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強制わいせつ事件の示談交渉

2021-10-12

強制わいせつ事件の示談交渉

強制わいせつ事件示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは、午後8時頃、三重県津市の路上において、スマホを操作しながら歩いていた20代の女子学生(Vさん)に後ろから抱き付き、上半身を触りました。
Vさんがバランスを崩して路上に倒れ悲鳴を上げたため、Aさんは走って逃走しました。
その後、Vさんが近くの交番に駆け込んだため、強制わいせつ事件が発覚しました。
三重県津警察署の警察官は、Aさんを強制わいせつ罪の容疑で逮捕しました。
強制わいせつ罪の容疑での逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、三重県刑事事件にも対応している法律事務所への法律相談を検討しています。
(2020年10月3日に北海道ニュースUHBに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【強制わいせつ罪とは】

刑法176条は「13歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する」とし、強制わいせつ罪を規定しています。

強制わいせつ罪における「わいせつな行為」は、性欲を刺激し、興奮又は満足させ、かつ普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為をいうと考えれています。
そして、刑事事件例においてAさんが行ったVさんの背後から抱き付き、上半身を触る行為は、争いなく、強制わいせつ罪における「わいせつな行為」に該当すると考えられます。

また、強制わいせつ罪の成立には、「暴行又は脅迫」を手段として、上記わいせつな行為を行うことが必要です。
この強制わいせつ罪における「暴行」とは、身体に対する不法な有形力の行使をいいます。
強制わいせつ罪における「暴行」には、殴る・蹴る等の行為が含まれるのは当然ですが、不意に股間に手を差し入れる行為のように、暴行自体がわいせつな行為に該当する場合であってもよいと考えられています。

刑事事件例において、上述の通り、AさんはVさんの背後から抱き付き、上半身を触っています。
このAさんの行為は、上述の通り強制わいせつ罪における「わいせつな行為」にも該当しますが、強制わいせつ罪における「暴行」にも該当すると考えられます。

以上より、Aさんには強制わいせつ罪が成立すると考えられます。

【強制わいせつ罪と示談】

強制わいせつ事件のように被害者の方がおり、被害者の方の処罰感情が加害者(Aさん)に対する処分にあたり重要視される刑事事件の場合、被害者の方と示談をすることが重要となります。
被害者の方との示談交渉の結果次第では、仮にAさんが強制わいせつ罪で刑事裁判に起訴されてしまったとしても、執行猶予付き判決を獲得することができる可能性があります。
示談締結によって不起訴処分となることもありますから、示談の有無、示談交渉の有無は事件の処分に大きく影響するといえます。

また、被害者の方との示談交渉が円滑に行われ、Aさんが強制わいせつ罪で刑事裁判に起訴されてしまう前の身体拘束期間中に示談締結をすることができた場合、示談の存在を考慮し、早期にAさんに対する身体拘束が解かれる可能性もあります。
先ほど触れたような事件の結果自体だけでなく、逮捕・勾留からの釈放という面でも、示談交渉は重要な活動の1つなのです。

このような大きなメリットが得られる示談交渉を円滑に進めるためには、刑事事件に強い刑事弁護士を選ぶことが重要であるといえるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
強制わいせつ罪を犯した方の刑事弁護活動、示談交渉を行った経験のある刑事弁護士も多数在籍しております。
三重県津市強制わいせつ事件示談を目指す場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

暴行・脅迫なしでも強制性交等罪に

2021-09-28

暴行・脅迫なしでも強制性交等罪に

暴行・脅迫なしでも強制性交等罪に問われたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

三重県四日市市に住んでいるAさんは、市内にある商業施設Xにある個室トイレを利用していた小学4年生のVさんに対し、自分の性器を口にくわえさせるなどのわいせつな行為をしました。
その際、AさんはVさんに暴行をはたらいたり脅しつけたりしたわけではなく、個室に入ってきたAさんに驚いたVさんの隙を見てわいせつな行為をしていました。
Vさんは、トイレから出ると一緒に買い物に来ていた両親にAさんにされたことを相談し、Vさんの両親はすぐに三重県四日市南警察署に通報しました。
三重県四日市南警察署の捜査の結果、Aさんは強制性交等罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、Aさんが逮捕されたことを知り、三重県逮捕にも対応している弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・強制性交等罪とその対象

今回のAさんは、強制性交等罪という犯罪の容疑をかけられています。
強制性交等罪はもともと「強姦罪」として刑法に定められていたものが、平成29年(2017年)の改正によって新設された犯罪です。

刑法第177条(強制性交等罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

条文を見ると、強制性交等罪は「性交」・「肛門性交」・「口腔性交」を対象の行為としています。
旧強姦罪では、性器へ性器を挿入する「性交」だけを処罰の対象行為としていましたが、強制性交等罪では、それに加えて肛門への性器の挿入を伴う「肛門性交」と、口腔内への性器の挿入を伴う「口腔性交」を追加しています。
強制性交等罪では、これらをまとめて「性交等」とし、処罰の対象行為としているのです。
ですから、いわゆる「本番」に至らなかったとしても、強制性交等罪が成立する可能性があるということになるのです。

もちろん、これらの「性交等」がただ行われたというだけでは強制性交等罪にはなりません。
強制性交等罪の成立する要件は、この「性交等」が①「13歳以上の者に対し。暴行又は脅迫を用いて」行なわれるか、②「13歳以下の者に対し」行なわれた場合です。

