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交番で業務妨害は何罪?③~少年事件~ 

2020-04-30

交番で業務妨害行為をした場合は何罪となるのか検討するにあたり、特に少年事件の手続きと対応について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇事件◇

三重県いなべ市に住んでいるAさん(17歳)は、以前、三重県いなべ警察署の警察官に補導され、その時に夜遅くに出歩かないよう注意されたことを根に持っており、警察官に迷惑をかけてやりたいと思っていました。
そこでAさんは、三重県いなべ警察署の管轄にある交番へ行き、警察官が不在の間に、交番の出入り口に消火器を噴射しました。
これによって、交番はしばらく出入りが困難な状態になってしまいました。
Aさんの犯行を目撃していた通行人が通報し、捜査の結果、Aさんは威力業務妨害罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、Aさん逮捕の知らせを聞いた際、警察の邪魔をしたらしいということなのになぜよく聞く公務執行妨害罪ではないのか、もしかしてAさんが不要な疑いを持たれているのではないかと不安に思っています。
(※令和2年4月9日東海テレビ配信記事を基にしたフィクションです。)

・少年事件と弁護士

今回のAさんのように、20歳未満の者が犯罪をしたり犯罪に触れる行為をしたような場合には、少年事件として扱われます。
少年事件では原則的に、捜査機関の捜査後、事件が家庭裁判所に送致され、そこでの調査を経て新版が開かれ処分が決められることになります。
捜査機関の捜査後に検察官が起訴・不起訴を決め、その後裁判によって有罪・無罪を決めて有罪の場合は刑罰を決める成人の刑事事件とは異なる手続きも多くあります。
だからこそ、少年事件に対応するには少年事件に強い弁護士のサポートが求められるのです。

成人の刑事事件と異なるといっても、捜査機関が捜査している段階では、少年事件と刑事事件で異なる部分は多くありません。
少年事件であっても、必要が認められればAさんのように逮捕されることもありますし、逮捕に引き続く勾留という身体拘束を伴って捜査が行われる場合もあります。
取調べでは警察官や検察官と1人で話をすることになります。
逮捕・勾留といった身体拘束からの解放を求める活動や、取調べの状況を把握しながら適宜助言をし少年のフォローをすることなどが、少年事件の捜査段階での弁護士の役割として挙げられます。

そして、事件が家庭裁判所送致された後は、捜査段階とはまた違った視点での活動が必要となります。
というのも、少年事件の最終処分は、少年の更生に適切な処分はどういったものかということが重視されて決められるからです。
ですから、家庭裁判所に事件が送られてからは、少年の更生のための環境づくりをする活動がメインとなってきます。
少年を更生させるために十分な環境がすでに家庭や学校で整っていれば、少年院送致などの処分を取らなくてもよいということになるのです。
例えば、今回のAさんは以前から夜に出歩き補導をされているようですが、今回も夜に交番に消火器を噴射するという事件を起こしています。
規則正しい生活に整えるとともに、なぜそういった行動を起こしてしまったのか、どうしてその行動をしてはいけないのか、その行動によって誰がどういう迷惑を被ったのか、どうしたらその行動をとらなくて済むか、といったことを少年やその家族と一緒に突き詰めていくことで、再び同じような犯罪をせずに済むように対策していくことになるでしょう。

 

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件を捜査段階から家庭裁判所に送られた後処分が出る段階まで、刑事事件・少年事件専門の弁護士が一貫してサポートを行います。
0120-631-881では、専門スタッフが弁護士によるサービスをご案内中です。
三重県の少年事件でお悩みの際は、まずはお気軽にお電話ください。

津市内で子供が逮捕されたら

2020-02-22

津市内で子供が逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇事例◇

Aさんの息子(17歳)は、津市内の高校に通っています。
先日、いつもより帰宅が遅いことを心配していると、三重県津南警察署の警察官から「息子さんを強制わいせつ罪で逮捕しました。」と電話がありました。
気が動転したAさんは、車で三重県津南警察署まで行って、担当の刑事さんに話を聞こうとしましたが「捜査中なので何もお答えできません。しばらくは家に帰れないと思うので衣類を差し入れてあげてください。」と言われてしまいました。
(この事例はフィクションです。)

こんな時は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所初回接見サービスをご利用ください。
初回接見サービスのご予約はフリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。

◇強制わいせつ事件◇

強制わいせつ事件とは、刑法第176条に規定されている犯罪です。
犯行の態様としては被害者に対してわいせつな行為をすることです。被害者が13歳以上の場合は、その手段として、暴行または脅迫を用いることが条件とされていますが、被害者が13歳未満の場合は、そのような条件はなく、わいせつ行為に及んだ時点で「強制わいせつ罪」が成立します。
ここでいう「わいせつな行為」とは、性欲の刺激を目的とする行為であって、他人の羞恥の感情を抱かせる行為をいいます。
またわいせつな行為の手段とされている「暴行」「脅迫」とは、暴行は、正当な理由なく他人の意思に反してその身体に有形力を行使することで、脅迫は、害悪の告知です。
一見すると痴漢行為(迷惑防止条例違反)であっても、被害者の年齢や、事件現場の状況、行為の態様によっては「強制わいせつ罪」が適用される可能性があるので注意しなければなりません。
強制わいせつ罪の法定刑は「6月以上10年以下の懲役」です。罰金刑の規定がないため、被疑者が成人の場合は、起訴されてしまうと、無罪判決を得るか、執行猶予が付かない限り、刑務所に服役しなければいけません。

