刑事処分について解説

刑事処分について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇事件◇

無職のAさん(前科、前歴なし)は、4カ月ほど前に三重県伊勢市の民家に忍び込んで、現金や高級腕時計を盗み出しましたが、高級腕時計を買取りに出したことから犯行が発覚し、事件から1週間後に三重県伊勢警察署に、窃盗罪住居侵入罪逮捕されました。
その後、20日間の勾留を経て、これらの罪で起訴されたAさんは、現在保釈中で、刑事裁判の真最中です。
逮捕当時から選任している国選弁護人が被害者と示談を試みましたが叶っていません。
Aさんは、自分の刑事処分がどのようになるのか不安で、三重県の刑事事件を専門に扱っている弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

◇刑罰の種類◇

刑事処分、いわゆる刑罰には、重いものから順番に「死刑」「懲役」「罰金」「拘留」「科料」の5種類があります。
ここでいう「拘留」は、逮捕や起訴後の「勾留」とは異なります。
刑法を含めた刑罰法令は、「この罪名で有罪となった場合には、この範囲内で刑罰を科すことができる」と定めており、この法律に記載のある刑罰を「法定刑」と呼んでいます。

Aさんが起訴されている二つの罪名でいいますと
窃盗罪(刑法第235条)・・・10年以下の懲役又は50万円以下の罰金
住居侵入罪(刑法第130条)・・・3年以下の懲役又は10万円以下の罰金
と、それぞれに異なる法定刑が定められています。

法定刑は「有罪が確定すればこの範囲内で刑事処分を科せれます。」というものなので、実際に言い渡される刑事処分は、具体的に事件の内容によって実際にどのような刑の範囲が適当かは異なります。

◇複数の事件で起訴されたら?◇

続いて気になるのが、複数の事件で起訴された場合、どのような刑事処分が言い渡されるのかという点です。
Aさんの場合ですと、窃盗罪と住居侵入罪の二つの罪で起訴されていますが、この場合の刑事処分はどうなるのでしょうか?

法律では、具体的事件の形に合わせて、実際に処罰することが可能な刑の範囲が定められており、この範囲を「処断刑」といいます。
処断刑の定め方は、いろいろありますが、今回は複数の事件がある場合の刑の定め方についてみていきます。

~併合罪加重~

原則として、複数の事件が発生した場合、以下のような形で処罰します。
・最も重い法定刑が定められている罪で処罰する。
・刑の範囲は、法定刑を基準に、懲役であれば1.5倍、罰金であれば複数の罪の合計額を限度とします。
ただし、懲役の場合には、元の罪の懲役の合計を超えてはなりません。
このような処罰の形を「併合罪加重」といいます。

上記した「併合罪加重」が原則となりますが、以下のような例外もあります。

~牽連犯~

2つの行為が目的と手段の関係にある場合には、併合罪加重はせず、重い方の罪の法定刑を遮断刑とするとされています。
これを「牽連犯」といいます。
例えば、Aさんの事件のように家に入って盗みをした場合には、住居侵入罪と窃盗罪が成立しますが、目的(窃盗)と手段(住居侵入)の関係にあるので、処断刑は、窃盗の罪の法定刑がそのまま用いられることになります。

~包括一罪~

法律に定めはありませんが、同じ目的をもって、時間的場所的に近接している状況で、同じ事件を反復継続して起こしている場合には、まとめて1罪として処罰します。

このように、実際にどのような刑が科せられるかは、起こした事件の内容により異なりますので、三重県内で刑事事件を起こし、どのような罪に問われ、どのような刑罰が科され得るのかご不安な方は、刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
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