Archive for the ‘少年事件’ Category

少年鑑別所に行くことになったら

2021-09-17

少年鑑別所に行くことになったら

少年鑑別所に行くことになったらどうなるのかということについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

〜事例〜

Bさんは、三重県いなべ市に住んでいる主婦です。
ある日、Bさんの息子Aさん(16歳)が、痴漢事件を起こして三重県いなべ警察署逮捕されてしまいました。
警察からの話によると、Aさんは今回逮捕された痴漢事件以外にも複数の痴漢事件も起こしていたようです。
逮捕からしばらくして、Bさんは、Aさんが少年鑑別所に行くことになるという話を聞きました。
Bさんは、少年鑑別所とはどんなところなのか、少年鑑別所に行くことでAさんとってデメリットはあるのか、Aさんのためにできることがはあるのかといったことが気になり、三重県少年事件にも対応している弁護士に相談してみることにしました。
(※この相談例はフィクションです。)

・少年鑑別所に行くということ

今回の事例のBさんは、少年鑑別所に行くことになってしまった息子Aさんのために弁護士に相談に行ったようです。
少年事件を起こしてしまった場合、Aさんのように少年鑑別所に行くことになる場合があります。

少年鑑別所では、少年鑑別所での調査の必要があると認められた少年の性格や少年事件を起こしてしまった原因等について、専門的に調査を行います。
少年事件の終局処分では、少年が更生すること、更正できる環境を作ることが重要視されます。
少年の更正等にどういった処分・環境が適切かを知るためには、少年事件の原因や環境を探らなければ解決が望めませんから、少年鑑別所はその更正のために少年の性格等について専門的な調査をする施設なのです。

そのため、よくある「少年鑑別所は少年に罰を与える場所」というイメージは間違いであると言えます。
少年鑑別所はあくまで処分を決めるために詳しい調査を行う場所であるため、少年鑑別所にいる期間は処分前の調査段階であるのです。

繰り返しになりますが、少年鑑別所に入ることによって、今回の非行に至った原因を究明できたり、少年自身で自分の性格や行動を見つめ直すことができたりするというメリットも存在します。
例えば、少年自身やその家族の気付いていないところで、少年に何かしらの精神的疾患があり、そのせいで少年事件が引き起こされていたという場合には、その精神疾患を見つけ出さなければ、再犯防止に有効な手立てを考えることができません。
しかし、少年鑑別所の専門家の調査によってそれが発見できれば、今後どのようなことに気を付けていけばいいのか分かってくる、ということになります。

このように、少年鑑別所に入るということは少年にとって有益なことでもあります。
しかし、少年鑑別所に入ることがいいことばかりというわけではありません。
少年鑑別所に入る期間は、通常4週間程度とられることが多く、最大8週間少年鑑別所に入ることになります。
少年鑑別所に入っている間は、自由に外出することはもちろんできません。
面会も、原則としては家族の方と弁護士のみに限られます。
ですから、少年鑑別所に入るとなれば、1ヶ月程度〜2ヶ月程度、今まで暮らしていた環境から切り離されてしまうことにな李、通学・就労している少年には大きな負担となることが考えられます。
捜査段階から逮捕・勾留されていた場合には、最大で3ヶ月程度身体拘束され続けてしまうことも考えられますし、再逮捕が重なっていればそれ以上の身体拘束となってしまいます。
そうなれば、少年本人の身体的・精神的負担も大きくなってしまうことも予想されます。

このように、少年鑑別所は行くことに全くメリットのないところではありませんが、デメリットもあります。
少年鑑別所へ行くことを避ける活動をしたり、少年鑑別所へ行くことになった少年のフォローをしたりするためには、少年事件の知識のある専門家の力を借りることが望ましいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件だけでなく少年事件も取り扱っています。
三重県少年事件少年鑑別所へ行くことについてお悩みの際は、お気軽にご相談ください。

少年の強制わいせつで保護観察

2021-09-10

少年強制わいせつ保護観察を目指す場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
三重県松阪市で帰宅途中の中学生の背後から抱きつき、胸を触るなどのわいせつな行為をしたとして、三重県松阪警察署は、Aくん(16歳)を強制わいせつの容疑で逮捕しました。
Aくんの両親は、事件について詳しいことまで聞かされておらず不安です。
急いで少年事件に詳しい弁護士をネットで検索し、すぐに対応してくれるよう頼みました。
(フィクションです。)

保護観察処分とは

原則、すべての少年事件は家庭裁判所に送致され、審判で審理されて処分が決定されます。
家庭裁判所が行う決定には、終局決定と中間決定とがあります。
終局決定には、「審判不開始」、「不処分」、「保護処分」、「検察官送致」、「都道府県知事または児童相談所長送致」の5種類あります。
更に、「保護処分」には、「保護観察」、「児童自立支援施設または児童養護施設送致」、「少年院送致」の3種類があります。

保護処分のひとつである「保護観察」は、少年を施設に収容せず、社会生活をさせながら、保護観察所の行う指導監督および補導援護によって、少年の改善更生を図るものです。
保護処分である「少年院送致」や「児童自立支援施設または児童養護施設送致」とは、施設収容せず社会内処遇である点で異なります。

