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児童買春罪で逮捕されるか不安
児童買春罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
会社員のAさんは、ある日、三重県鈴鹿警察署から、「Vさんをご存じでしょうか。Vさんとの関係の件でお話を聞きたいので、一度警察署に来てもらえませんか。」と連絡を受けました。
Aさんは、VさんとSNSを通じて知り合い、過去に一度、1万円を渡してホテルで性交をしていました。
Vさんが18歳未満であることを知っていたAさんは、自身の行為が児童買春に当たることも分かっていましたが、実際に警察沙汰になるとは思ってもなく、警察からの電話に驚きをかくせません。
このまま逮捕されてしまうのではないかと心配でたまらないAさんは、すぐに刑事事件専門弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
児童買春は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(以下、「児童買春・児童ポルノ処罰法」といいます。)で規制されており、児童買春行為等を処罰するものとしています。
児童買春・児童ポルノ処罰法における「児童買春」とは、
児童、児童に対する性交等の周旋をした者または児童の保護者もしくは児童をその支配下に置いている者に対して、対償を供与し、またはその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をすること
です。
「対償」は、児童が性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益であって、その種類や金額の多寡は問いません。
児童に現金を渡して性交等をする場合だけでなく、児童に食事をご馳走したり、プレゼントを渡したり、児童やその親の雇用を約束して児童と性交等をした場合は、それが性交等をすることに対する反対給付といえ、対償に該当します。
「性交等」とは、性交もしくは性交類似行為をし、または自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等を触り、もしくは児童に自己の性器等を触らせることをいいます。
「児童」とは、18歳未満の者のことをいいます。
児童買春罪は故意犯ですので、児童買春に当たる行為をしたとしても、児童買春を行う意思がなければ犯罪は成立しません。
児童買春罪の故意の有無で問題となるのが、児童であることの認識です。
児童買春事件において、被疑者・被告人によく主張されるのが、「18歳未満だとは知らなかった。」というものです。
18歳以上だと誤解していたのであれば、児童買春の罪を犯す意思はないため、当該犯罪は成立しません。
しかしながら、故意には、確信的な故意だけではなく、「18歳未満かもしれない。」という未必的な故意も含まれますので、相手から18歳未満であることを聞いていなくても、外見、会話やメールのやり取りから18歳未満である可能性が生じていれば、故意が認められます。
ただ、単に「18歳未満とは知らなかった。」という主張だけでは、故意が認められないのは難しいでしょう。
相手児童が「18歳未満だと伝えた。」と話していたり、外見が明らかに幼かったり、児童とのSNSなどのやりとりから18歳未満だと分かる内容が見つかったり、相手が18歳未満と知りえた状況がそろっている場合には、故意が認められる可能性があるからです。
児童買春が捜査機関に発覚するきっかけは、警察のサイバーパトロールでネット上で児童買春を持ち掛けるような書き込みが見つかったり、児童が別件で補導された際に児童買春が発覚したり、児童の保護者に児童買春がバレて保護者が警察に相談することで捜査が開始されるケースなどがあります。
警察に発覚した全ての事件で、被疑者が逮捕されるわけではありません。
逮捕は被疑者の身体の自由を侵す強制処分ですので、法律に定めている要件を満たす場合にのみ行われます。
児童買春事件で警察から呼び出しを受けている場合、任意の取調べに素直に応じていれば、逮捕されず在宅のまま捜査が進められることもあります。
逮捕されるか不安な方は、弁護士に相談し、逮捕を回避する活動をお願いしたり、逮捕されないよう出頭に応じて素直に取調べを受けれるように事前に弁護士に相談し、取調べ対応についてのアドバイスを受けられてはいかがでしょうか。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
淫行条例違反と児童ポルノで逮捕
淫行条例違反と児童ポルノ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
SNSで知り合った15歳の女子中学生とホテルで性交し、その様子をスマートフォンで撮影したとして、三重県伊賀警察署は、会社員のAさんを淫行条例違反及び児童ポルノ処罰法違反(児童ポルノ製造)の容疑で逮捕しました。
女子中学生の母親が、娘とAさんとの関係を知り、警察に相談したことで事件が発覚しました。
Aさんは、取調べにおいて、「相手が確実に未成年だとは分からなかった。」と述べています。
(フィクションです。)
1.淫行条例違反
各都道府県において、おおむね18歳未満の者とのみだりに性交や性交類似行為を行うことを禁止する内容の条例が制定されています。
三重県は、三重県青少年健全育成条例第23条で、青少年とのみだらな性交等をすることを禁じ、その違反行為に罰則を設けています。
第23条 何人も、青少年に対し、いん行(青少年を威迫し、欺き、又は困惑させる等不当な手段を用いて行う性交又は性交類似行為及び青少年を単に自己の性欲を満足させるための対象として行う性交又は性交類似行為をいう。次条において同じ。)又はわいせつな行為(いたずらに性欲を興奮させ、若しくは刺激し、又は性的な言動により性的羞恥心を害し、若しくは嫌悪の情を催させる行為をいう。次条において同じ。)をしてはならない。
