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少年事件と被害弁償、示談
少年事件と被害弁償、示談といった被害者対応との関係について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
三重県鈴鹿市の書店内で、女子高生のスカート内を盗撮したとして、三重県鈴鹿警察署は、高校生のAくん(16歳)を逮捕しました。
Aくんは、鈴鹿警察署で取調べを受けた後、Aくんの両親が身元引受人となり、釈放されました。
Aくんの両親は、被害者への被害弁償を行い、何とか許してもらえないかと考えており、被害者対応について弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
少年事件の特徴
少年事件は、成人の刑事事件とは異なる点が幾つかあります。
1.全件送致主義
捜査機関は、少年の被疑事件について、捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合、および犯罪の嫌疑が認められない場合でも家庭裁判所に審判に付すべき事由がある場合は、すべての事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。
これを「全件送致主義」といいます。
つまり、少年事件では、成人の刑事事件における起訴猶予や微罪処分のように捜査機関限りで事件を終了させることは認められていないのです。
成人の刑事事件では、犯罪の内容が軽微であったり、被害者との示談が成立している場合には、被疑者が容疑を認めている場合でも、検察官は起訴猶予という形で不起訴処分で事件を処理することがあります。
しかし、少年事件では、原則すべての事件が家庭裁判所に送致されることになっていますので、被害者との示談が成立したことをもって事件が終了することにはなりません。
ただ、少年の被疑事件について、捜査を遂げた結果、捜査機関が少年に犯罪の嫌疑がないとはんだんした場合には、嫌疑なしや嫌疑不十分として、事件を家庭裁判所に送致しないこともあります。
2.少年審判
少年法は、「少年の健全な育成に期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とする」と規定しており、少年が行った過去の犯罪や非行に対する応報として少年を処罰するのではなく、少年が将来再び犯罪や非行を行わないように、少年の改善教育を行うことを目的としています。
そのため、少年審判では、非行事実(成人の刑事事件でいうところの公訴事実に当たるもの)及び要保護性の2要素が審理されます。
要保護性というのは、多義的に用いられるものですが、一般的には次の3つの要素から成るものと理解されています。
①再非行の危険性
少年の性格や環境に照らして、将来再び非行に陥る危険性があること。
②矯正可能性
保護処分による矯正教育を施すことによって、再非行の危険性を排除できる可能性。
③保護相当性
保護処分による保護が最も有効かつ適切な処遇であること。
少年審判では、非行事実と併せて要保護性が審理された上で、少年に対する処分が言い渡されます。
成人の刑事事件では、犯罪の軽重が量刑にも大きく影響しますが、少年事件では、非行事実が比較的軽いものであっても、少年に反省が見えなかったり、事件を起こした原因が解消されていなかったりする場合には、要保護性が高いと判断され、少年院送致という収容処分が決定されることもあります。
また、成人の刑事事件と異なる点としては、審判は、家庭裁判所が審判手続を主導して、少年に関する調査を行い、その結果に基づいて審理を行い処分を言い渡す手続手法をとっていることや、原則として審判が非公開であるといったことが挙げられます。
少年事件における被害者対応
少年事件は、成人の刑事事件のように捜査段階で被害者への被害弁償、示談が成立したことをもって起訴猶予で事件が処理されることはありません。
しかしながら、少年事件における被害者対応の如何は、最終的な処分にも影響を及ぼすという点では重要です。
少年審判では、非行事実の他に、要保護性という要素が審理の対象となります。
要保護性が高ければ、少年院送致といった厳しい処分が言い渡される可能性があります。
そのため、審判が行われる日までに少年の要保護性を解消しておく必要があります。
要保護性を解消する活動を「環境調整活動」といいます。
簡単に言うと、環境調整活動は、少年が再び非行をしないために少年の周囲の環境を整える活動です。
少年の周囲の環境と言いましても、家族や学校、職場、交際関係など少年と周りの関係の調整だけにとどまらず、少年本人への働きかけは環境調整活動に必要不可欠です。
少年本人への働きかけとは、事件について内省を深め、被害者がいる事件では、被害者に対する謝罪の気持ちと持てるようにすること、事件の背後にある様々な問題と向き合って、それをどのように対処すべきかについて一定の方向性を示すことなど、多岐に渡ります。
被害者への謝罪や被害弁償、示談締結は、その結果自体が重要なのではなく、そのプロセスを通して、少年が被害者の気持ちと向き合い、真摯に謝罪の気持ちを持てるようになること、ひいてはそれが再非行の防止につながるため、少年事件であっても被害者対応は重要となります。
通常、被害者への被害弁償や示談交渉は、弁護士を介して行います。
少年事件であっても、弁護士を介して示談交渉を行うのが一般的ですが、弁護士は、ただ示談を成立させることにこだわるのではなく、少年の行為により苦しんでいる被害者の気持ちを少年が理解し、被害者への謝罪の気持ちが持てるように、少年に働きかけます。
被害者への真摯な謝罪が、少年の更生にも不可欠であるため、調査や少年審判でも、被害者に対してどのような対応を行ったかという点が問われます。
以上のように、少年事件であっても、被害者対応は重要な意味を有しており、決して軽視することはできません。
少年事件で被害者対応にお困りであれば、少年事件に詳しい弁護士に相談されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、全国的な刑事総合法律事務所として、全国の主要都市に事務所を構えております。
多岐にわたる刑事事件・少年事件の経験豊富な弁護士が、捜査・裁判のいずれの段階においても、あなたを全力でサポートします。
