過失運転致傷事件で執行猶予を得たい

過失運転致傷事件で執行猶予を得たい

過失運転致傷事件執行猶予を得たい場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【刑事事件例】

Aさん(25歳)は、三重県松阪市内を自動車で走行してましたが、考え事をしていたり仕事の疲れが溜まっていたりしたため運転に注意することができていませんでした。
そして、信号が赤になったことに気が付かず、そのまま交差点に進入し、Vさん(80歳)をはねました。
Vさんは病院に運ばれ、死亡するには至らなかったものの、意識不明の重体となりました。
Aさんは、三重県松阪警察署の警察官により過失運転致傷罪の容疑で現行犯逮捕されました。
Aさんは何とか刑務所に行かずに済むようにしてほしいと考えています。
(2021年1月29日に九州朝日放送に掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【過失運転致傷罪とは】

過失運転致傷罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条に規定されています。

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律5条
自動車の運転上必要な注意を怠り、よって死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。
ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

過失運転致傷罪の「運転上必要な注意」とは、自動車の運転者が、自動車の各種装置を操作し、そのコントロール下において、自動車を動かす上で必要な注意義務をいいます。
ここで、道路交通法では自動車の運転者が守るべき義務が定められています。
過失運転致傷罪の「運転上必要な注意」を怠ったか否かは、この道路交通法の規定を参酌して判断されます。
ただし、道路交通法の規定を遵守していなかったからといって直ちに過失運転致傷罪の「運転上必要な注意」を怠ったと認められるわけではありません。

刑事事件例では、Aさんは、信号が赤になったことに気が付かず、そのまま交差点に進入し、Vさんをはねています。
周知のとおり、自動車の運転者は安全確認をしながら走行する義務を負います(道路交通法70条参照)。
それにもかかわらずAさんは漫然運転をしており、Aさんは過失運転致傷罪の「運転上必要な注意」としての安全運転義務を怠ったと認められることになります。

そして、Vさんを意識不明の重体となっており、ここに過失運転致傷罪の傷害が生じていると考えられます。

以上より、Vさんは過失運転致傷罪の容疑で逮捕されることになったのだと考えられます。

【過失運転致傷事件で逮捕された後の流れ】

過失運転致傷罪の容疑で逮捕された場合、検察官の処分としては、Aさんには①不起訴、②略式起訴、③正式起訴のいずれかがなされます。

このうちいずれの処分が下されるかは、過失運転致傷事件によって生じた被害の程度、犯罪行為の悪質性、注意義務違反の態様、示談の有無など、様々な事情によって決定されます。

特に、刑事事件例では、過失運転致傷事件の被害者の方が意識不明の重体となっており、過失運転致傷事件によって生じた結果としては大きいと考えられ、Aさんが正式起訴をされる可能性もあります。

【過失運転致傷事件で執行猶予を得るには】

もしAさんが過失運転致傷事件で正式起訴されてしまった場合、執行猶予判決を得るためには、裁判において、真摯に謝罪していることや二度と犯罪を犯さないこと、正式な被害弁償をしたことなどを裁判所に示していくことが重要です。

そこで、刑事弁護士としては、ご家族などの情状証人への尋問、過失運転致傷事件の被告人の方への質問などを通して、これらのことを裁判所に示していくことができると考えられます。
例えば、情状証人としてAさんのご両親に裁判所に出廷してもらい、被告人の方の性格や生活状況、今後の監督方法などについて話してもらうことができます。
また、示談が成立していれば、過失運転致傷事件の被告人の方には真摯に謝罪しており、相当な被害弁償をしたことを話してもらうことができます。

刑事弁護士は、情状証人の方・被告人の方が不安なく裁判所において話ができるよう、事前に入念に打ち合わせをしたり、助言をしたりすることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
過失運転致傷事件で逮捕された場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

 

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