三重郡川越町の山林に廃材を投棄 

三重県川越町の山林に廃材を投棄した廃棄物処理法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

◇廃材を投棄◇

三重郡川越町で解体業を営んでいるAさんは、業務で出た廃材を捨てる場所に困っていました。
ある日Aさんは、三重郡川越町の人気のない山林に、これらの廃材を投棄して処理しました。
Aさんは、ダンプカーに廃材を運び込んで、重機を使って山中に廃材を埋めたのです。
そうした不法投棄行為をしばらく続けていたところ、地盤が緩んだことが原因で地滑りが起き、Aさんの犯行が発覚してしまいました。
Aさんは廃棄物処理法違反の容疑で三重県警に逮捕されてしまいました。
(フィクションです。)

◇廃棄物処理法と産業廃棄物◇

不法投棄事件と聞くと、今回のAさんのような、産業廃棄物を大量に捨てているケースをイメージされる方も多いのではないでしょうか。
廃棄物の処理については、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(略称:廃掃法、廃棄物処理法など)という法律が定めています。
この廃棄物処理法の中では、「産業廃棄物」は以下のように定義づけられています。

廃棄物処理法2条4項

この法律において「産業廃棄物」とは、次に掲げる廃棄物をいう。
1号 事業活動に伴つて生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物
2号 輸入された廃棄物(前号に掲げる廃棄物、船舶及び航空機の航行に伴い生ずる廃棄物(政令で定めるものに限る。第15条の4の5第1項において「航行廃棄物」という。)並びに本邦に入国する者が携帯する廃棄物(政令で定めるものに限る。同項において「携帯廃棄物」という。)を除く。)

このうち、廃棄物処理法2条4項1号の「政令で定める廃棄物」については、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」という政令で詳しく定められています。

廃棄物処理法施行令2条

法第2条第4項第1号の政令で定める廃棄物は、次のとおりとする。

1号 紙くず(建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものに限る。)、パルプ、紙又は紙加工品の製造業、新聞業(新聞巻取紙を使用して印刷発行を行うものに限る。)、出版業(印刷出版を行うものに限る。)、製本業及び印刷物加工業に係るもの並びにポリ塩化ビフェニルが塗布され、又は染み込んだものに限る。)
2号 木くず(建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものに限る。)、木材又は木製品の製造業(家具の製造業を含む。)、パルプ製造業、輸入木材の卸売業及び物品賃貸業に係るもの、貨物の流通のために使用したパレット(パレットへの貨物の積付けのために使用したこん包用の木材を含む。)に係るもの並びにポリ塩化ビフェニルが染み込んだものに限る。)
3号 繊維くず(建設業に係るもの(工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものに限る。)、繊維工業(衣服その他の繊維製品製造業を除く。)に係るもの及びポリ塩化ビフェニルが染み込んだものに限る。)
4号 食料品製造業、医薬品製造業又は香料製造業において原料として使用した動物又は植物に係る固形状の不要物
4の2 と畜場法(昭和28年法律第114号)第3条第2項に規定すると畜場においてとさつし、又は解体した同条第1項に規定する獣畜及び食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律(平成2年法律第70号)第2条第6号に規定する食鳥処理場において食鳥処理をした同条第1号に規定する食鳥に係る固形状の不要物
5号 ゴムくず
6号 金属くず
7号 ガラスくず、コンクリートくず(工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたものを除く。)及び陶磁器くず
8号 鉱さい
9号 工作物の新築、改築又は除去に伴つて生じたコンクリートの破片その他これに類する不要物
10号 動物のふん尿(畜産農業に係るものに限る。)
11号 動物の死体(畜産農業に係るものに限る。)
12号 大気汚染防止法(昭和43年法律第97号)第2条第2項に規定するばい煙発生施設、ダイオキシン類対策特別措置法第2条第2項に規定する特定施設(ダイオキシン類(同条第1項に規定するダイオキシン類をいう。以下同じ。)を発生し、及び大気中に排出するものに限る。)又は次に掲げる廃棄物の焼却施設において発生するばいじんであつて、集じん施設によつて集められたもの
イ 燃え殻(事業活動に伴つて生じたものに限る。第2条の4第7号及び第10号、第3条第3号ワ並びに別表第1を除き、以下同じ。)
ロ 汚泥(事業活動に伴つて生じたものに限る。第2条の4第5号ロ(1)、第8号及び第11号、第3条第2号ホ及び第3号ヘ並びに別表第1を除き、以下同じ。)
ハ 廃油(事業活動に伴つて生じたものに限る。第24条第2号ハ及び別表第5を除き、以下同じ。)
ニ 廃酸(事業活動に伴つて生じたものに限る。第24条第2号ハを除き、以下同じ。)
ホ 廃アルカリ(事業活動に伴つて生じたものに限る。第24条第2号ハを除き、以下同じ。)
ヘ 廃プラスチック類(事業活動に伴つて生じたものに限る。第2条の4第5号ロ(5)を除き、以下同じ。)
ト 前各号に掲げる廃棄物(第1号から第3号まで及び第5号から第9号までに掲げる廃棄物にあつては、事業活動に伴つて生じたものに限る。)
13号 燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類、前各号に掲げる廃棄物(第1号から第3号まで、第5号から第9号まで及び前号に掲げる廃棄物にあつては、事業活動に伴つて生じたものに限る。)又は法第2条第4項第2号に掲げる廃棄物を処分するために処理したものであつて、これらの廃棄物に該当しないもの

かなり多くの項目があって驚かれた方もいるのではないでしょうか。
「産業廃棄物」と聞くと、工場から出た汚泥や汚水、機械ごみのようなものをイメージされる方も多いですが、印刷業などで出た紙類(施行令2条1号)や建設業で出た木くず(施行令2条2号)、さらには畜産業で出た動物の糞尿や死体(施行令2条10号・11号)なども廃棄物処理法上では「産業廃棄物」となるのです。
「産業廃棄物」の範囲は、一般にイメージされるよりも広いことがお分かりいただけたのではないでしょうか。

◇産業廃棄物の不法投棄◇

廃棄物処理法では、以下の条文で不法投棄を禁止しています。

廃棄物処理法16条
何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。

これに違反して不法投棄をした場合、「5年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科」されることになります(廃棄物処理法25条1項14号)。
産業廃棄物の不法投棄の場合、不法投棄の量の多さや不法投棄による土地への大きさ、不法投棄をすることによって浮かせた経費の大きさ等から、一般人がごみを不法投棄したケースに比べて厳しく処分されることが考えられます。
まずは弁護士に相談し、どういった見通しが考えられるか聞いてみましょう。

◇廃棄物処理法に強い弁護士◇

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、産業廃棄物の不法投棄事件についてのご相談を承っています。
まずはお気軽に弊所弁護士までご相談ください。

 

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