Archive for the ‘性犯罪’ Category

【解決事例】児童ポルノ製造罪で罰金刑に 略式起訴について

2022-04-24

【解決事例】児童ポルノ製造罪で罰金刑に 略式起訴について

児童ポルノ製造罪で罰金刑になった事件の解決事例を参考に、略式起訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。


事件の流れ

事件の概要(児童ポルノ製造)

契約社員のAさんは、スマートホンのゲームアプリで知り合った当時16歳の少女とSNSを通じて仲良くなり、メールをやり取りする中で、少女に裸の写真を撮影させて、その写真をメールで自分に送信させました。

事件の発覚と警察の捜査

この出来事からしばらくして少女との連絡は途絶えてしまいましたが、1年以上して、急に三重県津南警察署の捜査員がAさんの自宅を訪ねてきました。
自宅の捜索を受けてスマートホンや、パソコン等の通信機器が押収されたAさんは、その後、警察署に任意同行されて取調べを受けました。
少女のスマートホンに裸の写真が保存されていることに気付いた親が警察に相談して事件が発覚したようで、Aさんは事実を認めていました。

略式起訴による罰金刑

Aさんの弁護人は、警察に対して少女の親と示談交渉すべく連絡先の開示を求めましたが、少女の親がこれを拒んだことから、謝罪等を行うことができませんでした。
その間に検察庁に呼び出されたAさんが、略式起訴による手続きに同意したことから、Aさんは略式起訴されて罰金刑となりました。

(実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)


略式起訴による罰金刑

警察が捜査する犯罪(法律)のほとんどに法定刑(罰則規定)が定められています。
起訴されて有罪が確定すればこの法定刑内の刑事罰が科せられることになりますが、比較的軽微な事件で、100万円以下の罰金若しくは科料相当の事件については、正式な裁判が開かれることなく、簡易裁判所からの略式命令によって、指定された金額の罰金(科料)を納付すれば手続きが終了します。
この手続きについて検察庁のHPでは「検察官の請求により、簡易裁判所の管轄に属する(事案が明白で簡易な事件)100万円以下の罰金又は科料に相当する事件について、被疑者に異議のない場合、正式裁判によらないで,検察官の提出した書面により審査する裁判手続です。簡易裁判所において、略式命令が発せられた後、略式命令を受けた者(被告人)は、罰金又は科料を納付して手続を終わらせるか、不服がある場合には,正式裁判を申し立てる(略式命令を受け取ってから14日間以内)ことができます。」と説明しています。(検察庁のホームページから引用)

このコラムをご覧の方で、児童ポルノ製造罪でお困りの方は、「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」にご相談ください。

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【解決事例】元彼女から「傷害罪」と「児童ポルノ製造罪」で訴えられた

2022-04-21

【解決事例】元彼女から「傷害罪」と「児童ポルノ製造罪」で訴えられた

別れ話のもつれで、元彼女から「傷害」と「児童ポルノ製造」で訴えられた事件の解決事例を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。


事件の概要

大学生のAさんは、大学1年生(18歳)の彼女と2年間近く交際していましたが、彼女の浮気が発覚し別れることとなりました。
そして彼女と別れ話をしている際にAさんは、彼女の頬をビンタしていました。
別れた後に、元彼女が医師の診断書と共に三重県鈴鹿警察署に被害届を提出したことから、Aさんは、警察署に呼び出されて取調べを受けることになりました。
また取り調べの際に、警察にスマートホンを押収されたAさんは、このスマートホンに保存していた、彼女と交際していた時に撮影していた元彼女の裸の画像が警察に見つかってしまい、児童ポルノ製造の疑いでも取調べを受うることになりました。
(実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)

「傷害罪」について

どんな理由があっても、手を出してしまえば「暴行罪」が成立してしまい、その暴行によって相手が怪我をすれば「傷害罪」となります。
刑法第204条に規定されている通り、傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」と厳しいものですが、実際にどういった刑事罰が科せられるのかは、暴行に至る動機や、暴行の程度、そして相手の傷害の程度が考慮されて判断されるので、被害者側に落ち度がある場合は、処分が軽減されることもあります。

実際に今回の事件でAさんは、元彼女の浮気に腹を立て、元彼女の頬をビンタするという暴行をはたらき、元彼女を怪我させていますが、不起訴となっています。

「児童ポルノ製造罪」について

児童買春・児童ポルノ処罰法では、児童ポルノの製造を禁止しています。
児童ポルノとは、児童(18歳未満)のわいせつな画像や動画のことで、単なる裸の写真も、児童ポルノと認定される可能性が高いです。
今回の事件でAさんは、撮影当時まだ17歳だった元彼女の裸を、スマートホンで撮影し、その画像を保存していました。
Aさん曰く、元彼女の同意を得て撮影していたようですが、児童の同意の有無に関わらず、こういった行為は児童ポルノ製造罪となります。
児童ポルノ製造罪の法定刑は「3年以下の懲役又は300万円以下の罰金」です。
起訴されて有罪が確定すればこの法定刑内の刑事罰が科せられることになりますが、製造するまで経緯や、児童との関係、児童ポルノの製造目的、製造した児童ポルノの数など様々な事情が考慮されて処分が決定します。
今回の事件でAさんは、元彼女の同意を得た上で、遊び半分で撮影し性的な意図がなかった上に、撮影した数も少なく、すでに消去していたことから、児童ポルノ製造罪についても、不起訴になっています。