①被害者が13歳以上の場合
強制性交等罪では、被害者の年齢が13歳以上なのか13歳未満なのかによって成立する条件が異なります。
条文によると、被害者が13歳以上の者であった場合、「性交等」が行なわれた際に「暴行又は脅迫」が用いられることで強制性交等罪が成立します。
この「暴行又は脅迫」は、被害者の抵抗を押さえつける程度の強さが必要であるとされています。
強制性交等罪は、被害者の意思を暴行や脅迫によって押さえつけて無理やり性交等をすることが犯罪とされているためです。
例えば、凶器を突きつけて脅して性交等をする、被害者の手足を拘束して性交等をするなどのケースが考えられるでしょう。

②被害者が13歳未満の場合
被害者の年齢が13歳未満の場合、強制性交等罪では「性交等」をしただけで犯罪が成立することになります。
①のケースとは異なり、暴行や脅迫をしていなくとも、ただ「性交等」をしただけで強制性交等罪となるため、たとえ被害者の同意を得て行なった「性交等」であったとしても強制性交等罪となります。

なお、①のケースでも②のケースでも、条文では「13歳以上の『者』」、「13歳未満の『者』」と書かれていることから、被害者の性別については限定がないことが分かります。
この点も、旧強姦罪との異なる部分でしょう(旧強姦罪では、被害者の性別が女性のみに限定されていました。)。

今回の事例を考えてみましょう。
事件の被害者Vさんは小学4年生ですから、「13歳未満の者」です。
つまり、先程の②のケースにあたり、Vさんに「性交等」をしただけで強制性交等罪が成立することになります。
今回のAさんはVさんの口に自分の性器を挿入していることから、「口腔性交」をしています。
②で確認した通り、13歳未満のVさんに「口腔性交」=「性交等」をした時点で、暴行や脅迫がなくとも強制性交等罪が成立するということになるのです。

強制性交等罪は、法定刑も重い重大犯罪です。
示談交渉や釈放を求める活動を並行して行なわなければならないことも多く、当事者だけでは対応できないこともあるでしょう。
だからこそ、まずは弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、強制性交等事件を含む刑事事件についてもご相談・ご依頼を受け付けています。
まずはお気軽にご相談ください。

少年の強制わいせつで保護観察

2021-09-10

少年強制わいせつ保護観察を目指す場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
三重県松阪市で帰宅途中の中学生の背後から抱きつき、胸を触るなどのわいせつな行為をしたとして、三重県松阪警察署は、Aくん(16歳)を強制わいせつの容疑で逮捕しました。
Aくんの両親は、事件について詳しいことまで聞かされておらず不安です。
急いで少年事件に詳しい弁護士をネットで検索し、すぐに対応してくれるよう頼みました。
(フィクションです。)

保護観察処分とは

原則、すべての少年事件は家庭裁判所に送致され、審判で審理されて処分が決定されます。
家庭裁判所が行う決定には、終局決定と中間決定とがあります。
終局決定には、「審判不開始」、「不処分」、「保護処分」、「検察官送致」、「都道府県知事または児童相談所長送致」の5種類あります。
更に、「保護処分」には、「保護観察」、「児童自立支援施設または児童養護施設送致」、「少年院送致」の3種類があります。

保護処分のひとつである「保護観察」は、少年を施設に収容せず、社会生活をさせながら、保護観察所の行う指導監督および補導援護によって、少年の改善更生を図るものです。
保護処分である「少年院送致」や「児童自立支援施設または児童養護施設送致」とは、施設収容せず社会内処遇である点で異なります。

指導監督は、面接などによる行状把握、一般遵守事項および特別遵守事項を遵守させるための必要な指示を行うことを内容とするものです。
補導援護は、住居の確保、就業等を援助することを内容とするものです。
具体的に言うと、保護観察の開始時に、少年が保護観察官と面接をし、保護観察の実施計画が作成され、その後、少年が担当保護司のもとを週1回~月1回ほど訪問するという形で行われます。
担当の保護司は、定期的な面談を行い、少年の行状を把握し、遵守事項を遵守するよう指導助言を行います。

保護観察の期間は、一般保護観察の場合、原則として少年が20歳になるまでとされています。
ただし、少年が20歳になるまでの期間が2年未満の場合は、2年間となります。
20歳に達するまでという原則ではありますが、期間途中で保護観察の必要性が認められなくなった場合には、保護観察が解除されることがあります。

保護観察処分を目指す

上記事例では、Aくんは強制わいせつ罪という罪に問われています。
強制わいせつ罪は、法定刑が6月以上の懲役であり、罰金刑はありません。
犯行態様や事件数によっては、初犯であっても、いきなり実刑となる可能性もあります。
少年の場合であっても、事案如何によっては少年院送致となる可能性も否定できません。

少年事件では、「非行事実」と「要保護性」が審判で審理されます。
「非行事実」とは、成人の刑事事件でいう公訴事実の当たるものです。
そして、「要保護性」は、多義的に用いられますが、一般的には、次の3つの要素から構成されるものと言われています。
①再非行性
当該少年の現在の性格や環境に照らして、将来再び非行をする危険性があること。
②矯正可能性
少年法上の保護処分による矯正教育によって再非行性を除去できること。
③保護相当性
少年法上の保護処分が更生のために有効かつ適切であること。

「非行事実」について特に争いがない場合には、「要保護性」の有無が重要な審理ポイントとなります。
要保護性が解消され、社会内処遇によって少年の改善更生が期待できると認められれば、保護観察が決定されることになります。
そのため、審判において、裁判官に要保護性が解消されたと認められるために、早い段階から要保護性解放に向けた活動(環境調整活動)を行う必要があります。
環境調整活動は、弁護人・付添人である弁護士に期待されるものであり、弁護士は少年、家族、学校や職場の関係者、裁判所と協力し、少年を取り巻く環境を調整し、要保護性を減少・解消させるべく尽力します。

