Archive for the ‘詐欺事件’ Category

特殊詐欺事件の受け子に窃盗罪が適用

2020-03-15

特殊詐欺事件の受け子に窃盗罪が適用された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇事件◇

お金に困窮していた無職のAさんは、ネットで知り合った男から、三重県伊勢市の高齢者の家を訪ねて、キャッシュカードを盗ってくるように指示されました。
Aさんは、今流行りの振り込め詐欺などの事件に関わることが分かりましたが、10万円の報酬をもらえるとの約束だったので、指示に従うことにしたのです。
そして後日、男に指定された高齢者の家を訪ねて、老人に対して「口座が犯罪に使用されているので、キャッシュカードを封筒に入れて保管してくれ。」と言って、キャッシュカードを封筒に入れさせました。
そして、老人が目を離した隙に、キャッシュカードの入った封筒を、用意していた別の封筒にすり替えて、老人のキャッシュカードの入った封筒を盗んだのです。
盗んだキャッシュカードは、男の指示に従って、受け取りに来た見ず知らずの女性に渡し、報酬の10万円を受け取りました。
後日、老人が警察に被害届を出したらしく、Aさんは窃盗罪で三重県伊勢警察署に逮捕され、その後、勾留されてしまったのですが、接見禁止の決定がなされたことから、弁護士以外との面会が一切できない状態です。
そこで、Aさんは接見に来た弁護人に、家族との接見を可能とするための接見禁止一部解除の申し立てを依頼しました。
(フィクションです。)

◇キャッシュカードの入った封筒をすり替えて、カードを盗む手口◇

高齢者から直接現金を受け取ったり、振り込みをさせる特殊詐欺は有名ですが、これと似た手口として高齢者に巧みな嘘をついてキャッシュカードを盗る手口も横行しているようです。

手口の詳細は、例えばこうです。

まず、①グループのかけ子が高齢者に「カードが偽造されている可能性があります。」「金融庁の職員を自宅に向かわせます。」と言います。

次に、②受け子が高齢者宅に向かい、金融庁職員を装い、高齢者にもってきた封筒を差し出しながら、「カードの使用を止めるので、封筒に暗証番号を書いたメモとキャッシュカードを入れて持ってきてください。」と言います。

そして、③高齢者がメモとキャッシュカードを封筒に入れて持ってくると、受け子が「それを自宅で保管しておいてください。」「ただ、封筒に割り印をする必要があります。」「印鑑をもってきてください。」といい、高齢者から封筒を預かります。

その後、④高齢者が印鑑を取りに行っている間、受け子は高齢者から預かった封筒と別の無関係なカードが入った封筒をすり替え、無関係な封筒に印鑑を押して高齢者に渡し、自宅を後にします。

そして、⑤高齢者から暗証番号が書かれたメモとキャッシュカードを使ってATMから現金を引き出すのです。

◇窃盗罪◇

上記の手口は、詐欺罪のように思われがちですが、窃盗罪に該当します。
窃盗罪は以下のように刑法に規定されている犯罪です。

刑法235条(窃盗罪)
 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

なお詐欺罪については

刑法246条(詐欺罪)
1 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

と刑法に規定されていますが、詐欺罪は財物(本件ではキャッシュカード、暗証番号がかかれたメモ紙)取得に向けてのだます行為があり、それによって被害者がだまされて財物を渡した(交付する)、といった関係が認められなければなりません。

ところが、本件のようなキャッシュカードすり替え手口では、被害者がだまされてキャッシュカードを渡したわけではなく、被害者が知らぬ間にキャッシュカードを取られてしまった形ですので、詐欺罪ではなく窃盗罪に問われる可能性が高いことになります。

◇接見禁止◇

犯罪を犯して逮捕、勾留された場合、留置場に併設された接見室で、外部の者と面会(接見)することができます。

外部の者のうち、弁護士との接見は、裁判に向けての打合せなどにとって重要ですので禁止されることはありませんが、弁護士以外の者との接見は禁止する決定(接見禁止決定)がされることがあります。
特に本件のように共犯者のいる事件では、接見禁止決定を出されることがよくあります。
なぜなら捜査機関は、刑事裁判に向けて証拠を収集する必要がありますが、逮捕された者と、まだ逮捕されていない共犯者に接見させた場合、証拠隠滅の相談をする可能性があると考えられているからです。

~接見禁止の解除~

事件と関係のない家族との面会も禁止されている場合、不服申し立て手続きをすることにより接見禁止の一部解除がなされ、家族との面会は可能になるという場合もあります。
弁護士は接見禁止の(一部)解除に向けた手続きも行いますので、ぜひご相談いただければと思います。