このコラムをご覧の方で、「傷害罪」や「児童ポルノ製造罪」で警察に訴えられた方、「傷害罪」や「児童ポルノ製造罪」にお困りの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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【解決事例】強制性交を疑われて取調べを受けている方をサポート 

2022-04-15

【解決事例】強制性交を疑われて取調べを受けている方をサポート 

強制性交を疑われて取調べを受けている方をサポートして不起訴を獲得した解決事例を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。


事件の概要

Aさんは、出会い系アプリで知り合った20代の女性と会い、同意のもとで、三重県名張市のホテルで性交渉しました。
Aさんは、性交渉後に女性から金銭を要求されたのですが、それを断ったところ、女性は「Aさんに無理矢理性交渉された。」と、三重県名張警察署に強制性交等罪で被害届を提出しました。
Aさんは、三重県名張警察署から呼び出しを受け、不拘束で警察の取調べを受けて、厳しく追及されていましたが、弁護士が徹底したサポートを行いました。
その結果、否認事件として検察庁に送致されたものの不起訴を獲得することができました。

(実際に起こった事件を基に、一部変更を加えています。)

強制性交等罪

強制性交等罪は、刑法第177条に規定されている犯罪で、かつての強姦罪です。
強制性交等罪は、被害者が13歳以上の場合と、13歳未満の場合で内容が異なります。
13歳以上の場合は、暴行または脅迫を用いて性交(肛門性交、口腔性交を含む)した場合に成立し、13歳未満の場合は、暴行や脅迫の有無に関わらず、性交した時点で成立します。

今回、Aさんを訴えた女性は20代ですので、強制性交等罪が成立するには、性交の手段として、Aさんが女性に対して暴行や脅迫をはたらいていなければなりませんが、Aさんは、女性と出会ってから一緒にホテルに移動し、そこで性交するまで、女性と争いは一切なかったとのことです。
ただ性交後に急に女性から現金を要求されて、それを断ると女性が怒って一人でホテルを飛び出したようです。
しかし警察は、二人きりになったホテルの中でAさんが女性を脅迫したと疑っているようでした。

取調べをサポート

Aさんは、警察署の取調べで何度も同じことを聞かれて精神的に滅入っていました。
そういう状態に陥ってしまうと、やってもいないことを自白する方もおり、非常に危険な状態であることから、弁護士は取調べの前後にAさんと細目に連絡を取り、取調べに対するアドバイスだけでなく、Aさんを精神面からサポートしました。
しばらく取調べは続きましたが、最終的に警察署ではAさんの否認の供述調書しか作成されずに済み、事件は検察庁に書類送検されました。
そして担当の検察官は、Aさんを一度取り調べた後に不起訴を決定したのです。

このコラムをご覧の方で、三重県の警察署に無実の罪で取調べを受けている方がいらっしゃいましたら、一刻も早く「弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所」の無料法律相談をご利用ください。
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三重県名張市の性犯罪 準強制性交等罪で逮捕されたら…

2022-03-08

三重県名張市の性犯罪 準強制性交等罪で逮捕されたら…

【三重県名張市の性犯罪】準強制性交等罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。


三重県名張市の準強制性交等事件

三重県名張市に住む会社員のAさんは、に準強制性交等の疑いで、三重県名張警察署に逮捕されました。
Aさんは、出会い系サイトで知り合った女性と食事をした後、ホテルで性交したのですが、女性は当時とても酔っており、性交に同意してはいなかったと言っているそうです。
Aさんとしては、女性が酔っていたのは分かっていたが、性交をする際にも、明確に抵抗されなかったので、同意があったものと思っていました。
逮捕の連絡を受けたAさんの家族は、すぐに接見に行ってくれる刑事事件専門弁護士に連絡しました。
(フィクションです)

準強制性交等罪とは

準強制性交等罪は、平成29年の改正刑法により「準強姦罪」から改正された罪です。
準強制性交等罪は、暴行・脅迫の手段を用いずに、被害者の抵抗困難な状態を利用して、性交等を行う場合を処罰することとしています。

第百七十八条 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。
2 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性交等をした者は、前条の例による。

刑法178条1項は、準強制わいせつ罪について規定しており、同上2項が準強制性交等罪について規定しています。

準強制性交等罪は、
(1)人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、
(2)性交等をする
罪です。

(1)人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて

①心神喪失

「心神喪失」とは、精神的または生理的な障害により正常な判断能力を欠く場合をいいます。
例えば、睡眠、酩酊、高度の精神病または精神遅滞により被害者が行為の意味を理解できない場合が「心神喪失」に当たります。
ここでいう「心神喪失」は、責任能力における心身喪失とは異なり、重度の精神薄弱者は、責任能力としての心身喪失状態にあったとしても、性交等の意味を理解している場合には、準強制性交等罪における「心神喪失」には当たらないことになります。