指導監督は、面接などによる行状把握、一般遵守事項および特別遵守事項を遵守させるための必要な指示を行うことを内容とするものです。
補導援護は、住居の確保、就業等を援助することを内容とするものです。
具体的に言うと、保護観察の開始時に、少年が保護観察官と面接をし、保護観察の実施計画が作成され、その後、少年が担当保護司のもとを週1回~月1回ほど訪問するという形で行われます。
担当の保護司は、定期的な面談を行い、少年の行状を把握し、遵守事項を遵守するよう指導助言を行います。

保護観察の期間は、一般保護観察の場合、原則として少年が20歳になるまでとされています。
ただし、少年が20歳になるまでの期間が2年未満の場合は、2年間となります。
20歳に達するまでという原則ではありますが、期間途中で保護観察の必要性が認められなくなった場合には、保護観察が解除されることがあります。

保護観察処分を目指す

上記事例では、Aくんは強制わいせつ罪という罪に問われています。
強制わいせつ罪は、法定刑が6月以上の懲役であり、罰金刑はありません。
犯行態様や事件数によっては、初犯であっても、いきなり実刑となる可能性もあります。
少年の場合であっても、事案如何によっては少年院送致となる可能性も否定できません。

少年事件では、「非行事実」と「要保護性」が審判で審理されます。
「非行事実」とは、成人の刑事事件でいう公訴事実の当たるものです。
そして、「要保護性」は、多義的に用いられますが、一般的には、次の3つの要素から構成されるものと言われています。
①再非行性
当該少年の現在の性格や環境に照らして、将来再び非行をする危険性があること。
②矯正可能性
少年法上の保護処分による矯正教育によって再非行性を除去できること。
③保護相当性
少年法上の保護処分が更生のために有効かつ適切であること。

「非行事実」について特に争いがない場合には、「要保護性」の有無が重要な審理ポイントとなります。
要保護性が解消され、社会内処遇によって少年の改善更生が期待できると認められれば、保護観察が決定されることになります。
そのため、審判において、裁判官に要保護性が解消されたと認められるために、早い段階から要保護性解放に向けた活動(環境調整活動)を行う必要があります。
環境調整活動は、弁護人・付添人である弁護士に期待されるものであり、弁護士は少年、家族、学校や職場の関係者、裁判所と協力し、少年を取り巻く環境を調整し、要保護性を減少・解消させるべく尽力します。

もちろん、目先の処分結果のためだけに環境調整活動を行うことには何ら意味はありません。
処分結果そのものではなく、少年がきちんと更生し、将来再び非行を犯すことのないような環境を整えることが大事なのです。

強制わいせつ事件の場合、弁護士は、被害者への被害弁償や示談交渉を通じて、自身が行った身勝手な行為によって被害者がどれほどに深い傷を負ったかを認識し、そのような行為を二度と行わないためにはどうすればよいのか、少年や関係者らと一緒になって考え、模索していきます。

このような活動は、少年事件に詳しい弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

 

少年事件で試験観察

2021-08-20

少年事件試験観察となった場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
三重県伊勢警察署は、傷害事件の被疑者としてAくん(17歳)ら少年4名を逮捕しました。
Aくんには、同種の前歴があり、Aくんの両親は、今回の事件で少年院送致となるのではないかと心配しています。
Aくんの両親は、すぐに対応してくれる少年事件に強い弁護士に相談の電話を入れました。
(フィクションです。)

少年事件の流れ

20歳未満の者(以下、「少年」と呼びます。)が、罪を犯したと疑われる場合には、捜査機関が少年の被疑事件として捜査を開始し、捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があるものと認められるときや、犯罪の嫌疑は認められないけれども家庭裁判所の審理に付すべき事情があると思料するときは、すべての事件を家庭裁判所に送致します。
事件を受理した家庭裁判所は、調査官による調査を行った上で、審判を行い、少年に対して処分を言い渡します。
審判で言い渡される処分には、①不処分、②保護処分、③都道府県知事又は児童相談所長送致、④検察官送致、⑤試験観察があります。

試験観察とは

家庭裁判所は、保護処分を決定するため必要があると認めるときは、決定をもって、相当の期間、少年を調査官の観察に付することができます。
この決定を「試験観察」といいます。
試験観察は、終局決定前の段階で必要がある場合に行われる中間決定です。
試験観察には、相当の期間、調査官の観察に付することによって、調査官の調査を補強・修正し、要保護性の判断をより一層的確にするという機能と、終局決定をいったん留保することで心理的強制効果を利用して教育的措置を行い、その効果を高めるという教育的処遇の機能とが期待されます。

試験観察の要件は、「保護処分を決定するため必要があると認めるとき」であることで、より細かく言えば、①保護処分に付する蓋然性があること、②直ちに保護処分に付することができないか、相当でない事情があること、③調査官の観察活動の結果により適切な終局決定ができる見込みがあること、④相当の期間内に観察目的を達成する見込みがあること、の4要素を満たす必要があるとされています。