2 何人も、青少年に対し、前項の行為を教え、又はこれを見せてはならない。
条例において、「青少年」とは、18歳未満の者をいい、婚姻により成人に達したものとみなされる者は「青少年」から除外されます。
禁止の対象となる行為である「いん行」と「わいせつな行為」については、括弧書きで説明されています。
「いん行」とは、「青少年を威迫し、欺き、又は困惑させる等不当な手段を用いて行う性交又は性交類似行為及び青少年を単に自己の性欲を満足させるための対象として行う性交又は性交類似行為」と定義されています。
福岡県の淫行条例違反事件ではありますが、判例は、淫行条例の規定の趣旨は、一般に青少年が、その心身の未成熟や発育程度の不均衡から、精神的に未だ十分に安定していないため、性行為等によって精神的な痛手を受け易く、また、その痛手から回復が困難となりがちである等の事情に鑑み、青少年の健全な育成を図るため、青少年を対象としてなされる性行為等のうち、その育成を阻害するおそれのあるものとして社会通念上非難を受けるべき性質のものを禁止することとしたものであると解しています。
その趣旨に基づいて、条例で禁止される「いん行」は、広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきではなく、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為の他、青少年を単に自己の性的欲求を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいうものと解するのが相当であるとしています。(最大判昭60・10・23)
したがって、交際中の場合、少なくとも知り合って相当期間は性交等がない状況が続いた上、性交等に至った場合や、結婚を前提に真剣交際をしていた場合には、「いん行」に該当しない可能性があります。
逆に、SNSなどで知り合い、実際に会った日に性行為を行ったのであれば、上述の「いん行」の定義に該当することが認められる可能性が高いでしょう。
また、「わいせつな行為」については、「いたずらに性欲を興奮させ、若しくは刺激し、又は性的な言動により性的羞恥心を害し、若しくは嫌悪の情を催させる行為」と定義しています。
もっとも、18歳未満の者に対償を供与するなどして性交等をする行為は、児童買春に当たり、より重い罰則(5年以下の懲役又は300万円以下の罰金)が適用されます。
2.児童ポルノに関する罪
Aさんは、相手との性行為の様子をスマートフォンで撮影していましたが、この行為については、児童ポルノ製造の罪に問われる可能性があります。
児童ポルノに関する罪は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」に規定されています。
この法律における「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、
①児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したもの、
②他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写したもの、
③衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により描写したもの、
をいいます。
「児童」とは、18歳未満の実在する児童をいいます。
児童に、上の①~③の姿態をとらせた上、これを写真撮影等して児童ポルノを製造した場合の法定刑は、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金です。
Aさんは、淫行条例違反及び児童ポルノ製造罪に問われていますが、これらの罪はいずれも故意犯ですので、罪を犯す意思がなければ犯罪は成立しません。
これらの罪において、故意の点で問題となるのが、相手方が18歳未満であることの認識の有無です。
Aさんは、「相手が確実に未成年だとは分からなかった。」と述べていますが、故意は、犯罪事実の発生を確定的なこととして認識・予見している場合(確定的故意と、犯罪事実の確定的な認識・予見はないが、その蓋然性を認識・予見している一定の場合(未必の故意)とがあり、確実に結果(犯罪の実現)が発生するだろうと思っている場合だけでなく、結果が発生する「かもしれない」と思って認容している場合でも故意が認められるのです。
つまり、「相手が確実に18歳未満であるとは分からなかった」のであっても、「確実ではないけど、もしかしたら18歳未満かもしれない。それでも、まあいいか。」と思っていたのであれば、未必の故意が認められることになります。
そのため、相手方の外見や話し方、行為に及ぶまでの当事者間のやり取りから、Aさんが相手方を18歳未満であるとの認識・認容があったことが認められる可能性があります。
逆に、18歳未満との認識・認容がなかったことを立証するだけの客観的証拠がある場合には、それらの証拠を収集し提示し、不起訴や無罪の獲得に向けて活動することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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少年事件で身柄解放
少年事件で身柄解放に向けた活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
三重県四日市北警察署は、三重県四日市市に住むAくん(18歳)を傷害の容疑で逮捕しました。
Aくんは、交際相手の女性に暴行を加え、怪我を負わせたとの容疑がかけられており、被害女性からの相談を受けたことで事件が発覚しました。