当事務所では、初回につき無料の法律相談を実施しています。迅速な対応を可能にすべく、法律相談の予約の案内は、土日祝日、夜間も含めて24時間体制で電話にて受け付けております。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談・出張相談も行っています。
津や四日市など三重県の刑事事件・少年事件でお悩みの方は、まずは一度ご連絡ください。
無免許運転で刑事事件に
無免許運転で刑事事件に発展した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
交通違反を重ねた結果、免停になったAさんは、しばらく運転を控えていましたが、遠方に出かける用事ができたため、「少しぐらいなら構わないだろう。」と思い、家族の車を借りて運転することにしました。
ところが、三重県いなべ市を運転中に、一旦停止を怠ったとして、三重県いなべ警察署の警察官に呼び止められ、運転免許証の提示を求められました。
すると、Aさんが免停中であることが分かったため、Aさんは道路交通法違反(無免許運転)の疑いで逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAさんの妻は、すぐにAさんと会ってくれる弁護士を探すことにしました。
(フィクションです。)
交通違反・交通事故と刑事事件
交通違反を犯した者のすべてに対して、刑事訴訟法に基づく刑事手続(少年の場合は少年の保護手続)を行うわけではありません。
一定の軽微な違反については、刑事手続をとる前に、交通反則通告制度によって行政処分を課し、その処分を受けた者については、反則行為について刑事手続(あるいは少年保護手続)を受けずに事件が処理されることになっています。
交通反則通告制度とは、自動車または原動機付自転車を運転する中で犯した軽微な交通違反(反則行為)について、反則行為の事実を警察官または交通巡視員により認められた者が、一定期日までに法律に定める反則金を納付することで、その行為について公訴を提起されず、あるいは家庭裁判所の審判に付されないものとする制度です。
しかしながら、無免許運転、大型自動車等無資格運転、酒酔い運転、麻薬等運転、酒気帯び運転に該当する場合、または反則行為をしたことにより交通事故を起こした場合には、交通反則通告制度の対象外となり、当該制度は適用されません。
また、反則者(反則行為をした者)に当たる人であっても、その居所や氏名が明らかではないとき、反則者が逃亡するおそれがあるとき、あるいは、反則者が書面の受領を拒否したり、反則者の居所が不明のために告知書や通告書が渡されなかったときには、交通反則通告制度が適用されません。
無免許運転で刑事事件に
道路交通法第64条は、公安委員会の運転免許を受けないで自動車または原動機付自転車を運転することを禁止しています。
公安委員会の運転免許を受けないで自動車等を運転する行為を「無免許運転」といいます。
無免許運転には、これまで一度も運転免許証の交付を受けたことがない場合だけでなく、免許取消中あるいは免停中に自動車等を運転する場合も含まれています。
また、運転免許を受けてはいるものの、その資格では許可されない車両を運転する場合も、免許外運転に当たり、無免許運転となります。
無免許運転に対する刑事罰は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
無免許運転は、交通反則通告制度の対象外ですので、無免許運転で警察に検挙された場合は、刑事手続に基づいて事件が処理されることになります。
刑事事件に発展した場合
無免許運転のような交通違反で刑事事件に発展した場合には、刑事訴訟法に基づく刑事手続に付されることになります。
捜査を行うために、必要があれば、逮捕されることもあります。
無免許運転の場合、交通事故を起こしたり、警察からの呼び止めに応じた際に免許証の提示が求められ、無免許運転であることが発覚することが多く、その場で逮捕されるケースもありますが、初犯であり、身元がはっきりしており、定職に就いているなどの事情があれば、早期に釈放されることも少なくありません。
ただ、何度も無免許運転を繰り返していたり、人身事故を起こした場合などは、逮捕後に勾留される可能性があります。
そのため、早い段階で弁護士に弁護を依頼し、早期の釈放を目指した活動を行い、生活に過度な不利益が生じることを避けることが重要です。
捜査が終了すると、検察官が起訴するかどうか、起訴するとしても略式手続とするのか、公判請求するのか、といったことを決めます。
弁護士は、再犯防止策を十分に講じているという被疑者・被告人に有利な事情を客観的な証拠に基づいて立証し、できる限り寛大な処分となるよう弁護します。
刑事事件に発展し、被疑者・被告人として刑事手続の当事者となってしまった場合には、刑事事件専門の弁護士に相談・依頼するのがよいでしょう。
民事事件とは異なる多く、普段から刑事事件を取り扱っている弁護士であれば、迅速に対応してくれることを期待できます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件を起こし対応にお困りの方は、弊所の弁護士にご相談ください。
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傷害事件で逮捕されたら
傷害事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
三重県鳥羽市の路上で、口論になった相手に対して殴る蹴るの暴行を加え、怪我を負わしたとして、会社員のAさんは三重県鳥羽警察署に現行犯逮捕されました。
Aさんは当時酒に酔っていたようで、事件についてあまり覚えていません。
ただ、会社に事件のことが知られてしまうとクビになってしまうかもしれないと心配しています。
逮捕の連絡を受けたAさんの妻は、何とかすぐに釈放されないかと不安でなりません。
(フィクションです。)
傷害事件で逮捕された後の流れ
傷害事件を起こし、警察に逮捕された場合、被疑者の身柄は警察署に移されます。
警察署では、事件についての取調べが行われます。
警察は、逮捕から48時間以内に、被疑者を釈放するか、それとも、証拠物や関係書類と一緒に被疑者の身柄を検察庁に送ります。