◇初回接見サービスのメリット◇

初回接見サービスをご利用いただいて、逮捕されているお子様のもとに弁護士を派遣すれば
・留置先を知ることができる。
・事件の内容、現在の状況を知ることができる。
・身体拘束を受けている方と意思疎通をとることができる。
・今後の刑事手続の流れ、処分の見通しを知ることができる。
・今後の弁護活動の幅が広がる。
・早期に刑事弁護人を選任することができる。
等、様々なメリットがあります。
また逮捕されているお子様も、刑事事件に関する法律に精通した弁護士からのアドバイスを受けていただく事によって、取調べや、刑事手続きに対する不安が少しでも緩和されるでしょう。

三重県津市の刑事事件でお困りの方、少年による強制わいせつ事件に強い弁護士をお探しの方は、三重県内の刑事事件を扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に関する無料法律相談や、三重県内の警察署に逮捕された方への初回接見サービスを、フリーダイヤル0120-631-881にて24時間、年中無休で承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

【志摩市の少年事件】少年審判に向けた弁護士の活動

2020-02-20

【志摩市の少年事件】少年事件の手続きや、弁護士の活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~少年事件~

A君は15歳の中学3年生(15歳)です。
A君の家庭環境は悪くありませんが、A君は中学生になってから不登校、深夜徘徊などの素行不良が目立っています。
そんな中、A君は遊ぶ金欲しさに、志摩市のコンビニの駐車場にたむろしている小学生に対して、ナイフを見せつけながら、「金を出せ」と要求し、数千円の現金とゲーム機を強奪しました。
事件直後に被害者等が逃げ込んだコンビニの店員によって捕まったA君は、その後、三重県志摩警察署に連行されて強盗罪の疑いで取調べを受けています。
(フィクションです)

少年事件の手続き

A君は、少年(20歳未満の男女をいいます)ですから、少年事件として手続が進行します。
少年法は「少年の健全育成」を目指す保護主義を掲げており、成人の刑事事件の手続とは大きく異なる点が存在します。

~逮捕後の勾留~

捜査段階では、少年事件においても刑事訴訟法の適用がありますから、逮捕後さらに身体拘束を行う必要があると判断された場合には、「勾留」されることになります。
通常の刑事事件においては、

①罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があり、

②(ⅰ)住所不定、(ⅱ)逃亡のおそれ、(ⅲ)罪証隠滅のおそれのうちいずれか一つに該当する

③勾留の必要性が認められる場合

に勾留の要件を満たしますが、少年事件においては、少年を勾留することによる悪影響が考慮されており、上記の要件に加えて「やむを得ない場合」に勾留をすることができるとされています。
勾留される期間は最長10日間、勾留延長されればさらに最長10日間となる点は成人事件と変わりません。

~勾留に代わる観護措置~

少年を身体拘束する場合における処遇上の配慮として、「勾留に代わる観護措置」の制度が挙げられます。
鑑別所で身体拘束を受けることになりますが、留置場における拘束よりも一般的に環境が良好とされています。
身体拘束を受ける期間は10日間で、延長はできません。

少年事件は全件送致主義

通常の刑事事件において、検察官は、捜査を遂げた事件につき、被疑者を起訴するか、不起訴にするかを決めなければなりません。
この場合、有罪の立証ができると考えている場合であっても、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況を考慮し、裁判にかけない「起訴猶予処分」を行うことができます。
これに対し、少年事件では「全件送致主義」が採用されており、捜査機関は、犯罪の嫌疑があると判断したときは、全ての事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。

家庭裁判所に送致後の手続き

家庭裁判所へ送致された後は、事件について調査がなされます。
調査は、非行事実の存否、要保護性(少年の犯罪的危険性、矯正可能性、保護相当性)について行われます。
この結果は、後に行われる審判の結果にも影響します。

~観護措置~

少年の心情の安定・情操の保護を図りながら鑑別を行う制度です。
在宅で観護を行う「調査官観護(在宅観護、1号観護などとも呼称)」と、少年鑑別所に収容して観護を行う「収容観護」があります。
前者の調査官観護はほとんど活用されておらず、実務上「観護措置」というときは、後者の収容観護を指します。
収容観護の期間は2週間を超えることができず、とくに継続の必要があるときに1回に限り更新することができます。
さらに、一定の事件については、「特別更新」が認められ、さらに2回を限度として更新することができます。
特別更新がなされた場合には、最長8週間観護措置をとることができます。

