運転免許証を偽造

運転免許証を偽造について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇事件◇

三重県南牟婁郡美浜町に住む会社員のAさんは、大学生の時に自動車教習所を卒業して、三重県公安委員会が発行する自動車の運転免許証を取得しました。
取得以降、更新を繰り返していたAさんでしたが、昨年の誕生日の際に更新を忘れてしまい、最近になって失効していることに気付きました。
Aさんは、通勤等で日常的に車を使用していますが、教習所に行く時間的な余裕もありません。そこでAさんは、失効した自分の運転免許証の氏名欄に、双子の弟の氏名を記載して免許証を偽造し、しばらくはこの偽造運転免許証を使用することにしたのです。
運転免許証を偽造して数週間後、Aさんは車で帰宅途中、赤信号で停止していたところ、後方からトラックに追突されるもらい事故にあいました。そして、その事故処理をした警察官に対して、偽造運転免許証を提示したのです。
この交通事故の数日後、Aさんのもとに三重県紀宝警察署の警察官から電話があり「運転免許証のことで事情聴取したいので警察署に出頭するように。」と言われてしまいました。
Aさんは、運転免許証の偽造が発覚したと思い、出頭前に刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

◇運転免許証◇

自動車の運転には、お住いの都道府県公安委員会が発行する運転免許証が必要なことは皆さんご存知でしょう。
運転免許証は、公安委員会で発行を受けると、その後決められた期間に更新さえしていれば生涯有効です。
しかし、定められた期間内の更新手続きを怠ってしまえば、その人の運転免許証は失効してしまい、その後、車を運転すると無免許運転になってしまいます。
更新の際は、事前に更新を知らせる通知が、運転免許証の住所地に郵送されますが、引っ越し等の際に運転免許証の住所変更をしていなければ手元に通知が届かず、知らぬ間に運転免許証が失効してしまうこともあるのが注意しなければなりません。
このコラムをご覧の方で、運転免許証をお持ちの方は、ご自身の運転免許証に記載されている有効期限をお確かめください

◇運転免許証の偽造等の法定刑◇

運転免許証の偽造行為は、有印公文書偽造罪に該当します。
有印公文書偽造罪の法定刑は、1年以上10年以下の懲役です(刑法第155条第1項、2項)。
公文書偽造罪とは、公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画を偽造することです。
文書偽造罪は、「行使の目的」を持って犯行に及ばなければ犯罪は成立しません。(目的犯)

今回の事件でAさんは、自ら偽造した運転免許証を、事故処理をする警察官に提示して使用いますが、この行為は偽造公文書行使罪となります。(刑法第158条第1項)
偽造公文書行使罪は、運転免許証を偽造した場合(有印公文書偽造罪)と同様の法定刑が定められています。

◇刑事弁護活動◇

~不起訴・無罪判決(前科回避)を目指す~

身に覚えのない運転免許証の偽造の容疑を掛けられてしまった場合、弁護士を通じて、警察や検察などの捜査機関または裁判所に対して、アリバイや真犯人の存在を示す証拠を提出したり、故意ではなく過失(記入ミス、申告漏れなど)であることを客観的証拠に基づいて指摘したりして、公文書偽造罪、偽造文書行使罪、道路交通法違反を立証する十分な証拠がないことを主張することで不起訴処分又は無罪判決を目指します。
実際に、偽造した運転免許証を所持していた場合でも、偽造免許証を使うつもりがなかったとか偽造免許証で他人を騙すつもりがなかったなどの事情がある場合には、免許証の偽造に「行使の目的」がなかった又は偽造免許証の「行使」には該当しないことを主張・立証することで、不起訴処分又は無罪判決を目指す弁護活動を行います。

~前科回避・正式裁判回避を目指す~

運転免許証の偽造による公文書偽造罪・道路交通法違反の成立に争いのない場合、免許証の偽造について犯行態様が悪質でないこと、組織的・反復的な犯行ではないことなどを主張して、起訴猶予による不起訴処分または略式裁判による罰金処分になるように(正式裁判にならないように)弁護活動を行うことが可能です。

~刑務所回避・減刑を目指す~

運転免許証の偽造で裁判になった場合でも、裁判所に対して、免許証偽造・不正取得の態様、目的、被害結果などから被告人に有利な事情を主張・立証するとともに、再発防止の具体的な取り組みや環境を示すことで、減刑及び執行猶予付き判決を目指します。

~身体拘束からの解放を目指す~

運転免許証の偽造事件で逮捕・勾留されてしまった場合には、事案に応じ、釈放や保釈による身柄拘束を解くための弁護活動を行います。

三重県南牟婁郡美浜町の刑事事件でお困りの方、運転免許証の偽造事件でお困りの方は、三重県内の刑事事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
三重県内の刑事事件に関する無料法律相談についてはフリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。

 

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