②抗拒不能

「抗拒不能」とは、心神喪失以外の理由により心理的または物理的に抵抗が不可能または著しく困難な状態にあることをいいます。
「抗拒不能」に当たる場合としては、行為自体は認識していたが、医療行為だと誤信していた場合や畏怖状態に陥っている場合などが挙げられます。

心神喪失・抗拒不能の程度については、完全に不可能であることまでは求められず、犯行が著しく困難であればよいとされています。

心身喪失・抗拒不能に「乗じ」とは、既に被害者が心身喪失・抗拒不能の状態にあることを利用することを指します。
例えば、泥酔している被害者に対して、性交等を行う場合です。

また、心神喪失・抗拒不能に「させ」とは、犯人が暴行・脅迫以外の手段で抗拒不能の状態を作り出す場合や、暴行・脅迫時には性交等の故意がなかった場合をいいます。
典型例としては、被害者に睡眠薬を飲ませて、眠り込んだ被害者と性交等を行う場合があります。

加えて、準強制性交等罪の成立には、被害者が心身喪失・抗拒不能の状態にあることの認識が必要となります。
被害者が情婦であると誤信したため抗拒不能状態にあることの認識がなかった場合は、準強制性交等罪は成立しません。
また、被害者の同意があるものと誤信していた場合も、故意がないことから、準強制性交等罪は成立しないこととなります。

準強制性交等罪で逮捕されたら

準強制性交等罪で逮捕された場合、逮捕後勾留される可能性は高いと言えます。
事件の重大性や、被害者との接触可能性、逃亡のおそれなど、様々な要素が考慮され、例え、被疑者が身体拘束されることにより被り得る損害を考慮したとしても、なお、勾留することの必要性が認められる場合が多いからです。
しかし、勾留請求を行う検察官や勾留の判断を行う裁判官は、その判断を行う時点では被害者に有利な事情を知らないということもあります。
そのため、逮捕されたら、できるだけ早い段階で刑事事件に強い弁護士に相談・依頼されるのがよいでしょう。
弁護士は、迅速に被害者に有利な事情を収集し、勾留が決定する前に、被疑者を勾留する必要がないことを客観的な証拠に基づき、検察官や裁判官に説得的に主張することを通じて、早期に釈放となるよう働きかけます。

また、容疑を認める場合には、すぐに被害者との示談交渉に着手するよう努めます。
被害者がいる事件では、被害者との示談が成立しているか否かといった点は、検察官が起訴・不起訴の判断をする際や、裁判官が言い渡す刑罰を決める際にも考慮されますので、非常に重要です。
示談に応じてもらえるかどうかは、被害者の意思に寄るところですが、交渉窓口となる弁護士の交渉手腕にも問われると言えるでしょう。

三重県名張市の刑事事件に強い弁護士

ご家族が準強制性交等罪で逮捕されてお困りであれば、今すぐ刑事事件・少年事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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三重県名張市のわいせつ事件 監護者わいせつ事件で逮捕されるか不安

2022-01-23

【三重県名張市のわいせつ事件】監護者わいせつ事件で逮捕されるか不安な方に、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所がアドバイスします。

三重県名張市のわいせつ事件

三重県名張市に住む会社員のAさんは、三重県名張警察署から監護者わいせつ事件の被疑者として呼び出しを受けています。
Aさんは、妻の13歳の連れ子に対して、胸を触るなどのわいせつな行為をしたと疑われています。
事の発端は、連れ子が学校の先生に相談したことで事件が発覚し、その日以降、連れ子は児童相談所に一時保護されています。
Aさんは、警察署に出頭すれば逮捕されるのではないかと不安で、刑事事件に強いと評判の弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)

監護者わいせつ事件

監護者わいせつ罪は、平成29年の刑法改正により新設された罪です。

第179条 
1 18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条の例による。


まずは監護者わいせつ罪について解説します。

■犯行の主体■

監護者わいせつ罪の主体は、「18歳未満の者を現に監護する者」です。
「18歳未満の者を現に監護する者」とは、18歳未満の者を現実に監督し保護している者のことです。
これには、親権者が典型的な例となりますが、親権者であっても、実際に監護している実態がなければ「現に監護する者」には該当しません。
他方、親権者でない者でも、事実上、現実に18歳未満の者を監督し保護する者であれば、監護者に当たります。
監護者に当たるかどうかは、監護者わいせつ罪が、依存・被依存あるいは保護・被保護によって生じる監護者であることによる影響力があること利用してわいせつ行為をすることに処罰の根拠があることから、依存・被依存あるいは保護・被保護の関係があるかどうか、そして、その関係は、具体的な影響力を及ぼせる程度であるかどうかといった点から判断されます。
衣食住などの経済的な観点、生活上の指導監督などの精神的な観点から被疑者と被害者との関係性を分析し、その関係が継続的に続いているかどうかが検討されます。