少年審判

審判開始決定が出されると、家庭裁判所による審判が行われます。
少年の非行事実、要保護性について審理され、最後に

①不処分
②保護処分(少年院送致、保護観察処分、児童自立支援施設または児童養護施設送致)
③都道府県知事または児童相談所長送致
④検察官送致(逆送)
⑤試験観察処分

のいずれかの処分がなされます。
少年院送致の処分がなされると、少年院に収容され、矯正教育を受けることになります。
できるだけ少年にとって負担の少ない処分により、社会復帰を目指すことが理想的ですので、弁護士は、そのような処分が決定するように活動します。

少年事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所であり、少年事件に関しましても解決実績が豊富です。
志摩市の少年事件でお困りの方、お子様が強盗事件を起こし、逮捕されてしまった方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

【少年事件】線路に置石をして逮捕

2020-02-08

線路に置石をして逮捕された少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇15歳の息子が置石で逮捕された◇

三重県名張市の公立中学校に通うA君(15歳)の父親のもとに、三重県名張警察署の警察官から電話がかかってきました。
その内容は「三重県名張市内を走る私鉄電車の線路に置石のいたずらをしたA君を逮捕した。」というものでした。
A君は置石をしたところを警察官に目撃されて、その場で逮捕されたようです。
(フィクションです)

◇線路に置石をするとどのような犯罪が成立するか◇

往来危険罪(刑法第125条1項)が成立する可能性があります。
往来危険罪は、鉄道若しくはその標識を損壊し、又はその他の方法により、汽車又は電車の往来の危険を生じさせる犯罪です。
「往来の危険」とは、汽車、電車の脱線、汽車、電車の転覆、衝突、破壊など、その往来に危険な結果を生ずるおそれのある状態をいいます。
したがって、上記の実害が生じたことは必要なく、具体的状況から判断して実害が発生するおそれのある状態が生じれば既遂に達します。
置き石は「その他の方法」の典型例ということができるでしょう。
通常、使用中の鉄道のレールに置き石をすれば、その時点で往来危険罪は既遂に達し、石が列車通過前に除去され、あるいは列車により石が弾き飛ばされ、何らの実害も生じなかったとしても、未遂に留まることはありません。
法定刑は2年以上の懲役(20年以下)となっており、かなり重い犯罪ということができます。

◇少年法の適用◇

A君は15歳の少年ですから、少年法の適用があります。
少年法による手続は、原則として刑罰を科すことを目的とするものではなく、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分及び少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的としています(少年法第1条)。
そのため、原則として各犯罪が定める刑罰(たとえば往来危険罪なら2年以上の懲役)は科されません。

◇保護処分◇

保護処分は、家庭裁判所の審判により言い渡されます。
保護処分の種類には

①少年院送致
②保護観察処分
③児童自立支援施設または児童養護施設送致

があります。

少年院送致は、少年院への収容により身体拘束を伴い、特別な場合以外は外出できません。
短くて4カ月以内、平均で1年程収容されることになります。
児童自立支援施設に収容された場合は、原則として少年の居室に鍵をかけることはできませんが、少年が頻繁に逃亡を繰り返すなどの事情が認められる場合には、鍵付きの部屋に入れられることもあります。

児童自立支援施設送致が言い渡される少年は、非行性が比較的進んでおらず、どちらかといえば、少年の素質よりも、家庭環境に問題があるケースが多いです。
児童養護施設は、保護者のいない児童、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせてその自立を支援することを目的としており、特に非行少年を対象としているわけではありませんので、ケースのA君に児童養護施設送致が言い渡される可能性はかなり低いと思われます。

保護観察処分の場合、社会に戻ることができますが、成人するまで保護観察所の保護司の指導を受けて更生に取り組むことになります。

◇事件解決を弁護士に依頼◇

ケースにおいては、起こした犯罪がかなり重い犯罪であることから、少年院送致もありえます。
少年院に送致されると、しばらく社会に戻ることができず、学業にも影響が生じます。
少年院においても教育は行われますが、その水準がこれまで通っていた学校と同等とは限りません。
ですので、社会内で更生を目指す保護観察処分を是非とも獲得したいところです。
保護観察処分を目指すに当たっては、社会に戻ったAくんに改善更正が期待でき、再び非行を繰り返す心配がないことを、家庭裁判所に納得してもらわなければなりません。
そのためには、A君の周囲を取り巻く環境(保護者との関係、交友関係など)を調整し、さらにA君自身において内省を深め、心から反省する必要があります。
審判決定がなされるまでどのように行動すべきか、綿密に弁護士と検討しましょう。

◇少年事件に強い弁護士◇

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
少年事件においては成年における刑事手続きと異なり、特殊かつ複雑な手続きが予定されており、法律の専門家に意見を求めることには大きな意義があります。
お子様が往来危険罪の疑いで逮捕され、お困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