逮捕後に引き続いて被疑者の身柄を拘束しながら捜査をする必要がないと考える場合には、警察は被疑者を釈放します。
傷害事件では、犯行態様、被害者の被害の程度や、被疑者と被害者との関係性、被疑者が容疑を認めているかいないかによって、逮捕後に釈放となるケースもあります。
一方、警察が検察庁に送致した場合、検察官は、被疑者の身柄を受けてから24時間以内に、被疑者を釈放するか、それとも、被疑者に対して勾留を請求するかを判断します。
検察官は、警察から送られてきた証拠物や関係書類、被疑者の取調べを行った上で、被疑者の身柄を拘束したまま捜査をする必要があるかどうかを検討します。
検察官が、勾留を請求した場合には、被疑者の身柄は、裁判所に移ります。
検察官からの勾留請求を受けて、裁判官は、被害者と面談を行い、被疑者を勾留すべきかどうかの判断を行います。
勾留すべきではない場合には、検察官の勾留請求を却下し、被疑者を釈放します。
勾留すべきとの判断を下した場合には、被疑者は、検察官が勾留請求をした日から原則10日間拘束されることになります。
勾留は、延長することができるので、10日間の勾留の後に最大で更に10日間の身体拘束となる可能性もあります。
被疑者の身柄を拘束している場合、検察官は、その勾留期限の間に、被疑者を起訴するか、それとも不起訴で事件を処理するかを決めます。
検察官が、不起訴の決定をすると、事件は終了し、被疑者が身柄拘束されている場合には、即時釈放となります。
一方、検察官が起訴すると、被疑者は被告人となり、勾留も起訴後の勾留にかわります。
起訴後の勾留期間は、2カ月で、以降1カ月ごとの更新が認められています。
会社に事件を知られたくない
刑事事件を起こし、逮捕されたときに、本人やその家族が心配することの1つに、会社に事件が知られてしまうのではないか、ということがあります。
会社に事件が知られてしまうと、最悪の場合、懲戒解雇となってしまうおそれがあるからです。
被疑者の収入を頼りに生活をしている場合には、被疑者が長期間勾留されることにより、被疑者本人だけでなく、その家族も、大きな不利益を受けることになってしまいます。
ですので、会社に事件が知られる前に、被疑者の身柄を解放することが、被疑者やその家族にとってとても重要なポイントとなります。
上で述べたように、裁判官が勾留を決定するまでには、警察や検察官、裁判官それぞれが被疑者の身体拘束についての判断する段階があります。
その段階で、被疑者を拘束する必要がないと判断されれば、被疑者の身柄は解放されることになります。
具体的には、逮捕されてから検察官に送致されるまでの間に、警察に被疑者を釈放するよう働きかける、検察に送致された場合には、検察官に対して意見書や面談を行うことにより、勾留の要件を満たしていないことを客観的な証拠に基づいて主張し、勾留請求をしないように働きかけます。
検察官が勾留請求をした場合には、勾留の判断をする裁判官に対して、当該被疑者については勾留の要件を満たしていない旨を主張し、勾留の決定をしないよう働きかけます。
このような働きかけにより、被疑者が勾留されずに釈放される可能性を高めることができます。
また、裁判官が勾留の決定をした場合であっても、その決定に対して不服申立を行うことにより、勾留を決定した裁判が取消され、被疑者が釈放となる可能性もあります。
逮捕から勾留の決定までの期間は短いため、勾留を回避するためには、迅速に動かなければなりません。
会社に事件のことが知られるのではと心配されておられるのであれば、すぐに刑事事件に強い弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が刑事事件・少年事件を起こし対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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責任能力を争う刑事弁護士
責任能力について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
三重県志摩市で、同居する親族を殺害しようとしたとして、三重県志摩警察署は、Aさんを殺人未遂の容疑で逮捕しました。
Aさんは、精神障害を患っており、事件当時もその影響が大きかったのではないかとAさんの家族は考えています。
Aさんの家族は、事件について刑事事件専門弁護士に相談し、責任能力について質問することにしました。
(フィクションです。)
犯罪の成立
犯罪は、その行為を行った場合には刑罰が科されるべきものだと言えるでしょう。
もう少し細かく言えば、犯罪とは、「構成要件に該当する、違法で有責な行為」です。
つまり、犯罪というのは、人の行為であって、①構成要件に該当する、②違法で、③責任がある、という3つの要件をすべて備えたもの、となります。
①構成要件該当性
刑法をはじめとするある一定の法律には、「〇〇した者は、△△年以下の懲役又は□□万円以下の罰金に処する。」といった条文が規定されています。
この「〇〇した」のように、法律により犯罪として決められた行為の類型を、構成要件といいます。
殺人罪であれば、「人を殺した」行為が構成要件です。
この構成要件を満たす場合を構成要件該当性といい、犯罪の成立を肯定するためには必要となります。
②違法性
ある行為が、構成要件に該当する場合であっても、それが違法でなければ犯罪は成立しません。
通常、犯罪として法律に規定された行為は、その行為を禁止するために犯罪として規定されていることから、本来は違法であることが想定されています。
しかしながら、ある一定の事情が存在する場合には、違法性がなく、犯罪は成立しない、ということになるのです。
違法性を失わせる特段の事情を「違法性阻却事由」といい、正当行為、正当防衛、緊急避難などがあります。
③有責性
構成要件に該当する行為を行い、その行為は違法である場合であっても、それを行ったことについて責任が認められないのであれば、犯罪の成立を肯定することはできません。
責任は、行為者に対する非難可能性であって、非難することができなければ刑罰を科すことはできない、との考えが基礎にあります。
責任があるかどうかの判断は、「責任能力」、「故意又は過失」、そして、「適法行為の期待可能性」で判断されます。
今回は、上の事例でも問題になっている責任能力について考えてみましょう。