もちろん、目先の処分結果のためだけに環境調整活動を行うことには何ら意味はありません。
処分結果そのものではなく、少年がきちんと更生し、将来再び非行を犯すことのないような環境を整えることが大事なのです。

強制わいせつ事件の場合、弁護士は、被害者への被害弁償や示談交渉を通じて、自身が行った身勝手な行為によって被害者がどれほどに深い傷を負ったかを認識し、そのような行為を二度と行わないためにはどうすればよいのか、少年や関係者らと一緒になって考え、模索していきます。

このような活動は、少年事件に詳しい弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

 

自宅のトイレで盗撮

2021-08-24

自宅トイレ盗撮した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
三重県いなべ警察署は、自宅トイレや脱衣所に小型カメラを設置し、複数回にわたり自宅に遊びに来ていた知人女性の動画を撮影したとして、三重県いなべ市に住むAさんを逮捕しました。
Aさん宅にいた際に、執拗にAさんがトイレやシャワーを勧めてくることを不審に思った女性がカメラに気付き、いなべ警察署に相談したことで事件が発覚しました。
Aさんは容疑を認めています。
(フィクションです。)

自宅のトイレで盗撮したら

盗撮行為が各都道府県が定める、いわゆる、「迷惑防止条例」によって規制されていることはみなさんご存じのところですね。
多くの条例は、これまで公共の場所や公共の乗物における盗撮行為を禁止してきており、場所的に制限されたものとなっていました。
しかし、スマートフォンや小型カメラの普及により、特定の人らが利用する学校やオフィスなどといった非公共の場所における盗撮事件が後を絶たないことを受け、多くの都道府県はそのような場所での盗撮行為も処罰の対象となるよう条例を改正しました。
三重県の迷惑防止条例も例外ではなく、公共の場所・公共の乗物における盗撮を対象としていた規定を、公共の場所・公共の乗物のほか、特定の者だけが利用する学校、オフィス等での盗撮についても規制・処罰の対象となるよう改正しました。
改正条例は、令和3年1月1日に施行されました。

改正前の条文を見てみましょう。

第2条
(略)
2 何人も、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、人を著しくしゅう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
(1)人の身体に、直接又は衣服その他の身に着ける(以下この条文において「衣服等」という。)の上から触れること。
(2)衣服等で覆われている人の身体又は下着をのぞき見し、又は撮影すること。
(3)前2号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。

改正前の迷惑防止条例は、「公共の場所又は公共の乗物において」という文言を置き、規制・処罰の対象となる盗撮の場所を制限していました。
また、盗撮についても、盗撮行為のみを対象としていました。

次に、改正後の条文を見てみましょう。

第2条
(略)
2 何人も、正当な理由がないのに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
(1)人の身体に、直接又は衣服その他の身に着ける物の上から触れること。
(2) 通常衣服で隠されている人の身体又は下着をのぞき見し、又は撮影し、若しくはその目的で撮影機器を人に向け、若しくは設置すること。
(3)前2号に掲げるもののほか、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること。

2項のから「公共の場所又は公共の乗物において」という文言がなくなり、規制・処罰の対象となる盗撮の場所的公共性の制限がなくなりました。(3号の卑わいな言動についてのみ「公共の場所又は公共の乗物において」という場所的制限がかかっています。)
また、盗撮のみならず、盗撮目的でのカメラの差し向けや設置行為についても規制・処罰の対象となりました。

また、罰則についても、改正前は、6月以下の懲役または50万円以下の罰金となっていましたが、改正後は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に引き上げられました。

改正前は、自宅での盗撮は、「公共の場所又は公共の乗物において」行われたものではないため、迷惑防止条例違反とはならず、軽犯罪法違反で処理されていましたが、改正後は、自宅トイレという特定の者が利用する場所であっても盗撮目的でのカメラの設置行為は迷惑防止条例違反となる可能性があります。

盗撮事件の弁護活動

盗撮事件での弁護活動は、大きく分けて、身柄解放と示談交渉の2つがあげられます。

①身柄解放活動

盗撮事件は、盗撮をしているときに犯行が発覚し、その場で逮捕されるケースが多いのですが、被害者からの被害申告などで後に犯行が発覚して逮捕されるケースもあります。
逮捕後の流れとしては、逮捕から48時間以内に、警察は被疑者を釈放するか、それとも検察官に証拠物や関係書類と共に送致するかを決めます。
検察官に送致されると、被疑者は検察官による取り調べを受け、検察官は被疑者を勾留すべきかどうか検討します。
勾留すべきだと考えれば、検察官は裁判官に対して勾留の請求を行います。
勾留の請求を受けた裁判官は、被疑者と面談した上で、勾留するかどうかを判断します。
裁判官が勾留を決定した場合には、検察官が勾留を請求した日から原則10日、被疑者の身柄が拘束されることになります。
勾留となれば、勾留中は会社や学校に行くことができませんので、事件が会社や学校に発覚し、解雇や退学となる可能性も生じてきます。
ですので、なるべく早く釈放となるよう、具体的には、検察官に対しては勾留請求しないよう、裁判官に対しては勾留を決定しないよう働きかける必要があります。
弁護士は、検察官・裁判官に対して、勾留の要件を充たしていない旨を客観的証拠に基づいて立証し主張し、早期釈放を目指します。