初回法律相談:無料

共同危険行為で子供が逮捕されたら

2019-10-13

お子様が共同危険行為で警察に逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇事件◇

高校を中退してフリーターをしているA君(17歳)は、原付バイクの免許を取得したのをきっかけに、地元の先輩たちが結成した暴走族に加入し、毎日のように、鈴鹿市内の路上において、原付バイク数台に分乗して、集団で暴走行為を繰り返しています。
これまで何度もパトカーに追尾されたりしていますが、パトカーを威嚇するなどして、取締りを免れてきました。
しかし最近になって、所属する暴走族のメンバーが次々に三重県鈴鹿警察署に逮捕されており、A君は「自分も逮捕されるのではないか。」と不安になって両親に相談したのです。
そして、両親とともに少年事件に強い弁護士に法律相談することにしました。
(フィクションです。)

◇共同危険行為◇

~道路交通法 第68条(共同危険行為等の禁止)~

二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は、道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において、共同して、著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為をしてはならない。

この条文をまとめると

①二人以上の自動車又は原動機付自転車の運転者は
②道路において二台以上の自動車又は原動機付自転車を連ねて通行させ、又は並進させる場合において
③共同して
④著しく道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく他人に迷惑を及ぼすこととなる行為

を禁止した内容で、暴走族の暴走行為にしばしば適用されます。

これに違反し、有罪が確定すると、2年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられますが、A君は少年なので、原則として、少年法の定める少年保護事件として手続きが進行することになります。

~逮捕されるリスク~

暴走族による集団暴走は
●日常的に違反を繰り返している(悪質である。)
●何度も警察官の取締りを免れるために逃走している(逃走のおそれがある。)
●共犯者がいる(通謀による証拠隠滅のおそれがある。)
と判断されがちなので、今回の事件でA君が逮捕されるリスクは非常に高いといえるでしょう。

◇逮捕後はどうなるの◇

少年事件であっても、捜査段階においては刑事訴訟法の適用があるので、成人と同じように逮捕・勾留といった刑事手続きが進められます。
逮捕後に勾留の必要があると認められるときは、逮捕から48時間以内にA君は検察に送致されます。
そして検察官は、送致を受けてから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内に勾留を請求するか釈放するかを決めることになります。

~少年事件の特徴~

成人の事件の場合は、検察官に被疑者を起訴するか、あるいは不起訴にするかを決定する裁量が与えられていますが、少年事件においては、「全件送致主義」がとられているため、検察官が犯罪の嫌疑があるものと思料するときは、原則としてこれを家庭裁判所に送致しなければなりません。
また、犯罪の嫌疑がない場合であっても、家庭裁判所の審判に付すべき事由(虞犯少年である場合など)があると思料される場合には、やはり家庭裁判所に送致されることになります。

~家庭裁判所に送致されると~

家庭裁判所に送致されると、裁判官と会い、「観護措置」をとるかどうかについて検討されることになります。
観護措置が決定されると、少年鑑別所に収容され2週間、更新されると最長4週間、さらに更新できる場合には最長8週間身体拘束を受けることになります。(ほとんどの少年が4週間
少年鑑別所では、Aくんの社会調査の他、行動観察などの鑑別が行われます。

~審判~

審判が開かれると、保護処分(少年院送致、保護観察処分、児童自立支援施設又は児童養護施設送致)、不処分などの決定がなされます。
A君の年齢を考慮すると、児童自立支援施設、児童養護施設送致の処分がなされる可能性は低いと思われます。
A君になされる可能性が考えられる処分は、少年院送致、保護観察処分、不処分ということになります。
また、直ちに何らかの決定を行うことが適切でないと判断された場合は、中間的に、少年を相当な期間、家庭裁判所調査官の観察に付する「試験観察処分」が行われることも考えられます。

鈴鹿市の少年事件でお困りの方、お子様が共同危険行為で警察に逮捕される可能性のある方は、三重県の刑事事件に強いと評判の弁護士法人あいち刑事事件総合法律にご相談ください。
フリーダイヤル0120-631-881で24時間365日、初回接見サービス、無料法律相談のご予約を承っておりますのでお気軽に電話ください。

少年によるストーカー事件

2019-10-07

少年によるストーカー事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

鳥羽市に住むAさん(男性)は、高校3年生の18歳です。
Aさんは、同級生の女の子に対し、好意の感情を抱いて交際を申し込みましたが、その女の子には交際相手がおり、Aさんが交際をすることはできませんでした。
女の子にふられてしまったAさんは、「この女は許すことはできない」と考え、女の子に対し、嫌がらせを行うこととしました。
具体的には、女の子の机の中に食べかけのパンを入れたり、学校中に女の子を誹謗中傷する張り紙を貼ったり、直接言ったりするなどしました。
Aさんがこのようなことをしていたところ、被害を受けた女の子は、三重県鳥羽警察署に被害を出たらしく、Aさんは警察に逮捕されてしましました。
~フィクションです~

