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路上痴漢事件の示談交渉
路上痴漢事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
◇桑名市の路上痴漢事件◇
三重県桑名市に住む会社員のAは、夜間自宅近くを散歩していたときに、通りすがりで好みの女性を見つけました。
周囲に人目もなく、我慢できなくなったAは、女性に抱き着くという痴漢事件を起こしてしまいました。
女性が悲鳴を上げたことで、Aはすぐに逃走しましたが、Aはすぐに三重県桑名警察署の警察官に逮捕されてしまいました。
Aの逮捕の連絡を受けたAの両親は、刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼しました。
Aは、接見に来た弁護士に対して被害者女性との示談交渉をしたい、と弁護活動を依頼することにしました。
(この事例はフィクションです)
◇路上痴漢事件◇
痴漢と言えば,真っ先に思い浮かべる罪名は各都道府県が定める迷惑防止条例違反だと思いますが、場合によっては強制わいせつ罪に該当する可能性もあります。
今回の事例のような路上痴漢事件では、迷惑防止条例違反よりも強制わいせつ罪となる可能性は高い傾向にあります。
刑法第176条(強制わいせつ罪)
「13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする」
「暴行又は脅迫を用いて」というと、殴る蹴るなどの暴力をふるってわいせつ行為をしたり、脅し文句を口にしてわいせつ行為をしない限りは、強制わいせつ罪が成立しないように見えます。
しかし、強制わいせつ罪における「暴行」については、相手方の意思に反していれば、力の大小・強弱は問われない傾向にあります。
今回の事例のように抱き着くという行為は、その行為自体が「暴行」であり「わいせつな行為」であると判断される可能性が高いです。
また、強制わいせつの被害者がケガを負ってしまった場合には、強制わいせつ致傷となる可能性があります。
強制わいせつ致傷罪となれば、法定刑は「無期又は3年以上の懲役」となってしまいます。
強制わいせつ致傷で起訴されて刑事裁判となれば、裁判員裁判となってしまいますので、強制わいせつ事件を起こしてしまった場合には、すぐに刑事事件に強い弁護士に相談するようにしましょう。
◇強制わいせつ罪の弁護活動◇
強制わいせつ罪では、示談交渉によって、被害者が加害者を許す形で示談が成立した場合には、刑罰軽減や不起訴処分獲得できる可能性があります。
しかし、一般的に性犯罪の被害者は、性犯罪被害の恐怖心や怒りから、加害者との直接の交渉を嫌がる傾向にあります。
そこで、加害者側が弁護士を依頼し、弁護士が加害者と被害者の間を仲介する形での示談交渉を行うことが、示談成立のために効果的です。
示談成立の際の、示談金の額は、加害者と被害者の双方の合意によって、決定されます。
そのため、痴漢の行為態様がより悪質なものであったり、被害者側の被害感情が大きなものであったり、加害者側に前科や余罪が多数あったりする場合には、合意できる示談金の金額が高くなるでしょう。
刑事事件に強い弁護士は、示談交渉の経験も豊富ですので、その経験からの見通しは示談金の金額も含めてより正確なものとなります。
刑事事件に関する示談をしたいという場合にはまず、刑事事件に強い弁護士に相談するようにしましょう。
◇刑事事件に強い弁護士◇
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、今回の事例のように被疑者が逮捕されている刑事事件では、家族等からの電話依頼により、弁護士が逮捕されている警察署へと接見に向かい、逮捕勾留中の被疑者本人と弁護士との話し合いにより、その後の事件解決の道筋を検討する「初回接見サービス」を行っております。
三重県桑名市の路上痴漢事件でお困りの方は、フリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。
無料法律相談、初回接見のご予約を24時間受け付けております。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、全国的な刑事総合法律事務所として、全国の主要都市に事務所を構えております。
多岐にわたる刑事事件・少年事件の経験豊富な弁護士が、捜査・裁判のいずれの段階においても、あなたを全力でサポートします。
当事務所では、初回につき無料の法律相談を実施しています。迅速な対応を可能にすべく、法律相談の予約の案内は、土日祝日、夜間も含めて24時間体制で電話にて受け付けております。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談・出張相談も行っています。
津や四日市など三重県の刑事事件・少年事件でお悩みの方は、まずは一度ご連絡ください。
児童買春における対象の供与
児童買春における対象の供与について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
◇児童買春で逮捕◇
三重県尾鷲市に住むAは、SNSで知り合った17歳のVを自宅に呼び、そこで性交に及びました。
AはVに対して報酬をあげるといった話はしていませんでしたが、性交後に食事くらいおごってあげようと二人で飲食店に行き、その飲食代金をAが支払いました。
後日、Aの自宅に三重県尾鷲警察署の警察官が訪れ、Aは児童買春の疑いで逮捕されてしまいました。
(この事例はフィクションです。)
~児童買春~
児童買春は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下 児童買春、児童ポルノ法)」に定義が規定されています。