逮捕の連絡を受けたAくんの父親は、すぐに接見に行ってくれる弁護士を探しています。
Aくんは学生でもあるので、早期の身柄解放を望んでいます。
(フィクションです。)
少年事件における身体拘束
被疑者が20歳未満の者(以下、「少年」といいます。)であっても、その身柄を確保した上で捜査が行われることはあります。
以下、少年事件における身体拘束について、捜査段階と家庭裁判所送致後の2段階に分けて説明します。
1.捜査段階
捜査段階では、通常の刑事事件と同じように、刑事訴訟法の適用を受けるため、少年であっても逮捕・勾留されることがあります。
但し、14歳未満の者については刑事責任が問われませんので、逮捕されることはありません。
勾留の要件も、成人の場合と変わりありませんが、少年を勾留請求したり、勾留する場合は、通常の勾留の要件に加えて、「やむを得ない場合」でなければならないとされています。
勾留決定に際して、接見禁止決定が付されることがありますが、少年の場合、保護者については、その対象から外れることが一般的です。
少年の場合、通常の勾留に代えて、「勾留に代わる観護措置」がとられることがあります。
勾留に代わる観護措置の手続は、基本的に勾留に関する規定が準用されますが、勾留に代わる観護措置の期間は、検察官の請求から10日であり、延長できないこと、そして、勾留に代わる観護措置として少年鑑別所に収容された事件が家庭裁判所に送致された場合、当然に家庭裁判所送致後の少年鑑別所収容の観護措置とみなされることが、勾留と異なります。
2.家庭裁判所送致後
捜査が終了し、事件が家庭裁判所に送致された後、家庭裁判所が観護措置をとり、少年が少年鑑別所に収容されることがあります。
観護措置とは、家庭裁判所が調査・審判のために、少年の身柄を少年鑑別所に送り、心身の鑑別などを行う処分です。
捜査段階で逮捕・勾留されている場合、家庭裁判所送致日に裁判官による審問手続を経て、その日に観護措置の決定がされます。
観護措置の期間は、法律上は原則として2週間とされていますが、実務上は1回更新されて4週間となるのが通常です。
心身が発展段階にある少年は、身体拘束による精神的・肉体的負担は成人と比べて大きいですし、身体拘束された結果、退学や解雇となれば、少年の将来に大きく影響する可能性も否定できません。
長期の身体拘束による不利益は大きく、不当不要な身体拘束を回避すべく、弁護士は早期の身柄解放を目指した活動を行います。
勾留阻止に向けた活動
勾留が決定する前の段階においては、弁護士は、検察官との面談や意見書の提出などの方法により、検察官が勾留請求をしないように働きかけます。
その際、弁護士は、勾留の要件を満たしていないことを指摘することに加えて、少年を勾留する場合の要件である「やむを得ない場合」には該当しないことを、具体的な事情を指摘しつつ主張します。
検察官が勾留請求をした場合には、速やかに勾留担当の裁判官と面談したり意見書を提出するなどして勾留請求却下を求めます。
勾留が決定した場合には、通常の刑事事件と同様に、勾留に対する準抗告、勾留取消請求や勾留の執行停止の申立てなどを行い、釈放を目指します。
観護措置回避に向けた活動
事件が家庭裁判所に送致される時期を見計らい、付添人選任届の提出とともに、観護措置をとる必要がない旨の意見書の提出を行い、裁判官との面談を申し入れる等し、観護措置をとらないよう裁判官に働きかけます。
観護措置が決定された場合には、不服申立の手段として、観護措置の取消し又は異議申し立てがあります。
観護措置決定の取り消し申立ては、家庭裁判所に対して観護措置の取消しの職権発動を促す申立であるのに対して、観護措置決定に対する異議申立ては、法律によって認められている不服申立権です。
以上のような活動は、少年事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こして対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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動物虐待で器物損壊
動物虐待で器物損壊となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
三重県度会郡南伊勢町に住むAさんは、最近、何らかの小動物が敷地内に侵入し、花壇を荒らしたり、糞をする被害に遭っていました。
Aさんは、野良猫による仕業だと思い、敷地内に罠を仕掛け、罠にかかった野良猫を痛めつけて二度とこないようにしてやろうと考えました。
Aさんは、罠にかかった猫を棒で何度も叩き、猫にひどい怪我を負わせました。
後日、三重県伊勢警察署の警察官がAさん宅に訪れ、近所の飼い猫が虐待された事件について話が聞きたいと言い、Aさんが野良猫だと思っていた猫が実は飼い猫だったことが分かりました。
Aさんは、警察沙汰になるとは思っておらず、今後どうなるのか不安です。
(フィクションです。)
動物虐待で器物損壊に問われる場合
器物損壊罪は、
刑法261条
前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
と規定されています。
■客体■
器物損壊罪の客体は、「前3条に規定するもののほか、他人の物」です。
「前3条に規定するもの」とは、公用文書等毀棄罪、私用文書等毀棄罪、建造物等損壊・同致死傷罪の客体となる物以外のすべての物で、動産、不動産を広く含みます。
動産には、動植物も含まれますが、「他人の物」、つまり、人が所有する動植物でなければなりません。
■行為■
器物損壊罪の実行行為は、「損壊」と「傷害」です。
「損壊」は、物の物理的な損壊に限らず、物の効用を害する一切の行為を含みます。
例えば、食器に放尿する行為や、学校の校庭に杭を打ち込み授業その他の支障を生じさせる行為は、「損壊」に当たるとされています。