責任能力
犯罪だとされる行為を行ったことについての責任が認められるには、行為者において、責任があるとすることができる能力、つまり、責任能力がなければなりません。
責任能力とは、「事物の是非善悪を弁別し、それに従って行動する能力」のことをいいます。
刑法は、39条で心神喪失・心身耗弱、41条で刑事未成年について規定しています。
第39条 心神喪失者の行為は、罰しない。
2 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。
第41条 14歳に満たない者の行為は、罰しない。
心神喪失とは、精神の障害により、行為の違法性を弁識し(弁識能力)、その弁識に従って行動を抑制する能力(制御能力)を欠く状態をいいます。
弁識能力又は制御能力いずれかが欠けている場合が心神喪失となり、この場合は、責任能力が欠ける(責任無能力)ため責任が阻却されます。
心身耗弱とは、精神の障害により、弁識能力又は制御能力が欠如するまでには至っていないものの著しく限定されている状態をいいます。
心身耗弱の場合には、責任能力は認められるものの、著しく限定されているため(限定責任能力)、責任減少を認めて刑の必要的減軽が適用されます。
心神喪失・心身耗弱の判断については、病歴、犯行当時の病状、犯行前の生活態度、犯行の動機や態様、犯行後の行動、犯行以後の病状などを総合的に考察して行われます。
責任能力は、あくまでも法律上の概念であり、法律判断であるため、専門家の鑑定を行い、例えその鑑定で心神喪失や心身耗弱の状況にあるとされても、最終的に心神喪失・心身耗弱の判断を行うのは裁判官です。
弁護士は、被疑者・被告人に精神障害が認められ、その精神障害の症状が犯行に影響を与えたこと、そして、被害者・被告人を法的に非難できるかどうか、という点に重点を置き、責任能力がないこと、あるいは限定的であることを客観的証拠に基づいて立証し、責任能力を争います。
刑事事件において、責任能力が争われるケースは少なくありません。
しかし、責任能力がない、あるいは限定的であることを立証することは容易ではありません。
責任能力に疑問のある場合には、できる限り早期に刑事事件に精通する弁護士に相談されるのがよいでしょう。
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少年事件で観護措置回避
少年事件で観護措置回避に向けた活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
三重県度会郡玉城町に住むAさん(15歳)は、友人Bさんと共謀して、知人のVさんに対して暴行を加え、財布を盗ったとして、三重県伊勢警察署に逮捕されました。
Aさんは逮捕後に、勾留が決定しましたが、高校受験を控えていることから、早く釈放されることを希望しています。
Aさんの両親は、家庭裁判所に送致された後も観護措置により身体拘束が続く可能性について警察から聞き、なんとか回避できないかと困っています。
(フィクションです。)
観護措置について
捜査機関は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合、および犯罪の嫌疑が認められない場合でも、家庭裁判所の審判に付すべき事由がある場合は、すべての事件を家庭裁判所に送致することになっています。
事件を受けた家庭裁判所は、調査、審判を経て、少年に対する処分を決定します。
家庭裁判所は、事件が係属している間いつでも、観護措置をとることができます。
観護措置とは、家庭裁判所が調査、審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置のことです。
観護措置には、家庭裁判所の調査官の観護に付する在宅観護と、少年鑑別所に送致する収容観護とがありますが、実務上、在宅観護はほとんど行われておらず、観護措置という場合には、収容観護を指すものとなっています。
観護措置の要件は、「審判を行うため必要があるとき」と少年法に規定されています。
一般的には、次の各要件を満たす必要があるとされています。
①審判条件があること。
②少年が非行を犯したことを疑うに足りる事情があること。
③審判を行う蓋然性があること。
④観護措置の必要性が認められること。
④観護措置の必要性については、具体的に次の事由がある場合に認められるとされています。
(ア)調査、審判および決定の執行を円滑かつ確実に行うために、少年の身体を確保する必要があること。
(イ)緊急的に少年の保護が必要であること。
(ウ)少年を収容して心身鑑別をする必要があること。
観護措置は、法律上、2週間で、特に継続の必要があるときに1回に限り更新が認められるとなっています。
しかし、実務上は、ほとんごの事件で更新がなされており、通常、観護措置の期間は4週間となっています。
観護措置を回避するために
観護措置は、家庭裁判所に事件が係属している間、いつでもとることができます。
しかし、逮捕・勾留されている少年については、家庭裁判所に送致されたときに観護措置をとるのが通常となっています。
そのため、捜査段階で少年の身柄が拘束されている場合には、弁護士は、捜査機関から家庭裁判所に送致される日を確認し、送致される日に付添人として観護措置を回避するよう裁判官に働きかける必要があります。
家庭裁判所に事件が送致されると、裁判官は送られてきた記録に目を通し、少年と面談を行い、観護措置の決定が告知されます。
裁判官は、捜査機関から送られてきた記録(法律記録)には目を通していますが、付添人である弁護士は、記録に表れていないと思われる少年に有利な事情や少年の反省状況、被害弁償の進捗状況、保護者の監督状況、通学・就労できないことによって少年が被る不利益などの観護措置の弊害について裁判官に説明し、裁判官に対して観護措置をとらないように働きかけます。
裁判官と少年とが面談する前に、観護措置に関する意見書の提出や裁判官との面談を行い、裁判官に観護措置をとる必要がないことを認めてもらうよう活動します。
捜査段階で身体拘束されていない場合でも、家庭裁判所に送致された後に、家庭裁判所が観護措置をとる必要があると判断したときは、観護措置がとれらることもあります。
そのような事態を回避するためにも、家庭裁判所に事件が送致されたタイミングで、観護措置に関する意見書を提出し、観護措置がとられることのないよう働きかけることも重要です。