◇刑事事件に強い弁護士◇

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方はフリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。

三重県伊勢警察署の銀行口座の不正譲渡事件

2019-06-27

銀行口座の不正譲渡事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇事件◇

三重県伊勢市に住む無職のAさんは、生活費に困窮し借金を重ねています。
そんな中、インターネットで「簡単手続きで即日融資」という広告を見つけて、この会社に借り入れを申し込みました。
すると担当のオペレーターから、「お手持ちの銀行のキャッシュカードを郵送していただければ、すぐにご希望の金額を融資いたします。」と言われたので、Aさんは指定された住所に、3年ほど前に開設して使用していなかった銀行のキャッシュカードを郵送しました。しかしその後、この会社とは連絡が取れなくなり電話をしてもつながりません。
結局、お金を借り入れることを諦めたAさんでしたが、それからしばらくして、三重県伊勢警察署より、「あなたの銀行口座が振り込め詐欺に使われている。事情聴取したいので警察署に来てください。」と呼び出しがありました。
(フィクションです)

◇三重県伊勢警察署◇

【所在地】〒516-0016 三重県伊勢市神田久志本町1481-3
【電話番号】0596-20-0110

三重県伊勢警察署は、伊勢市と度会郡玉城町、度会町、南伊勢町の3町を管轄する警察署です。
三重県伊勢警察署の管内には、「お伊勢さん」で有名な伊勢神宮があり、毎年多くの観光客が訪れています。
三重県伊勢警察署は、三重県内の警察署の中では中規模の警察署で、平成30年度の刑法犯認知件数は700件を超えています。
(三重県警察のホームページを参考)

◇銀行口座の譲渡◇

銀行口座(預金通帳)を他人に売ったり、譲渡したりする行為は、以下のは罪に該当する場合があります。

①転売(譲渡)目的で口座を開設した場合

最近は、銀行で口座を開設する時に、その銀行に対して口座の利用目的(公共料金の引き落とし口座、給料の振込口座等)を申告しなければなりません。
この目的を偽って銀行口座を開設した時は、銀行を騙して銀行口座を得たとして「詐欺罪」が成立する場合があります。
詐欺罪は、刑法第246条に当たる犯罪で、起訴されて有罪が確定すれば「10年以下の懲役」が科せられます。

②既に開設している銀行口座を他人に譲渡した場合

数年前から、インターネットの掲示板やサイト、ダイレクトメールで「利用していない銀行口座を買取ります」「融資するので銀行口座を送ってください」といった内容を見かけるようになりました。
このようにして譲渡された銀行口座は、振り込め詐欺など何らかの犯罪に使用される可能性が非常に高いです。
長年取引のない銀行口座を、他人に譲渡した場合は「犯罪収益移転防止法に関わる法律」に抵触するおそれが非常に高いです。
この法律の第26条では「他人になりすまして銀行などの金融機関との間における預貯金契約に関わる役務の提供の受ける目的があることを知って、そのものに預貯金通帳などを譲り渡し、交付し、または提供したもの。また、通常の商取引または金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、有償で預貯金通帳などを譲り渡し、交付し、または提供したものは、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金もしくはこの両方を科す。」(犯罪収益移転防止法に関わる法律第26条を引用)と、有償、無償に関わらず、他人に自分名義の銀行口座を譲渡する事を禁止しています。

③譲渡した銀行口座が、他の犯罪に使用される事を知って譲渡した場合

銀行口座が使用された犯罪の共犯として罰せられる可能性があります。
例えば、譲渡した銀行口座が、振り込め詐欺の犯罪に使用される事を知った上で、銀行口座を譲渡すれば、振り込め詐欺の共犯若しくは幇助犯となる場合があるのです。
数年前から振り込め詐欺等の特殊詐欺事件が多発しており、警察等の捜査当局が注意喚起していますが、その犯行手口は巧妙かつ複雑化し、被害は増加する一方です。
その様な背景から、警察等の捜査当局は金融機関と協力し、犯罪に使用された銀行口座の凍結や、過去に犯罪に使用された銀行口座の名義人については、新たに銀行口座を開設できなくするなどして、被害の予防に取り組んでいるので注意しなければなりません。

Aさんの行為は上記②に該当しますので、起訴されて有罪が確定すれば1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金もしくはこの両方が科せられることになります。

銀行口座の不正譲渡三重県伊勢警察署に呼び出された方は、警察署に出頭する前に刑事事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
初回法律相談:無料