◇ストーカー規制法について◇

まず、Aさんの行為にはどのような罪が成立するのでしょうか。
ストーカー行為等の規制等に関する法律(いわゆるストーカー規制法です)は、「つきまとい等」を行うことを禁止しています。
そして、その「つきまとい等」として、以下のようなものを定めています(ストーカー規制法2条1項)
①つきまといや待ち伏せ
②監視していることの告知
③面会や交際の要求
④乱暴な言動
⑤無言電話等
⑥不快な物を被害者に送り付けたり、目につくところに置いたりすること
⑦名誉を害することを告げること
⑧性的なものを、被害者が知ることのできる状態にしておくこと

Aさんの行為は、食べかけのパンという不快な物(条文では「汚物」とされています)を机の中に入れていますので、上記⑥にあたる可能性が高いですし、誹謗中傷の張り紙をしたり、直接女の子に告げたりする行為は、⑦にあたります。
そしてAさんは、ストーカー規制法の「つきまとい等」を、反復して行っているといえますので、Aさんの行為はストーカー規制法でいう「ストーカー」にあたると考えられます。

◇少年事件について◇

ストーカー規制法でいう「ストーカー行為」を行ったものは、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処するとされています(ストーカー規制法18条)。
しかし、Aさんは18歳であり、20歳未満ですから、少年法の定める「少年」にあたり、原則的には、懲役や罰金といった刑事処罰を受けることにはなりません。
少年法の「少年」にあたる場合には、少年院送致や保護観察といった、「保護処分」という刑事罰とは異なった処分を受けるこのほうが多くなっています。

◇少年事件で目指すべきもの◇

少年法は、少年の更生を目的とした法律です。刑事罰が、行った行為に対する制裁を主たる目的にしているのに対し、少年の場合には、再び同じことをしないようにするためにはどうすればよいのかといった点が、少年事件の目的となります。
そのため、少年の反省が見られ、再非行をする可能性がほとんど考えられないといったような場合には、家庭裁判所から処分をしないという「不処分」という決定を言い渡されることもある反面、このまま放置すれば再非行をするおそれが高いと判断された場合には、「少年院送致」という身体拘束を伴う重い処分を受ける可能性も十分あります。
そして、少年が再非行をしそうかどうかは、今回家庭裁判所に来ることになった事件が重い罪か軽い罪かは関係ありません。例えば、今回の様なストーカー規制法違反といった、比較的法定刑の軽い罪であっても、再非行の可能性が高いと判断されれば、少年院送致になる可能性も否定できませんし、反対に、強盗致傷の様な、無期懲役が法定されている罪であっても、保護観察のような在宅処分になる可能性も十分にあります。
少年事件で大切なことは、少年に反省を促し、今回の問題点はどんなところにあったのか、再び同じような事を繰り返さないためにはどのようにすればよいのかを、早期の段階から一緒に考えることにあります。また、ご両親も、本人の第一の監督者ですから、本人と一緒になって、今後どうすることが本人のためになるのかを考えることが大切になります。

少年によるストーカー事件は、成人が事件を起こした場合と手続きが異なりますので、少しでも軽い処分を望む場合は、少年事件に強い弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、鳥羽市の少年によるストーカー事件に関するご相談を無料で承っております。
無料法律相談をご希望の客様はお気軽にお問い合わせください。

少年鑑別所に収容されたら

2019-09-13

少年鑑別所について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇事件◇

鳥羽市に住むAさんの息子(16歳)は、通っている高校の近所にあるコンビニやスーパーで万引きを繰り返していました。
1カ月ほど前に、コンビニの店員に捕まってしまい、その日以降Aさんの息子は、三重県鳥羽警察署に呼び出されて取調べを受けています。
取調べにおいてAさんの息子は、これまでにも万引き事件を起こしていることを自白しました。
そしてその後、事件が家庭裁判所に送致され、Aさんと息子は家庭裁判所から呼び出されて出頭したのですが、息子に観護措置が決定してしまい、息子は少年鑑別所に収容されてしまいました。(フィクションです。)

◇少年鑑別所◇

少年鑑別所とは、医学や心理学、教育学等、様々な専門知識に基づいて、少年の資質の鑑別を行う施設のことです。
少年鑑別所に収容される期間は、基本的には4週間ですが、非行内容や少年に特別な事情がある場合は、最長で8週間までは延長されることがあります。
少年院と同じだと勘違いしている人が多いようですが、少年鑑別所は、基本的に少年審判を受けるまでに収容される施設で、審判での処分が決定して収容される、少年に対する矯正教育を目的にした少年院とは全く異なります。
少年鑑別所では、鑑別所職員(技官)との面接や、様々な検査等による資質鑑別と、少年の行動観察が行われています。
少年鑑別所に収容されてすぐに、身体検査や技官との面談、心理検査等が行われ、その結果に応じて、少年個々の特性に合わせた個別の鑑別が実施されることになります。収容期間中は、検査や面接以外にも、運動や読書、ビデオ視聴、作文などの時間が設けられています。
少年鑑別所で鑑別結果は、鑑別結果通知書という書類にまとめられて家庭裁判所に提出されます。
少年鑑別所での生活態度や、検査結果がその後の審判に大きく影響することとなるので注意しなければなりません。