観護措置が決定した場合には、異議申立てや観護措置取消の職権発動を促す申立の方法で、観護措置の決定を争うことができます。
観護措置の期間は4週間と長く、その間は学校や職場に行くことはできないため、退学や解雇といった不利益が生じることも否定できません。
そのような不利益によって、かえって少年の更生を妨げることにもなりかねず、不必要・不当な観護措置がとられることのないよう適切に対応することが重要です。
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ひき逃げで自首
ひき逃げで自首する場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
夜、三重県北牟婁郡紀北町の県道を車で走行していたAさんは、左折時に左方向から横断していた自転車に気付くのが遅れ、自転車と接触する事故を起こしました。
Aさんは気が動転し、自転車の運転者の様子を確認することなく、そのまま車を発進させました。
その後、Aさんは事故の件で最寄りの三重県尾鷲警察署に出頭しようと考えましたが、これは自首になるのか、自首となったらどうなるのか、いろいろとわからない点があったため、すぐに刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
サスペンスドラマでは、崖に追い詰めた犯人に自首するよう説得する主人公がしばしば登場しますが、現実の世界では、「自首」はどのような場合に成立し、成立した場合にはどのような効果があるのでしょうか。
今回は、法律上の「自首」について解説します。
自首は、犯人が捜査機関に対し、自己の犯罪事実を申告して、その処分に委ねる意思表示です。
刑法第42条は、
1 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。
2 告訴がなければ公訴を提起することができない罪について、告訴をすることができる者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも、前項と同様とする。
と規定しています。
上のように、刑法上の自首は、罪を犯した者が、「捜査機関に発覚する前に」自首をすることが自首の成立要件となっています。
■自首の成立要件■
①捜査機関に発覚する前に
「捜査機関に発覚する前」とは、犯罪事実が全く捜査機関にわかっていない場合だけでなく、犯罪事実はわかっていても、犯人が誰であるかわかっていない場合も含みます。
ただし、犯罪事実と犯人が誰であるかがわかっているが、犯人がどこにいるのかがわかっていない場合は、「捜査機関に発覚する前」とは言えません。
②捜査機関に対して
自首は、検察官または司法警察員に対して行わなければなりません。
ただし、それ以外の捜査機関関係者、例えば、検察事務官や司法巡査に対して自首した場合でも、彼らは検察官または司法警察員に自首した者の身柄を引き渡すことになっているので、実際は、検察官または司法警察員ではない捜査機関関係者に自首を申し出ても問題はありません。
③自己の犯罪事実を申告してその処分に委ねる意思
自首の成立には、罪を犯した者が自発的に犯罪事実を申告していることが必要です。
取調べや職務質問中に、犯罪事実を自白したとしても、それは自発的申告とはならず、自首は成立しません。
自首は、自己の犯罪事実を申告するものですが、その申告内容に虚偽が含まれている場合には、その虚偽が含まれている事項や程度によっては、およそ犯罪事実を申告したものとは言えず、自首は成立しません。
また、罪を犯した者が自身の処罰・処分を求めていることも必要です。
犯罪の一部を隠蔽するために申告する場合には、自首は成立しません。
以上の要件を満たしている場合に初めて自首が成立します。
■自首の効果■
自首が成立した場合、「その刑を減軽することができる。」という効果があります。
これは、任意的減軽事由であって、必ずしも裁判官が刑を軽くするとは限りませんが、裁量により刑が減軽される可能性があります。
どのくらい刑が減軽されるのかについては、法律で以下のように定められています。
第68条 法律上刑を減軽すべき1個又は2個以上の事由があるときは、次の例による。
1 死刑を減軽するときは、無期の懲役若しくは禁錮又は10年以上の懲役若しくは禁錮とする。
2 無期の懲役又は禁錮を減軽するときは、7年以上の有期の懲役又は禁錮とする。
3 有期の懲役又は禁錮を減軽するときは、その長期及び短期の2分の1を減ずる。
4 罰金を減軽するときは、その多額及び寡額の2分の1を減ずる。
5 拘留を減軽するときは、その長期の2分の1を減ずる。
6 科料を減軽するときは、その多額の2分の1を減ずる。
また、自首をした場合には、自ら出頭し捜査機関に自己の処分を委ねる意思を示していることから、逮捕・勾留されずに捜査が進められる可能性も高まります。
ひき逃げ事件のように、一度事故現場から逃走している場合には、被疑者の身柄を拘束して捜査する必要があると判断されることが多いのですが、事件後すぐに自首をしているような場合には、逮捕・勾留されないことも少なくありません。
自身では自首が成立すると考える場合であっても、上の法律上の要件を満たさず自首が成立しないこともありますので、法律の専門家である弁護士に一度相談されるのがよいでしょう。
自首が成立しない場合であっても、自ら出頭することにより、逮捕・勾留を避けることにもつながる場合もあります。
自首が成立するのかどうか、自首した後の手続の流れや見込まれる処分などについて、事前に弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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児童買春罪で逮捕されるか不安
児童買春罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
会社員のAさんは、ある日、三重県鈴鹿警察署から、「Vさんをご存じでしょうか。Vさんとの関係の件でお話を聞きたいので、一度警察署に来てもらえませんか。」と連絡を受けました。
Aさんは、VさんとSNSを通じて知り合い、過去に一度、1万円を渡してホテルで性交をしていました。