②示談交渉

被害者のいる事件では、被害者の被害が回復したかどうか、被害者の処罰感情の程度などの事情が、検察官が起訴・不起訴を判断する際や裁判官が刑を決める際に考慮される要素となります。
盗撮事件においても、被害者との示談が成立している場合には、例え、有罪を立証するだけの十分な証拠がある場合でも、検察官が起訴しないとする可能性は高いです。
そのため、早期に捜査機関を通して被害者との接触を図り、示談交渉を行う必要があります。
示談交渉は、通常、弁護士を介して行います。
罪証隠滅を防止する観点から、捜査機関が加害者側に被害者の連絡先を教えることはないですし、盗撮の被害に遭った被害者は加害者と直接連絡をとることを拒むケースが多いため、実際に加害者側が被害者に直接連絡をとることは容易ではありません。
仮に、被害者が知り合いで連絡先を知っており、加害者が被害者に直接示談交渉をしようとしても、当事者同士の交渉は感情的になりやすく難航することが予想されます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が盗撮事件で逮捕されてお困りの方は、今すぐ弊所の刑事事件専門弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

痴漢の否認事件

2021-08-17

痴漢否認事件における弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
会社員のAさんは、通勤に電車を利用していました。
いつものように通勤ラッシュの時間帯に乗車したAさんでしたが、三重県四日市市にある駅に到着し降車すると、後方から見知らぬ女性に声をかけられました。
女性から、「痴漢しましたよね。」と言われたAさんは、突然のことで大変驚きましたが身に覚えがなかったので、「いいえ、そんなことしていませんよ。勘違いじゃないですか。」と答えました。
女性が駅員室に来るよう求められたため、そのまま駅員室で話をすることになりました。
後に、三重県四日市南警察署でも話を聞かれることになったAさんは、今後どのように対応すべきか不安でたまりません。
(フィクションです)

痴漢の否認事件

痴漢否認事件には、大きく分けて2種類のケースがあります。
まず1つめは、上の事例におけるAのように、そもそも痴漢行為をやってはいないと主張するケースです。
つまり、犯人性を否定する場合です。
もう1つは、相手方の身体に触れてしまったこと(もしくは、触れてしまったかもしれないこと)は認めるものの、それはわざとやったのではないと主張する場合があります。
これは、故意を否認するもので、例えば、電車やバスが急に揺れ、体勢が崩れた際に手が相手の身体に当たってしまったとするようなケースです。
これらのどちらの場合でも、罪が成立しない、痴漢の場合であれば、通常は迷惑防止条例違反、場合によっては、強制わいせつ罪という罪が成立しない旨を主張することになります。

否認の弁護活動

刑事事件の被疑者として刑事手続に付せられてしまった場合には、適切に対応するために、弁護士に相談することは重要です。
特に、容疑を否認する場合には、無実や無罪を証明するために、弁護士から専門的なアドバイスを受けることは非常に重要です。

(1)取調べ対応

刑事事件において最も重視されるのは、物的証拠等の客観的な証拠です。
例えば、防犯カメラの映像です。
しかしながら、痴漢行為を収めた映像があることは稀です。
痴漢事件では、電車やバスといった密室空間で行われることが多く、被害者の供述や被疑者・被告人の供述が重要な証拠となります。
そのため、取調べにおいて、自己に不利な供述調書が作成されてしまわないようにする必要があります。
一度作成されてしまった供述調書を後から「やっぱりなかったことにしてほしい。」と言って撤回することは容易ではありません。
取調室で取調官を前にした取調べを受けるのは、日常生活では体験しないことですので、大変緊張するものですので、冷静に受け答えすることも難しいでしょう。
そのような状況下では、取調官の誘導に乗って自己に不利な供述をしてしまう可能性もありますし、意図やニュアンスが相手にうまく伝わらず、結果、相手の思うような形での供述調書が作成されてしまうおそれもあります。
そのようなことがないよう、弁護士から取調べ対応についてしっかりとアドバイスを受けておくことはとても大切です。
また、供述の信用性に関しても、供述の矛盾や変遷が指摘されるおそれがあるため、否認事件においては、基本的に取調べで黙秘することも一つの手段です。
黙秘権は、被疑者・被告人に保障されている権利ですので、無理に取調べで供述する必要はありません。

(2)無実・無罪の立証

痴漢事件では、被害者や(目撃者)の証言、そして被疑者・被告人の証言が主な証拠となります。
捜査段階では、被疑者や弁護人は、捜査機関が所持する証拠を見ることができません。
ですので、どのような証拠が捜査機関の手元にあるのかを予想しながら対応していかなければなりません。
弁護士は、被疑者との接見や連絡をこまめに行い、取調べでどのようなことを聞かれたのかを聞き出し、捜査状況を把握します。
基本的には、この段階では、取調べで不利な供述がとられないよう取調べ対応に関するアドバイスをすることが最も重要な弁護活動となりますが、事件現場に赴き、事件当時の状況を把握しておくことも、無実・無罪を立証するためには欠かせません。
最終的に起訴・不起訴を判断するのは検察官となりますので、検察官に対して、不起訴(嫌疑なし、嫌疑不十分)として事件を処理するよう意見書を提出するなどしてこちら側の意見をしかりと主張します。

起訴後には、弁護側は、検察官が公判で提出する予定の証拠を見ることができますので、どのような証拠に基づいて犯罪の成立を証明しようとしているのかが分かります。
弁護人は、そのような証拠に、有罪を支えるだけの証明力と信用性があるかどうかを検討します。
そして、被告人に有利な証拠を見つけ出し、無罪を主張していきます。
例えば、被害者の供述に矛盾点や変遷がみられることから、その信用性が疑われることを主張したり、現場検証の結果、被告人とは別の人物が痴漢を行った可能性が高いことを主張することがあります。
また、公判では、被告人質問が行われますので、しっかりと質疑応答ができるよう被告人と綿密に打ち合わせを行う必要があります。