試験観察の方法は、事案の内容や少年の抱える問題によって異なりますが、基本的には、調査官が、少年や保護者を定期的に家庭裁判所に呼び出し面接を行い、その中で教育的措置を行ったり、ボランティア活動へ参加させたりします。
試験観察には、在宅試験観察と補導委託試験観察とがあります。
在宅試験観察は、審判で試験観察決定が言い渡されると、その日に自宅に戻ることができます。
基本的には自宅で過ごし、定期的に家庭裁判所に出頭することになります。
補導委託試験観察は、民間の有志家に少年の補導を委託し、民間の社会資源の長所を生かした教育的な働きかけを行いながら、少年の行動等を観察しようとするものです。

このように、試験観察は、終局処分である保護処分を決めかねる場合にとられるもので、試験観察期間中に、少年の要保護性が解消したと認められる場合には、最終的に不処分が言い渡されることもありますし、少年院送致の可能性が高い事案であっても、保護観察となることもあります。
少年院送致が見込まれる場合には、まずは審判で試験観察となることを目指し、試験観察期間中に環境調整に力を入れ、最終的に審判で保護観察処分となるよう働きかけることが重要です。
そのような活動は、少年事件に精通する弁護士にお任せください。
少年事件は、成人の刑事事件と異なる点も多いため、少年事件については少年事件に詳しい弁護士に相談・依頼するのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こして対応にお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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少年事件で不処分を獲得

2021-08-03

少年事件不処分となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
三重県四日市西警察署は、迷惑防止条例違反(盗撮)の容疑で高校生3年生のAくんを逮捕しました。
Aくんは、逮捕当日に釈放されましたが、今後どのような流れとなるのか、いかなる処分を受けることになるのか心配でたまりません。
Aくんは母親とともに少年事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

事件が家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所は、調査官による調査を行った上で、審判を開くかどうかを決定します。
少年法では、審判を開始するか否かは調査の結果判断するものとされていますが、観護措置がとられている事件については、家庭裁判所の調査官に対する調査命令と審判開始決定が同時になされ、審判期日が指定されるのが実務上の運営です。
審判では、人定質問、黙秘権の告知、非行事実の告知とそれに対する少年・付添人の陳述の後、非行事実の審理、要保護性の審理が行われ、調査官・付添人の処遇意見の陳述および少年の意見陳述を経て、決定が言い渡されます。

家庭裁判所が行う決定には、終局決定と中間決定とがあります。
終局決定は、少年の最終的な処分を決する決定であり、中間決定は、終局決定の前の中間的な措置としてなされる決定です。
終局決定には、審判不開始、不処分、保護処分、検察官送致、都道府県知事または児童相談所長送致の5種類があります。
また、中間決定には、試験観察決定などがあります。

今回は、終局決定の1つである「不処分」について説明します。

不処分とは

家庭裁判所は、審判の結果、保護処分に付することができず、または保護処分に付する必要がないと認めるときは、その旨の決定をしなければなりません。
この保護処分に付さないとする決定を不処分決定といいます。

不処分決定には、保護処分に付することができない場合の不処分と保護処分に付する必要がない場合の不処分の2種類があります。

①保護処分に付することができない場合の不処分決定
法律上または事実上、保護処分に付することができない場合の不処分決定で、次の場合になされます。
・非行事実の存在が認められない場合。
少年に心神喪失、死亡、所在不明、疾病、海外居住といった事情が生じた場合。
・審判が適法であるための条件を欠く場合。

②保護処分に付する必要がない場合の不処分決定
要保護性が存在しない、もしくは小さくなっているために保護処分に付する必要がなく、児童福祉法上の措置や刑事処分の必要もない場合にされる不処分決定です。
調査・審判の過程で、少年の周囲の環境が調整され、要保護性が解消し、再び少年が非行に陥る危険性がなくなった場合、別件で環境調整が行われていたり、保護処分に付されているために本件では特に処分をする必要がないと認められる場合、非行事実がきわめて軽微な場合などがあげられます。

審判で不処分が言い渡されると、観護措置を取られている少年は審判終了後に帰宅することになります。
不処分の場合、保護観察のように審判後も定期的に保護観察所の指導監督を受けることはありません。

不処分を目指す場合には、審判までに要保護性が解消しており保護処分に付する必要がないと裁判官に認められることが必要となります。
要保護性解消に向けて環境調整活動は、家庭裁判所、学校・職場、少年本人や家族と協力しながら行われるもので、少年と保護者のみで行うことは困難です。
弁護士は、捜査段階から弁護人として、家庭裁判所に送致された後は付添人として、関係者らと協力しつつ、少年の更生に適した環境づくりを支援します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こし対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

少年事件と被害弁償、示談

2021-07-13

少年事件被害弁償示談といった被害者対応との関係について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
三重県鈴鹿市の書店内で、女子高生のスカート内を盗撮したとして、三重県鈴鹿警察署は、高校生のAくん(16歳)を逮捕しました。
Aくんは、鈴鹿警察署で取調べを受けた後、Aくんの両親が身元引受人となり、釈放されました。
Aくんの両親は、被害者への被害弁償を行い、何とか許してもらえないかと考えており、被害者対応について弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