Vさんが18歳未満であることを知っていたAさんは、自身の行為が児童買春に当たることも分かっていましたが、実際に警察沙汰になるとは思ってもなく、警察からの電話に驚きをかくせません。
このまま逮捕されてしまうのではないかと心配でたまらないAさんは、すぐに刑事事件専門弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
児童買春は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(以下、「児童買春・児童ポルノ処罰法」といいます。)で規制されており、児童買春行為等を処罰するものとしています。
児童買春・児童ポルノ処罰法における「児童買春」とは、
児童、児童に対する性交等の周旋をした者または児童の保護者もしくは児童をその支配下に置いている者に対して、対償を供与し、またはその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をすること
です。
「対償」は、児童が性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益であって、その種類や金額の多寡は問いません。
児童に現金を渡して性交等をする場合だけでなく、児童に食事をご馳走したり、プレゼントを渡したり、児童やその親の雇用を約束して児童と性交等をした場合は、それが性交等をすることに対する反対給付といえ、対償に該当します。
「性交等」とは、性交もしくは性交類似行為をし、または自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等を触り、もしくは児童に自己の性器等を触らせることをいいます。
「児童」とは、18歳未満の者のことをいいます。
児童買春罪は故意犯ですので、児童買春に当たる行為をしたとしても、児童買春を行う意思がなければ犯罪は成立しません。
児童買春罪の故意の有無で問題となるのが、児童であることの認識です。
児童買春事件において、被疑者・被告人によく主張されるのが、「18歳未満だとは知らなかった。」というものです。
18歳以上だと誤解していたのであれば、児童買春の罪を犯す意思はないため、当該犯罪は成立しません。
しかしながら、故意には、確信的な故意だけではなく、「18歳未満かもしれない。」という未必的な故意も含まれますので、相手から18歳未満であることを聞いていなくても、外見、会話やメールのやり取りから18歳未満である可能性が生じていれば、故意が認められます。
ただ、単に「18歳未満とは知らなかった。」という主張だけでは、故意が認められないのは難しいでしょう。
相手児童が「18歳未満だと伝えた。」と話していたり、外見が明らかに幼かったり、児童とのSNSなどのやりとりから18歳未満だと分かる内容が見つかったり、相手が18歳未満と知りえた状況がそろっている場合には、故意が認められる可能性があるからです。
児童買春が捜査機関に発覚するきっかけは、警察のサイバーパトロールでネット上で児童買春を持ち掛けるような書き込みが見つかったり、児童が別件で補導された際に児童買春が発覚したり、児童の保護者に児童買春がバレて保護者が警察に相談することで捜査が開始されるケースなどがあります。
警察に発覚した全ての事件で、被疑者が逮捕されるわけではありません。
逮捕は被疑者の身体の自由を侵す強制処分ですので、法律に定めている要件を満たす場合にのみ行われます。
児童買春事件で警察から呼び出しを受けている場合、任意の取調べに素直に応じていれば、逮捕されず在宅のまま捜査が進められることもあります。
逮捕されるか不安な方は、弁護士に相談し、逮捕を回避する活動をお願いしたり、逮捕されないよう出頭に応じて素直に取調べを受けれるように事前に弁護士に相談し、取調べ対応についてのアドバイスを受けられてはいかがでしょうか。
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淫行条例違反と児童ポルノで逮捕
淫行条例違反と児童ポルノ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
SNSで知り合った15歳の女子中学生とホテルで性交し、その様子をスマートフォンで撮影したとして、三重県伊賀警察署は、会社員のAさんを淫行条例違反及び児童ポルノ処罰法違反(児童ポルノ製造)の容疑で逮捕しました。
女子中学生の母親が、娘とAさんとの関係を知り、警察に相談したことで事件が発覚しました。
Aさんは、取調べにおいて、「相手が確実に未成年だとは分からなかった。」と述べています。
(フィクションです。)
1.淫行条例違反
各都道府県において、おおむね18歳未満の者とのみだりに性交や性交類似行為を行うことを禁止する内容の条例が制定されています。
三重県は、三重県青少年健全育成条例第23条で、青少年とのみだらな性交等をすることを禁じ、その違反行為に罰則を設けています。
第23条 何人も、青少年に対し、いん行(青少年を威迫し、欺き、又は困惑させる等不当な手段を用いて行う性交又は性交類似行為及び青少年を単に自己の性欲を満足させるための対象として行う性交又は性交類似行為をいう。次条において同じ。)又はわいせつな行為(いたずらに性欲を興奮させ、若しくは刺激し、又は性的な言動により性的羞恥心を害し、若しくは嫌悪の情を催させる行為をいう。次条において同じ。)をしてはならない。
2 何人も、青少年に対し、前項の行為を教え、又はこれを見せてはならない。
条例において、「青少年」とは、18歳未満の者をいい、婚姻により成人に達したものとみなされる者は「青少年」から除外されます。
禁止の対象となる行為である「いん行」と「わいせつな行為」については、括弧書きで説明されています。
「いん行」とは、「青少年を威迫し、欺き、又は困惑させる等不当な手段を用いて行う性交又は性交類似行為及び青少年を単に自己の性欲を満足させるための対象として行う性交又は性交類似行為」と定義されています。
福岡県の淫行条例違反事件ではありますが、判例は、淫行条例の規定の趣旨は、一般に青少年が、その心身の未成熟や発育程度の不均衡から、精神的に未だ十分に安定していないため、性行為等によって精神的な痛手を受け易く、また、その痛手から回復が困難となりがちである等の事情に鑑み、青少年の健全な育成を図るため、青少年を対象としてなされる性行為等のうち、その育成を阻害するおそれのあるものとして社会通念上非難を受けるべき性質のものを禁止することとしたものであると解しています。