三重県四日市南警察署に初回接見

2019-06-11

初回接見サービスについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇事件◇

三重県四日市市に住む会社員Aさんには、今年の春に大学を卒業して就職浪人中の息子がいます。
この息子が、2、3日前に何も言わずに家を出たまま帰宅しないので、心配になったAさんは、自宅近くの三重県四日市南警察署に捜索願を出しに行きました。
するとそこで、警察官から「詳細は話せませんが、息子さんを逮捕して、当署に留置しています。」と驚愕の事実を知らされたのです。
Aさんは、息子さんが何の罪で逮捕されたのか等について警察官に聞きましたが、何も教えてもらうことができませんでした。
その後の就職活動に影響が及ぶことを心配したAさんは、すぐにでも息子さんに接見してくれる弁護士を探しています。
(フィクションです)
三重県四日市南警察署逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所初回接見サービスをご利用ください。
初回接見サービスのご予約はフリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)にお電話ください。

◇三重県四日市南警察署◇

【所在地】〒510-0064 三重県四日市市新正5丁目5番5号

【電話番号】059-355-0110

三重県四日市南警察署は、四日市市の南東部を管轄する警察署です。
三重県四日市南警察署では、三重県の警察署では珍しく、留置管理課があり、留置場には、四日市南警察署以外の警察署に逮捕された被疑者、被告人が収容されています。
また平成30年度の、管内における刑法犯認知件数が1400件以上と、三重県内の警察署ではトップクラスです。
(三重県警察のホームページを参考)

◇初回接見サービスの流れ◇

~電話で予約~
ご家族、ご友人が警察に逮捕されていることが分かれば、まずはフリーダイヤル012-631-881にお電話ください。
初回接見サービスのご予約は、24時間、年中無休で受け付けております。
どこの警察署に留置されているか分からない、何の罪で逮捕されているか分からないといった方でもお気軽にお電話ください。

~在監確認~
初回接見サービスのご予約をいただきましたら、まず弁護士は、警察等の捜査機関に連絡を取り、弁護士接見の予約を取ります。
必ずしも事件を捜査している警察署に留置されているとは限りませんし、留置されている警察署に行っても、検事調べや、引き当たり捜査等で、一時的に警察署に居ない場合もあるので、事前に連絡して在監確認を行います。

~弁護士を派遣~
在監確認ができましたら、留置されている警察署に弁護士を派遣します。
初回接見サービスは、警察署だけでなく、拘置所や鑑別所にも弁護士を派遣することができます。
電話で初回接見サービスのご予約をいただいて、警察署に弁護士を派遣するまでの所要時間は、早ければ数時間です。

~弁護士接見~
警察署等の留置施設に設置された接見室で、逮捕、勾留、起訴された方と弁護士が面会します。
身体拘束を受けている方から直接お話を聞く事で、事件の内容や、捜査の進捗状況を得ることができ、この先の最良の弁護活動を提案することができます。
また、身体拘束を受けている方に対しては、弁護士から取調べに対する注意点等を教示させていただき、今後の手続きの流れや、処分の見通しをアドバイスします。
また弁護士が、ご家族からの伝言、ご家族への伝言を承ることもできます。

~ご家族等への報告~
弁護士接見を終えると、初回接見サービスを依頼していただいたご家族の方にその内容を報告させていただきます。
何をして警察に逮捕されたのか。今後、どの様な手続きが進むのか。弁護士が介入するすることで処分が軽減される可能性があるのか等を弁護士から助言させていただき、その後の刑事弁護活動を依頼するかどうかを判断いただきます。
そして刑事弁護活動のご依頼をいただければ、即日、弁護活動を開始し、逮捕、勾留されている方の早期釈放、刑事処分の軽減を目指した活動を行います。

◇Aさんの場合◇

Aさんから初回接見サービスの依頼を受けた、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は、ご予約いただいた翌朝に、三重県四日市南警察署に行き、Aさんの息子さんと面会しました。
この接見で、息子さんが、約2ヵ月前に友人に誘われて振り込め詐欺の受け子をした事件で逮捕されていることが分かりました。
ただAさんの息子は、自身の行為が詐欺事件に関わっている認識はなかったようです。
弁護士は、Aさんの息子に対して、今後の刑事手続きの流れや、取調べに対するアドバイス等を行い接見を終えました。
そして、その日の午後に、Aさんに接見内容を報告したところ、Aさんから、その後の刑事弁護活動の依頼をいただいたのです。(フィクションです)

ご家族、ご友人が三重県四日市南警察署逮捕されてしまった方、四日市市詐欺事件でお悩みの方は、刑事事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」の無料法律相談、初回接見サービスをご利用ください。

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