少年事件の特徴

少年事件は、成人の刑事事件とは異なる点が幾つかあります。

1.全件送致主義

捜査機関は、少年の被疑事件について、捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合、および犯罪の嫌疑が認められない場合でも家庭裁判所に審判に付すべき事由がある場合は、すべての事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。
これを「全件送致主義」といいます。
つまり、少年事件では、成人の刑事事件における起訴猶予や微罪処分のように捜査機関限りで事件を終了させることは認められていないのです。
成人の刑事事件では、犯罪の内容が軽微であったり、被害者との示談が成立している場合には、被疑者が容疑を認めている場合でも、検察官は起訴猶予という形で不起訴処分で事件を処理することがあります。
しかし、少年事件では、原則すべての事件が家庭裁判所に送致されることになっていますので、被害者との示談が成立したことをもって事件が終了することにはなりません。
ただ、少年の被疑事件について、捜査を遂げた結果、捜査機関が少年に犯罪の嫌疑がないとはんだんした場合には、嫌疑なしや嫌疑不十分として、事件を家庭裁判所に送致しないこともあります。

2.少年審判

少年法は、「少年の健全な育成に期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とする」と規定しており、少年が行った過去の犯罪や非行に対する応報として少年を処罰するのではなく、少年が将来再び犯罪や非行を行わないように、少年の改善教育を行うことを目的としています。
そのため、少年審判では、非行事実(成人の刑事事件でいうところの公訴事実に当たるもの)及び要保護性の2要素が審理されます。
要保護性というのは、多義的に用いられるものですが、一般的には次の3つの要素から成るものと理解されています。
①再非行の危険性
少年の性格や環境に照らして、将来再び非行に陥る危険性があること。
②矯正可能性
保護処分による矯正教育を施すことによって、再非行の危険性を排除できる可能性。
③保護相当性
保護処分による保護が最も有効かつ適切な処遇であること。
少年審判では、非行事実と併せて要保護性が審理された上で、少年に対する処分が言い渡されます。
成人の刑事事件では、犯罪の軽重が量刑にも大きく影響しますが、少年事件では、非行事実が比較的軽いものであっても、少年に反省が見えなかったり、事件を起こした原因が解消されていなかったりする場合には、要保護性が高いと判断され、少年院送致という収容処分が決定されることもあります。
また、成人の刑事事件と異なる点としては、審判は、家庭裁判所が審判手続を主導して、少年に関する調査を行い、その結果に基づいて審理を行い処分を言い渡す手続手法をとっていることや、原則として審判が非公開であるといったことが挙げられます。

少年事件における被害者対応

少年事件は、成人の刑事事件のように捜査段階で被害者への被害弁償示談が成立したことをもって起訴猶予で事件が処理されることはありません。
しかしながら、少年事件における被害者対応の如何は、最終的な処分にも影響を及ぼすという点では重要です。
少年審判では、非行事実の他に、要保護性という要素が審理の対象となります。
要保護性が高ければ、少年院送致といった厳しい処分が言い渡される可能性があります。
そのため、審判が行われる日までに少年の要保護性を解消しておく必要があります。
要保護性を解消する活動を「環境調整活動」といいます。
簡単に言うと、環境調整活動は、少年が再び非行をしないために少年の周囲の環境を整える活動です。
少年の周囲の環境と言いましても、家族や学校、職場、交際関係など少年と周りの関係の調整だけにとどまらず、少年本人への働きかけは環境調整活動に必要不可欠です。
少年本人への働きかけとは、事件について内省を深め、被害者がいる事件では、被害者に対する謝罪の気持ちと持てるようにすること、事件の背後にある様々な問題と向き合って、それをどのように対処すべきかについて一定の方向性を示すことなど、多岐に渡ります。
被害者への謝罪や被害弁償示談締結は、その結果自体が重要なのではなく、そのプロセスを通して、少年が被害者の気持ちと向き合い、真摯に謝罪の気持ちを持てるようになること、ひいてはそれが再非行の防止につながるため、少年事件であっても被害者対応は重要となります。

通常、被害者への被害弁償示談交渉は、弁護士を介して行います。
少年事件であっても、弁護士を介して示談交渉を行うのが一般的ですが、弁護士は、ただ示談を成立させることにこだわるのではなく、少年の行為により苦しんでいる被害者の気持ちを少年が理解し、被害者への謝罪の気持ちが持てるように、少年に働きかけます。
被害者への真摯な謝罪が、少年の更生にも不可欠であるため、調査や少年審判でも、被害者に対してどのような対応を行ったかという点が問われます。

以上のように、少年事件であっても、被害者対応は重要な意味を有しており、決して軽視することはできません。
少年事件で被害者対応にお困りであれば、少年事件に詳しい弁護士に相談されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

少年事件で観護措置回避

2021-06-29

少年事件観護措置回避に向けた活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
三重県度会郡玉城町に住むAさん(15歳)は、友人Bさんと共謀して、知人のVさんに対して暴行を加え、財布を盗ったとして、三重県伊勢警察署に逮捕されました。
Aさんは逮捕後に、勾留が決定しましたが、高校受験を控えていることから、早く釈放されることを希望しています。
Aさんの両親は、家庭裁判所に送致された後も観護措置により身体拘束が続く可能性について警察から聞き、なんとか回避できないかと困っています。
(フィクションです。)