◇三重県内の少年鑑別所◇

基本的に鑑別所は一都道府県に一ヶ所しかなく、三重県内には「津少年鑑別所」があります。
=津少年鑑別所=
〒514-0043 三重県津市南新町12-12  TEL059-228-3556

ちなみに複数ヶ所に鑑別所がある都道府県は北海道(旭川市、札幌市、函館市、釧路市)と東京都(練馬区、昭島市※平成31年4月に八王子市から移転)、福岡県(福岡市、北九州市)です。

◇少年鑑別所での面会◇

少年鑑別所に収容されている少年との面会は、付添人である弁護士が行う付添人面会と、少年の家族等が行う一般面会に分けられます。

~付添人(弁護士)面会~
弁護士が、警察署の留置場に収容されている少年に面会するのとは異なり、少年鑑別所での面会は、面会できる日時に制限があります。
少年鑑別所によって多少異なりますが、面会できるのは、基本的に平日の午前8時30分~午後5時です。(面会時間に制限はない。)
基本的に、土日、祝日の面会は認められていませんが、事前に予約をしたり、特別な事情がる場合は、土日、祝日であっても面会が認められる場合があります。
また警察署の留置施設では、少年と弁護士の間にアクリル板が設置されている接見室での面会となりますが、少年鑑別所での面会は、そのようなアクリル板はなく、少年鑑別所の職員が面会に立ち会うことはありません。

~一般面会~
少年鑑別所に収容されている少年と面会が許されるのは、近親者、保護者、その他鑑別所が必要と認めた人だけですので、少年の友達や恋人が面会しようとしても拒否されるでしょう。
面会できるのは、付添人(弁護士)と同じで、平日の午前8時30分~午後5時ですが、1回の面会時間は15分程度に制限され、少年鑑別所の職員が面会に立会い、必要に応じて面会の内容が記録されます。

三重県内の少年事件お困りの方、お子様が津少年鑑別所に収容された方は、三重県内の刑事事件を専門に扱っている「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご利用いただければ、津少年鑑別所に収容されている少年に、少年事件専門の弁護士が面会いたします。
初回接見サービスのご予約はフリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお電話ください。

志摩市の少年事件

2019-09-07

志摩市の少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事件~

三重県志摩市に住む高校生のA君は同級生とけんかになり、同級生にケガをさせてしまいました。
被害少年が警察に被害届を提出したことによって、三重県志摩警察署傷害罪の疑いで逮捕されたA君は、その後勾留されてしまいました。
10日間の勾留期間中は、国選弁護人がA君の刑事弁護を担当してくれましたが、その後、家庭裁判所に送致されて観護措置が決定してからは、国選弁護人が選任されませんでした。
A君の両親は、私選で付添人を付けようと少年事件に強い弁護士に初回接見を依頼しました。
(この事例はフィクション)

傷害罪(刑法第204条)
人の身体を傷害した者は、15年以上の懲役又は50万円以下の罰金に処する

◇家庭裁判所送致後の国選付添人◇

少年事件は成人事件とは異なった流れで事件が進行していくことになり、その規定は少年法で定められています。
まず、特に家庭裁判所に送致されるまでの被疑者の段階では刑事訴訟法の規定が準用されることになり、概ね成人と同じ流れで進行していくことになります。
そのため、国選弁護人の規定については成人と変わらず勾留状が発せられ、被疑者が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないとき、国選弁護人が選任されることになります。(刑事訴訟法37条の2)
そして、少年事件の弁護士は、事件が検察から家庭裁判所に送致されると弁護人としての活動は終了し、付添人という立場で活動していくことになります。
もっとも、この付添人についても国選付添人という制度がありますが、国選弁護人とは要件が異なってきます。
少年法では、以下の場合に国選付添人を必要的又は任意的に選任することができると定めています。

~必要的国選付添人~
・検察官関与決定がなされた事件(少年法22条の3第1項)
・被害者等による少年審判の傍聴を許そうとする場合(少年法22条の5第2項)

~任意的付添人~
犯罪少年又は触法少年のうち、「死刑又は無期もしくは長期3年を超える懲役もしくは禁錮に当たる罪」に該当する非行に及んだものについて、観護措置(この場合は通常、少年鑑別所で身体拘束されることになります)がとられており、かつ、弁護士の付添人がいない場合に、事案の内容、保護者の有無等を考慮し、審判の手続に弁護士で付添人が関与する必要があると家庭裁判所が認める場合