このような弁護活動は、刑事事件に豊富な経験を持つ弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
痴漢否認事件で対応にお困りの方は、弊所の弁護士に一度ご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

少年事件で不処分を獲得

2021-08-03

少年事件不処分となる場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
三重県四日市西警察署は、迷惑防止条例違反(盗撮)の容疑で高校生3年生のAくんを逮捕しました。
Aくんは、逮捕当日に釈放されましたが、今後どのような流れとなるのか、いかなる処分を受けることになるのか心配でたまりません。
Aくんは母親とともに少年事件に強い弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

事件が家庭裁判所に送致されると、家庭裁判所は、調査官による調査を行った上で、審判を開くかどうかを決定します。
少年法では、審判を開始するか否かは調査の結果判断するものとされていますが、観護措置がとられている事件については、家庭裁判所の調査官に対する調査命令と審判開始決定が同時になされ、審判期日が指定されるのが実務上の運営です。
審判では、人定質問、黙秘権の告知、非行事実の告知とそれに対する少年・付添人の陳述の後、非行事実の審理、要保護性の審理が行われ、調査官・付添人の処遇意見の陳述および少年の意見陳述を経て、決定が言い渡されます。

家庭裁判所が行う決定には、終局決定と中間決定とがあります。
終局決定は、少年の最終的な処分を決する決定であり、中間決定は、終局決定の前の中間的な措置としてなされる決定です。
終局決定には、審判不開始、不処分、保護処分、検察官送致、都道府県知事または児童相談所長送致の5種類があります。
また、中間決定には、試験観察決定などがあります。

今回は、終局決定の1つである「不処分」について説明します。

不処分とは

家庭裁判所は、審判の結果、保護処分に付することができず、または保護処分に付する必要がないと認めるときは、その旨の決定をしなければなりません。
この保護処分に付さないとする決定を不処分決定といいます。

不処分決定には、保護処分に付することができない場合の不処分と保護処分に付する必要がない場合の不処分の2種類があります。

①保護処分に付することができない場合の不処分決定
法律上または事実上、保護処分に付することができない場合の不処分決定で、次の場合になされます。
・非行事実の存在が認められない場合。
少年に心神喪失、死亡、所在不明、疾病、海外居住といった事情が生じた場合。
・審判が適法であるための条件を欠く場合。

②保護処分に付する必要がない場合の不処分決定
要保護性が存在しない、もしくは小さくなっているために保護処分に付する必要がなく、児童福祉法上の措置や刑事処分の必要もない場合にされる不処分決定です。
調査・審判の過程で、少年の周囲の環境が調整され、要保護性が解消し、再び少年が非行に陥る危険性がなくなった場合、別件で環境調整が行われていたり、保護処分に付されているために本件では特に処分をする必要がないと認められる場合、非行事実がきわめて軽微な場合などがあげられます。

審判で不処分が言い渡されると、観護措置を取られている少年は審判終了後に帰宅することになります。
不処分の場合、保護観察のように審判後も定期的に保護観察所の指導監督を受けることはありません。

不処分を目指す場合には、審判までに要保護性が解消しており保護処分に付する必要がないと裁判官に認められることが必要となります。
要保護性解消に向けて環境調整活動は、家庭裁判所、学校・職場、少年本人や家族と協力しながら行われるもので、少年と保護者のみで行うことは困難です。
弁護士は、捜査段階から弁護人として、家庭裁判所に送致された後は付添人として、関係者らと協力しつつ、少年の更生に適した環境づくりを支援します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
お子様が事件を起こし対応にお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

公然わいせつで現行犯逮捕

2021-07-27

公然わいせつ現行犯逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
会社員のAさんは、三重県度会郡度会町の公園で、酒に酔って下半身を露出していたところを通行人に目撃され、駆け付けた三重県伊勢警察署の警察官に公然わいせつの容疑で現行犯逮捕されました。
逮捕の連絡を受けたAさんの妻は、会社には体調不良で休むと伝えましたが、今後どのように対応すればよいのか分からず、早期釈放に向けて動いてほしいと刑事事件専門弁護士に依頼しました。
(フィクションです。)

公然わいせつ罪について

公然わいせつ罪は、刑法第174条において次のように規定されています。

公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

つまり、公然わいせつ罪とは、「公然と」「わいせつな行為」をする犯罪のことをいいます。

「公然と」とは、わいせつな行為を不特定又は多数の人が認識できる状態を意味します。
認識できる状態であればよく、実際に認識されることまで必要とされません。
そのため、実際に誰かに目撃されていなくても、公共の場でわいせつな行為を行っていた場合には、通行人などがわいせつな行為を目撃し得る状態であったと言え、「公然と」わいせつな行為を行ったことになります。

また、公然わいせつ罪で言う「わいせつな行為」とは、「いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」をいいます。
わいせつ性の判断は、一般社会の良識・社会通念を基準として行われます。

公然わいせつ罪の保護法益(法律によって守られる利益)は、性秩序ないし健全な性的風俗と伝統的に考えられています。
そのため、厳密には、目撃者は公然わいせつ罪の被害者とは言えませんので、被害者との示談をもってして事件を終了させることにはなりません。
ただ、目撃者は、見たくもないものを見せられ、精神的損害を被っているとも言えるため、目撃者への被害弁償や示談を成立させることで、被疑者の反省を示すひとつの要素となる得るでしょう。