観護措置について

捜査機関は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合、および犯罪の嫌疑が認められない場合でも、家庭裁判所の審判に付すべき事由がある場合は、すべての事件を家庭裁判所に送致することになっています。

事件を受けた家庭裁判所は、調査、審判を経て、少年に対する処分を決定します。
家庭裁判所は、事件が係属している間いつでも、観護措置をとることができます。

観護措置とは、家庭裁判所が調査、審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置のことです。
観護措置には、家庭裁判所の調査官の観護に付する在宅観護と、少年鑑別所に送致する収容観護とがありますが、実務上、在宅観護はほとんど行われておらず、観護措置という場合には、収容観護を指すものとなっています。

観護措置の要件は、「審判を行うため必要があるとき」と少年法に規定されています。
一般的には、次の各要件を満たす必要があるとされています。
①審判条件があること。
少年が非行を犯したことを疑うに足りる事情があること。
③審判を行う蓋然性があること。
観護措置の必要性が認められること。

観護措置の必要性については、具体的に次の事由がある場合に認められるとされています。
(ア)調査、審判および決定の執行を円滑かつ確実に行うために、少年の身体を確保する必要があること。
(イ)緊急的に少年の保護が必要であること。
(ウ)少年を収容して心身鑑別をする必要があること。

観護措置は、法律上、2週間で、特に継続の必要があるときに1回に限り更新が認められるとなっています。
しかし、実務上は、ほとんごの事件で更新がなされており、通常、観護措置の期間は4週間となっています。

観護措置を回避するために

観護措置は、家庭裁判所に事件が係属している間、いつでもとることができます。
しかし、逮捕・勾留されている少年については、家庭裁判所に送致されたときに観護措置をとるのが通常となっています。
そのため、捜査段階で少年の身柄が拘束されている場合には、弁護士は、捜査機関から家庭裁判所に送致される日を確認し、送致される日に付添人として観護措置回避するよう裁判官に働きかける必要があります。
家庭裁判所に事件が送致されると、裁判官は送られてきた記録に目を通し、少年と面談を行い、観護措置の決定が告知されます。
裁判官は、捜査機関から送られてきた記録(法律記録)には目を通していますが、付添人である弁護士は、記録に表れていないと思われる少年に有利な事情や少年の反省状況、被害弁償の進捗状況、保護者の監督状況、通学・就労できないことによって少年が被る不利益などの観護措置の弊害について裁判官に説明し、裁判官に対して観護措置をとらないように働きかけます。
裁判官と少年とが面談する前に、観護措置に関する意見書の提出や裁判官との面談を行い、裁判官に観護措置をとる必要がないことを認めてもらうよう活動します。

捜査段階で身体拘束されていない場合でも、家庭裁判所に送致された後に、家庭裁判所が観護措置をとる必要があると判断したときは、観護措置がとれらることもあります。
そのような事態を回避するためにも、家庭裁判所に事件が送致されたタイミングで、観護措置に関する意見書を提出し、観護措置がとられることのないよう働きかけることも重要です。

観護措置が決定した場合には、異議申立てや観護措置取消の職権発動を促す申立の方法で、観護措置の決定を争うことができます。

観護措置の期間は4週間と長く、その間は学校や職場に行くことはできないため、退学や解雇といった不利益が生じることも否定できません。
そのような不利益によって、かえって少年の更生を妨げることにもなりかねず、不必要・不当な観護措置がとられることのないよう適切に対応することが重要です。

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保護観察中の再非行

2021-06-18

保護観察中再非行のケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
三重県津南警察署から、「Aくんを痴漢の容疑で逮捕しました。」との連絡を受けたAくんの父親は、すぐに少年事件に強い弁護士に相談の電話を入れました。
Aくんは、昨年に強制わいせつ事件を起こし、津家庭裁判所保護観察処分が言い渡されており、Aくんは保護観察中の身でした。
前回の事件から、Aくんは心を改め前に進んでいたと安心していたAくんの両親は、逮捕の連絡に愕然としました。
Aくんの両親は、今回の事件で少年院送致となってしまうのではないかと心配でたまりません。
(フィクションです。)

保護観察処分

保護観察は、家庭裁判所が行う終局決定の一つである保護処分の一種です。
保護観察は、少年を施設に収容せず、社会の中で生活を送りながら、保護観察所の指導監督及び補導援護という社会内処遇によって、少年の改善更生を図ることを目的とした保護処分です。
保護観察は、他の保護処分である少年院送致や児童自立支援施設又は児童養護施設送致とは異なり、社会内での更生を図る点に特徴があります。

保護観察の期間は、原則として少年が20歳に達するまでですが、決定のときから少年が20歳に達するまでの期間が2年に満たないときは2年となっています。
ただ、少年の改善更生に資すると認められるときは、期間を定めて保護観察を一時的に解除することができ、保護観察を継続する必要がなくなったと認められるときは、保護観察は解除されます。