児童買春、児童ポルノ法第2条2項
この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。
1号 児童
2号 児童に対する性交等の周旋をした者
3号 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者
そして、児童買春、児童ポルノ法第4条では児童買春をした者に対する罰則として「5年以下の懲役又は300万円以下の罰金」が規定されています。
では、条文上に登場する「対象を供与」とは、どういったことを指すのでしょうか。
~対償の供与~
児童買春における対償の供与とは、簡単に言えば、性交への対価として金銭や利益を与えることを言います。
現金はもちろんのこと、プレゼントをすることや食事をおごることなども含まれます。
そのため、「ご飯をおごってあげるから性交させて」といった形で児童と食事をしたうえで性交した場合にも、対象の供与にあたり、児童買春となる可能性があるのです。
ただ、今回の事例のAは、確かにVにご飯をおごっていますが、児童買春のいう性交の対償の供与とはいえないように見えます。
児童買春の対償の供与は性交に向けた対償であることが必要とされますし、今回の場合、ごはんをおごる代わりに性交をするという約束があったわけでもありません。
細かい状況にもよりますが、取調べ等の対応次第では、対象の供与はなかったとして、Aの児童買春の容疑は晴らすことができる可能性もあります。
そのためには、刑事事件に強い弁護士から取調べのアドバイスを受けて、しっかりと取調べに対応していく必要があるでしょう。
今回の事例のように逮捕されている場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、ご家族等からの依頼で弁護士を派遣させる初回接見サービスを行っています。
お電話でお手続き可能となっておりますので、できるだけ早い段階で刑事事件に強い弁護士を派遣し取調べのアドバイスを受けるようにしましょう。
18歳未満の者と性交した場合、児童買春の容疑が晴れたとしても、青少年健全育成条例違反(淫行条例違反)など別の犯罪に問われる可能性があります。
そのため、18歳未満と性交してしまったという場合には、刑事事件に強い弁護士に相談し、適切に対応していく必要があるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、初回接見、無料法律相談にて刑事事件に強い弁護士の見解を聞くことが可能です。
ご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、三重県尾鷲市で児童買春でお困りの方はお気軽にお電話ください。

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窃盗罪と占有離脱物横領罪との違い
窃盗罪と占有離脱物横領罪との違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
◇事例内容◇
鈴鹿市に住むAさんは夕涼みに近所の公園に行った際、公園のベンチの上に財布(Vさん所有)が置かれてあるを見つけました。
Aさんは周りを見回しても誰もいなかったことから、「今なら盗れる。」と思い、財布を手に取り、ズボンの右ポケットに入れました。
その後、Vさんから被害届を受けた三重県鈴鹿警察署の警察官が付近の防犯カメラを精査して、Aさんの犯行を裏付けました。
数日後、Aさんは近所を歩いているとき三重県鈴鹿警察署の警察官に職務質問を受け、Vさんの財布を盗ったことを認めました。
Aさんは、財布を売りに出そうと考え持ち歩いていたことから、警察官の所持品検査の結果、Vさんの財布を押収されてしまいました。
(フィクションです。)
◇窃盗罪か遺失物横領罪か◇
Aさんは窃盗罪か占有離脱物横領罪かに問われる可能性があります。
窃盗罪は刑法235条に、占有離脱物横領罪は刑法254条に規定されています。
刑法235条
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
刑法254条
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料に処する。
窃盗罪は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」、占有離脱物横領罪は「1年以下の懲役又は10万円以下の罰金若しくは科料」と両罪は法定刑に大きな違いがありますから、窃盗罪が成立するか占有離脱物横領罪が成立するかは大きな違いで、区別する実益があります。
◇窃盗罪と占有離脱物横領罪を区別する基準◇
窃盗罪と占有離脱物横領罪を区別する基準となるのは「被害者の財物に対する支配が及んでいるか否か」という点です。
及んでいる場合は窃盗罪、及んでいない場合は占有離脱物横領罪が成立します。
そして、支配が及んでいるか否かは
・財物自体の特性(貴重品か否か、大きさ、重さなど)
・占有者の支配の意思の強弱
・被害者が財物を取り戻すに行くまでの時間、距離
などの具体的事情から判断されます。
過去の判例では、
・バスに乗るために行列していた者が、カメラをその場に置き、行列の移動に連れて改札口近くに進んだ後、カメラを忘れたことに気づいたが、その間、時間にして約5分、距 離にして約19.58メートルに過ぎなかった事例(昭和32年11月28日)
・被害者が公園のベンチから約200メートル離れた駅の改札口付近まで約2分ほど歩いたところで、同ベンチに財布を置き忘れたことに気づいた事例(平成16年8月25日)