「傷害」は、客体が動物の場合に用いられ、動物を殺傷したり、逃がしたりするなどして、その効用を害する一切の行為を含みます。
■故意■
器物損壊罪は故意犯であるため、罪を犯す意思がなければ罪は成立しません。
器物損壊罪の故意は、他人の物を損壊・傷害することの認識・認容です。
「この動物を傷つけてやるんだ!」と確信的な故意がある場合だけでなく、「この動物を傷つけることになるかもしれないけど、ま、いいや。」といった未必的な故意を有していた場合も、故意が認められます。
そして、「他人の物」であることの認識・認容がない場合にも故意は存在しないことになります。
動物虐待のケースで言えば、虐待の対象となる動物が誰かのペットであると知りつつ虐待行為に及んだのであれば、器物損壊の故意が認められますが、誰のペットでもない野良だと思っていたのであれば、器物損壊の故意を欠くことになります。
上のケースでは、Aさんの行為は客観的には器物損壊罪に該当する行為を行っているのですが、近所の飼い猫を野良猫と誤信しており、他人の所有する動物との認識を欠いているため、器物損壊罪の故意を欠くことになり、器物損壊罪は成立しません。
ただ、Aさんは、愛護動物である猫という認識を有していたため、動物愛護法違反に問われることにはなり、Aさんの行為が何らの罪にも問われないわけではありません。
刑事事件として立件されると、刑事手続に基づいて事件が処理されます。
事件を起こしたとされる者は、被疑者として取調べを受けたり、被告人として法廷で審理されたりします。
刑事事件へと発展してしまうと、「そんな大事になるとは思ってもいなかった…。」とその後の流れや最終的な処分について何も分からず不安になられる方がほとんどではないでしょうか。
そんな時は、まず刑事事件専門の弁護士に事件についてご相談ください。
弁護士に、ご自身の抱えている不安や悩みを相談し、適切なアドバイスを受けることで、事件解決の糸口が見つかることもありますし、抱えていた不安や悩みが大いに和らぎます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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GPSの悪用でストーカー規制法違反?
GPSの悪用でのストーカー規制法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
元交際相手のVさんに対して、一日に何度も電話やLINEで復縁を迫っていた会社員のAさんは、三重県大台警察署から警告を受けました。
しかし、何とか話だけでもできないかと思ったAさんは、Vさんの車にGPS機器を取り付け、Vさんの位置を確認し、休日Vさんのいる場所を訪れていました。
ある日、ニュースでGPSの悪用がストーカー規制法の規制対象となったとのニュースを耳にしたAさんは、心配になり刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
5月18日、改正ストーカー規制法が、衆議院本会議で可決、成立しました。
改正ストーカー規制法は、GPS機器を悪用して、相手の承諾なく位置情報を把握する行為などを規制対象に追加しました。
ストーカー行為等の規制等に関する法律(「ストーカー規制法」)は、平成12年に制定・施行されました。
ストーカー規制法は、「ストーカー行為」を処罰対象とするほか、「つきまとい等」の行為を取り締まり、被害者に対してストーカーからの被害の防止のための援助などを行うことを定めています。
ストーカー規制法における「ストーカー行為」とは、
「同一の者に対し、つきまとい等を反復してすること」
と定義されています。
「ストーカー行為」の要件である「つきまとい等」については、以下のように定義されています。
この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。
一 つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、住居等に押し掛け、又は住居等の付近をみだりにうろつくこと。
二 その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
三 面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。
四 著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
五 電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールの送信等をすること。
六 汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
七 その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
八 その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き、その性的羞恥心を害する文書、図画、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下この号において同じ。)に係る記録媒体その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する電磁的記録その他の記録を送信し若しくはその知り得る状態に置くこと。
■犯行の対象■
「つきまとい等」の対象は、特定の者、その配偶者、直系・同居の親族、その他特定の者と社会生活において密接な関係を有する者(例:友人や職場の上司など)です。
■目的■
「つきまとい等」と言えるためには、特定の者に対する恋愛感情や好意感情、それが満たされなかったことに対する怨恨の感情等を充足する目的がなければなりません。