公然わいせつ罪で逮捕されたら

公然わいせつ事件の多くは、目撃者による通報で事件が捜査機関に発覚しています。
通報を受けて駆け付けた警察官が、現場付近をパトロールしているときに、犯人と思われる人物を発見し、現行犯逮捕するといったケースが多いようです。
現行犯逮捕された場合、逮捕から48時間以内に、警察は被疑者を釈放する、もしくは、検察官に送致します。
前科前歴もなく、容疑を素直に認めている場合には、警察段階で釈放される可能性が高いでしょう。
ただ、前科前歴があったり、他にも余罪がある場合や犯行態様が悪質である場合には、検察官に送致され、勾留請求がされることもあります。
検察官の勾留請求を受けて、裁判官は被疑者を勾留するかどうかを判断します。
裁判官が勾留を決定すれば、被疑者は、検察官が勾留を請求した日から原則10日間身柄を拘束されることになります。
勾留となれば、その期間中は会社や学校に行くことができませんので、最悪の場合、懲戒解雇や退学といった多大な不利益を被ることになります。
ですので、早期に弁護士に相談・依頼し、身柄解放に向けた活動を行ってもらい、早期釈放を目指しましょう。

また、できる限り寛大な処分となるよう検察官に働きかけます。
先述のように、目撃者は厳密には被害者ではありませんが、被疑者の身勝手な行為で精神的な被害を被ったことに対して被害弁償を行い、示談を締結することも被疑者の反省を示す手段のひとつと言えますので、弁護士を介して、目撃者との示談交渉を行うことも重要です。
目撃者との示談が困難な場合には、贖罪寄附を行うことも検討されるでしょう。

公然わいせつ逮捕された場合には、刑事事件に強い弁護士に相談し、早期釈放や寛大な処分を目指しましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
ご家族が刑事事件・少年事件を起こし対応にお困りの方は、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

強制わいせつ幇助で逮捕

2021-07-16

強制わいせつ幇助逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
三重県北方警察署は、大学生のAくん(20歳)を強制わいせつ幇助の容疑で逮捕しました。
Aくんは、知人のBさんが女性にわいせつな行為をすると知りながら、女性に知人宅に来るように呼び出したと疑われています。
逮捕の連絡を受けたAくんの両親は、事件について詳しいことを教えられず、どのように対応すべきか分からず途方に暮れています。
(フィクションです。)

強制わいせつ幇助

まずは、強制わいせつ罪がどのような場合に成立する犯罪であるのかについて説明します。

■強制わいせつ罪■

刑法第176条 
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する。13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

強制わいせつ罪は、
①13歳以上の者に対し、暴行・脅迫を用いてわいせつな行為をした場合、
あるいは、
②13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした場合
に成立する犯罪です。

13歳以上の者に対するわいせつな行為は、「暴行・脅迫」を手段として行われていることが要件となります。
これら「暴行・脅迫」の程度については、相手方の反抗を抑圧する程度のものである必要はありませんが、反抗を著しく困難にする程度のものであることが必要とされます。
判例は、暴行自体がわいせつな行為である場合には、端的に性的自由を侵害するものであり、強制わいせつが成立するとしています。(大判大正7・8・20)

「わいせつな行為」とは、性的な意味を有し、本人の性的羞恥心の対象となるような行為のことを指します。
例えば、陰部、乳房、尻や太もも等に触れる行為、全裸の写真をとる行為、キスする行為などはその人の意思に反して行われる場合には、「わいせつな行為」に当たります。

更に、強制わいせつ罪が成立するには、罪を犯す意思(「故意」)がなければなりません。
強制わいせつ罪における故意は、「13歳未満の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をする」こと、あるいは、「13歳未満の者に対し、わいせつな行為をする」ことの認識・認容です。
強制わいせつ罪の故意に関して問題となるのが、相手方の年齢の錯誤です。
13歳未満の者を13歳以上であると誤信して、暴行・脅迫を用いずにわいせつな行為をした場合、故意はなく強制わいせつ罪は成立しません。
なお、判例はかつて、強制わいせつ罪の成立には、「犯人の性欲を刺激興奮させまたは満足させるという性的意図」が必要であり、もっぱら被害者に報復し、または侮辱し虐待する目的で被害者を裸にして写真撮影をしても、強制わいせつ罪は成立しないとしていました。(最判昭和45・1・29)
しかし、平成29年の最高裁判所の判決は、「わいせつな行為に当たるか否かの判断を行うためには、行為そのものが持つ性的性質の有無及び程度を十分に踏まえた上で、事案によっては、当該行為が行われた際の具体的状況等の諸般の事情をも総合考慮し、社会通念に照らし、その行為に性的な意味があるといえるか否かや、その性的な意味合いの強さを個別事案に応じた具体的事実関係に基づいて判断せざるを得ない。」とし、性的意図を強制わいせつ罪の構成要件としてとらえるべきではなく、社会通念上当該行為がわいせつな行為に当たるかどうかを具体的事情から判断するにあたっての一要素として位置づけられるようになりました。

次に、強制わいせつ幇助の罪について説明します。

■幇助■

幇助は、正犯に物的または精神的な援助・支援を与えることにより、その実行行為の遂行を容易にすることです。
幇助犯が成立するためには、①正犯を幇助すること、②それに基づいて正犯が実行行為を行うこと、そして、③幇助の意思、が必要です。
幇助の意思については、幇助者の認識として、正犯が行う特定の犯罪について、ある程度概括的に認識、認容し、かつ、その実行を自分の行為によって容易にさせることを認識していれば幇助犯は成立するとされます。