などで、被害者に支配が及んでいるとし、カメラ、財布を盗んだ犯人に窃盗罪を適用しています。
なお、被害者の支払が及んでいなくても別の者の支配が及んでいると認められる場合は、やはり窃盗罪が適用される可能性があります。
過去には(大判大8年4月4日)、旅館内に旅客が置き忘れた財布には旅館主の支配が及んでいるとして、財布を盗んだ犯人に窃盗罪を適用しています。
ただし、財物を置き忘れた場所が、一般人の立ち入りが自由な場所であって、管理者の排他的支配が完全でない場合(たとえば、電車内、電車・駅構内のトイレ内など)は、直ちにその場所の管理者の支配に移ることはないとされています。
◇逮捕を回避するには◇
ご自身のしたことを認める場合には、直ちに被害者と示談交渉に入り示談を成立させましょう。
しかし、当事者同士の示談交渉では、感情の縺れなどから示談交渉を円滑に運ぶことができなかったり、仮に示談できたとしてもその内容が不十分で二次的なトラブルに発展しないとも限りません。ですから、刑事事件に発展しかねない示談交渉は刑事事件専門の弁護士に任せた方がよさそうです。
◇刑事事件に強い弁護士◇
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。
24時間年中無休で、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。

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金商法違反(無登録営業)で逮捕
金商法違反(無登録営業)の逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
◇事件◇
三重県四日市市に住むAさんは、無登録で、三重県内の投資会社の名をかたり、高配当をうたった架空の金融商品で現金を集めました。
しかし、現金をAさんに渡したうちの1人が、配当が滞ったことをきっかけにAさんの話を疑問に思い、三重県内の弁護士に相談したようです。
この弁護士が、Aさんを刑事告発したことから警察が捜査を開始し、その結果、Aさんは無登録で金融商品取引業をしていることが発覚してしまい、Aさんは、金商法違反(無登録営業)の容疑で、警察に逮捕されてしまいました。。
(フィクションです。)
◇金商法違反(無登録営業)◇
金融商品取引法(金商法)では、金融商品取引業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行うことができないと定められています(金商法29条)。
そもそも金融商品取引業とは、有価証券やデリバディブの販売や勧誘、投資運用や顧客資産の管理といった行為を業として行うことを指します。
こういった金融商品取引業に関し、無登録で金融取引を行った場合、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金又はその両方が科せられます(金商法197条の2第1項第10の4号)。
Aさんは無登録で金融商品の売買を行っているわけですから、行為は金商法違反(無登録営業)となる可能性が高いです。
なお、Aさんは投資会社の名前をかたって架空の金融商品で現金を集めていることから、金商法違反だけでなく、刑法の詐欺罪にも当たる可能性があります。
詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役であり、こちらも重い法定刑が定められています(刑法246条)。
前述のとおり、金商法違反(無登録営業)は決して軽い罪ではありません。
こうした金商法違反事件は、今回の事例のように配当が滞るなどしたことをきっかけに警察に無登録営業が発覚し、刑事事件化することも多いです。
そして、関係者が多いことなどから、逮捕されて身体拘束をされたうえで捜査されることも珍しくはありません。
さらに、金商法の無登録営業の罪は、無登録で金融商品を販売した場合に直ちに成立するものであり、被害者も存在せず、いわゆる「形式犯」に当たります。
金商法違反(無登録営業)のような形式犯で逮捕され、刑事事件化した場合、警察は、形式犯での逮捕を足掛かりに、より重い罪名の犯罪で再逮捕することを企図していることが考えられます。
例えば、さきほど挙げたような詐欺罪で再逮捕等をして捜査の手を広げる可能性もあるでしょう。
◇弁護士に相談◇
こうしたことから、無登録営業の金商法違反事件では、捜査が長期化することも考えられ、そうした長期戦に自分だけで臨むのは、被疑者本人にとっても、その周囲の方にとっても非常に負担の大きいことであるといえます。
こういった時こそ、刑事事件のプロフェッショナルである弁護士を頼りましょう。
金商法違反(無登録営業)事件の依頼を受けた弁護士は、Aさんに取調べ対応の助言をするとともに、実質的に被害を受けた出資者に連絡を取り、損失を填補する交渉をするといった活動を行うことになるでしょう。
弁護士は、逮捕状に記載された被疑事実だけでなく、取調べの様子などから、事件全体を見て警察の意図を予測し、それに応じた適切な対応します。
難しい事件だからこそ、捜査の早い段階で弁護士に相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、無登録営業による金商法違反などの刑事事件にお困りの方のご相談も受け付けております。
まずはお問い合わせから、0120-631-881までお電話ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、全国的な刑事総合法律事務所として、全国の主要都市に事務所を構えております。
多岐にわたる刑事事件・少年事件の経験豊富な弁護士が、捜査・裁判のいずれの段階においても、あなたを全力でサポートします。