■行為■
上に掲げた8つの行為を反復して行うことです。
①~④及び⑤(電子メールの送信等に限る。)の行為は、身体の安全、住居等の平穏、名誉が害され、行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法である必要があります。
「反復して」とは、複数回繰り返すことを意味します。
近年、元交際相手の自動車等にGPSをひそかに取り付け、その位置情報を取得するというケースが発生していました。
しかし、相手の自動車にGPSをひそかに取り付けて位置情報を探索・取得する行為は、ストーカー規制法で規制の対象とされる「住居等の付近においての見張り」には該当しないとの裁判が出ており、その規制の対象外となっていました。
今回の改正ストーカー規制法は、「つきまとい等」の行為に、
相手の承諾を得ずに、その所持する位置情報記録・送信装置(GPS機器等)に係る位置情報を取得する行為、
相手の承諾を得ずに、その所持する物にGPS機器等を取り付ける行為
を追加しており、改正ストーカー規制法が施行されれば、GPSを悪用した相手の位置情報の無承諾取得等がストーカー規制法違反として取り締まりの対象となります。
ストーカー行為に対する法定刑は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。
平成28年の改正前は親告罪とされていましたが、改正後は非親告罪となっており、被害者の告訴の有無に関係なく、起訴される可能性があります。
非親告罪とはいえ、被害者がいる事件では、被害者との間で示談が成立すれば、起訴猶予で不起訴となる可能性がありますので、事件を早期解決するためには、できる限り早い段階から弁護士を介した示談交渉を行うことが重要でしょう。
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詐欺事件で逮捕
詐欺事件で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
アイドルのライブチケットを用意するとうそをつき、現金をだまし取ったとして、三重県亀山警察署は、Aさんを詐欺などの疑いで逮捕しました。
Aさんは容疑を認めています。
逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、今後の流れや被害者への対応などわからないことだらけで不安になり、刑事事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
人を欺いて財物を交付させたり、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた場合、詐欺罪に問われることになります。
詐欺事件には、無銭飲食、無銭宿泊、無賃乗車、寸借詐欺といった被害額が比較的少額な事案から、組織的に行われる振り込め詐欺などの特殊詐欺といった被害額が高額となる事案まであり、その犯行態様は様々です。
詐欺罪の法定刑は、10年以下の懲役となっており、決して軽い犯罪とは言えません。
今回は、詐欺罪で逮捕された場合に弁護人が担う主な弁護活動について説明します。
1.捜査段階
捜査機関による捜査が開始され、検察官が起訴・不起訴を決定するまでを捜査段階と呼びます。
詐欺事件では、主の次のような弁護活動を行います。
①被害弁償・示談交渉
詐欺罪は、財産犯ですので、被害を被った方に対して被害弁償を行わなければなりません。
被害が回復しているか否かは、検察官が終局処分を決定する際にも考慮される要素となります。
容疑を認めており、被疑者やその家族に金銭的な余裕がある場合には、弁護人は、被疑者の代理人として、被害者に対して被害弁償を行い、示談に向けて交渉します。
示談とは、被疑者が被害者に対して慰謝料を含めた被害弁償をし、被害者からの許しを得、当事者間で今回の事件は解決したとする合意のことです。
被害者のいる事件では、被害が金銭面で回復されたか、被害者が被疑者に対してどのような感情を抱いているのかといった点が、処分を決するにあたり重要なポイントとなります。
そのため、被疑事実について特に争いのない場合には、弁護人は、早期に捜査機関を通じて被害者の連絡先を入手し、示談交渉を行います。
②取調べ対応
取調べで、自己に不利な供述がとられることのないよう、弁護人は被疑者に取調べ対応についてのアドバイスを行います。
特に、容疑を否認している場合、例えば、故意を争うケースでは、取調官の誘導にのって、当初から騙すつもりだったという内容の虚偽の自白をしないように注意しなければなりません。
③身柄解放活動
詐欺事件は、逮捕・勾留されるケースが多く、長期の身体拘束を強いられる傾向にあります。
しかしながら、長期の身体拘束により被疑者やその家族が被る不利益は計り知れません。
不要・不当な身体拘束から解放するため、弁護人は、早期の釈放を目指し、検察官に勾留請求しないよう、裁判官に勾留決定をしないよう働きかけます。
勾留が決定した場合には、その決定に対する不服申し立てを行います。
2.公判段階
詐欺罪の法定刑は懲役刑のみなので、検察官が起訴処分とした場合には、公開の法廷で審理されることになります。
①保釈請求
捜査段階では困難であった身柄解放も、起訴後であれば保釈制度を利用して釈放される可能性があります。
そのため、起訴されたタイミングですぐに保釈請求ができるように、弁護人は事前に保釈の準備をしておき、起訴された直後に保釈請求を行います。
②公判準備
起訴事実を認めている場合には、できる限り刑が軽くなるよう、示談が成立している場合には示談書を証拠として提出し、被告人が反省していること、再犯可能性がないことを客観的な証拠に基づいて立証していきます。
起訴事実を争う場合、特に故意を争う場合には、被告人や関係者の供述だけでなく、故意がないことを立証するために客観的な証拠を収集し検討する必要があります。