このように国選弁護人と国選付添人では選任される要件が異なっていますので、国選弁護人が付いていたからといって当然に国選付添人が選任されるわけではありませんし、選任されたとしても、被疑者段階での弁護士と同じ弁護士が付添人に選任されるとも限りません。

A君の場合、傷害罪の「15年以下の懲役」は「長期3年を超える懲役の罪」に該当しますが、家庭裁判所が付添人が関与する必要がないと判断すると、国選付添人が選任されません。
しかし、弁護士による付添人活動は、少年審判時はもちろん、少年審判開始前における示談交渉、少年の更生に向けた環境調整等に重要な役割を果たし、その結果が、少年審判の処分に影響します。
国選で付添人が選任されなかった場合は、私選で弁護士に依頼しなければ、付添人が付かずに審判を受けることもありますので、特に少年事件では私選の弁護士に依頼することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では少年事件に強い弁護士が無料法律相談、初回接見を行っています。
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三重県内の少年事件でお困りの方、未成年のお子様が警察に逮捕されたり、少年鑑別所に収容された方は、少年事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。

逆送後に再び家庭裁判所に移送

2019-07-11

少年の逆送事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事件~

三重県桑名郡木曽岬町に住む高校生のA君(18歳)は、先輩から借りた車を無免許で運転し、横断歩道を横断中の小学生に接触する交通事故を起こしてしまいました。
小学生は転倒し、後頭部を地面に打ち付けたことが原因で、翌日、搬送先の病院で死亡しました。
A君は、事故後に通報で駆け付けた警察官によって、危険運転致死罪現行犯逮捕されて、事故現場を管轄する三重県桑名警察署に10日間勾留された後、現在は、津少年鑑別所において観護措置を受けています。
A君の国選付添人から「事件が検察庁に逆送される。」ことを聞いたA君の父親は、少年事件に強い弁護士にA君の刑事弁護を依頼することを考えています。
(フィクションです)

◇少年鑑別所◇

刑事事件を起こした少年については、裁判官が「観護措置」を決定すると、少年鑑別所に収容されて観護措置期間を過ごすことになります。
少年鑑別所は、全国の都道府県に設置されており、三重県には「津少年鑑別所」があります。
【津少年鑑別所】
〒514-0043 三重県津市南新町12-12
電話番号 059-228-3556

◇危険運転致死罪◇

交通事故を起こして被害者を死亡させたり、怪我をさせたりすれば、通常は過失運転致死傷罪が適用されますが、危険な運転行為によって交通事故を起こし、人を死傷させると、罰則規定が非常に重い「危険運転致死傷罪」の適用を受けることとなります。
危険運転致死傷罪は、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律の第2条に規定されており、ここには危険運転行為が列挙されています。

~危険運転行為~
①アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
②その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
③その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
④人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
⑤赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
⑥通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

A君のように無免許運転で起こした死亡事故に危険運転致死罪が適用される場合は、上記③に該当するでしょう。

◇逆送◇

犯行時に16歳以上の少年で、故意の犯罪行為により被害者を死亡させてしまった事件については、原則として、逆送されることになります。(様々な事情を考慮して刑事処分以外の措置が相当と認められる場合は除かれる。)
危険運転致死罪故意の犯罪で人を死亡させた罪となりますので、A君の年齢を考えると、今後の審判で、A君の行為が危険運転致死罪と認められた場合は、家庭裁判所から、検察庁に送致され、成人とほぼ同様の刑事手続きが進むこととなります。
家庭裁判所から検察庁に送致されることを「逆送」といい、逆送事件が基本的に起訴されて、その後の刑事裁判で刑事罰が言い渡されることとなるのです。
逆送された場合、名前が明かされない、不定期刑の可能性があるなど成人と異なる点もありますが、成人とほとんど同じ公開の刑事裁判を受けることになってしまいますので、その刑事裁判で言い渡された刑が確定すれば、前科となります。

◇55条移送◇

ただ、一度逆送されたとしても再び家庭裁判所に戻されることもあります。
55条移送と言われている手続きで、その旨少年法の第55条に明記されています。

少年法第55条
裁判所は、事実審理の結果、少年の被告人を保護処分に付するのが相当であると認められるときは、決定をもって、事件を家庭裁判所に移送しなければならない。

この条文に明記されているように、一度逆送の決定がされて刑事裁判に付された場合でも、事件を再び家庭裁判所に移送されることがあるのです。
保護処分となるか、刑事罰を受けるかというのは、とても重要となります。
刑事罰を受けると前科になりますが、少年審判での保護処分は前科とはならないのです。
原則逆送事件で逆送された場合には、ほとんどの場合で裁判員裁判となります。
そして、55条移送されるかどうかの決定についても裁判員を含めて判断されることになります。
なお、過去には逆送されて、55条移送され、また逆送されて、というようにこれらの決定が繰り返されたような事例もあります。

