

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、ご家族が逮捕された場合にその方の下へ弁護士を派遣させる初回接見を行っています。
逮捕されてしまった場合、48時間以内に検察庁へ送致されることになり、その後24時間以内に検察官が10日間の身体拘束である勾留を請求するかどうかの判断をします。
検察官が勾留の請求をした場合、裁判所が勾留するかどうかを決定します。
そして、この勾留が決定するまでの最大72時間については、一般の方は基本的に面会することはできません。
しかし、弁護士であれば、基本的には、いつでも立会人なしで接見することができますので、ご家族が逮捕されたという連絡を受けたらすぐにご連絡ください。
弁護士が逮捕されている方のところまで行き、取調べのアドバイスや今後の見通しなどについて詳しくお話しさせていただきます。
その後ご依頼いただいたご家族に、本人の希望する範囲での報告と見通しをお伝えすることになります。
また、ご家族に伝言をお伝えすることもできるので、もしも、ご家族が逮捕されたという連絡を受けられたら、すぐに初回接見をご依頼ください。

~逮捕後の身体拘束について~

逮捕されてしまうとどれくらいの期間、身体拘束を受けることになるのでしょうか。
これは前述の勾留が関係してくるのですが、逮捕から72時間以内に勾留が決定された場合、まず10日間の身体拘束を受けることになり、さらに、勾留は延長が可能であり、最大で10日間の延長の可能性があります。
そのため、逮捕から起訴までについては最大で23日間の身体拘束を受ける可能性があります。
そして、起訴されてからも起訴後勾留というかたちで、最初は2か月、さらに1か月ごとに延長されて身体拘束を受けることになります。
起訴後勾留では保釈による身体解放が可能ですが、保釈が認められなければ判決まで身体拘束を受けることになります。
弁護士は、検察官や裁判官に対して勾留の請求や決定、延長をしないように意見書を提出したり、交渉したりしていきます。
さらに裁判所が勾留決定や延長の決定を下したとしても、準抗告という不服申し立てをすることができます。
もちろん、必ず身体拘束が解かれるというわけではありませんが、早い段階での活動が身体解放の可能性は高まります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見を行っています。
少しでも早い対処が後悔のない解決へとつながりますので、ご家族が逮捕されたという連絡を受けたらすぐに初回接見をご依頼ください。
ご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください

鈴鹿市の放火事件②

2019-07-25

鈴鹿市の放火事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

前回は、現住建造物等放火罪非現住建造物等放火罪について解説しました。
今回はまず、建造物等以外に放火した場合に適用される法律ついて解説します。

◇建造物等以外放火罪◇

建造物等以外放火罪とは、現住建造物等放火罪及び非現住建造物等放火罪の何れにも該当しない物に放火し焼損することです。
自動車やバイク、無人の電車、家具、建具類等の家屋の従物が建造物等以外放火罪の対象となり、液体や固体も含まれます。
建造物等以外放火罪は、自己所有の非現住建造物等放火罪と同様に、公共の危険が生じた場合にのみ刑事罰の対象となり、未遂の処罰規定はありません。
また建造物等以外放火罪は、非現住建造物等放火罪と同様に焼損した物が他人所有の物か、自己所有の物かによって法定刑が異なります。

①他人所有の建造物等以外放火罪の場合
他人所有の建造物等以外放火罪の法定刑は「1年以上10年以下の懲役」です。
罰金刑が定められていないので、起訴されて有罪が確定した場合、執行猶予を得れなければ刑務所に服役しなければなりません。

②自己所有の建造物等以外放火罪の場合
自己所有の建造物等以外放火罪の法定刑は「1年以下の懲役又は10万円以下の罰金」です。放火に関する法律で唯一罰金刑が定められている非常に軽い罰則規定となっています。

◇平成に起こった大規模な放火事件◇

~歌舞伎町ビル火災事件(未解決)~

平成13年9月1日、東京都新宿区歌舞伎町の雑居ビルにおいて発生した火災で、44人の方が亡くなりました。
この火災は、放火によるものとして捜査されているが、未だに犯人は捕まっていません。
また火災のあったビルの防火扉の周辺に物が置かれたりして、避難経路が不十分だったためにここまでの死者を出したとして、ビルのオーナーらに対して、業務上過失致死罪で有罪判決が確定しています。

~武富士弘前支店強盗殺人・放火事件~

平成13年5月8日、青森県弘前市の消費者金融に強盗目的で押し入った男が、要求を断られたことから店内に火を放った放火・殺人事件です。
事件の数か月後に逮捕された犯人は、死刑判決が確定し、すでに死刑が執行されています。

~大阪個室ビデオ店放火事件~

平成20年10月1日、大阪市難波の個室ビデオ店において、客の男性が個室の中で火を放ち、個室ビデオ店が全焼し、16名が死亡した放火事件です。
警察に逮捕された犯人は、その後死刑判決が確定しましたが、その後、別の個室から出火した可能性があるとして弁護団が再審請求をしていましたが、先日、最高裁判所は請求を棄却しました。

