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【解決事例】強制性交を疑われて取調べを受けている方をサポート 

2022-04-15

【解決事例】強制性交を疑われて取調べを受けている方をサポート 

強制性交を疑われて取調べを受けている方をサポートして不起訴を獲得した解決事例を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。


事件の概要

Aさんは、出会い系アプリで知り合った20代の女性と会い、同意のもとで、三重県名張市のホテルで性交渉しました。
Aさんは、性交渉後に女性から金銭を要求されたのですが、それを断ったところ、女性は「Aさんに無理矢理性交渉された。」と、三重県名張警察署に強制性交等罪で被害届を提出しました。
Aさんは、三重県名張警察署から呼び出しを受け、不拘束で警察の取調べを受けて、厳しく追及されていましたが、弁護士が徹底したサポートを行いました。
その結果、否認事件として検察庁に送致されたものの不起訴を獲得することができました。

(実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)

強制性交等罪

強制性交等罪は、刑法第177条に規定されている犯罪で、かつての強姦罪です。
強制性交等罪は、被害者が13歳以上の場合と、13歳未満の場合で内容が異なります。
13歳以上の場合は、暴行または脅迫を用いて性交(肛門性交、口腔性交を含む)した場合に成立し、13歳未満の場合は、暴行や脅迫の有無に関わらず、性交した時点で成立します。

今回、Aさんを訴えた女性は20代ですので、強制性交等罪が成立するには、性交の手段として、Aさんが女性に対して暴行や脅迫をはたらいていなければなりませんが、Aさんは、女性と出会ってから一緒にホテルに移動し、そこで性交するまで、女性と争いは一切なかったとのことです。
ただ性交後に急に女性から現金を要求されて、それを断ると女性が怒って一人でホテルを飛び出したようです。
しかし警察は、二人きりになったホテルの中でAさんが女性を脅迫したと疑っているようでした。

取調べをサポート

Aさんは、警察署の取調べで何度も同じことを聞かれて精神的に滅入っていました。
そういう状態に陥ってしまうと、やってもいないことを自白する方もおり、非常に危険な状態であることから、弁護士は取調べの前後にAさんと細目に連絡を取り、取調べに対するアドバイスだけでなく、Aさんを精神面からサポートしました。
しばらく取調べは続きましたが、最終的に警察署ではAさんの否認の供述調書しか作成されずに済み、事件は検察庁に書類送検されました。
そして担当の検察官は、Aさんを一度取り調べた後に不起訴を決定したのです。

このコラムをご覧の方で、三重県の警察署に無実の罪で取調べを受けている方がいらっしゃいましたら、一刻も早く「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」の無料法律相談をご利用ください。
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保釈について解説 保釈中の被告人にGPSを装着する実証実験開始

2022-04-12

保釈について解説 保釈中の被告人にGPSを装着する実証実験開始

保釈中の被告人の逃亡防止のためGPSを装着する実証実験が開始されることを参考に、保釈の制度について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。


保釈中の被告人にGPSを装着する実証実験が開始

4月5日付けの讀賣新聞朝刊によりますと、保釈中の被告人の逃亡を防止する措置として、今後、海外逃亡するおそれのある被告人には、GPSを装着する運用が開始される見通しです。
まだ実証実験の段階で、具体的にどのような被告人が対象になるのかや、どの程度まで監視されるのか、そもそもどの様なGPS端末装置を使用するのか等まで決定していませんが、2016年の運用開始を目指して今後実証実験が繰り返されそうです。
そこで本日は、保釈の制度について解説します。
(本日のコラムは、4月5日付の讀賣新聞朝刊を参考にしています。)

保釈

保釈とは、起訴された後に使うことのできる制度で、保釈請求が認められれば、保釈保証金、いわゆる保釈金を納付することで身体拘束から解放されます。
手続きの流れについては、まず裁判所に対して「保釈の許可を出してください」という保釈請求を行う必要があります。
保釈請求は被告人自身はもちろん、その親族なども行うことが可能ですが、法律の専門知識を要するので、刑事事件に強い弁護士に任せた方がよいでしょう。
裁判所に対して保釈を請求すると、裁判所は検察官の意見も確認します。
裁判所は、保釈請求書及びその添付書類と、検察官から提出された書類、検察官の意見などを参考に、保釈を許可するかどうかを決めます。
裁判所が保釈を許可すると同時に保釈保証金の金額が決定し、その金額を裁判所に納付すれば、被告人の保釈手続きが開始されます。

保釈保証金(保釈金)

なお、裁判所に納付した保釈保証金(保釈金)は、保釈された際に裁判所から付される保釈の条件に違反することなく裁判が滞りなく終了すれば、全額返還されます。
逆に、保釈期間中に逃亡したり、保釈の条件に違反したりして保釈が取り消されたり、裁判に支障が出たりした場合は保釈金は没収されてしまいます。
保釈保証金(保釈金)は、刑事裁判に被告人がきちんと出廷し、その後の刑事裁判に支障が出ないようにするための担保となります。