詐欺事件で逮捕された場合、容疑を認めるケースであれ争うケースであれ、早期に弁護士に相談し、寛大な処分となるよう、無罪となるよう適切な活動をすることが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺事件を含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が詐欺事件で逮捕されてお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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薬物所持で逮捕
薬物所持で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
三重県津市の交番に、落とした財布を取りに来たAさんは、大麻取締法違反(所持)の疑いで逮捕されました。
Aさんは、乾燥大麻が入った袋を財布に入れており、落とし物として届けられた財布の持ち主を確認しようと警察官が財布の中身を調べたところ、乾燥大麻が見つかったため、持ち主のAさんを逮捕したということです。
Aさんは、逮捕されるまで大麻を財布に入れていたこと自体を失念していました。
(フィクションです。)
薬物の所持
覚せい剤、大麻、麻薬、危険ドラッグなど薬物事件の大半を占めるのは、使用や単純所持の事案です。
薬物所持の罪における所持とは、「人が物を保管する実力支配関係を内容とする行為をいうのであって、その実力支配関係の持続する限り所持は存続するものというべく、かかる関係の存否は、各場合における諸般の事情に従い社会通念によって決定されるもの」であり(最大判昭30・12・21)、「必ずしも覚せい剤を物理的に把持することは必要ではなく、その存在を認識してこれを管理し得る状態にあるをもって足り」(最判昭31・5・25)、「人が物を保管する意思をもって、その物に対し実力支配関係を実現する行為をすれば、それによって物の所持は開始される。そして一旦所持が開始されれば爾後所持が存続するためには、その所持人が常にその物を所持しているということを意識している必要はないのであって、苟くもその人とその物との間にこれを保管する実力支配関係が持続されていることを客観的に表明するに足るその人の容態さえあれば所持はなお存続する」(最大判昭24・5・18)とされています。
所持には、様々な種類に分けられます。
自ら直接物に対する実力支配関係を有していることを「直接所持」といい、物を把持・携帯するなどの形態で物を身体的に直接支配している場合、自己が支配・管理している住居や事務所などの場所に置くことにより直接支配している場合、コインロッカーに入れてそのカギを所持する場合などが該当します。
また、知人などに者の保管・管理を任せている場合の所持を「間接所持」といいます。
このような「所持」の概念を前提とすれば、薬物を紛失・遺棄した場合であって、物に対する実力支配関係が中断されているケースではどうなるのでしょうか。
Aさんは、大麻が入っている財布を落とし、警察に逮捕されるまで、大麻を財布に入れていたことを忘れていました。
判例に基づく「所持」の概念の理解によれば、薬物の存在を認識してこれを管理し得る状態であれば「所持」と言えるのですが、Aさんが警察に逮捕されるまで、Aさんは一定期間薬物の存在を認識しておらず、これを管理できる状態でなかったとなれば、所持罪は成立しないことになります。
ただ、それは少なくともAさんが財布を落としてから警察に逮捕されるまでの間についてのみであって、それ以前の、Aさんが大麻を財布に入れていることを認識しており、大麻を管理できる状態にあった期間については所持罪が成立するものと考えられますので、置き忘れた薬物の所持の事案について何ら罪が成立しないとは限りません。
しかしながら、Aさんが財布を落としてからかなりの間財布が放置されており、第三者が大麻を財布に忍ばせたという可能性が否定できないという場合には、罪の成立を争う余地があるでしょう。
薬物の単純所持であっても、その法定刑は決して軽くはありません。
ご家族が薬物所持で逮捕された場合には、早期に薬物事件に強い弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、薬物事件をはじめとした刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件を起こし対応にお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。
刑事事件専門の私選弁護人に刑事弁護を依頼
私選弁護人について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
三重県桑名市の民家に侵入したとして、三重県桑名警察署は、県内に住むAさんを住居侵入の疑いで逮捕しました。
Aさんは、弁護人の選任権について警察から聞きましたが、刑事事件に詳しい弁護士を選任したいと考えています。
(フィクションです。)
弁護人とは
弁護人は、刑事訴訟法の規定により選任されて刑事手続上の権利・義務を有する者で、刑事手続において被疑者・被告人が正当に権利を行使し、または正当な利益を保護するための代弁者です。
被疑者・被告人は、刑事手続において、警察官や検察官と対峙することになりますが、法律や刑事手続に明るくない被疑者・被告人が彼らと対等にやり取りすることは容易ではありません。
そこで、法律家である弁護士が、弁護人として、被疑者・被告人の弁護を担うことが重要となります。
被疑者・被告人は、いつでも弁護人を選任することができます。
弁護人は、国選弁護人と私選弁護人に区別されますが、基本的な権利・義務は同じです。
■国選弁護人■
裁判所、裁判長または裁判官が選任する弁護人を国選弁護人といいます。
