強制わいせつ罪で通常逮捕

通常逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇事件◇

三重県名張市に住むAさんは、自宅近くの路上で、性的暴行を加える目的で、帰宅中の女子高生の後をつけ、人気のない暗がりで、女子高生に抱きつき、胸を触ったり、スカートの中に手を入れたりするわいせつな行為に及びました。
行為の途中で、女子高生が大声で助けを求めたことから、Aさんは逃走し、自宅に逃げ込みましたが、それからしばらくして、三重県名張警察署強制わいせつ罪通常逮捕されてしまいました。
犯行現場近くの防犯カメラに、女子高生の後ろをつけて歩いているAさんの姿が映っていたことから、Aさんが割り出されたようです。
(フィクションです)

◇犯罪捜査の流れ◇

捜査は、警察などの捜査機関が、犯罪を認知した時に、犯人と思われる者(被疑者)を特定・発見し、必要な場合には、被疑者の身柄を確保するとともに、証拠を収集・保全するといった一連の手続きです。

捜査は、被害届の提出や告訴・告発、警察官による職務質問、犯人の自首などをきっかけに開始されます。(事件の認知)

捜査は、強制処分による強制捜査と、任意処分による任意捜査の方法により行われます。

捜査は、基本的に次のような原則に基づいて行われます。
・強制処分を用いるのは、刑事訴訟法にそれを許す特別の規定がある場合に限られます。
・捜査は、基本的には任意捜査の方法によって行われることになっています。
・被疑者の身柄拘束や捜索・押収は、原則として、あらかじめ裁判官の発布する令状を得て行われなければなりません。

これらの原則に基づいて捜査を行うわけですので、被害者の身柄拘束を伴う「逮捕」にもきちんとしたルールが定められているのです。

「逮捕」とは、被疑者の身柄を拘束し、引き続き短時間その拘束を続ける強制処分をいいます。
この「逮捕」は、次の3種類に分けられます。
①通常逮捕
②緊急逮捕
③現行犯逮捕

◇通常逮捕◇

今回は、「通常逮捕」についてみてきましょう。通常逮捕は、裁判官から得た逮捕状を基にして行われます。。

~憲法第33条~
何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。

逮捕は人の身体の自由を奪う重大な処分ですので、逮捕の許否判断は、原則として裁判官の事前の審査によるものとされます。

通常逮捕の要件は、
①逮捕の理由(刑事訴訟法第199条1項本文)
②逮捕の必要性(同条2項ただし書)
です。

~逮捕の理由~

逮捕の理由とは、「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由」のことをいいます。
捜査機関が被疑者に対して数回出頭要請をしたにもかかわらず、当該被疑者が無視した場合、それ自体では犯罪の嫌疑があるとはいえないので逮捕の理由とはなりません。
しかし、それが続くことで、逃亡・罪証隠滅のおそれが増し、逮捕の必要性が推認される可能性はあります。

~逮捕の必要性~

逮捕の必要性とは、被疑者の逃亡・罪証隠滅のおそれをいいます。
逮捕状の請求を受けた裁判官は、逮捕状の必要性について判断します。
一定の軽微な犯罪については、被害者の住所不定、正当な理由なく出頭要求を無視する場合のみに逮捕の必要性が認められます。

以上の要件を満たすと裁判官が判断した場合、逮捕令状が発付され、捜査機関により逮捕が実施されます。

◇弁護活動◇

逮捕されると、逮捕に引き続き短時間(48時間以内)の身体拘束を強いられることになります。
また、逮捕されることにより、家族や学校・職場に事件のことが発覚する可能性もあります。
そのような事態を回避するため、できるだけ早期に弁護士に相談し、逮捕を回避してもらえるよう捜査機関への働きかけを行うのがよいでしょう。
具体的には、弁護士は、家族等の身元引受人により被疑者の監督が期待できることや、学校や仕事があり逃亡するおそれがないこと、被害者がいる事件では被害者と連絡が取れない状況であることなど、逮捕の要件である逮捕の必要性がないことを客観的な証拠に基づき説得的に主張します。

三重県名張市の刑事事件でお困りの方、刑事事件を起こし、逮捕されるのではないかと不安のある方は、今すぐ刑事事件専門弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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