保釈保証金(保証金)の金額

刑事訴訟法で、保釈保証金(保釈金)の金額について「犯罪の性質及び情状、証拠の証明力並びに被告人の性格及び資産を考慮して、被告人の出頭を保証するに足りる相当な金額でなければならない」と定められており、150万円から300万円が相場だと言われています。
しかし時には、とんでもなく高額な保釈保証金(保釈金)が決定されることもあります。
過去の高額な保釈保証金は、一番がハンナン牛肉偽装事件の被告人で20億円で、2位は日産会自動車会長特別背任事件や、指定暴力団六代目山口組若頭による恐喝事件の被告人等で15億円となっています。

保釈に関するご相談は

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、これまで数多くの弁護活動を行い、事件を解決に導いてまいりました。
その中で、多くの保釈を獲得してきた実績がございますので、三重県内で、身体拘束を受けている方の保釈を希望されるのであれば、是非一度

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【少年事件】まもなく施行 少年法が一部改正

2022-03-17

【少年事件】まもなく施行される一部改正された少年法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

成年年齢を18歳に引き下げる改正民法の施行にともない、少年法の一部が改正されて、本年4月1日より施行されます。
本日は、まもなく施行される少年法の改正ポイントを少年事件を専門に扱っている弁護士が解説します。

「特定少年」の新設

これまでの少年法では、20歳未満が「少年」と定義され、少年法の適用を受けていました。
「少年」の定義に関しては改正後も変わりありませんが、18歳、19歳は「特定少年」と位置付けられて、17歳未満とは異なる手続きがとられます。

 

原則逆送事件の範囲拡大

これまでは、犯行時の年齢が16歳以上で故意の犯罪行為によって被害者を死亡させる事件を起こした少年が、原則逆送事件の対象となっていました。
改正後は、これに加えて死刑、無期・短期1年以上の懲役・禁錮に当たる事件を起こした特定少年(犯行時の年齢が18歳、19歳)も原則逆送事件の対象となりました。
原則逆送事件の範囲が拡大されたのは、18歳、19歳の特定少年は、責任のある主体として位置付けられているため、16歳や17歳の少年よりも広く刑事責任を負わせることが適当だとされているからです。
原則逆送事件の対象となる事件は、これまで殺人罪や、傷害致死罪、危険運転致死罪等でしたが、これらに強盗罪や、現住建造物等放火罪、強盗罪等が加わります。

罰金以下のみに当たる罪の取り扱い

これまでは罰金以下のみに当たる罪を犯した少年の検察官送致は認められていませんでしたが、改正後は、特定少年に対しては、刑事処分相当であれば検察官に送致するものとされ、罰金以下に当たる罪についても検察官送致の対象となりました。
つまり特定少年の場合、犯してしまった犯罪(罪)に関わらず、検察官に送致される可能性が高まったことになります。

特定少年はぐ犯少年が適用されない

これまで犯罪(罪)を犯していない少年に関して、ぐ犯を理由に家庭裁判所で審理の対象となって保護処分を受けることがありましたが、改正後、特定少年に関しては、ぐ犯少年の規定が適用されることはありません。
これは審判時に特定少年に達しているかどうかが基準となるので、17歳時にぐ犯を理由に家庭裁判所に送致されても、少年審判前に18歳となった場合は、特定少年であることを理由に少年審判を受けることはありません。

推知報道について

少年法では、犯罪を犯してしまった少年の更生と保護を理由に、報道から事件を起こしてしまった少年がどこの誰であるかということを推測できるような報道(推知報道)を禁止しています。
しかし改正後は、特定少年に関しては推知報道の禁止から除外されます。
これは特定少年時に犯罪(罪)を犯した少年については、起訴された場合に、推知報道されることを意味しています。

本日は、4月から施行される改正少年法の主な改正ポイントについて解説いたしました。
この他にも、今回の改正によって変更されている内容があるので詳しくは

こちら⇒⇒クリック

で解説しています。

三重県名張市の性犯罪 準強制性交等罪で逮捕されたら…

2022-03-08

三重県名張市の性犯罪 準強制性交等罪で逮捕されたら…

【三重県名張市の性犯罪】準強制性交等罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。


三重県名張市の準強制性交等事件

三重県名張市に住む会社員のAさんは、に準強制性交等の疑いで、三重県名張警察署に逮捕されました。
Aさんは、出会い系サイトで知り合った女性と食事をした後、ホテルで性交したのですが、女性は当時とても酔っており、性交に同意してはいなかったと言っているそうです。
Aさんとしては、女性が酔っていたのは分かっていたが、性交をする際にも、明確に抵抗されなかったので、同意があったものと思っていました。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、すぐに接見に行ってくれる刑事事件専門弁護士に連絡しました。
(フィクションです)

準強制性交等罪とは

準強制性交等罪は、平成29年の改正刑法により「準強姦罪」から改正された罪です。
準強制性交等罪は、暴行・脅迫の手段を用いずに、被害者の抵抗困難な状態を利用して、性交等を行う場合を処罰することとしています。

第百七十八条 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。

刑法178条1項は、準強制わいせつ罪について規定しており、同上2項が準強制性交等罪について規定しています。

準強制性交等罪は、
(1)人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、
(2)性交等をする
罪です。