その趣旨に基づいて、条例で禁止される「いん行」は、広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきではなく、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為の他、青少年を単に自己の性的欲求を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいうものと解するのが相当であるとしています。(最大判昭60・10・23)
したがって、交際中の場合、少なくとも知り合って相当期間は性交等がない状況が続いた上、性交等に至った場合や、結婚を前提に真剣交際をしていた場合には、「いん行」に該当しない可能性があります。
逆に、SNSなどで知り合い、実際に会った日に性行為を行ったのであれば、上述の「いん行」の定義に該当することが認められる可能性が高いでしょう。
また、「わいせつな行為」については、「いたずらに性欲を興奮させ、若しくは刺激し、又は性的な言動により性的羞恥心を害し、若しくは嫌悪の情を催させる行為」と定義しています。
もっとも、18歳未満の者に対償を供与するなどして性交等をする行為は、児童買春に当たり、より重い罰則(5年以下の懲役又は300万円以下の罰金)が適用されます。
2.児童ポルノに関する罪
Aさんは、相手との性行為の様子をスマートフォンで撮影していましたが、この行為については、児童ポルノ製造の罪に問われる可能性があります。
児童ポルノに関する罪は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」に規定されています。
この法律における「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、
①児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したもの、
②他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写したもの、
③衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写したもの、
をいいます。
「児童」とは、18歳未満の実在する児童をいいます。
児童に、上の①~③の姿態をとらせた上、これを写真撮影等して児童ポルノを製造した場合の法定刑は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金です。
Aさんは、淫行条例違反及び児童ポルノ製造罪に問われていますが、これらの罪はいずれも故意犯ですので、罪を犯す意思がなければ犯罪は成立しません。
これらの罪において、故意の点で問題となるのが、相手方が18歳未満であることの認識の有無です。
Aさんは、「相手が確実に未成年だとは分からなかった。」と述べていますが、故意は、犯罪事実の発生を確定的なこととして認識・予見している場合(確定的故意と、犯罪事実の確定的な認識・予見はないが、その蓋然性を認識・予見している一定の場合(未必の故意)とがあり、確実に結果(犯罪の実現)が発生するだろうと思っている場合だけでなく、結果が発生する「かもしれない」と思って認容している場合でも故意が認められるのです。
つまり、「相手が確実に18歳未満であるとは分からなかった」のであっても、「確実ではないけど、もしかしたら18歳未満かもしれない。それでも、まあいいか。」と思っていたのであれば、未必の故意が認められることになります。
そのため、相手方の外見や話し方、行為に及ぶまでの当事者間のやり取りから、Aさんが相手方を18歳未満であるとの認識・認容があったことが認められる可能性があります。
逆に、18歳未満との認識・認容がなかったことを立証するだけの客観的証拠がある場合には、それらの証拠を収集し提示し、不起訴や無罪の獲得に向けて活動することが重要です。
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少年事件で身柄解放
少年事件で身柄解放に向けた活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
三重県四日市北警察署は、三重県四日市市に住むAくん(18歳)を傷害の容疑で逮捕しました。
Aくんは、交際相手の女性に暴行を加え、怪我を負わせたとの容疑がかけられており、被害女性からの相談を受けたことで事件が発覚しました。
逮捕の連絡を受けたAくんの父親は、すぐに接見に行ってくれる弁護士を探しています。
Aくんは学生でもあるので、早期の身柄解放を望んでいます。
(フィクションです。)
少年事件における身体拘束
被疑者が20歳未満の者(以下、「少年」といいます。)であっても、その身柄を確保した上で捜査が行われることはあります。
以下、少年事件における身体拘束について、捜査段階と家庭裁判所送致後の2段階に分けて説明します。
1.捜査段階
捜査段階では、通常の刑事事件と同じように、刑事訴訟法の適用を受けるため、少年であっても逮捕・勾留されることがあります。
但し、14歳未満の者については刑事責任が問われませんので、逮捕されることはありません。
勾留の要件も、成人の場合と変わりありませんが、少年を勾留請求したり、勾留する場合は、通常の勾留の要件に加えて、「やむを得ない場合」でなければならないとされています。
勾留決定に際して、接見禁止決定が付されることがありますが、少年の場合、保護者については、その対象から外れることが一般的です。
少年の場合、通常の勾留に代えて、「勾留に代わる観護措置」がとられることがあります。
勾留に代わる観護措置の手続は、基本的に勾留に関する規定が準用されますが、勾留に代わる観護措置の期間は、検察官の請求から10日であり、延長できないこと、そして、勾留に代わる観護措置として少年鑑別所に収容された事件が家庭裁判所に送致された場合、当然に家庭裁判所送致後の少年鑑別所収容の観護措置とみなされることが、勾留と異なります。
2.家庭裁判所送致後