■犯行の客体■

監護者わいせつ罪の客体は、現に監護されている18歳未満の者です。

■行為■

監護者わいせつ罪の行為は、①現に監護する者であることによる影響力に乗じて、②わいせつな行為をすることです。

①現に監護する者であることによる影響力に乗じて
「現に監護する者であることによる影響力」とは、監護者が被監護者の生活全般にわたって、衣食住などの経済的な観点や、生活上の指導監督などの精神的な観点から、現に被監護者を監督し、保護することにより生ずる影響力のことをいいます。
その影響力に「乗じて」とは、現に監護するものであることによる影響力が一般的に存在し、かつ、行為時においてもその影響力を及ぼしている状態で、わいせつな行為を行うことをいいます。
つまり、わいせつ行為を行う場面で、影響力を利用するために具体的な行為を行うことまで必要ではないけれども、監護者の影響力と無関係に行った場合には、影響力に乗じたとは言えません。

②わいせつな行為
ここでいう「わいせつな行為」は、強制わいせつ罪における「わいせつ行為」と同じで、「いたずらに性欲を興奮又は刺激させ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道徳観念に反するような行為」をいいます。

■故意■

監護者わいせつ罪は、故意犯ですので、罪を犯す意思がなければ罪は成立しません。
監護者わいせつ罪の故意は、自己が18歳未満の者を現に監護する者であること、現に監護するものであることによる影響力があることに乗じること、わいせつな行為を行うことの認識・認容です。
18歳未満の者を現に監護する者であることの認識・認容については、現に監護する者に該当することの認識まで必要ではなく、これを基礎づける事実の認識・認容で足ります。

■罰則■

監護者わいせつ罪の法定刑は、強制わいせつ罪のそれと同じであり、6月以上10年以下の懲役です。

監護者わいせつ事件で逮捕されたら

監護者わいせつ事件では、被疑者と被害者との関係性から、被疑者の身柄を拘束をせずに捜査を進めると、被疑者が被害者、あるいは、被害者の母親と接触し、供述を変えるように迫るなど罪証隠滅のおそれがあると判断される傾向にあることから、被疑者の身柄を確保した上で、捜査が進められる可能性は高いでしょう。
つまり、逮捕される可能性も高く、その後に勾留が付くことが予想されます。
ただ、捜査段階での釈放が困難であっても、起訴後に保釈制度を利用して釈放される可能性はあるでしょう。
保釈が認められるかどうかの判断において、重要な要素のひとつに、罪証隠滅のおそれの有無があります。
逮捕・勾留の場面でも重要な要素となった罪証隠滅のおそれですが、やはり、起訴後、つまり、検察官が被疑者を有罪にするだけの十分な証拠を揃えた後であっても、被害者との接触を図り、被害者の供述を変えるよう迫るおそれは残ります。
そのため、被害者との接触の可能性がないことを立証し、裁判官に罪証隠滅のおそれがないと認めらもらうよう、起訴される前から準備しておく必要があります。

監護者わいせつ事件では、犯罪を立証するだけの十分な証拠があると検察官がと考える場合には、起訴される可能性が高いでしょう。
監護者わいせつ罪の法定刑は懲役刑のみですので、起訴=公判請求となり、公開の法廷で審理されることとなります。
ただ、有罪にするだけの証拠が揃っている場合であっても、被害者が、その精神的な影響を恐れ、裁判で証言することを拒否するケースも少なくなく、起訴しないとすることもあります。

監護者わいせつ事件で逮捕された場合、身体拘束が長引く可能性、公判請求される可能性が高いでしょう。
そのため、取調べ対応や保釈に向けた準備、公判に向けた準備を捜査段階から進めておく必要があります。

警察に逮捕されてからの流れについては
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三重県名張市の刑事事件に強い弁護士

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強制わいせつ事件の示談交渉

2021-10-12

強制わいせつ事件の示談交渉

強制わいせつ事件示談交渉について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【刑事事件例】

Aさんは、午後8時頃、三重県津市の路上において、スマホを操作しながら歩いていた20代の女子学生(Vさん)に後ろから抱き付き、上半身を触りました。
Vさんがバランスを崩して路上に倒れ悲鳴を上げたため、Aさんは走って逃走しました。
その後、Vさんが近くの交番に駆け込んだため、強制わいせつ事件が発覚しました。
三重県津警察署の警察官は、Aさんを強制わいせつ罪の容疑で逮捕しました。
強制わいせつ罪の容疑での逮捕の連絡を受けたAさんの両親は、三重県刑事事件にも対応している法律事務所への法律相談を検討しています。
(2020年10月3日に北海道ニュースUHBに掲載された記事を参考に作成したフィクションです。)

【強制わいせつ罪とは】

刑法176条は「13歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、6月以上10年以下の懲役に処する」とし、強制わいせつ罪を規定しています。

強制わいせつ罪における「わいせつな行為」は、性欲を刺激し、興奮又は満足させ、かつ普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為をいうと考えれています。
そして、刑事事件例においてAさんが行ったVさんの背後から抱き付き、上半身を触る行為は、争いなく、強制わいせつ罪における「わいせつな行為」に該当すると考えられます。