(1)人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて

①心神喪失

「心神喪失」とは、精神的または生理的な障害により正常な判断能力を欠く場合をいいます。
例えば、睡眠、酩酊、高度の精神病または精神遅滞により被害者が行為の意味を理解できない場合が「心神喪失」に当たります。
ここでいう「心神喪失」は、責任能力における心身喪失とは異なり、重度の精神薄弱者は、責任能力としての心身喪失状態にあったとしても、性交等の意味を理解している場合には、準強制性交等罪における「心神喪失」には当たらないことになります。

②抗拒不能

「抗拒不能」とは、心神喪失以外の理由により心理的または物理的に抵抗が不可能または著しく困難な状態にあることをいいます。
「抗拒不能」に当たる場合としては、行為自体は認識していたが、医療行為だと誤信していた場合や畏怖状態に陥っている場合などが挙げられます。

心神喪失・抗拒不能の程度については、完全に不可能であることまでは求められず、犯行が著しく困難であればよいとされています。

心身喪失・抗拒不能に「乗じ」とは、既に被害者が心身喪失・抗拒不能の状態にあることを利用することを指します。
例えば、泥酔している被害者に対して、性交等を行う場合です。

また、心神喪失・抗拒不能に「させ」とは、犯人が暴行・脅迫以外の手段で抗拒不能の状態を作り出す場合や、暴行・脅迫時には性交等の故意がなかった場合をいいます。
典型例としては、被害者に睡眠薬を飲ませて、眠り込んだ被害者と性交等を行う場合があります。

加えて、準強制性交等罪の成立には、被害者が心身喪失・抗拒不能の状態にあることの認識が必要となります。
被害者が情婦であると誤信したため抗拒不能状態にあることの認識がなかった場合は、準強制性交等罪は成立しません。
また、被害者の同意があるものと誤信していた場合も、故意がないことから、準強制性交等罪は成立しないこととなります。

準強制性交等罪で逮捕されたら

準強制性交等罪で逮捕された場合、逮捕後勾留される可能性は高いと言えます。
事件の重大性や、被害者との接触可能性、逃亡のおそれなど、様々な要素が考慮され、例え、被疑者が身体拘束されることにより被り得る損害を考慮したとしても、なお、勾留することの必要性が認められる場合が多いからです。
しかし、勾留請求を行う検察官や勾留の判断を行う裁判官は、その判断を行う時点では被害者に有利な事情を知らないということもあります。
そのため、逮捕されたら、できるだけ早い段階で刑事事件に強い弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。
弁護士は、迅速に被害者に有利な事情を収集し、勾留が決定する前に、被疑者を勾留する必要がないことを客観的な証拠に基づき、検察官や裁判官に説得的に主張することを通じて、早期に釈放となるよう働きかけます。

また、容疑を認める場合には、すぐに被害者との示談交渉に着手するよう努めます。
被害者がいる事件では、被害者との示談が成立しているか否かといった点は、検察官が起訴・不起訴の判断をする際や、裁判官が言い渡す刑罰を決める際にも考慮されますので、非常に重要です。
示談に応じてもらえるかどうかは、被害者の意思に寄るところですが、交渉窓口となる弁護士の交渉手腕にも問われると言えるでしょう。

三重県名張市の刑事事件に強い弁護士

ご家族が準強制性交等罪で逮捕されてお困りであれば、今すぐ刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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【少年事件】痴漢事件で逮捕された少年 釈放後の手続きについて 

2022-02-25

【少年事件】痴漢事件で逮捕された少年 釈放後の手続きについて 

痴漢事件で逮捕された少年の、釈放後の手続きについてについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

痴漢事件で逮捕された少年

三重県四日市市に住む中学生のAくん(15歳)は、三重県四日市市楠町の路上において、見知らぬ女性に痴漢をはたらいたとして、三重県四日市南警察署に逮捕されました。
Aくんは、その日の夜に釈放されましたが、Aくんもその両親も今後どのように対応すればよいのか分からず不安で仕方ありません。
翌日、Aくんの父親は、ネットで探し出した少年事件専門弁護士に法律相談の予約を入れました。
(フィクションです。)

釈放後の手続き(在宅事件)

捜査機関は、事件を認知し、犯罪の嫌疑があると考えるときに、捜査を開始します。
捜査を進めるなかで犯人を特定すると、犯人の身柄を確保して捜査を進める必要があると判断すれば、犯人を逮捕することがあります。
犯人の身柄を確保して捜査を進める事件を、一般に「身柄事件」と呼びます。
一方、犯人の身柄を確保することなく捜査を進める事件を「在宅事件」といいます。
犯人が未成年の少年であっても、身柄確保が必要である場合には逮捕・勾留がなされることがあります。
一般的には、比較的軽微な犯罪に当たる行為を行った場合は、逮捕されずに、あるいは、逮捕されたとしても逮捕から48時間以内に釈放され、在宅のまま捜査が進められることが多くなっています。