憲法は、被告人が自ら弁護人を選任することができないときは、国が弁護人を選任することを保障しています。
被告人が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判所は、その請求により、国選弁護人を付さなければなりません。
被疑者の国選弁護人については、捜査段階においては、被疑者が逮捕され、その後勾留が決定すれば、国選弁護人が付されます。
そのため、在宅事件の被疑者は、捜査段階では国選弁護人制度を利用することができません。
国選弁護人に係る費用は、国が負担しますので、経済的負担は軽減されます。
ただし、国選弁護人は、裁判所が選任しますので、被疑者や被疑者の家族が自由に選べるわけではありません。
そのため、刑事事件に詳しい弁護士が弁護人に選任されるとは限りません。
また、身柄事件では、勾留が決定してから国選弁護人が選任されますので、勾留の決定前から身柄解放活動を依頼することはできません。
■私選弁護人■
被疑者・被告人、その家族など一定の関係人が選任した弁護人を私選弁護人と呼びます。
弁護士費用は、被疑者・被告人やその家族が自己負担することになりますので、経済的な負担は少なからずあることになります。
ただ、被疑者・被告人、その家族が自ら選ぶことができるため、刑事事件に精通する弁護士、信頼できる弁護士に弁護を依頼することができるというメリットはあります。
また、私選弁護人はいつでも選任することができますので、逮捕後すぐに勾留阻止に向けた活動を行い、早期釈放となる可能性を高めることができます。
私選弁護人は、被疑者の身体拘束の有無に関係なく選任できるため、在宅事件の刑事弁護も任せることができます。
医者にも専門分野があるように、弁護士にも刑事事件専門、民事専門、法務専門といった専門分野があります。
刑事事件でお困りであれば、刑事事件に強い刑事事件専門弁護士にご相談されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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痴漢事件での弁護活動
痴漢事件での弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
三重県四日市南警察署は、会社員のAさんを電車内で痴漢をしたとして、迷惑防止条例違反の疑いで逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAさんの妻は、すぐに対応してくれる刑事事件専門弁護士を探しています。
(フィクションです。)
検挙される性犯罪事件の中でも、痴漢や盗撮が占める割合は少なくありません。
痴漢事件は、その態様によって、各都道府県が制定する迷惑防止条例違反となる場合や、刑法上の強制わいせつ罪となる場合とがあります。
今回は、痴漢事件で逮捕された場合に、捜査段階で弁護士が行う弁護活動について説明したいと思います。
1.身体拘束からの釈放
刑事事件を起こし、被疑者として逮捕されると、警察は、逮捕から48時間以内に被疑者を関係書類や証拠物とともに検察に送ります。
そうでない場合には、被疑者を釈放し、在宅のまま捜査を進めます。
被疑者の身柄を受けた検察官は、警察から送られてきた書類や証拠を検討し、被疑者を取調べた上で、被疑者を釈放するか、それとも勾留を請求するかを決めます。
検察官の判断は、被疑者の身柄を受けてから24時間以内になされます。
弁護士は、検察官と面談したり、意見書を提出したりして、勾留を請求しないよう働きかけます。
検察官が勾留請求をすると、今度は裁判所の裁判官が被疑者を勾留するかどうかを決めます。
勾留となれば、検察官が勾留請求をした日から原則10日間の身体拘束となり、様々な不利益を被疑者が被ることになってしまいますので、なんとか勾留を阻止する必要があります。
弁護士は、裁判官に対して、面談や意見書の提出を行う方法により、勾留を決定しないよう働きかけます。
勾留が決定した場合には、弁護士は勾留の裁判に対する不服申し立てを行います。
勾留を決定した裁判官とは別の3人の裁判官に、勾留を決定した裁判が正しかったのかどうかを判断してもらいます。
これにより、不服申し立てが認められ、勾留の裁判が取消され、検察官の勾留請求が却下されると、被疑者は釈放されることとなります。
痴漢事件の場合、被疑者が住所地に定住し、定職について、身元引受人が確保されている場合などは、勾留請求が却下されたり、勾留に対する不服申し立てが認められるケースが少なくありません。
弁護士は、被疑者が逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれがないこと、勾留により被疑者が被る不利益について具体的に説明し、早期釈放となるよう身柄解放活動を行います。
2.被害者対応
被疑者が被疑事実を認めている場合には、弁護士は直ちに被害者との示談交渉に着手します。
というのも、被害者と示談が成立しているか否かで、最終的な処分結果に大きく影響するからです。
迷惑防止条例違反であれ強制わいせつ罪であれ親告罪ではないため、被害者との示談成立が直ちに不起訴となるわけではありません。
しかしながら、一般的には、軽微な事案であれば、示談成立により不起訴となる可能性が高いため、被害者との示談交渉は弁護人に期待される重要な弁護活動のひとつと言えるでしょう。
3.事実の調査や証拠収集
被疑者が被疑事実を認めていない場合は、弁護士は、被疑者から十分に事情を聴取したり、現場を確認したりして、事件当時の状況を把握し、検察官に起訴させないだけの証拠を収集・提出できるように努めます。
以上が、痴漢事件での捜査段階における主要な弁護活動です。
