実子を誘拐 未成年者略取、誘拐罪で父親が逮捕

実子を誘拐したとして、未成年者略取、誘拐罪で父親が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事件内容

会社員Aさんは、3年前に離婚した妻との間には、当時3歳の長男がいましたが、親権は元妻にあり、離婚後は、元妻が実家で養育していました。
離婚直後は長男との面会が許されていたのですが、2年前から養育費の支払いが滞っていることを理由に、Aさんは長男と面会できていません。
まもなく長男が小学校に入学することから、どうしても長男の成長を見たいAさんは、昨日、長男が通っている幼稚園に行き、幼稚園の先生に「元妻に頼まれて迎えに来た。」と嘘をついて長男を幼稚園から連れ去りました。
Aさんは、夕方までに長男を元妻の実家に送り届けるつもりで、長男とレストランで食事をしたのですが、車にもどったところを、三重県伊勢警察署の警察官に発見されて、その場で未成年者誘拐罪現行犯逮捕されました。
(フィクションです。)

未成年者略取及び誘拐罪

未成年者を略取及び誘拐すると、未成年者略取罪誘拐罪となります。
これは、未成年者を本来の生活環境から離脱させて、自己又は第三者の実力支配下に移すことで、自由に対する罪の一種です。
その手段として暴行や脅迫が用いられた場合は「略取」となり、欺罔や誘惑が用いられた場合は「誘拐」となります。
誘拐の手段とされる欺罔行為は、被拐取者に直接加えられる必要はなく、被拐取者が未成年である場合は、その保護者や監督者に対するものであってもよいとされています。
今回の事件でAさんは、幼稚園の先生に対して「元妻に頼まれて迎えに来た。」と嘘を吐いているので、その場合も未成年者誘拐罪が成立するということです。
未成年者誘拐罪で起訴された場合は、3月以上7年以下の有期懲役が科せられます。

今回の事件でAさんは、自分の子供と一緒に、食事をしただけで、その後は親権を持つ元妻のもとに連れて行く予定でした。
それならば罪にあたらないのではないかと考えられる方も多くいらっしゃるかもしれません。
しかし、実子であっても親権を持たない親が、親権のある親元から子供を連れ去る行為は未成年者略取罪や誘拐罪にあたる可能性が大です。

刑事事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件を専門に扱っている法律事務所です。
Aさんのような事件で、ご家族等が警察に逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の 初回接見サービス をご利用ください。
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