当事務所では、初回につき無料の法律相談を実施しています。迅速な対応を可能にすべく、法律相談の予約の案内は、土日祝日、夜間も含めて24時間体制で電話にて受け付けております。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談・出張相談も行っています。
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刑事裁判と判決の確定
刑事裁判と判決の確定について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
◇刑事裁判で有罪判決◇
津地方裁判所で、過失運転致傷罪の罪で有罪判決を受けたAさん。
言い渡された刑は、懲役1年執行猶予3年でした。
Aさんは、この判決がいつ確定して、確定したらどのような効果が生じるのか、公判後に弁護人に質問しました。
(フィクションです)
◇刑事裁判について◇
「裁判」というのは、裁判所または裁判官の意思表示的な訴訟行為のことです。
この裁判は、様々な観点によって次のように分類することができます。
(1)裁判の形式による分類
①判決
裁判所による裁判を「判決」といい、原則として口頭弁論に基づいてなされます。
判決に対する不服申立ての方法は、「控訴」と「上告」です。
②決定、命令
裁判所による裁判を「決定」といい、裁判官による裁判を「命令」といいます。
判決とは異なり、口頭弁論に基づいて行う必要はありません。
「決定」に対する不服申立ての方法は「抗告」、「命令」に対する不服申立ての方法は「準抗告」です。
(2)裁判の内容による分類
①実体裁判
申立ての理由の有無について判断をする裁判を「実体裁判」といいます。
刑事訴訟においては、公訴の理由の有無について判断をする裁判のことを指します。
つまり、有罪判決や無罪判決が実体裁判に当たります。
②形式裁判
「形式裁判」というのは、申立ての有効・無効についてい判断をする裁判のことです。
つまり、手続上の要件が存在しないために不適法だという判断を示すものです。
刑事訴訟法は、形式裁判を「管轄違い」、「免訴」、「公訴棄却」の3つに分けて規定しています。
被告事件について、犯罪の証明があったときは、判決で刑を言い渡すか、もしくは刑の免除をしなければなりません。
有罪判決を言い渡すをするには、「罪となるべき事実」、「証拠の標目」、そして「法令の適用」を示さなければなりません。
「罪となるべき事実」とは、犯罪の構成要件に該当する具体的事実、責任の存在、構成要件の修正形式に当たる事実、処罰条件の存在、共謀共同正犯における「共謀」等をいいます。
「証拠の標目」は、その証拠の同一性を示す標題・種目のことです。
この証拠の標目は、罪となるべき事実について必要となります。
「法令の適用」とは、主文の刑が導き出される法令上の根拠を明らかにし、また未決通算など主文において付随的な処分が言い渡されているときは、その法令上の根拠を明らかにすることをいいます。
また、裁判所は、事実の認定および法令の適用とともに、刑の量定を行わなければなりません。
法定刑から刑種を選択し、加重減軽を行い処断刑を導き出したら、情状などを考慮した上で宣告刑を決めます。
さらに、執行猶予や保護観察を付すか否かも決めます。
一方、被告事件が罪とならないときや被告事件についての犯罪の証明がないときには、裁判所は無罪判決を言い渡さなければなりません。
◇判決の確定について◇
裁判長が公判廷において裁判(判決)を宣告したことをもって、裁判は外部的に成立することになります。
判決を宣告したことをもって直ちに判決が「確定」したとは言えません。
裁判が通常の不服申立方法によって争うことができなくなる状態を「裁判の確定」といいます。
具体的には、上訴期間を過ぎたとき、上訴を放棄・取り下げたとき、上訴棄却の裁判が確定したときに裁判が確定します。
裁判が外部的に成立すると、その裁判を行った裁判所自身に対する拘束力が生じますが、その裁判は不服申立ての結果により覆る可能性もあります。
しかし、裁判が一度確定してしまうと、通常の不服申立方法によっては争うことができなくなります。
無罪または有罪判決がひとたび確定すれば、再び同じ事件で実体審理を受けることはできません。
この原則を「一事不再理効」といいます。
◇刑事裁判に強い弁護士◇
刑事事件を起こして取調べを受けている方、起訴された方、裁判で有罪判決を受けたが量刑に納得いかない方など、刑事事件でお困りの方は、刑事事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
無料法律相談・初回接見サービスのご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)まで今すぐご連絡ください。

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亀山市のストーカー事件
亀山市のストーカー事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
◇ストーカー事件の事例◇
三重県亀山市に住むAさんは、SNSで仲良くなった女性と個人的にやり取りをするようになり、好意を抱くようになっていきました。
女性への恋愛感情がエスカレートしたAさんは、女性に対して、「好きです」「会いたい」「今から会いに行く」などのメッセージを繰り返し送っていました。
女性に、このような内容のコメントを繰り返したAさんは、三重県亀山警察署に呼び出されて、メールを止めるように警告されましたが、数日後、再びAさんは女性にメールをしてしまいました。