~捜査段階~

少年の在宅事件の捜査段階の流れは、成人の在宅事件とほぼ同様となります。
先述しましたが、一度逮捕されても、その後勾留されずに釈放されて在宅のまま捜査が行われることもありますし、逮捕されずに捜査機関への出頭に応じる形で捜査が進むこともあります。
いずれにせよ、事件は勝手に終了するわけではなく、捜査機関による捜査は手続に沿って進められることになります。
まずは、警察署での取調べを受け、犯行現場で犯行態様の確認をしたりします。
大人であっても取調べを受けるときは緊張するものですので、事前に弁護士に相談し、取調べではどのようなことが聞かれ、どのように回答したらよいかについてアドバイスを受けておくのがよいでしょう。
警察での取調べが終わると、事件は証拠物や関係書類とともに検察官に送られます。
一定の場合には、警察から直接家庭裁判所に事件を送ることもあります。
事件を受理した検察官は、少年を呼び出して事件について取調べを行うこともありますし、呼び出さずに警察から送られてきた書類と一緒に事件を家庭裁判所に送ることもあります。

~家庭裁判所送致後~

家庭裁判所が事件を受理すると、調査官は少年に関する社会調査を行います。
調査官による調査は、少年の要保護性について行われます。
要保護性という用語は多義的に用いられますが、一般的には次の3つの要素から構成させるものと理解されています。
・少年の性格や環境に照らして、将来再び非行に陥る危険性があること。
・保護処分による矯正教育を施すことによって再非行の危険性を除去できる可能性があること。
・保護処分による保護が最も有効かつ適切な処遇であること。
調査官の調査の結果、家庭裁判所が審判を開始するのが相当であると認めれば、審判開始決定がなされます。
そうでないときは、審判開始不開始決定が行われ、事件は終了となります。


家庭裁判所は、事件を管轄する間、いつでも観護措置をとることができます。
観護措置というのは、調査・審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置のことです。
観護措置には、調査官の観護に付する措置と少年鑑別所の送致する措置の2種類がありますが、実務上は前者はほとんど活用されておらず、観護措置というときには後者の措置を指します。
捜査段階で逮捕・勾留されている事件では、家庭裁判所に送致された後に、そのまま観護措置がとられることが多いのですが、在宅事件であっても、家庭裁判所が観護措置の必要があると認めれば観護措置がとられることがあります。
そのため、在宅事件であっても、家庭裁判所に事件が送致されたときには、観護措置をとらないように家庭裁判所に働きかける必要があるでしょう。


審判では、非行事実と要保護性について審理されます。
つまり、少年がどのような行為をしたのか、そして、再びそのような行為をしないためにはどのような処分とすべきか、ということを明らかにします。
非行事実について特段争いがない場合には、要保護性の解消が審判のポイントとなります。
要保護性が解消されていると認められれば、社会内処遇での更生が期待できると判断され、保護観察となる可能性が高くなります。
しかしながら、要保護性の解消は、審判の日にその旨を述べるだけでは裁判官を納得させることはできません。
要保護性の解消に向けた環境調整活動は、できる限り早い段階から取り組む必要があります。
環境調整というのは、少年自身や少年の周囲の環境、具体的には家庭環境、学校、職場、交友関係などを少年の更生に適したものにする活動です。
そのためには、事件を起こした原因や少年が抱える問題を明らかにし、それらを解決する方法を探求し、実施していかなければなりません。
当然ながら、このような活動は少年ひとりで行うことはできません。
保護者や学校の先生方、職場の上司と協力して行う必要があります。
そして、少年と関係者と連携して環境調整を行うにあたってのファシリテイターとしての役割を担うのが弁護士です。
少年の内省を促進する、被害者がいる事件では被害者への被害弁償や示談を通じて少年に事件と向き合わせる、保護者と連携し家庭環境を改善する、学校関係者と話し合い少年の復学を支援するなど、弁護士が行う環境調整活動は多岐に渡ります。

少年事件に強い弁護士

お子様が事件を起こしてお悩みであれば、一度少年事件に精通する弁護士にご相談されてはいかがでしょうか。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件の対応にお困りの方は、弊所の弁護士に一度ご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

三重県の刑事事件。「不起訴って何ですか?」不起訴について教えてください。

2022-02-03

三重県の刑事事件。「不起訴って何ですか?」不起訴について教えてください。

不起訴について、三重県の刑事事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」が解説します。

不起訴に関する質問

三重県桑名市に住む33歳、自営業の男性からの質問
3カ月前に、近鉄桑名駅の近くにある居酒屋で、友人を殴って怪我をさせる傷害事件を起こしてしまいました。
逮捕はされていませんが、これまで何度か三重県桑名警察署で取調べを受け検察庁に書類送検されました。
友人とは和解して被害届を取り下げてもらうことができたので、検事さんから「不起訴にします。」と言われたのですが『不起訴って何ですか?』

三重県松阪市に住む50歳、会社員の男性からの質問
先日、通勤電車の中で痴漢と間違えられて三重県松阪警察署で取調べを受けました。
全く身に覚えのない事でしたが、被害者とされる女性は「私に痴漢された。」と言って警察に被害届を出したようです。
取調べで、私が容疑を否認していると、取調べを担当している刑事さんから「きちんと認めれば逮捕しないし、この程度の痴漢事件であれば不起訴になる。」と言われたのですが『不起訴って何ですか?』

三重県伊賀市に住む40代、公務員の女性からの質問
2カ月ほど前に、伊賀市ゆめが丘にあるスーパーで万引きをしてしまいました。
すでに警察の取調べを終え、検察庁に書類送検されていますが、職場である市役所の上司からは「不起訴でも懲戒処分になる可能性がある。」と言われて、現在は自宅待機中です。
『不起訴について教えてください。』

『不起訴』とは?