幇助犯の法定刑は、正犯の刑を減軽した刑となります。

強制わいせつ幇助で逮捕されたら

強制わいせつ幇助逮捕された場合、共犯事件であることから、罪証隠滅のおそれがあると認められ易く、逮捕後に勾留となる可能性は高いでしょう。
勾留されると、検察官が勾留を請求した日から原則10日、延長が認められれば最大で20日間身柄が拘束されることになります。
共犯事件では、勾留と同時に接見禁止が決定することがあります。
接見禁止となれば、弁護士以外との面会を行うことができなくなります。

事件の終局処分、つまり、起訴するかどうかの判断は検察官が行います。
起訴するとした場合には、強制わいせつ罪の法定刑は懲役刑のみですので、略式手続をとることはできず、公判請求されることになります。
公判請求されれば、被告人は公開の法廷で審理を受けることになります。
一方、検察官が起訴しないとする処分(不起訴処分)をする場合には、事件はそこで終了となります。
犯罪が成立しない場合や犯罪を立証するための証拠が十分でない場合だけでなく、犯罪を立証するだけの証拠がそろっている場合であっても様々な事情を考慮して起訴しないとすることもあります。
その事情には、被害者との間で示談が成立しているかどうか、ということが含まれています。
つまり、被害者との間で示談が成立しており、被害届や告訴が取り下げられている場合には、検察官は不起訴処分で事件を処理する可能性は高いです。
強制わいせつ罪は親告罪ではないため、示談が成立し告訴が取り下げられた場合であっても、検察官は起訴することは可能です。
しかしながら、被害者との示談が成立しているのにあえて起訴するということはあまりありません。
そのため、容疑を認める場合であれば、早期に被害者との示談交渉に着手し、示談を締結させることが、早期事件解決、早期釈放を実現させる上で最も重要だと言えるでしょう。

容疑を否認する場合には、自己に不利な供述がとられないよう、冷静に取調べに応じる必要があります。

強制わいせつは決して軽微な犯罪とは言えず、厳しい処分となる可能性もあります。
そのため、強制わいせつ幇助事件で逮捕された場合には、すぐに刑事事件に強い弁護士に相談し、取調べ対応についての的確なアドバイスをもらい、被害者との示談締結に向けて動いてもらいましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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少年事件と被害弁償、示談

2021-07-13

少年事件被害弁償示談といった被害者対応との関係について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
三重県鈴鹿市の書店内で、女子高生のスカート内を盗撮したとして、三重県鈴鹿警察署は、高校生のAくん(16歳)を逮捕しました。
Aくんは、鈴鹿警察署で取調べを受けた後、Aくんの両親が身元引受人となり、釈放されました。
Aくんの両親は、被害者への被害弁償を行い、何とか許してもらえないかと考えており、被害者対応について弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

少年事件の特徴

少年事件は、成人の刑事事件とは異なる点が幾つかあります。

1.全件送致主義

捜査機関は、少年の被疑事件について、捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑がある場合、および犯罪の嫌疑が認められない場合でも家庭裁判所に審判に付すべき事由がある場合は、すべての事件を家庭裁判所に送致しなければなりません。
これを「全件送致主義」といいます。
つまり、少年事件では、成人の刑事事件における起訴猶予や微罪処分のように捜査機関限りで事件を終了させることは認められていないのです。
成人の刑事事件では、犯罪の内容が軽微であったり、被害者との示談が成立している場合には、被疑者が容疑を認めている場合でも、検察官は起訴猶予という形で不起訴処分で事件を処理することがあります。
しかし、少年事件では、原則すべての事件が家庭裁判所に送致されることになっていますので、被害者との示談が成立したことをもって事件が終了することにはなりません。
ただ、少年の被疑事件について、捜査を遂げた結果、捜査機関が少年に犯罪の嫌疑がないとはんだんした場合には、嫌疑なしや嫌疑不十分として、事件を家庭裁判所に送致しないこともあります。

2.少年審判

少年法は、「少年の健全な育成に期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とする」と規定しており、少年が行った過去の犯罪や非行に対する応報として少年を処罰するのではなく、少年が将来再び犯罪や非行を行わないように、少年の改善教育を行うことを目的としています。
そのため、少年審判では、非行事実(成人の刑事事件でいうところの公訴事実に当たるもの)及び要保護性の2要素が審理されます。
要保護性というのは、多義的に用いられるものですが、一般的には次の3つの要素から成るものと理解されています。
①再非行の危険性
少年の性格や環境に照らして、将来再び非行に陥る危険性があること。
②矯正可能性
保護処分による矯正教育を施すことによって、再非行の危険性を排除できる可能性。
③保護相当性
保護処分による保護が最も有効かつ適切な処遇であること。
少年審判では、非行事実と併せて要保護性が審理された上で、少年に対する処分が言い渡されます。
成人の刑事事件では、犯罪の軽重が量刑にも大きく影響しますが、少年事件では、非行事実が比較的軽いものであっても、少年に反省が見えなかったり、事件を起こした原因が解消されていなかったりする場合には、要保護性が高いと判断され、少年院送致という収容処分が決定されることもあります。
また、成人の刑事事件と異なる点としては、審判は、家庭裁判所が審判手続を主導して、少年に関する調査を行い、その結果に基づいて審理を行い処分を言い渡す手続手法をとっていることや、原則として審判が非公開であるといったことが挙げられます。