その結果、Aさんは、数日後にストーカー規制法違反の疑いで逮捕されてしまいました。
Aさんの母親は、いち早く接見に向かう、ストーカー規制法違反に強い弁護士を探して弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に相談しました。
(フィクションです。)
◇ストーカー規制法◇
上記事例のAさんは、ストーカー行為によって、逮捕されています。
ストーカー規正法違反では
1.つきまとい・待ち伏せ・押しかけ・うろつきなど
2.監視していると告げる行為
3.面会や交際など義務のないことの要求
4.粗野又は乱暴な言動
5.無言電話・連続した電話、メールなど
6.汚物などの送付
7.名誉を傷つける事項の告知
8.性的羞恥心の侵害
上記の行為が「つきまとい等」として列挙されており、「つきまとい等」を反復して行った場合が「ストーカー行為」であるとされています。
今回のAのようにSNS等でしつこくメッセージを送るという行為についてもストーカー規制法違反となる可能性があるのです。
ストーカー規正法違反で起訴されて有罪が確定すると、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」が科されます。
もっとも、現行犯や悪質な場合などでなければ、警察は被害者の申し出を受けて加害者に対してまず、「警告」を出します。
それでも改善されないような場合は「禁止命令」を出し、つきまとい等の反復の禁止や、こうした行為を防止するために必要な事項を命じます。
この禁止命令に違反してストーカー行為をした場合は「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」となり、ストーカー行為には当たらないが、禁止命令に違反した場合は「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処されます。
◇弁護活動◇
被疑者が逮捕されてしまった場合、早期に釈放のための活動を開始することで、長期間の身体拘束を回避する可能性が高くなります。
そこで、まずは弊所で行っている初回接見サービスを活用することをお勧めします。
休日や夜間など、ご家族の方が面会できない場合でも、弁護士であれば接見する事が可能です。
そこで、弊所の弁護士をいち早く派遣し、事件の内容を把握することで早期に弁護活動を開始することができます。
また、被害者の方と示談交渉を行っていくことも有効な弁護活動となってきます。
しかし、ストーカー事件の被害者は、加害者に恐怖を抱いている場合が多く、加害者本人やそのご家族からの示談交渉を受け入れてくれることはあまりありませんし、そもそも示談交渉をしようにも、連絡先を教えてもらえないことも珍しくありません。
しかし、刑事事件に強い弁護士に示談交渉をご依頼いただければ、まず、弁護士が入ることで被害者も安心するので、連絡先を教えてもらえる可能性も高まります。
そしてなにより、刑事事件に強い弁護士であれば示談交渉の経験も豊富にありますので安心して交渉をお任せいただけます。
◇亀山市の刑事事件に強い弁護士◇
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は、刑事事件を専門に扱う弁護士です。
これまでも、さまざまな事件で被疑者を早期釈放に導いてまいりました。
三重県亀山市で逮捕された方、ストーカー規制法に強い弁護士をお探しの方は、実績のある弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご連絡ください。
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交番で業務妨害は何罪?③~少年事件~
交番で業務妨害行為をした場合は何罪となるのか検討するにあたり、特に少年事件の手続きと対応について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
◇事件◇
三重県いなべ市に住んでいるAさん(17歳)は、以前、三重県いなべ警察署の警察官に補導され、その時に夜遅くに出歩かないよう注意されたことを根に持っており、警察官に迷惑をかけてやりたいと思っていました。
そこでAさんは、三重県いなべ警察署の管轄にある交番へ行き、警察官が不在の間に、交番の出入り口に消火器を噴射しました。
これによって、交番はしばらく出入りが困難な状態になってしまいました。
Aさんの犯行を目撃していた通行人が通報し、捜査の結果、Aさんは威力業務妨害罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、Aさん逮捕の知らせを聞いた際、警察の邪魔をしたらしいということなのになぜよく聞く公務執行妨害罪ではないのか、もしかしてAさんが不要な疑いを持たれているのではないかと不安に思っています。
(※令和2年4月9日東海テレビ配信記事を基にしたフィクションです。)
・少年事件と弁護士
今回のAさんのように、20歳未満の者が犯罪をしたり犯罪に触れる行為をしたような場合には、少年事件として扱われます。
少年事件では原則的に、捜査機関の捜査後、事件が家庭裁判所に送致され、そこでの調査を経て新版が開かれ処分が決められることになります。
捜査機関の捜査後に検察官が起訴・不起訴を決め、その後裁判によって有罪・無罪を決めて有罪の場合は刑罰を決める成人の刑事事件とは異なる手続きも多くあります。
だからこそ、少年事件に対応するには少年事件に強い弁護士のサポートが求められるのです。
成人の刑事事件と異なるといっても、捜査機関が捜査している段階では、少年事件と刑事事件で異なる部分は多くありません。