また、強制わいせつ罪の成立には、「暴行又は脅迫」を手段として、上記わいせつな行為を行うことが必要です。
この強制わいせつ罪における「暴行」とは、身体に対する不法な有形力の行使をいいます。
強制わいせつ罪における「暴行」には、殴る・蹴る等の行為が含まれるのは当然ですが、不意に股間に手を差し入れる行為のように、暴行自体がわいせつな行為に該当する場合であってもよいと考えられています。

刑事事件例において、上述の通り、AさんはVさんの背後から抱き付き、上半身を触っています。
このAさんの行為は、上述の通り強制わいせつ罪における「わいせつな行為」にも該当しますが、強制わいせつ罪における「暴行」にも該当すると考えられます。

以上より、Aさんには強制わいせつ罪が成立すると考えられます。

【強制わいせつ罪と示談】

強制わいせつ事件のように被害者の方がおり、被害者の方の処罰感情が加害者(Aさん)に対する処分にあたり重要視される刑事事件の場合、被害者の方と示談をすることが重要となります。
被害者の方との示談交渉の結果次第では、仮にAさんが強制わいせつ罪で刑事裁判に起訴されてしまったとしても、執行猶予付き判決を獲得することができる可能性があります。
示談締結によって不起訴処分となることもありますから、示談の有無、示談交渉の有無は事件の処分に大きく影響するといえます。

また、被害者の方との示談交渉が円滑に行われ、Aさんが強制わいせつ罪で刑事裁判に起訴されてしまう前の身体拘束期間中に示談締結をすることができた場合、示談の存在を考慮し、早期にAさんに対する身体拘束が解かれる可能性もあります。
先ほど触れたような事件の結果自体だけでなく、逮捕・勾留からの釈放という面でも、示談交渉は重要な活動の1つなのです。

このような大きなメリットが得られる示談交渉を円滑に進めるためには、刑事事件に強い刑事弁護士を選ぶことが重要であるといえるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。
強制わいせつ罪を犯した方の刑事弁護活動、示談交渉を行った経験のある刑事弁護士も多数在籍しております。
三重県津市強制わいせつ事件示談を目指す場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

暴行・脅迫なしでも強制性交等罪に

2021-09-28

暴行・脅迫なしでも強制性交等罪に

暴行・脅迫なしでも強制性交等罪に問われたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~

三重県四日市市に住んでいるAさんは、市内にある商業施設Xにある個室トイレを利用していた小学4年生のVさんに対し、自分の性器を口にくわえさせるなどのわいせつな行為をしました。
その際、AさんはVさんに暴行をはたらいたり脅しつけたりしたわけではなく、個室に入ってきたAさんに驚いたVさんの隙を見てわいせつな行為をしていました。
Vさんは、トイレから出ると一緒に買い物に来ていた両親にAさんにされたことを相談し、Vさんの両親はすぐに三重県四日市南警察署に通報しました。
三重県四日市南警察署の捜査の結果、Aさんは強制性交等罪の容疑で逮捕されてしまいました。
Aさんの両親は、Aさんが逮捕されたことを知り、三重県逮捕にも対応している弁護士に相談することにしました。
(※この事例はフィクションです。)

・強制性交等罪とその対象

今回のAさんは、強制性交等罪という犯罪の容疑をかけられています。
強制性交等罪はもともと「強姦罪」として刑法に定められていたものが、平成29年(2017年)の改正によって新設された犯罪です。

刑法第177条(強制性交等罪)
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

条文を見ると、強制性交等罪は「性交」・「肛門性交」・「口腔性交」を対象の行為としています。
旧強姦罪では、性器へ性器を挿入する「性交」だけを処罰の対象行為としていましたが、強制性交等罪では、それに加えて肛門への性器の挿入を伴う「肛門性交」と、口腔内への性器の挿入を伴う「口腔性交」を追加しています。
強制性交等罪では、これらをまとめて「性交等」とし、処罰の対象行為としているのです。
ですから、いわゆる「本番」に至らなかったとしても、強制性交等罪が成立する可能性があるということになるのです。

もちろん、これらの「性交等」がただ行われたというだけでは強制性交等罪にはなりません。
強制性交等罪の成立する要件は、この「性交等」が①「13歳以上の者に対し。暴行又は脅迫を用いて」行なわれるか、②「13歳以下の者に対し」行なわれた場合です。

①被害者が13歳以上の場合
強制性交等罪では、被害者の年齢が13歳以上なのか13歳未満なのかによって成立する条件が異なります。
条文によると、被害者が13歳以上の者であった場合、「性交等」が行なわれた際に「暴行又は脅迫」が用いられることで強制性交等罪が成立します。
この「暴行又は脅迫」は、被害者の抵抗を押さえつける程度の強さが必要であるとされています。
強制性交等罪は、被害者の意思を暴行や脅迫によって押さえつけて無理やり性交等をすることが犯罪とされているためです。
例えば、凶器を突きつけて脅して性交等をする、被害者の手足を拘束して性交等をするなどのケースが考えられるでしょう。

②被害者が13歳未満の場合
被害者の年齢が13歳未満の場合、強制性交等罪では「性交等」をしただけで犯罪が成立することになります。
①のケースとは異なり、暴行や脅迫をしていなくとも、ただ「性交等」をしただけで強制性交等罪となるため、たとえ被害者の同意を得て行なった「性交等」であったとしても強制性交等罪となります。