保護観察には、①一般保護観察、②一般短期保護観察、③交通保護観察、④交通短期保護観察の4種類があります。
交通事件以外の事件では、①又は②となります。

一般保護観察となれば、通常、月に数回、担当の保護司あるいは保護観察官を訪問し、近況報告を行います。
保護司・保護観察官は、少年の更生を図るために、少年と面談し、その行状を把握し、遵守事項を守り、生活行動指針に即して生活・行動するように必要な指示・助言を行います。
保護観察に付された少年には、遵守事項が示され、これを守るよう指導・監督が行われます。
この遵守事項には、保護観察の対象者全員が遵守することを求められる一般遵守事項と、保護観察対象者ごとに個別に定められる特別遵守事項とがあります。
少年が遵守事項に違反した場合、保護観察所長は、少年に対して遵守事項を守るよう警告を発することができます。
この警告を受けてもなお少年が遵守事項を守らず、その程度が重いと認められるときには、保護観察所長は、家庭裁判所に対して少年院等の送致決定を申請することができます。(これを「施設送致申請」といいます。)
施設送致申請を受けた家庭裁判所は、審判を開いて、遵守事項違反があり、その警告を受けたにもかかわらず遵守事項を守らなかったと認められる事由があり、その程度が重く、かつ、保護観察によっては改善更生を図ることができないと認めるときは、少年院等への送致を決定しなければなりません。
また、保護観察中の少年の行動が改善されず、新たに虞犯事由が判明した場合、保護観察による対処では不十分である、あるいは保護観察の残りの期間が足りないと判断された場合、保護観察所長は、少年が20歳以上になっていても家庭裁判所に虞犯として通告することができます。(これを「虞犯通告」と呼びます。)
虞犯通告がなされた場合、保護観察処分を受けている事件とは別の事件として家庭裁判所に送致され、審判を受けることになります。

保護観察中に再び非行に及ぶと、再非行が遵守事項違反となるのですが、新しい事件について、新たに手続がとられることになります。
ですので、捜査機関からの送致を受け、家庭裁判所は、調査、審判を経て少年に対して処分を決定します。
保護観察中再非行は、要保護性が高いと判断されてしまうおそれがあります。
そのため、付添人は、保護者や関係者らと協力し、要保護性の解消に向けた環境調整に重きを置いた活動に取り組みます。
事案によっては、不処分、あるいは前件の保護観察を取消し、再度保護観察処分となる可能性はありますので、少年の更生につなげるよう努めることが重要です。

保護観察中にお子様が事件を起こして対応にお困りの方は、早期に少年事件に強い弁護士にご相談ください。
お子様の更生に資するべく粘り強く取り組む必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りであれば、弊所の弁護士に一度ご相談ください。
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少年事件で身柄解放

2021-06-11

少年事件身柄解放に向けた活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
三重県四日市北警察署は、三重県四日市市に住むAくん(18歳)を傷害の容疑で逮捕しました。
Aくんは、交際相手の女性に暴行を加え、怪我を負わせたとの容疑がかけられており、被害女性からの相談を受けたことで事件が発覚しました。
逮捕の連絡を受けたAくんの父親は、すぐに接見に行ってくれる弁護士を探しています。
Aくんは学生でもあるので、早期の身柄解放を望んでいます。
(フィクションです。)

少年事件における身体拘束

被疑者が20歳未満の者(以下、「少年」といいます。)であっても、その身柄を確保した上で捜査が行われることはあります。
以下、少年事件における身体拘束について、捜査段階と家庭裁判所送致後の2段階に分けて説明します。

1.捜査段階

捜査段階では、通常の刑事事件と同じように、刑事訴訟法の適用を受けるため、少年であっても逮捕・勾留されることがあります。
但し、14歳未満の者については刑事責任が問われませんので、逮捕されることはありません。
勾留の要件も、成人の場合と変わりありませんが、少年を勾留請求したり、勾留する場合は、通常の勾留の要件に加えて、「やむを得ない場合」でなければならないとされています。
勾留決定に際して、接見禁止決定が付されることがありますが、少年の場合、保護者については、その対象から外れることが一般的です。

少年の場合、通常の勾留に代えて、「勾留に代わる観護措置」がとられることがあります。
勾留に代わる観護措置の手続は、基本的に勾留に関する規定が準用されますが、勾留に代わる観護措置の期間は、検察官の請求から10日であり、延長できないこと、そして、勾留に代わる観護措置として少年鑑別所に収容された事件が家庭裁判所に送致された場合、当然に家庭裁判所送致後の少年鑑別所収容の観護措置とみなされることが、勾留と異なります。

2.家庭裁判所送致後

捜査が終了し、事件が家庭裁判所に送致された後、家庭裁判所が観護措置をとり、少年が少年鑑別所に収容されることがあります。
観護措置とは、家庭裁判所が調査・審判のために、少年身柄を少年鑑別所に送り、心身の鑑別などを行う処分です。
捜査段階で逮捕・勾留されている場合、家庭裁判所送致日に裁判官による審問手続を経て、その日に観護措置の決定がされます。
観護措置の期間は、法律上は原則として2週間とされていますが、実務上は1回更新されて4週間となるのが通常です。