刑事事件のほとんどは、まず犯罪を認知した警察が捜査を行います。
そして捜査の過程で犯人(被疑者)が特定された事件のほとんどは検察官に事件が送致されます。
そして検察官がその犯人(被疑者)を起訴するかどうかを判断するのですが、ここで検察官が、刑事事件を起こした犯人(被疑者)を起訴しないことを「不起訴」と言います。
不起訴になれば前科は付きませんが、警察署で取調べを受けた記録は、前歴として残り、警察署で採取された被疑者指紋や写真も登録されたままです。

このように不起訴を決定するのは、警察官ではなく検察官です。
警察官の取調べで、警察官から「不起訴になるから大丈夫。」と言われたという話しをよく聞きますが、この警察官の言うことを鵜呑みにしてしまうのは危険です。
そもそも警察官には起訴、不起訴の決定権はありませんし、警察官がこのような事を言うのは、取調べを受けている人を安心させて、取調べを優位に進めるためだからです。
警察の取調べ段階で作成された書類を基に検察官が、起訴、不起訴の判断をするので、警察の捜査段階で、意に反する内容の書類が作成されてしまうと、その書類が起訴の決め手になることもあるので、警察の手続きで不安のある方は弁護士に相談することをお勧めします。

『不起訴』のメリットは?

警察の取調べを受けている方のほとんどは、今後の手続き等について大きな不安を感じていると思いますが『不起訴』というのは刑事手続きの終局処分となるので、不起訴が決定は刑事手続きの終了を意味します。
ですから不起訴が決定した事件の聴取で、警察署や検察庁から呼び出されることはないと考えていいでしょう。
ただ「起訴猶予」による不起訴の場合は、その後に新たな証拠が出てきた場合は起訴されてしまうこともあるので注意が必要です。

どんな時に『不起訴』になる?

法律的に不起訴になる理由は複数存在しますが、本日はその中でも代表的なものを3つ紹介します。

①嫌疑なし

警察はあなたが犯人だと決めつけて捜査を進めています。
当然あなたは、警察での取調べでは事件への関与を否定するでしょうが、それでも警察があなたを検察庁に送致したり、最悪の場合は逮捕してしまうこともあります。
まさに誤認逮捕です。
しかし検察庁では、法律のプロである検察官が、更に事件を精査します。
そこで検察官があなたが犯人ではないと判断したり、そもそも犯罪を認定するだけの証拠がないことに気付いた場合は「嫌疑なし」で不起訴となります。

②嫌疑不十分

送致を受けた検察官が、警察から送致された書類や、容疑者の取り調べを行い「嫌疑なしとまでは言い難いが、立証するだけの証拠が不十分だ」と判断した場合は「嫌疑不十分」で不起訴となります。

③起訴猶予

最後に紹介するのが「起訴猶予」による不起訴です。
起訴猶予は、無罪放免に近い「嫌疑なし」や「嫌疑不十分」とは異なり、単に検察官が「現時点での起訴を見送った。」という意味に過ぎないので、その後の状況の変化(新たな証拠が出てきた等)によっては起訴されてしまう可能性があります。
検察官が起訴猶予による不起訴を判断するのは、犯人であること立証するだけの証拠はあるが、起訴して有罪を得るまでの十分な証拠とは言えない場合や、事件自体が軽微な場合、犯人の年齢や、境遇、性格、更生の期待を考慮した場合、被害者との示談が成立している場合等です。
実は、検察官が不起訴の判断をする場合に一番多いのが、この「起訴猶予」による不起訴で、その数は、不起訴全体の9割を超えています。


三重県の刑事事件における『不起訴』の獲得に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、三重県内で起こった刑事事件の『不起訴』の獲得に自信のある法律事務所です。
三重県の刑事事件でお困りの方は一度ご相談ください。
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三重県名張市のわいせつ事件 監護者わいせつ事件で逮捕されるか不安

2022-01-23

【三重県名張市のわいせつ事件】監護者わいせつ事件で逮捕されるか不安な方に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所がアドバイスします。

三重県名張市のわいせつ事件

三重県名張市に住む会社員のAさんは、三重県名張警察署から監護者わいせつ事件の被疑者として呼び出しを受けています。
Aさんは、妻の13歳の連れ子に対して、胸を触るなどのわいせつな行為をしたと疑われています。
事の発端は、連れ子が学校の先生に相談したことで事件が発覚し、その日以降、連れ子は児童相談所に一時保護されています。
Aさんは、警察署に出頭すれば逮捕されるのではないかと不安で、刑事事件に強いと評判の弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