少年事件における被害者対応

少年事件は、成人の刑事事件のように捜査段階で被害者への被害弁償示談が成立したことをもって起訴猶予で事件が処理されることはありません。
しかしながら、少年事件における被害者対応の如何は、最終的な処分にも影響を及ぼすという点では重要です。
少年審判では、非行事実の他に、要保護性という要素が審理の対象となります。
要保護性が高ければ、少年院送致といった厳しい処分が言い渡される可能性があります。
そのため、審判が行われる日までに少年の要保護性を解消しておく必要があります。
要保護性を解消する活動を「環境調整活動」といいます。
簡単に言うと、環境調整活動は、少年が再び非行をしないために少年の周囲の環境を整える活動です。
少年の周囲の環境と言いましても、家族や学校、職場、交際関係など少年と周りの関係の調整だけにとどまらず、少年本人への働きかけは環境調整活動に必要不可欠です。
少年本人への働きかけとは、事件について内省を深め、被害者がいる事件では、被害者に対する謝罪の気持ちと持てるようにすること、事件の背後にある様々な問題と向き合って、それをどのように対処すべきかについて一定の方向性を示すことなど、多岐に渡ります。
被害者への謝罪や被害弁償示談締結は、その結果自体が重要なのではなく、そのプロセスを通して、少年が被害者の気持ちと向き合い、真摯に謝罪の気持ちを持てるようになること、ひいてはそれが再非行の防止につながるため、少年事件であっても被害者対応は重要となります。

通常、被害者への被害弁償示談交渉は、弁護士を介して行います。
少年事件であっても、弁護士を介して示談交渉を行うのが一般的ですが、弁護士は、ただ示談を成立させることにこだわるのではなく、少年の行為により苦しんでいる被害者の気持ちを少年が理解し、被害者への謝罪の気持ちが持てるように、少年に働きかけます。
被害者への真摯な謝罪が、少年の更生にも不可欠であるため、調査や少年審判でも、被害者に対してどのような対応を行ったかという点が問われます。

以上のように、少年事件であっても、被害者対応は重要な意味を有しており、決して軽視することはできません。
少年事件で被害者対応にお困りであれば、少年事件に詳しい弁護士に相談されるのがよいでしょう。

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児童買春罪で逮捕されるか不安

2021-06-22

児童買春罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
会社員のAさんは、ある日、三重県鈴鹿警察署から、「Vさんをご存じでしょうか。Vさんとの関係の件でお話を聞きたいので、一度警察署に来てもらえませんか。」と連絡を受けました。
Aさんは、VさんとSNSを通じて知り合い、過去に一度、1万円を渡してホテルで性交をしていました。
Vさんが18歳未満であることを知っていたAさんは、自身の行為が児童買春に当たることも分かっていましたが、実際に警察沙汰になるとは思ってもなく、警察からの電話に驚きをかくせません。
このまま逮捕されてしまうのではないかと心配でたまらないAさんは、すぐに刑事事件専門弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

児童買春は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」(以下、「児童買春・児童ポルノ処罰法」といいます。)で規制されており、児童買春行為等を処罰するものとしています。

児童買春・児童ポルノ処罰法における「児童買春」とは、
児童、児童に対する性交等の周旋をした者または児童の保護者もしくは児童をその支配下に置いている者に対して、対償を供与し、またはその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等をすること
です。

「対償」は、児童が性交等をすることに対する反対給付としての経済的利益であって、その種類や金額の多寡は問いません。
児童に現金を渡して性交等をする場合だけでなく、児童に食事をご馳走したり、プレゼントを渡したり、児童やその親の雇用を約束して児童と性交等をした場合は、それが性交等をすることに対する反対給付といえ、対償に該当します。

「性交等」とは、性交もしくは性交類似行為をし、または自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等を触り、もしくは児童に自己の性器等を触らせることをいいます。

「児童」とは、18歳未満の者のことをいいます。
児童買春罪は故意犯ですので、児童買春に当たる行為をしたとしても、児童買春を行う意思がなければ犯罪は成立しません。
児童買春罪の故意の有無で問題となるのが、児童であることの認識です。
児童買春事件において、被疑者・被告人によく主張されるのが、「18歳未満だとは知らなかった。」というものです。
18歳以上だと誤解していたのであれば、児童買春の罪を犯す意思はないため、当該犯罪は成立しません。
しかしながら、故意には、確信的な故意だけではなく、「18歳未満かもしれない。」という未必的な故意も含まれますので、相手から18歳未満であることを聞いていなくても、外見、会話やメールのやり取りから18歳未満である可能性が生じていれば、故意が認められます。
ただ、単に「18歳未満とは知らなかった。」という主張だけでは、故意が認められないのは難しいでしょう。
相手児童が「18歳未満だと伝えた。」と話していたり、外見が明らかに幼かったり、児童とのSNSなどのやりとりから18歳未満だと分かる内容が見つかったり、相手が18歳未満と知りえた状況がそろっている場合には、故意が認められる可能性があるからです。

児童買春が捜査機関に発覚するきっかけは、警察のサイバーパトロールでネット上で児童買春を持ち掛けるような書き込みが見つかったり、児童が別件で補導された際に児童買春が発覚したり、児童の保護者に児童買春がバレて保護者が警察に相談することで捜査が開始されるケースなどがあります。
警察に発覚した全ての事件で、被疑者が逮捕されるわけではありません。
逮捕は被疑者の身体の自由を侵す強制処分ですので、法律に定めている要件を満たす場合にのみ行われます。
児童買春事件で警察から呼び出しを受けている場合、任意の取調べに素直に応じていれば、逮捕されず在宅のまま捜査が進められることもあります。
逮捕されるか不安な方は、弁護士に相談し、逮捕を回避する活動をお願いしたり、逮捕されないよう出頭に応じて素直に取調べを受けれるように事前に弁護士に相談し、取調べ対応についてのアドバイスを受けられてはいかがでしょうか。

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