心身が発展段階にある少年は、身体拘束による精神的・肉体的負担は成人と比べて大きいですし、身体拘束された結果、退学や解雇となれば、少年の将来に大きく影響する可能性も否定できません。
長期の身体拘束による不利益は大きく、不当不要な身体拘束を回避すべく、弁護士は早期の身柄解放を目指した活動を行います。

勾留阻止に向けた活動

勾留が決定する前の段階においては、弁護士は、検察官との面談や意見書の提出などの方法により、検察官が勾留請求をしないように働きかけます。
その際、弁護士は、勾留の要件を満たしていないことを指摘することに加えて、少年を勾留する場合の要件である「やむを得ない場合」には該当しないことを、具体的な事情を指摘しつつ主張します。
検察官が勾留請求をした場合には、速やかに勾留担当の裁判官と面談したり意見書を提出するなどして勾留請求却下を求めます。
勾留が決定した場合には、通常の刑事事件と同様に、勾留に対する準抗告、勾留取消請求や勾留の執行停止の申立てなどを行い、釈放を目指します。

観護措置回避に向けた活動

事件が家庭裁判所に送致される時期を見計らい、付添人選任届の提出とともに、観護措置をとる必要がない旨の意見書の提出を行い、裁判官との面談を申し入れる等し、観護措置をとらないよう裁判官に働きかけます。
観護措置が決定された場合には、不服申立の手段として、観護措置の取消し又は異議申し立てがあります。
観護措置決定の取り消し申立ては、家庭裁判所に対して観護措置の取消しの職権発動を促す申立であるのに対して、観護措置決定に対する異議申立ては、法律によって認められている不服申立権です。

以上のような活動は、少年事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こして対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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少年事件に精通する弁護士

2021-05-18

少年事件の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
三重県松阪警察署は、住居侵入の容疑で三重県松阪市に住む高校生のAくんを逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、今後どうなるのか何も分からず不安で仕方ありません。
Aくんの母親は、ネットで少年事件に精通する弁護士を探し出し、少年事件の流れや対応について相談することにしました。
(フィクションです。)

20歳に満たない者を「少年」といいますが、家庭裁判所の審判の対象となる少年は、次の3つに分けられます。

①犯罪少年
行為時に14歳以上で、罪を犯した少年。

②触法少年
14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年。

③虞犯少年
次の虞犯事由があって、その性格又は環境に照らして、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年。
(ア)保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
(イ)正当な理由がなく家庭に寄りつかないこと。
(ウ)犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入りすること。
(エ)自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。

①~③の少年によって手続は少し異なりますが、ここでは①犯罪少年について事件がどのように処理されるのかを説明します。

1.捜査段階

捜査対象となった少年は、成人の刑事事件とほぼ同じ流れで処理されることになります。
そのため、身体拘束の必要があれば、逮捕・勾留されることもあります。
少年事件では、通常の勾留に代えて、「勾留に代わる観護措置」がとられることがあります。
通常の勾留は、勾留期間が原則10日間ですが、勾留延長が認められれば最大で20日間となりますが、勾留に代わる観護措置の期間は10日間と決められており延長は認められません。
また、通常の勾留の留置場所は、警察署の留置場ですが、勾留に代わる観護措置の収容先は少年鑑別所です。
ほとんどの場合、事件は、警察から検察官に送られ、捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があるものと認められるときに、検察官は事件を家庭裁判所に送ります。
ただし、捜査の結果、犯罪の嫌疑が認められない、犯罪の嫌疑を認める証拠が不十分であるときには、家庭裁判所に事件を送らず、不起訴処分として事件を処理することがあります。

2.家庭裁判所送致後

少年事件が家庭裁判所に送られると、家庭裁判所の調査官は少年の要保護性について調査を行います。
調査を終えると、審判を開くかどうかを決定します。
審判を開始しない旨の決定がなされると、審判を開くことなく事件が終了することになります。
調査後に審判の開始・不開始を決定することになっていますが、家庭裁判所送致後に観護措置がとられている事件については、調査官に対する調査命令と審判開始決定が同時になされる運用がとられています。
観護措置というのは、家庭裁判所が調査、審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置のことで、通常は少年鑑別所に収容する形をとります。
観護措置の期間は、法律上は2週間を超えることができず、特に継続の必要がある場合に1回に限り更新することができるとされていますが、実務上は通常4週間とされています。

審判は、家庭裁判所の審判廷で行われます。
審判に出席するのは、裁判所の裁判官、書記官、調査官、そして少年本人、少年の保護者、付添人です。
審判では、非行事実と要保護性について審理されます。
非行事実は、刑事裁判でいう起訴事実で、少年がどういう非行を行ったかということです。
そして、要保護性とは、概して、次の3つの要素から成るものであると考えられています。
①再非行の危険性:少年の性格や環境に照らして、将来再び非行に陥る危険性があること。
②矯正可能性:保護処分による矯正教育を施すことによって再非行の危険性を除去できる可能性。
③保護相当性:保護処分による保護が最も有効かつ適切であること。