少年事件であっても、必要が認められればAさんのように逮捕されることもありますし、逮捕に引き続く勾留という身体拘束を伴って捜査が行われる場合もあります。
取調べでは警察官や検察官と1人で話をすることになります。
逮捕・勾留といった身体拘束からの解放を求める活動や、取調べの状況を把握しながら適宜助言をし少年のフォローをすることなどが、少年事件の捜査段階での弁護士の役割として挙げられます。
そして、事件が家庭裁判所へ送致された後は、捜査段階とはまた違った視点での活動が必要となります。
というのも、少年事件の最終処分は、少年の更生に適切な処分はどういったものかということが重視されて決められるからです。
ですから、家庭裁判所に事件が送られてからは、少年の更生のための環境づくりをする活動がメインとなってきます。
少年を更生させるために十分な環境がすでに家庭や学校で整っていれば、少年院送致などの処分を取らなくてもよいということになるのです。
例えば、今回のAさんは以前から夜に出歩き補導をされているようですが、今回も夜に交番に消火器を噴射するという事件を起こしています。
規則正しい生活に整えるとともに、なぜそういった行動を起こしてしまったのか、どうしてその行動をしてはいけないのか、その行動によって誰がどういう迷惑を被ったのか、どうしたらその行動をとらなくて済むか、といったことを少年やその家族と一緒に突き詰めていくことで、再び同じような犯罪をせずに済むように対策していくことになるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件を捜査段階から家庭裁判所に送られた後処分が出る段階まで、刑事事件・少年事件専門の弁護士が一貫してサポートを行います。
0120-631-881では、専門スタッフが弁護士によるサービスをご案内中です。
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交番で業務妨害は何罪?②~威力業務妨害罪~
交番で業務妨害行為をした場合は何罪となるのか検討するにあたり、特に威力業務妨害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
◇事件◇
三重県いなべ市に住んでいるAさん(17歳)は、以前、三重県いなべ警察署の警察官に補導され、その時に夜遅くに出歩かないよう注意されたことを根に持っており、警察官に迷惑をかけてやりたいと思っていました。
そこでAさんは、三重県いなべ警察署の管轄にある交番へ行き、警察官が不在の間に、交番の出入り口に消火器を噴射しました。
これによって、交番はしばらく出入りが困難な状態になってしまいました。
Aさんの犯行を目撃していた通行人が通報し、捜査の結果、Aさんは威力業務妨害罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、Aさん逮捕の知らせを聞いた際、警察の邪魔をしたらしいということなのになぜよく聞く公務執行妨害罪ではないのか、もしかしてAさんが不要な疑いを持たれているのではないかと不安に思っています。
(※令和2年4月9日東海テレビ配信記事を基にしたフィクションです。)
交番に消火器噴射で威力業務妨害罪
前回の記事で、Aさんには公務執行妨害罪が成立しないだろうということに触れました。
では、Aさんに何罪が成立しうるのかというと、逮捕容疑にもなっている威力業務妨害罪が挙げられます。
威力業務妨害罪は、刑法第234条に定められている犯罪です。
刑法第234条
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。
この「前条」とは、刑法第233条の偽計業務妨害罪・信用毀損罪のことを指しています。
刑法第233条
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
つまり、威力業務妨害罪を犯してしまった場合、偽計業務妨害罪や信用毀損罪と同様、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する、ということなのです。
威力業務妨害罪の条文に戻って、威力業務妨害罪が成立する条件を確認してみましょう。
威力業務妨害罪は、「威力を用いて」「人の業務を妨害した」ことで成立します。
「威力を用いて」の「威力」とは、なかなか日常生活で用いる言葉ではありませんが、「犯人の威勢、人数および四囲の状勢からみて、被害者の自由意思を制圧するに足りる勢力をいい、現実に被害者が自由意思を制圧されたことを要しない」とされています(最判昭和28.1.30)。
つまり、簡単に言えば、「威力を用いて」とは、相手の意思を制圧する行為をして、ということを指しています。
例えば、店内に大量の蛇や虫をばら撒いて営業を妨害したような場合には、相手=店は抵抗のしようがなく、店の意思は制圧されていると考えられますから、「威力」が用いられていると考えられます。
そして、威力業務妨害罪の行為の部分、「人の業務を妨害した」という部分です。
「妨害した」と書いてあるものの、威力業務妨害罪の成立には、実際に業務がされた必要はないと解釈されています。
威力業務妨害罪の成立には、業務が妨害される危険が発生していればよいということです。
ですから、例えば「威力を用いて」業務妨害のおそれのある行為がなされたとして、何かの事情で特に業務が妨害されることなく済んだとしても、業務妨害の危険は発生していたのであれば、威力業務妨害罪の成立が考えられるということです。
さて、以上のことを考慮しながら、今回のAさんの事例を検討してみましょう。
Aさんは、交番に消火器を噴射していますが、この行為は交番側からすれば抵抗のしようのない行為ですから、「威力を用いて」いると言えるでしょう。