監護者わいせつ事件

監護者わいせつ罪は、平成29年の刑法改正により新設された罪です。

第179条 
1 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条の例による。


まずは監護者わいせつ罪について解説します。

■犯行の主体■

監護者わいせつ罪の主体は、「18歳未満の者を現に監護する者」です。
「18歳未満の者を現に監護する者」とは、18歳未満の者を現実に監督し保護している者のことです。
これには、親権者が典型的な例となりますが、親権者であっても、実際に監護している実態がなければ「現に監護する者」には該当しません。
他方、親権者でない者でも、事実上、現実に18歳未満の者を監督し保護する者であれば、監護者に当たります。
監護者に当たるかどうかは、監護者わいせつ罪が、依存・被依存あるいは保護・被保護によって生じる監護者であることによる影響力があること利用してわいせつ行為をすることに処罰の根拠があることから、依存・被依存あるいは保護・被保護の関係があるかどうか、そして、その関係は、具体的な影響力を及ぼせる程度であるかどうかといった点から判断されます。
衣食住などの経済的な観点、生活上の指導監督などの精神的な観点から被疑者と被害者との関係性を分析し、その関係が継続的に続いているかどうかが検討されます。

■犯行の客体■

監護者わいせつ罪の客体は、現に監護されている18歳未満の者です。

■行為■

監護者わいせつ罪の行為は、①現に監護する者であることによる影響力に乗じて、②わいせつな行為をすることです。

①現に監護する者であることによる影響力に乗じて
「現に監護する者であることによる影響力」とは、監護者が被監護者の生活全般にわたって、衣食住などの経済的な観点や、生活上の指導監督などの精神的な観点から、現に被監護者を監督し、保護することにより生ずる影響力のことをいいます。
その影響力に「乗じて」とは、現に監護するものであることによる影響力が一般的に存在し、かつ、行為時においてもその影響力を及ぼしている状態で、わいせつな行為を行うことをいいます。
つまり、わいせつ行為を行う場面で、影響力を利用するために具体的な行為を行うことまで必要ではないけれども、監護者の影響力と無関係に行った場合には、影響力に乗じたとは言えません。

②わいせつな行為
ここでいう「わいせつな行為」は、強制わいせつ罪における「わいせつ行為」と同じで、「いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道徳観念に反するような行為」をいいます。

■故意■

監護者わいせつ罪は、故意犯ですので、罪を犯す意思がなければ罪は成立しません。
監護者わいせつ罪の故意は、自己が18歳未満の者を現に監護する者であること、現に監護するものであることによる影響力があることに乗じること、わいせつな行為を行うことの認識・認容です。
18歳未満の者を現に監護する者であることの認識・認容については、現に監護する者に該当することの認識まで必要ではなく、これを基礎づける事実の認識・認容で足ります。

■罰則■

監護者わいせつ罪の法定刑は、強制わいせつ罪のそれと同じであり、6月以上10年以下の懲役です。

監護者わいせつ事件で逮捕されたら

監護者わいせつ事件では、被疑者と被害者との関係性から、被疑者の身柄を拘束をせずに捜査を進めると、被疑者が被害者、あるいは、被害者の母親と接触し、供述を変えるように迫るなど罪証隠滅のおそれがあると判断される傾向にあることから、被疑者の身柄を確保した上で、捜査が進められる可能性は高いでしょう。
つまり、逮捕される可能性も高く、その後に勾留が付くことが予想されます。
ただ、捜査段階での釈放が困難であっても、起訴後に保釈制度を利用して釈放される可能性はあるでしょう。
保釈が認められるかどうかの判断において、重要な要素のひとつに、罪証隠滅のおそれの有無があります。
逮捕・勾留の場面でも重要な要素となった罪証隠滅のおそれですが、やはり、起訴後、つまり、検察官が被疑者を有罪にするだけの十分な証拠を揃えた後であっても、被害者との接触を図り、被害者の供述を変えるよう迫るおそれは残ります。
そのため、被害者との接触の可能性がないことを立証し、裁判官に罪証隠滅のおそれがないと認めらもらうよう、起訴される前から準備しておく必要があります。

監護者わいせつ事件では、犯罪を立証するだけの十分な証拠があると検察官がと考える場合には、起訴される可能性が高いでしょう。
監護者わいせつ罪の法定刑は懲役刑のみですので、起訴=公判請求となり、公開の法廷で審理されることとなります。
ただ、有罪にするだけの証拠が揃っている場合であっても、被害者が、その精神的な影響を恐れ、裁判で証言することを拒否するケースも少なくなく、起訴しないとすることもあります。

監護者わいせつ事件で逮捕された場合、身体拘束が長引く可能性、公判請求される可能性が高いでしょう。
そのため、取調べ対応や保釈に向けた準備、公判に向けた準備を捜査段階から進めておく必要があります。

警察に逮捕されてからの流れについては
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三重県名張市の刑事事件に強い弁護士