~さいたま連続放火事件~

平成16年12月中旬に起こった連続放火事件です。埼玉県内のディスカウント店や、商業施設が連続して放火され、そのうち一店舗では、死者3名を出す大惨事となりました。
逮捕された女性被告人は、裁判において刑事責任を争いましたが、裁判所は被告人の刑事責任を認め無期懲役刑が確定しています。

放火は非常に重たい犯罪で、放火火災によって人の命が奪われた場合は、殺人罪の適用を受ける可能性が非常に高くなります。
三重県内の刑事事件でお困りの方、ご家族、ご友人が放火事件を起こして警察に逮捕されてしまった方は、刑事事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
初回法律相談:無料

示談で刑事処分が軽減

2019-07-15

刑事処分を軽減するための刑事弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

窃盗事件や、暴行・傷害事件、盗撮や痴漢・強制わいせつ罪等の性犯罪など、被害者の存在する刑事事件を起こしてしまった方で、その後の刑事処分の軽減を求めている方は、被害者と「示談」することで、その後の刑事処分が軽減される可能性があります。
今日は、三重県の刑事事件に強い弁護士が「示談」を解説します。

◇示談とは◇

刑事弁護活動の一つに示談交渉があります。
辞書等に記載されている示談の意味は「話し合いで解決すること、民事上の紛争を裁判によらずに当事者の間で解決すること」です。
通常は、示談交渉の中で、被害弁償金の額・支払方法、その他の約束事に関する合意がなされ、合意内容を示談書にまとめます。
示談は、民事上の問題だけでなく、刑事上でも、様々な段階で考慮されることがあります。本日は、刑事弁護活動において、示談が、どのような効果をもたらすかを解説します。

◇示談の効果◇

~捜査着手前~
警察などの捜査機関が事件を認知し、捜査に着手する前にも示談を成立させることができます。
捜査機関の認知のきかっけは、捜査機関自身が事件を現認した場合などや、被害届や告訴・告発状の捜査機関への提出による場合です。
前者の場合は、示談をする暇がありませんから捜査機関の認知を阻むことはできませんが、後者の場合は、通常、犯罪発生から認知まである程度の日数がありますから、その間に示談交渉を行うことが可能といえます。
そして、示談を成立させることができれば、被害者らに被害届、告訴・告発状の提出を取り止めていただくことができるかもしれませんし、仮にそうなれば、捜査機関が事件を認知すること自体を阻止することができます。

~警察の捜査段階~
警察が捜査に着手した後も示談交渉を行うことは可能です。
示談を成立させることができれば、被害者らに被害届、告訴・告発状を取消していただくことができるかもしれません。
仮に、そうなれば、警察としては捜査を継続、あるいは検察庁へ事件を送致する意味がなくなりますから、事件不送致という結果を獲得できる可能性も高まります。
また、一部の事件では、示談や被害弁償をすれば警察の微罪処分となる可能性もあります。微罪処分となれば、事件自体は検察官へ「報告」されますが、刑事罰や前科を受けることはありません。

~検察庁送致後~
検察庁へ事件送致後も示談交渉を行うことは可能です。
示談を成立させることができれば、被害者らに被害届、告訴・告発状を取消していただくことができるかもしれません。
また、検察官が起訴という刑事処分をするにあたって告訴を必要とする犯罪を親告罪(例:器物損壊罪(刑法261条)、過失傷害罪(刑法209条)など)と言いますが、起訴前に告訴が取消されていれば、検察官は親告罪につき自動的に不起訴処分にせざるをえません。
不起訴となれば前科は付きません。
また、親告罪以外の事件でも、示談は刑事処分を決める上で重要な考慮事情になります。示談が成立し、被害者の許しを得ていれば不起訴を獲得できる可能性は高くなります。ただし、検察官が示談成立を待つ義務はありません。中には示談交渉中に刑事処分を出す検察官もいます。

~起訴後~
刑事処分前に示談を成立させたも、その他の事情により起訴されてしまう場合もあります。しかし、示談が無意味となるわけではありません。
裁判官が量刑を決める上で重要な考慮事情になります。
また、起訴後も引き続き示談交渉を行うことができ、示談の内容などによって、執行猶予判決を獲得できたり、刑の重さそのものが軽くなります。

◇弁護士に示談交渉を依頼する際の注意点◇

~示談が可能な犯罪か?~
示談が可能な犯罪とは、示談交渉が可能な被害者が存在する犯罪です。
したがって、被害者の存在しない覚せい剤などの薬物事件などでは、そもそも示談交渉を行えません。
また、被害額が数千万円、数憶万円を超える事件、被害者が重度の後遺症を負った事件など難解な事件になればなるほど示談交渉の難易度はあがります。
 