このような弁護活動は、刑事事件に精通する弁護士に任せるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、痴漢事件を含めた刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が痴漢事件で逮捕されて対応にお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
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少年事件に精通する弁護士
少年事件の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
~事例~
三重県松阪警察署は、住居侵入の容疑で三重県松阪市に住む高校生のAくんを逮捕しました。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、今後どうなるのか何も分からず不安で仕方ありません。
Aくんの母親は、ネットで少年事件に精通する弁護士を探し出し、少年事件の流れや対応について相談することにしました。
(フィクションです。)
20歳に満たない者を「少年」といいますが、家庭裁判所の審判の対象となる少年は、次の3つに分けられます。
①犯罪少年
行為時に14歳以上で、罪を犯した少年。
②触法少年
14歳に満たないで刑罰法令に触れる行為をした少年。
③虞犯少年
次の虞犯事由があって、その性格又は環境に照らして、将来、罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をするおそれのある少年。
(ア)保護者の正当な監督に服しない性癖のあること。
(イ)正当な理由がなく家庭に寄りつかないこと。
(ウ)犯罪性のある人若しくは不道徳な人と交際し、又はいかがわしい場所に出入りすること。
(エ)自己又は他人の徳性を害する行為をする性癖のあること。
①~③の少年によって手続は少し異なりますが、ここでは①犯罪少年について事件がどのように処理されるのかを説明します。
1.捜査段階
捜査対象となった少年は、成人の刑事事件とほぼ同じ流れで処理されることになります。
そのため、身体拘束の必要があれば、逮捕・勾留されることもあります。
少年事件では、通常の勾留に代えて、「勾留に代わる観護措置」がとられることがあります。
通常の勾留は、勾留期間が原則10日間ですが、勾留延長が認められれば最大で20日間となりますが、勾留に代わる観護措置の期間は10日間と決められており延長は認められません。
また、通常の勾留の留置場所は、警察署の留置場ですが、勾留に代わる観護措置の収容先は少年鑑別所です。
ほとんどの場合、事件は、警察から検察官に送られ、捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があるものと認められるときに、検察官は事件を家庭裁判所に送ります。
ただし、捜査の結果、犯罪の嫌疑が認められない、犯罪の嫌疑を認める証拠が不十分であるときには、家庭裁判所に事件を送らず、不起訴処分として事件を処理することがあります。
2.家庭裁判所送致後
少年事件が家庭裁判所に送られると、家庭裁判所の調査官は少年の要保護性について調査を行います。
調査を終えると、審判を開くかどうかを決定します。
審判を開始しない旨の決定がなされると、審判を開くことなく事件が終了することになります。
調査後に審判の開始・不開始を決定することになっていますが、家庭裁判所送致後に観護措置がとられている事件については、調査官に対する調査命令と審判開始決定が同時になされる運用がとられています。
観護措置というのは、家庭裁判所が調査、審判を行うために、少年の心情の安定を図りながら、少年の身体を保護してその安全を図る措置のことで、通常は少年鑑別所に収容する形をとります。
観護措置の期間は、法律上は2週間を超えることができず、特に継続の必要がある場合に1回に限り更新することができるとされていますが、実務上は通常4週間とされています。
審判は、家庭裁判所の審判廷で行われます。
審判に出席するのは、裁判所の裁判官、書記官、調査官、そして少年本人、少年の保護者、付添人です。
審判では、非行事実と要保護性について審理されます。
非行事実は、刑事裁判でいう起訴事実で、少年がどういう非行を行ったかということです。
そして、要保護性とは、概して、次の3つの要素から成るものであると考えられています。
①再非行の危険性:少年の性格や環境に照らして、将来再び非行に陥る危険性があること。
②矯正可能性:保護処分による矯正教育を施すことによって再非行の危険性を除去できる可能性。
③保護相当性:保護処分による保護が最も有効かつ適切であること。
審判の最後に、裁判官が決定を言い渡します。
決定には、終局決定と中間決定とがあります。
審判で言い渡される終局決定は、少年の最終的な処分を決するもので、不処分、保護処分、検察官送致、都道府県知事又は児童相談所長送致があります。
保護処分には、保護観察、児童自立支援施設又は児童養護施設送致、少年院送致があります。
中間決定は、終局決定前の中間的な措置で、試験観察決定などがあります。
先に述べたように、非行事実と要保護性が審理の対象となるため、重い罪に当たる行為をした場合であっても、要保護性が解消されたと認められれば、保護観察といった社会内処遇とされることもありますし、逆に、比較的軽微な罪に当たる行為であっても、要保護性が高いと判断されれば、少年院送致といった厳しい処分が決定されることがあります。
少年事件は、成人の刑事事件とは異なる手続や対応が必要となりますので、少年事件でお困りであれば、少年事件に精通する弁護士にご相談・依頼されるのがよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年事件を数多く取り扱う法律事務所です。
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