そして、実際に交番はしばらく人の出入りが難しくなり、おそらく交番に勤務する警察官は噴射された消化剤の処理などにも追われることとなり、しなくともよいはずの業務が増えるなどして業務に支障が出たと考えられます。
したがって、「人の業務を妨害した」とも考えられることから、Aさんには威力業務妨害罪の成立が考えられる、ということになるのです。
前回と今回でみてきたように、私たちがイメージする犯罪と実際に成立する犯罪の間にはギャップがあることもあります。
こうしたギャップについてきちんと理解するためには、刑事事件・少年事件に詳しい弁護士に分かりやすく説明してもらうことが有効です。
容疑のかかっている犯罪のこと、これからの手続きや必要な活動のことをきちんと知ることで、慣れない刑事事件・少年事件の手続きの中でも適切な行動を取れる可能性が高まります。
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交番における業務妨害は何罪?①~公務執行妨害罪~
交番において警察官の業務妨害行為をした場合は何罪となるのか検討するにあたり、特に公務執行妨害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
◇事件◇
三重県いなべ市に住んでいるAさん(17歳)は、以前、三重県いなべ警察署の警察官に補導され、その時に夜遅くに出歩かないよう注意されたことを根に持っており、警察官に迷惑をかけてやりたいと思っていました。
そこでAさんは、三重県いなべ警察署の管轄にある交番へ行き、警察官が不在の間に、交番の出入り口に消火器を噴射しました。
これによって、交番はしばらく出入りが困難な状態になってしまいました。
Aさんの犯行を目撃していた通行人が通報し、捜査の結果、Aさんは威力業務妨害罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、Aさん逮捕の知らせを聞いた際、警察の邪魔をしたらしいということなのになぜよく聞く公務執行妨害罪ではないのか、もしかしてAさんが不要な疑いを持たれているのではないかと不安に思っています。
(※令和2年4月9日東海テレビ配信記事を基にしたフィクションです。)
交番における業務妨害は公務執行妨害罪ではない?
今回のAさんは、交番へ消火器を噴射したことで逮捕されてしまっていますが、Aさんの両親は、Aさんの逮捕容疑が威力業務妨害罪であることに疑問を持っているようです。
一般のイメージとして、警察官などの公務員に対して何かしてしまった場合、公務執行妨害罪によって逮捕されたり捜査されたりというイメージが強いかもしれません。
ドラマなどでも、職務質問をされた被疑者が暴れて公務執行妨害罪の容疑で取り押さえられる、というようなシーンを目にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
しかし、今回のAさんは、交番に消火器を噴射しているにもかかわらず、公務執行妨害罪の容疑で逮捕されていません。
どうして罪名が異なるのでしょうか。
まず、公務執行妨害罪の条文を確認してみましょう。
刑法第95条第1項(公務執行妨害罪)
公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
このうち、今回ポイントとなるのは公務執行妨害罪として成立するのが「公務員が職務を執行するに当たり」行われたものである必要があるという点です。
「公務員」とは、文字通り公務員を指しています。
例えば、警察官はもちろん、市役所の職員や、公立の学校の先生や職員もこの対象です。
そして、公務執行妨害罪の条文では、その公務員が「職務を執行するに当たり」暴行や脅迫が行われることで公務執行妨害罪が成立するとされています。
大まかに言えば、これは「仕事をする際に」という意味です。
加えて、この「職務」とは、仕事全てをざっくりと含んでいるわけではありません。
判例では、公務執行妨害罪は「公務員そのものについて、その身分ないし地位を特別に保護しようとするものではなく、公務員によつて行なわれる公務の公共性にかんがみ、その適正な執行を保護しようとするものである」ことから、「その保護の対象となるべき職務の執行というのは、漫然と抽象的・包括的に捉えられるべきものではなく、具体的・個別的に特定されていることを要するものと解すべき」とされています(最判昭和45.12.22)。
ですから、公務執行妨害罪の「職務を執行するに当たり」とは、「ある程度具体的・個別的に特定された公務員の仕事をするに際して」ということになるのです。
今回のAさんの事例を見ると、Aさんは警察官不在の交番に消火器を噴射しています。
対象が交番という建物であり、さらに警察官は不在にしていますから、客体が公務執行妨害罪の客体である「公務員」ではありません。
さらに、先程触れたように、公務執行妨害罪成立のためには、その公務員の「職務」=ある程度具体的・個別的に特定された仕事が行われるに当たって、暴行や脅迫が行わなければなりません。
警察官不在の際におこなわれ、しばらくの間人の出入りが困難になったという状況では、この「職務を執行するに当たり」という条件に当てはまらないと考えられます。
したがって、たしかにAさんは警察の業務妨害行為をしているようですが、公務執行妨害罪にはあたらないと考えられるのです。
ただし、例えば巡回中の警察官に消火器を噴射したような場合や、交番の中で警察官が仕事をしているところに消火器を噴射したような場合には、公務執行妨害罪が成立することになると考えられます。
では、やはりAさんの逮捕容疑である威力業務妨害罪が、Aさんに成立するであろう正しい罪名ということになりそうです。