三重県桑名郡木曽岬町の少年事件に強い弁護士をお探しの方、お子様が原則逆送事件を起こして警察に逮捕されてしまった方は、少年事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。
初回法律相談:無料

三重県四日市西警察署の少年事件

2019-06-13

少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇事件◇

三重県四日市市の私立高校に通うA君(16歳)は、同級生数人と共に、学校の近所にあるコンビニで、菓子類等の食料品を万引き繰り返していました。
コンビニの店員に目を付けられていたA君のグループは、先日、お菓子を万引きして店の外に出たところで店員に捕まってしまい、三重県四日市西警察署に通報されてしまいました。
警察署から連絡を受けたA君の父親は、警察署までA君を迎えに行き、その帰りにコンビニに寄って謝罪しましたが、店長は、これまで何度も被害にあっていることから非常に厳しい態度で、謝罪を全く受け入れてくれませんでした。
A君の父親は、少年事件に強い弁護士に、今回の事件を相談しました。
(フィクションです)

◇三重県四日市西警察署◇

【所在地】〒510-1222 三重県三重郡菰野町大字大強原3241

【電話番号】059-394-0110

三重県四日市西警察署は、四日市市の一部(西部)と三重郡菰野町を管轄する警察署です。
三重県四日市西警察署の管内西部には、鈴鹿山脈の山々が広がっており、シーズンには登山客や観光客で賑わっています。
四日市市を管轄する他の警察署と比べると比較的小規模な警察署で、年間の刑法犯認知件数も300件前後と少なめです。
(三重県警察のホームページを参考)

◇万引き◇

万引きは、刑法第235条に定めれらている窃盗罪に該当します。
窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金」ですが、事件を起こしたのが少年の場合は、この法定刑は適用されず、警察や検察庁の捜査を終えると事件は家庭裁判所に送致され、そこで少年法による手続きが進みます。

◇少年事件の手続き(不拘束事件の場合)◇

家庭裁判所に窃盗(万引き)事件が送致されると、まず家庭裁判所の調査官によって、少年の素行や家庭環境等を調査されます。
この調査によって少年の環境が劣悪で保護する必要がある場合や、調査や審判に向けて少年の身柄を拘束する必要がある場合は、観護措置の決定がくだります。
観護措置の決定がなされれば、ほとんどの場合で4週間(最長で8週間)もの間、少年鑑別所に収容されることとなり、そこで少年の行状や経歴、素質や環境などについて調査が行われます。
また、この調査は必要に応じて少年の保護者に対しても行われる場合があります。
家庭裁判所の調査を終え、観護措置期間が終了すれば、家庭裁判所で少年審判が開かれます。
少年審判とは、成人事件でいうところの刑事裁判に当たります。
少年審判は、少年が非行事実に納得できず争う場合と、少年が非行事実を認めている場合に分かれ、非行事実を争う場合には、検察官が審判に参加することとなり、少年と非行事実を争います。
ここで非行事実が認められれば、その結果を踏まえた処分を裁判官が決定しますが、非行事実が認定されなかった場合は、刑事裁判でいうところの「無罪」となります。
少年が非行事実を認めている場合は、裁判官から決定した処分が言い渡されます。

◇処分の種類◇

(1)不処分
何の処分もありません。
不処分となれば、審判後はこれまでの日常生活に戻れます。

(2)観察処分

~保護観察~
少年院等に収容されることはありませんが、保護観察期間中は、日常生活を送りながら保護観察所の調査を受けることになります。
定期的に保護司のもとに通って面談を受けたり、場合によっては保護観察所に行って面談を受けることもあります。

~少年院送致~
一定期間、少年院に収容されて、少年院での生活を強いられます。
収容される期間は、短期と長期に分かれている、それぞれにカリキュラムが決められています。
当然、日常生活等を厳しく制限されて、特別な許可がない限りは外出は許されませんし、家族等の面会も制限を受けます。

~施設送致~
施設とは、児童自立支援施設又は児童養護施設送致です。
少年院ほど厳しい規則はありませんが、基本的には、施設で日常生活を送りながら、更生に向けたプログラムを受けることになります。
必ずしも施設に収容されるわけではなく、保護者のもとから施設に通う場合もあります。

(3)検察官送致(逆送
少年審判時に成人してしまった場合や、刑事処分相当と認められた場合は、事件が再び検察官に送致されます。
これを「逆送」といいます。
ただし、犯行時に16歳以上で、「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪」に当たる事件を起こした少年については、原則的に逆送されてしまいます。

未成年のお子様が四日市市内で万引きしてしまった方、未成年のお子様が三重県四日市西警察署の取調べを受けておられる親御様は、少年事件に強いと評判の「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」の無料法律相談、初回接見サービスをご利用ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスは、三重県内の警察署だけでなく、津少年鑑別所へも弁護士を派遣することができますので、詳細は専用フリーダイヤル0120-631-881(24時間)まで、お気軽にお電話ください。

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