~連絡先が入手できなければ終わり~
示談交渉は被害者側から連絡先を入手できてはじめてスタートできるものです。
しかし、被害者側が連絡先を教えることを拒否した場合は、示談交渉を行うことはできません。

~被害者感情に左右される~
示談交渉は相手方があってのことです。
したがって、相手方が示談に応じてくれなければ、弁護士がいくら努力しても示談を成立させることはできません。

三重県内の刑事事件でお困りの方、被害者との示談を希望される方は、刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
示談に関する法律相談:初回無料

三重県亀山警察署の放火事件

2019-06-15

放火事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇事件◇

三重県亀山市で飲食店を経営しているAさんは地元の消防団に所属しています。
刺激のない日常生活に飽き飽きしていたAさんは、2ヶ月ほど前に、お店の近くにあるアパートの駐輪場にとめてあったスクーターの座席シートにライターで火をつける放火事件を起こしました。
そして第一発見者を装って、119番通報すると共に消火活動を行って消火したのです。
火は、周りに延焼することなく、スクーターを焼損しただけで消し止められました。
この日、Aさんは現場に駆け付けた三重県亀山警察署の警察官によって事情聴取を受けましたが、「帰宅途中に燃えているのを発見したので、すぐに消火活動した。」等と説明したのです。
しかし今朝、Aさんは、三重県亀山警察署の警察官によって、建造物等以外放火罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

◇三重県亀山警察署◇

【所在地】〒519-0165 三重県亀山市野村4丁目1番27号

【電話番号】0595-82-0110

三重県亀山警察署は、亀山市を管轄する警察署です。
三重県亀山警察署が管轄する亀山市は、人口5万人に満たない小規模都市ですが、中京圏と近畿圏を結ぶ交通の要衝であることから、関東、関西方面の有数の企業が進出しており、内陸工業都市として栄えています。
三重県警察のホームページによりますと、平成30年度の刑法犯認知件数は277件と少なく、中でも凶悪犯罪の発生は0件です。
(三重県警察のホームページを参考)

◇放火◇

刑法には、現住建造物等放火罪、非現住建造物等放火罪、建造物等以外放火罪等いくつかの放火に関する条文があります。
放火した対象物や、建物の場合は、その建物の用途や種類、建物に人が存在していたかどうか、そして放火行為によって公共の危険が生じたかどうか等によって、適用される条文は異なります。

~建造物等以外放火罪~

スクーターの座席シートにライターで火をつける行為について検討します。
スクーターは建造物ではありませんので、他に延焼しない限りは、刑法第110条建造物等以外放火罪が適用される可能性が高いでしょう。
建造物等以外放火罪は、放火行為によって公共の危険が生じなければ適用されません。
放火行為によって公共の危険が生じた場合、他人の物に放火して有罪が確定すれば「1年以上10年以下の懲役」が、自己の所有物に放火して有罪が確定すれば「1年以下の懲役又は10万円以下の罰金」が科せられます。
ちなみに、放火行為によって公共の危険が生じなかった場合は、刑法第261条の器物損壊罪が適用される可能性が高く、その場合の法定刑は「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」が科せられます。

~公共の危険~

公共の危険とは、不特定又は多数人の生命、身体、財産に危険を生じさせる状態を意味します。
放火罪は、典型的な公共危険罪と言われており、放火に関するそれぞれの法律には、その成立要件として、焼損の他に、公共危険の発生の有無が問題となり、公共の危険が発生しなければ適用されない条文もあります。

~事件を検討~

今回の事件を検討すると、放火したスクーターの損傷程度や、現場の状況によって公共の危険が生じたかどうかが決まるでしょう。
もし、駐輪場のすぐ横に建物があったり、燃えやすい物があった場合は、延焼する可能性が高いと判断され、公共の危険が認定される可能性があります。
逆にAさんが、他に延焼する前に自分で消火活動をしている点を踏まえれば、公共の危険を未然に阻止していると捉えることもでき、器物損壊罪の適用にとどまる可能性もあります。
公共の危険の有無は、周りの環境や、その日の天候、犯行時の状況等によって左右されますので、刑事事件専門の弁護士に相談することをお勧めします。

放火は、人の生命、身体、財産に大きな影響を及ぼす可能性が考えられる犯罪ですので、現住建造物等放火罪が適用された場合は極刑判決が言い渡される場合もある重大な犯罪です。
三重県亀山市の放火事件でお悩みの方や、ご家族、ご友人が三重県亀山警察署に逮捕されてしまった方は、刑事事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」の無料法律相談、初回接見サービスをご利用ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無料法律相談や初回接見サービスのご予約を専用フリーダイヤル0120-631-881(24時間)で受け付けておりますので、お気軽にお電話ください。

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