なお、①のケースでも②のケースでも、条文では「13歳以上の『者』」、「13歳未満の『者』」と書かれていることから、被害者の性別については限定がないことが分かります。
この点も、旧強姦罪との異なる部分でしょう(旧強姦罪では、被害者の性別が女性のみに限定されていました。)。

今回の事例を考えてみましょう。
事件の被害者Vさんは小学4年生ですから、「13歳未満の者」です。
つまり、先程の②のケースにあたり、Vさんに「性交等」をしただけで強制性交等罪が成立することになります。
今回のAさんはVさんの口に自分の性器を挿入していることから、「口腔性交」をしています。
②で確認した通り、13歳未満のVさんに「口腔性交」=「性交等」をした時点で、暴行や脅迫がなくとも強制性交等罪が成立するということになるのです。

強制性交等罪は、法定刑も重い重大犯罪です。
示談交渉や釈放を求める活動を並行して行なわなければならないことも多く、当事者だけでは対応できないこともあるでしょう。
だからこそ、まずは弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、強制性交等事件を含む刑事事件についてもご相談・ご依頼を受け付けています。
まずはお気軽にご相談ください。

少年の強制わいせつで保護観察

2021-09-10

少年強制わいせつ保護観察を目指す場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
三重県松阪市で帰宅途中の中学生の背後から抱きつき、胸を触るなどのわいせつな行為をしたとして、三重県松阪警察署は、Aくん(16歳)を強制わいせつの容疑で逮捕しました。
Aくんの両親は、事件について詳しいことまで聞かされておらず不安です。
急いで少年事件に詳しい弁護士をネットで検索し、すぐに対応してくれるよう頼みました。
(フィクションです。)

保護観察処分とは

原則、すべての少年事件は家庭裁判所に送致され、審判で審理されて処分が決定されます。
家庭裁判所が行う決定には、終局決定と中間決定とがあります。
終局決定には、「審判不開始」、「不処分」、「保護処分」、「検察官送致」、「都道府県知事または児童相談所長送致」の5種類あります。
更に、「保護処分」には、「保護観察」、「児童自立支援施設または児童養護施設送致」、「少年院送致」の3種類があります。

保護処分のひとつである「保護観察」は、少年を施設に収容せず、社会生活をさせながら、保護観察所の行う指導監督および補導援護によって、少年の改善更生を図るものです。
保護処分である「少年院送致」や「児童自立支援施設または児童養護施設送致」とは、施設収容せず社会内処遇である点で異なります。

指導監督は、面接などによる行状把握、一般遵守事項および特別遵守事項を遵守させるための必要な指示を行うことを内容とするものです。
補導援護は、住居の確保、就業等を援助することを内容とするものです。
具体的に言うと、保護観察の開始時に、少年が保護観察官と面接をし、保護観察の実施計画が作成され、その後、少年が担当保護司のもとを週1回~月1回ほど訪問するという形で行われます。
担当の保護司は、定期的な面談を行い、少年の行状を把握し、遵守事項を遵守するよう指導助言を行います。

保護観察の期間は、一般保護観察の場合、原則として少年が20歳になるまでとされています。
ただし、少年が20歳になるまでの期間が2年未満の場合は、2年間となります。
20歳に達するまでという原則ではありますが、期間途中で保護観察の必要性が認められなくなった場合には、保護観察が解除されることがあります。

保護観察処分を目指す

上記事例では、Aくんは強制わいせつ罪という罪に問われています。
強制わいせつ罪は、法定刑が6月以上の懲役であり、罰金刑はありません。
犯行態様や事件数によっては、初犯であっても、いきなり実刑となる可能性もあります。
少年の場合であっても、事案如何によっては少年院送致となる可能性も否定できません。

少年事件では、「非行事実」と「要保護性」が審判で審理されます。
「非行事実」とは、成人の刑事事件でいう公訴事実の当たるものです。
そして、「要保護性」は、多義的に用いられますが、一般的には、次の3つの要素から構成されるものと言われています。
①再非行性
当該少年の現在の性格や環境に照らして、将来再び非行をする危険性があること。
②矯正可能性
少年法上の保護処分による矯正教育によって再非行性を除去できること。
③保護相当性
少年法上の保護処分が更生のために有効かつ適切であること。

「非行事実」について特に争いがない場合には、「要保護性」の有無が重要な審理ポイントとなります。
要保護性が解消され、社会内処遇によって少年の改善更生が期待できると認められれば、保護観察が決定されることになります。
そのため、審判において、裁判官に要保護性が解消されたと認められるために、早い段階から要保護性解放に向けた活動(環境調整活動)を行う必要があります。
環境調整活動は、弁護人・付添人である弁護士に期待されるものであり、弁護士は少年、家族、学校や職場の関係者、裁判所と協力し、少年を取り巻く環境を調整し、要保護性を減少・解消させるべく尽力します。