これがどういった犯罪なのかは、次回の記事で取り上げます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、公務執行妨害事件や威力業務妨害事件といった刑事事件・少年事件のご相談・ご依頼を受け付けています。
Aさんのご両親のように、自分のこどもが逮捕されてしまったが本当に大丈夫なのか、不要な疑いをかけられていないかと心配されている親御さんにも安心してご相談いただけます。
まずはフリーダイヤル0120-631-881までお電話ください。

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自殺幇助事件で逮捕
自殺幇助事件で逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件法律事務所が解説します。
◇自殺幇助罪で逮捕◇
自殺願望を持っていたAさんは、ある日、SNSで知り合った、Aさん同様に自殺願望を持っていたVさんと意気投合し、「一緒に自殺しよう」という話になりました。
Aさんは、2人で自殺するための練炭を準備すると、三重県桑名市にある林道にVさんが借りてきたレンタカーを停めると、2人でその中に入って練炭を焚きました。
しかし、Aさんは途中で自殺するのが怖くなり、車から脱出すると110番しました。
三重県桑名警察署の警察官と救急隊員が駆けつけ、Aさんは病院に搬送され助かりましたが、Vさんはそのまま死亡してしまいました。
その後、Aさんは三重県桑名警察署の警察官に、自殺幇助罪の容疑で逮捕されてしまいました。
(※令和2年4月8日産経WEST配信記事を基にしたフィクションです。)
◇自殺関与罪と自殺幇助罪◇
日本の法律には、自殺すること自体を罰する法律はありません。
自殺自体が犯罪として処罰されない根拠については諸説分かれています。
例えば、自殺自体は違法な行為であるが自殺するような状況では自殺した人を非難したり責任を問うたりすることはできないために処罰できないという考え方や、そもそも自殺は違法性がない、もしくは処罰するほど遺法性が大きくないという考え方があります。
今回問題となる自殺関与罪は、自殺した本人ではなく、その自殺に関わっている人を処罰する犯罪です。
自殺した本人は処罰しないにも関わらず、自殺に関わった他人は処罰するということを不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、先ほど例に挙げたような自殺した本人を処罰しないという考え方でも、自殺に関与した他人を処罰することには説明がつきます。
例えば、そもそも自殺は違法であるとする立場であれば自殺に関与するのはその違法な行為に関わる共犯者となるのだから違法であると解されており、自殺自体は違法ではないという立場の場合には、本人のみができる生命に関する意思決定に他人が影響を及ぼして生命を害する行為が違法になるのだと解されています。
今回のAさんの逮捕容疑である自殺幇助罪は、自殺関与罪と呼ばれる自殺に関連した犯罪のうちの1つです。
刑法第202条
人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、6月以上7年以下の懲役又は禁錮に処する。
この条文のうち、「人を教唆し若しくは幇助して自殺させ」たという部分に当たるのが自殺関与罪であり、自殺を「教唆」した場合には自殺教唆罪、自殺を「幇助」した場合には自殺幇助罪と呼ばれます。
なお、刑法第202条後段の「人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した」という部分にあたる場合には、嘱託殺人罪または同意殺人罪に問われることになります。
自殺幇助罪の「幇助」とは、難しい言葉に感じるかもしれませんが、大まかに言えば手助けをすることを指しています。
つまり、自殺をしようと思っている人に対して自殺をすることを容易にする手助けをすると、自殺幇助罪が成立しうるということになります。
ここで重要なのは、自殺幇助罪はあくまですでに自殺を決意した人に対して自殺をする手助けをした際に成立する犯罪であるということです。
自殺を考えていない人に自殺をする意思を持たせたような場合には、自殺幇助罪ではなく、自殺教唆罪や、状況によっては殺人罪が成立する可能性が出てきます。
さらに、自殺幇助罪は自殺の手助けをした場合に成立するといっても、自殺をしたいという人に対して直接手を下すようなことをすれば、自殺幇助罪ではなく嘱託殺人罪が成立する可能性が出てくることになるでしょう。
今回のAさんは、自分とVさんが自殺するための練炭を用意しています。
Aさん自身は結果的に自殺を遂げなかったものの、その行為はVさんの自殺を容易にしたと言えます。
Vさんは元々自殺をする決意を持っていたところにAさんがそういった手助けをしているわけですから、今回Aさんには自殺幇助罪が成立すると考えられるのです。
今回のような集団自殺事件や、心中事件から自殺幇助事件となることもあります。
人の生命に関わる犯罪であることもあり、刑罰も重く、そして捜査も厳しいものになることが予想されます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士が、逮捕直後から丁寧にフォローを行います。
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多岐にわたる刑事事件・少年事件の経験豊富な弁護士が、捜査・裁判のいずれの段階においても、あなたを全力でサポートします。
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