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三重県伊勢市の傷害事件 従業員をエアガンで撃った男が逮捕

2022-01-12

三重県伊勢市の傷害事件 従業員をエアガンで撃った男が逮捕

三重県伊勢市で、従業員をエアーガンで撃った男が逮捕され傷害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

三重県伊勢市の傷害事件

三重県伊勢市の老人ホームにおいて、このホームを経営する男性が、従業員の身体をエアガンを発射させ、全治10日間の傷害を負わせたとして警察に逮捕されました。
新聞等の報道によると、逮捕された男性は被害者に対して、去年の9月、事務所において一度に複数の弾が発射されるタイプのエアガンで、被害男性はわき腹に全治10日間の傷害を負ったとのことです。
逮捕された男性は、警察の取調べに対して「怒って被害者を投げたことは覚えているが、エアガンを撃ったことは思い出せない」と、容疑を否認しているようです。
※令和4年1月7日配信の東海テレビのニュース記事から抜粋

傷害事件

傷害罪とは、人に暴行を加えて傷害を負わせた時に成立する犯罪です。
刑法第204条に規定されており、その法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。

傷害罪で逮捕されるとどうなるの

傷害罪で警察に逮捕されると、48時間以内は警察の判断で身体拘束を受けることになります。
当然、この48時間以内に釈放されることもあります。
釈放されなかった場合は、48時間以内に検察庁に送致されます。
検察庁に送致されると検察官から取調べを受けることとなり、その検察官が裁判所に勾留を請求するかどうかを判断します。
この時点で釈放される場合もありますが、検察官が勾留請求を決定した場合は、送致から24時間以内に裁判所に勾留請求されることとなります。
裁判所に勾留請求されると、裁判所で裁判官から質問を受けることになり、裁判官は勾留を決定するかどうかを判断します。
裁判官が検察官の勾留請求を却下すれば、その時点で釈放されますが、逆に勾留を決定すればその日から10日間は引き続き身体拘束を受けることになります。
そして勾留満期と共に、検察官は

①勾留延長を請求するか

②正式に起訴するか

③略式起訴による罰金刑とするか

④不起訴にするか

の何れかを判断します。

①勾留延長を裁判所に請求した場合
裁判官は10日まで勾留を延長する決定をすることができます。
そして勾留延長の満期後に以下の②~④の手続きとなります。

②正式に起訴することを決定した場合
その後の刑事裁判で刑事処分が決まり、保釈が許可されない限り身体拘束は続きます。

③略式起訴による罰金を決定した場合
刑事裁判は開かれず、最終的に裁判所で決められた金額の罰金を納付すれば刑事手続きは終了します。

④不起訴を決定した場合
その時点で刑事手続きが終了します。

エアガンを使用した傷害事件

傷害罪の量刑は、暴行の程度と、被害者の怪我の程度によって大きく左右されます。
今回の事件、被害者の傷害は全治10日間と、それほど大きな傷害ではなさそうですが、エアガンを凶器として使用している暴行の程度は非常に悪質なものと判断されるでしょう。
被害者との間で示談を締結することができれば略式起訴による罰金刑だったり、場合によっては不起訴処分の可能性もあるでしょうが、そういった事情がなければ正式に起訴される可能性が非常に高いと思われます。

傷害事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、傷害事件に関するご相談を

フリーダイヤル 0120-631-881

にて24時間、年中無休で受け付けております。
三重県伊勢市で、ご家族、ご友人が警察に逮捕された方や、傷害事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

遺体を放置して死体遺棄事件に

2021-12-28

遺体を放置して死体遺棄事件に

遺体を放置して死体遺棄事件になった事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

三重県多気郡大台町在住のAさんは、夫と2人暮らしでした。
ある日、Aさんは、Aさんの夫が昨夜の就寝時のまま亡くなっていることに気が付きました。
しかし、Aさんは誰にも相談することができず、また、遺体をどのようにしていいのか分からなかったため、夫の遺体を自宅に放置していました。
しばらくして、三重県の大台町役場が、Aさんの夫と連絡が取れないことを不審に思い、三重県大台警察署に相談。
三重県大台警察署の捜査の結果、AさんがAさんの夫の遺体を放置していたことが発覚し、Aさんは死体遺棄罪の容疑で逮捕されることとなりました。
Aさんは、親族の依頼で接見にやってきた弁護士に、遺体を放置していただけで死体遺棄罪になるのか相談しました。
(※令和3年12月25日YAHOO!JAPAN配信記事を基にしたフィクションです。)

・遺体の放置と死体遺棄罪

今回Aさんの逮捕容疑となっている死体遺棄罪は、刑法190条に規定されている犯罪です。

刑法第190条
死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。

条文を見ると、死体遺棄罪の名前の通り、死体を「遺棄」することで死体遺棄罪が成立するようです。
一般にイメージされる「遺棄」とは、物をどこかへ捨てる行為を指すでしょう。
それに対して、今回の事例を見てみると、Aさんは夫の遺体を放置しただけで、どこかへ捨てたわけではありません。
遺体を放置するという行為と「遺棄」という言葉のイメージは簡単に結びつきづらいかもしれませんが、今回のような場合でも死体遺棄罪は成立するのでしょうか。