もちろん、目先の処分結果のためだけに環境調整活動を行うことには何ら意味はありません。
処分結果そのものではなく、少年がきちんと更生し、将来再び非行を犯すことのないような環境を整えることが大事なのです。

強制わいせつ事件の場合、弁護士は、被害者への被害弁償や示談交渉を通じて、自身が行った身勝手な行為によって被害者がどれほどに深い傷を負ったかを認識し、そのような行為を二度と行わないためにはどうすればよいのか、少年や関係者らと一緒になって考え、模索していきます。

このような活動は、少年事件に詳しい弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件でお困りであれば、今すぐ弊所の弁護士にご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

 

自宅のトイレで盗撮

2021-08-24

自宅トイレ盗撮した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
三重県いなべ警察署は、自宅トイレや脱衣所に小型カメラを設置し、複数回にわたり自宅に遊びに来ていた知人女性の動画を撮影したとして、三重県いなべ市に住むAさんを逮捕しました。
Aさん宅にいた際に、執拗にAさんがトイレやシャワーを勧めてくることを不審に思った女性がカメラに気付き、いなべ警察署に相談したことで事件が発覚しました。
Aさんは容疑を認めています。
(フィクションです。)

自宅のトイレで盗撮したら

盗撮行為が各都道府県が定める、いわゆる、「迷惑防止条例」によって規制されていることはみなさんご存じのところですね。
多くの条例は、これまで公共の場所や公共の乗物における盗撮行為を禁止してきており、場所的に制限されたものとなっていました。
しかし、スマートフォンや小型カメラの普及により、特定の人らが利用する学校やオフィスなどといった非公共の場所における盗撮事件が後を絶たないことを受け、多くの都道府県はそのような場所での盗撮行為も処罰の対象となるよう条例を改正しました。
三重県の迷惑防止条例も例外ではなく、公共の場所・公共の乗物における盗撮を対象としていた規定を、公共の場所・公共の乗物のほか、特定の者だけが利用する学校、オフィス等での盗撮についても規制・処罰の対象となるよう改正しました。
改正条例は、令和3年1月1日に施行されました。

改正前の条文を見てみましょう。

第2条
(略)
2 何人も、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、正当な理由がないのに、人を著しくしゅう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
(1)人の身体に、直接又は衣服その他の身に着ける(以下この条文において「衣服等」という。)の上から触れること。
(2)衣服等で覆われている人の身体又は下着をのぞき見し、又は撮影すること。
(3)前2号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。

改正前の迷惑防止条例は、「公共の場所又は公共の乗物において」という文言を置き、規制・処罰の対象となる盗撮の場所を制限していました。
また、盗撮についても、盗撮行為のみを対象としていました。

次に、改正後の条文を見てみましょう。

第2条
(略)
2 何人も、正当な理由がないのに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
(1)人の身体に、直接又は衣服その他の身に着ける物の上から触れること。
(2) 通常衣服で隠されている人の身体又は下着をのぞき見し、又は撮影し、若しくはその目的で撮影機器を人に向け、若しくは設置すること。
(3)前2号に掲げるもののほか、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること。

2項のから「公共の場所又は公共の乗物において」という文言がなくなり、規制・処罰の対象となる盗撮の場所的公共性の制限がなくなりました。(3号の卑わいな言動についてのみ「公共の場所又は公共の乗物において」という場所的制限がかかっています。)
また、盗撮のみならず、盗撮目的でのカメラの差し向けや設置行為についても規制・処罰の対象となりました。

また、罰則についても、改正前は、6月以下の懲役または50万円以下の罰金となっていましたが、改正後は、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に引き上げられました。

改正前は、自宅での盗撮は、「公共の場所又は公共の乗物において」行われたものではないため、迷惑防止条例違反とはならず、軽犯罪法違反で処理されていましたが、改正後は、自宅トイレという特定の者が利用する場所であっても盗撮目的でのカメラの設置行為は迷惑防止条例違反となる可能性があります。

盗撮事件の弁護活動

盗撮事件での弁護活動は、大きく分けて、身柄解放と示談交渉の2つがあげられます。

①身柄解放活動

盗撮事件は、盗撮をしているときに犯行が発覚し、その場で逮捕されるケースが多いのですが、被害者からの被害申告などで後に犯行が発覚して逮捕されるケースもあります。
逮捕後の流れとしては、逮捕から48時間以内に、警察は被疑者を釈放するか、それとも検察官に証拠物や関係書類と共に送致するかを決めます。
検察官に送致されると、被疑者は検察官による取り調べを受け、検察官は被疑者を勾留すべきかどうか検討します。
勾留すべきだと考えれば、検察官は裁判官に対して勾留の請求を行います。
勾留の請求を受けた裁判官は、被疑者と面談した上で、勾留するかどうかを判断します。
裁判官が勾留を決定した場合には、検察官が勾留を請求した日から原則10日、被疑者の身柄が拘束されることになります。
勾留となれば、勾留中は会社や学校に行くことができませんので、事件が会社や学校に発覚し、解雇や退学となる可能性も生じてきます。
ですので、なるべく早く釈放となるよう、具体的には、検察官に対しては勾留請求しないよう、裁判官に対しては勾留を決定しないよう働きかける必要があります。
弁護士は、検察官・裁判官に対して、勾留の要件を充たしていない旨を客観的証拠に基づいて立証し主張し、早期釈放を目指します。