審判の最後に、裁判官が決定を言い渡します。
決定には、終局決定と中間決定とがあります。
審判で言い渡される終局決定は、少年の最終的な処分を決するもので、不処分、保護処分、検察官送致、都道府県知事又は児童相談所長送致があります。
保護処分には、保護観察、児童自立支援施設又は児童養護施設送致、少年院送致があります。
中間決定は、終局決定前の中間的な措置で、試験観察決定などがあります。

先に述べたように、非行事実と要保護性が審理の対象となるため、重い罪に当たる行為をした場合であっても、要保護性が解消されたと認められれば、保護観察といった社会内処遇とされることもありますし、逆に、比較的軽微な罪に当たる行為であっても、要保護性が高いと判断されれば、少年院送致といった厳しい処分が決定されることがあります。

少年事件は、成人の刑事事件とは異なる手続や対応が必要となりますので、少年事件でお困りであれば、少年事件に精通する弁護士にご相談・依頼されるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を数多く取り扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こし対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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少年の児童ポルノ処罰法違反事件

2021-05-04

少年児童ポルノ処罰法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
三重県四日市警察署は、大学生のAくん(18歳)を児童ポルノ処罰法違反の疑いで逮捕しました。
Aくんは、出会い系アプリで知り合った女子中学生に、裸の写真や動画を自分に送らせていた、との疑いがかけられています。
Aくんは、容疑を認めていますが、この先どうなるのか心配でたまりません。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、すぐに対応してくれる少年事件に強い弁護士に連絡し、Aくんとの接見を依頼しました。
(フィクションです。)

児童ポルノ処罰法違反事件

「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(以下、「児童ポルノ処罰法」といいます。)は、児童買春、児童ポルノに係る行為等を規制し、これらの行為等を処罰する法律です。

児童ポルノ処罰法で規制の対象となる「児童ポルノ」とは、同法第3条によれば、
写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、
①児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したもの、
②他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写したもの、
③衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写したもの、
をいいます。

「児童」とは、18歳未満の実在する児童のことを意味します。
「電磁的記録に係る記録媒体」というのは、具体的には、CD-ROM、USBメモリ、コンピューターのハードディスク等、デジタル方式で記録される記録媒体のことです。

18歳未満の者の裸の写真や動画は、上の③に当たるでしょう。

児童ポルノ処罰法は、児童ポルノの所持・保管・提供・製造・運搬・輸出入が処罰対象としています。

Aくんの行為、18歳未満の者に自身の裸の写真やビデオをとらせてそのデータを自己の携帯に送らせる行為は、児童ポルノの「製造」に当たります。

児童ポルノ製造罪の法定刑は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金となっており、成人の刑事事件において同罪で起訴され、有罪となれば、その範囲内での刑罰が科されることになります。
少年事件の場合には、基本的に刑罰ではなく少年の更生を目的とした少年法に基づいた処分が科されることになります。

少年事件の流れ

20歳未満の者であっても、犯行時に14歳以上であれば、被疑者として捜査機関に逮捕されることがあります。
捜査段階では、刑事訴訟法が準用されるため、成人の刑事事件の手続とほとんど同じ手続を踏むことになります。
逮捕された場合、逮捕後に警察署で取調べを受けます。
逮捕から48時間以内に、少年は証拠や関係書類と共に検察庁に送られます。
そうでなければ、釈放となります。
検察庁に送致された少年は、担当検察官からの取調べを受けます。
検察官は、少年の身柄を受けてから24時間以内に少年を釈放するか、裁判官に勾留請求を行います。
検察官からの勾留請求を受けた裁判官は、少年と面談をした上で、少年を勾留するか否かを判断します。
少年の場合、検察官は「勾留に代わる観護措置」を請求することができ、裁判官は当該措置をとることができます。
勾留は、留置場所が警察署の留置施設であるのに対して、勾留に代わる観護措置の場合は、少年鑑別所に収容されます。
また、勾留の期間は、検察官が勾留請求をした日から10日であり、延長が認められれば最大で20日となりますが、勾留に代わる観護措置の期間は10日で延長は認められません。

捜査機関は、捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合、および犯罪の嫌疑が認められない場合でも家庭裁判所の審判に付すべき事由がある場合は、すべての事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。

家庭裁判所に事件が送致されると、事件が係属している間、家庭裁判所はいつでも「観護措置」をとることができます。
観護措置は、家庭裁判所が調査および審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置です。
観護措置がとられると、少年鑑別所に1か月ほど収容されることになります。
捜査段階で逮捕・勾留されていた少年については、家庭裁判所に送致された日に裁判官と面談した上で、観護措置がとられることがほとんどです。

家庭裁判所に送致後は、調査官による調査が行われ、審判において非行事実および要保護性が審理され、少年に対する処分が決定されます。

このように、少年であっても長期的な身体拘束となる可能性はありますので、早期に弁護士に相談し、身体拘束からの解放に向けた活動を行うことが重要です。
また、少年審判では、非行事実だけでなく要保護性も審理対象となりますので、早い段階から要保護性の解消に向けた活動を行う必要があります。

このような活動は、少年事件に強い弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こし対応にお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

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