ここで注意しなければいけないのは、死体遺棄罪の「遺棄」という言葉は、習俗上の埋葬と認められる方法によらないで放棄することを指しているということです。
つまり、死体遺棄罪の「遺棄」という言葉は、積極的に死体を捨てる行為だけを指しているわけではないということです。
よくイメージされるであろう、山などに死体を捨てるという行為はもちろん、今回の事例のAさんのように、家族である夫の死体を埋葬する義務のある者(=Aさん)が、一般的に埋葬と認められるような埋葬をせずに放置するような場合にも、死体遺棄罪の「遺棄」をしていると考えられるのです。
そのため、今回の事例ではAさんに死体遺棄罪の容疑がかかっているのです。

死体遺棄罪は、条文にある通り、懲役刑しか刑罰の規定がありません。
すなわち、罰金を支払って事件を終えるといったことはできず、起訴されれば必ず公開の法廷に立って刑事裁判を受けるということになります。
刑事裁判を受けるとなれば、裁判での尋問に向けた練習などの対策や、提出する証拠の準備などを綿密に行わなければいけません。
それだけ重大な犯罪ですから、死体遺棄事件の当事者となってしまったら、早期に弁護士に相談・依頼すべきでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、死体遺棄事件を含めた刑事事件を専門としている法律事務所です。
三重県刑事事件にお困りの際は、お気軽にご相談ください。

傷害罪で逮捕された場合の前科を相談

2021-12-24

傷害罪で逮捕された場合の前科を相談

傷害罪逮捕された場合の前科について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例

Aさん(大学3年生)は,三重県松阪市の居酒屋で同じサークルに所属している友人4人と楽しく食事をしていました。
しかし,その友人の中のVさんが大学の成績についてAさんについて悪口を言い始めました。
Aさんは,最初は我慢していましたが,徐々にエスカレートしていくVさんの悪口に耐え切れなくなり,Vさんに顔面を数発殴ってしまいました。
その結果,Vさんに頬の骨を骨折する怪我を負わせてしまいました。
Aさんは,その場にいた他の友人らに取り押さえられ,店員が呼んだ三重県松阪警察署の警察官に傷害罪逮捕されてしまいました。
Aさんが逮捕された旨の連絡を受けたAさんの父親は,Aさんに前科がつくことで就職活動に影響が出ないか気になり,刑事事件を専門に扱う弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

~傷害罪とは何か~

傷害罪は,刑法の以下の条文に定められています。

刑法第204条(傷害罪)
人の身体を傷害した者は,15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

傷害罪とは,人に対して暴行を行った事件のうち,相手方が傷害,つまり怪我を負ってしまった場合に問われる犯罪です。

今回の事例のような喧嘩によって傷害事件に発展した場合には,その場に通報によって駆け付けた警察官が臨場するケースもあり,傷害罪現行犯逮捕されることも十分考えられます。

~逮捕=「前科」なのか~

そもそも刑事訴訟法上「前科」について正確な定義はありません。
ただ,多くの人がイメージする「前科」とは,犯罪をしたという経歴を指しています。

では,その「前科」とは,逮捕された時点で付いてしまうものなのでしょうか。
逮捕については,刑事争訟法で以下のように定められています。

刑事訴訟法第199条第1項
検察官,検察事務官又は司法警察職員は,罪を被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときは,あらかじめ発する逮捕状によりこれを逮捕することができる。

この条文は,逮捕はあくまでも罪を犯したことを疑うに足る相当合理的な理由がある場合に行われるというものです。
そのため,逮捕されたことは犯罪をしたと確定的に判断されたものではありません。

そのため多くの方がイメージする「前科」がつくのは,起訴をされ,かつ起訴された事件の裁判において有罪判決をうけた場合です。
先ほど触れた通り,「前科」については法律で定義されているわけではなく,一般に上記のような解釈がされているということになります。
したがって,起訴をされなければ有罪判決を受けることもないため「前科」が付くことはなく,逮捕されたからといって「前科」がつくわけではないのです。
つまり,不起訴を獲得すれば「前科」はつきません。
前科」を避けるためには,まずは不起訴処分を獲得することを目指すことになるでしょう。

今回のAさんのように,逮捕され身体拘束をともなう刑事事件では,被疑者を守るために逮捕から起訴までが最大23日以内という制限が存在します。
ただ,それは同時にその期間の間で起訴か不起訴か判断されてしまうことを意味します。
そのため,前科を避けるためには素早く不起訴獲得に向けた対応が必要になります。

そして不起訴獲得に向けた対応としては,被害を受けた方への被害弁償をしたり謝罪文を作成することで,反省の意思を見せることが挙げられます。
これらの行為を行うことで不起訴を獲得しやすくなるといえますが,当事者だけでそういった活動を行うことは難しいですから,弁護士の力を借りることがおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件でお悩みの方は,まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。
専門のスタッフが,24時間体制で無料法律相談,初回接見サービスを受け付けております。

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