捜査が終了し、事件が家庭裁判所に送致された後、家庭裁判所が観護措置をとり、少年が少年鑑別所に収容されることがあります。
観護措置とは、家庭裁判所が調査・審判のために、少年の身柄を少年鑑別所に送り、心身の鑑別などを行う処分です。
捜査段階で逮捕・勾留されている場合、家庭裁判所送致日に裁判官による審問手続を経て、その日に観護措置の決定がされます。
観護措置の期間は、法律上は原則として2週間とされていますが、実務上は1回更新されて4週間となるのが通常です。
心身が発展段階にある少年は、身体拘束による精神的・肉体的負担は成人と比べて大きいですし、身体拘束された結果、退学や解雇となれば、少年の将来に大きく影響する可能性も否定できません。
長期の身体拘束による不利益は大きく、不当不要な身体拘束を回避すべく、弁護士は早期の身柄解放を目指した活動を行います。
勾留阻止に向けた活動
勾留が決定する前の段階においては、弁護士は、検察官との面談や意見書の提出などの方法により、検察官が勾留請求をしないように働きかけます。
その際、弁護士は、勾留の要件を満たしていないことを指摘することに加えて、少年を勾留する場合の要件である「やむを得ない場合」には該当しないことを、具体的な事情を指摘しつつ主張します。
検察官が勾留請求をした場合には、速やかに勾留担当の裁判官と面談したり意見書を提出するなどして勾留請求却下を求めます。
勾留が決定した場合には、通常の刑事事件と同様に、勾留に対する準抗告、勾留取消請求や勾留の執行停止の申立てなどを行い、釈放を目指します。
観護措置回避に向けた活動
事件が家庭裁判所に送致される時期を見計らい、付添人選任届の提出とともに、観護措置をとる必要がない旨の意見書の提出を行い、裁判官との面談を申し入れる等し、観護措置をとらないよう裁判官に働きかけます。
観護措置が決定された場合には、不服申立の手段として、観護措置の取消し又は異議申し立てがあります。
観護措置決定の取り消し申立ては、家庭裁判所に対して観護措置の取消しの職権発動を促す申立であるのに対して、観護措置決定に対する異議申立ては、法律によって認められている不服申立権です。
以上のような活動は、少年事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。
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動物虐待で器物損壊
動物虐待で器物損壊となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
三重県度会郡南伊勢町に住むAさんは、最近、何らかの小動物が敷地内に侵入し、花壇を荒らしたり、糞をする被害に遭っていました。
Aさんは、野良猫による仕業だと思い、敷地内に罠を仕掛け、罠にかかった野良猫を痛めつけて二度とこないようにしてやろうと考えました。
Aさんは、罠にかかった猫を棒で何度も叩き、猫にひどい怪我を負わせました。
後日、三重県伊勢警察署の警察官がAさん宅に訪れ、近所の飼い猫が虐待された事件について話が聞きたいと言い、Aさんが野良猫だと思っていた猫が実は飼い猫だったことが分かりました。
Aさんは、警察沙汰になるとは思っておらず、今後どうなるのか不安です。
(フィクションです。)
動物虐待で器物損壊に問われる場合
器物損壊罪は、
刑法261条
前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
と規定されています。
■客体■
器物損壊罪の客体は、「前3条に規定するもののほか、他人の物」です。
「前3条に規定するもの」とは、公用文書等毀棄罪、私用文書等毀棄罪、建造物等損壊・同致死傷罪の客体となる物以外のすべての物で、動産、不動産を広く含みます。
動産には、動植物も含まれますが、「他人の物」、つまり、人が所有する動植物でなければなりません。
■行為■
器物損壊罪の実行行為は、「損壊」と「傷害」です。
「損壊」は、物の物理的な損壊に限らず、物の効用を害する一切の行為を含みます。
例えば、食器に放尿する行為や、学校の校庭に杭を打ち込み授業その他の支障を生じさせる行為は、「損壊」に当たるとされています。
「傷害」は、客体が動物の場合に用いられ、動物を殺傷したり、逃がしたりするなどして、その効用を害する一切の行為を含みます。
■故意■
器物損壊罪は故意犯であるため、罪を犯す意思がなければ罪は成立しません。
器物損壊罪の故意は、他人の物を損壊・傷害することの認識・認容です。
「この動物を傷つけてやるんだ!」と確信的な故意がある場合だけでなく、「この動物を傷つけることになるかもしれないけど、ま、いいや。」といった未必的な故意を有していた場合も、故意が認められます。
そして、「他人の物」であることの認識・認容がない場合にも故意は存在しないことになります。
動物虐待のケースで言えば、虐待の対象となる動物が誰かのペットであると知りつつ虐待行為に及んだのであれば、器物損壊の故意が認められますが、誰のペットでもない野良だと思っていたのであれば、器物損壊の故意を欠くことになります。
上のケースでは、Aさんの行為は客観的には器物損壊罪に該当する行為を行っているのですが、近所の飼い猫を野良猫と誤信しており、他人の所有する動物との認識を欠いているため、器物損壊罪の故意を欠くことになり、器物損壊罪は成立しません。
ただ、Aさんは、愛護動物である猫という認識を有していたため、動物愛護法違反に問われることにはなり、Aさんの行為が何らの罪にも問われないわけではありません。
刑事事件として立件されると、刑事手続に基づいて事件が処理されます。
事件を起こしたとされる者は、被疑者として取調べを受けたり、被告人として法廷で審理されたりします。
刑事事件へと発展してしまうと、「そんな大事になるとは思ってもいなかった…。」とその後の流れや最終的な処分について何も分からず不安になられる方がほとんどではないでしょうか。
そんな時は、まず刑事事件専門の弁護士に事件についてご相談ください。
弁護士に、ご自身の抱えている不安や悩みを相談し、適切なアドバイスを受けることで、事件解決の糸口が見つかることもありますし、抱えていた不安や悩みが大いに和らぎます。
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