②示談交渉

被害者のいる事件では、被害者の被害が回復したかどうか、被害者の処罰感情の程度などの事情が、検察官が起訴・不起訴を判断する際や裁判官が刑を決める際に考慮される要素となります。
盗撮事件においても、被害者との示談が成立している場合には、例え、有罪を立証するだけの十分な証拠がある場合でも、検察官が起訴しないとする可能性は高いです。
そのため、早期に捜査機関を通して被害者との接触を図り、示談交渉を行う必要があります。
示談交渉は、通常、弁護士を介して行います。
罪証隠滅を防止する観点から、捜査機関が加害者側に被害者の連絡先を教えることはないですし、盗撮の被害に遭った被害者は加害者と直接連絡をとることを拒むケースが多いため、実際に加害者側が被害者に直接連絡をとることは容易ではありません。
仮に、被害者が知り合いで連絡先を知っており、加害者が被害者に直接示談交渉をしようとしても、当事者同士の交渉は感情的になりやすく難航することが予想されます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。
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痴漢の否認事件

2021-08-17

痴漢否認事件における弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~事例~
会社員のAさんは、通勤に電車を利用していました。
いつものように通勤ラッシュの時間帯に乗車したAさんでしたが、三重県四日市市にある駅に到着し降車すると、後方から見知らぬ女性に声をかけられました。
女性から、「痴漢しましたよね。」と言われたAさんは、突然のことで大変驚きましたが身に覚えがなかったので、「いいえ、そんなことしていませんよ。勘違いじゃないですか。」と答えました。
女性が駅員室に来るよう求められたため、そのまま駅員室で話をすることになりました。
後に、三重県四日市南警察署でも話を聞かれることになったAさんは、今後どのように対応すべきか不安でたまりません。
(フィクションです)

痴漢の否認事件

痴漢否認事件には、大きく分けて2種類のケースがあります。
まず1つめは、上の事例におけるAのように、そもそも痴漢行為をやってはいないと主張するケースです。
つまり、犯人性を否定する場合です。
もう1つは、相手方の身体に触れてしまったこと(もしくは、触れてしまったかもしれないこと)は認めるものの、それはわざとやったのではないと主張する場合があります。
これは、故意を否認するもので、例えば、電車やバスが急に揺れ、体勢が崩れた際に手が相手の身体に当たってしまったとするようなケースです。
これらのどちらの場合でも、罪が成立しない、痴漢の場合であれば、通常は迷惑防止条例違反、場合によっては、強制わいせつ罪という罪が成立しない旨を主張することになります。

否認の弁護活動

刑事事件の被疑者として刑事手続に付せられてしまった場合には、適切に対応するために、弁護士に相談することは重要です。
特に、容疑を否認する場合には、無実や無罪を証明するために、弁護士から専門的なアドバイスを受けることは非常に重要です。

(1)取調べ対応

刑事事件において最も重視されるのは、物的証拠等の客観的な証拠です。
例えば、防犯カメラの映像です。
しかしながら、痴漢行為を収めた映像があることは稀です。
痴漢事件では、電車やバスといった密室空間で行われることが多く、被害者の供述や被疑者・被告人の供述が重要な証拠となります。
そのため、取調べにおいて、自己に不利な供述調書が作成されてしまわないようにする必要があります。
一度作成されてしまった供述調書を後から「やっぱりなかったことにしてほしい。」と言って撤回することは容易ではありません。
取調室で取調官を前にした取調べを受けるのは、日常生活では体験しないことですので、大変緊張するものですので、冷静に受け答えすることも難しいでしょう。
そのような状況下では、取調官の誘導に乗って自己に不利な供述をしてしまう可能性もありますし、意図やニュアンスが相手にうまく伝わらず、結果、相手の思うような形での供述調書が作成されてしまうおそれもあります。
そのようなことがないよう、弁護士から取調べ対応についてしっかりとアドバイスを受けておくことはとても大切です。
また、供述の信用性に関しても、供述の矛盾や変遷が指摘されるおそれがあるため、否認事件においては、基本的に取調べで黙秘することも一つの手段です。
黙秘権は、被疑者・被告人に保障されている権利ですので、無理に取調べで供述する必要はありません。

(2)無実・無罪の立証

痴漢事件では、被害者や(目撃者)の証言、そして被疑者・被告人の証言が主な証拠となります。
捜査段階では、被疑者や弁護人は、捜査機関が所持する証拠を見ることができません。
ですので、どのような証拠が捜査機関の手元にあるのかを予想しながら対応していかなければなりません。
弁護士は、被疑者との接見や連絡をこまめに行い、取調べでどのようなことを聞かれたのかを聞き出し、捜査状況を把握します。
基本的には、この段階では、取調べで不利な供述がとられないよう取調べ対応に関するアドバイスをすることが最も重要な弁護活動となりますが、事件現場に赴き、事件当時の状況を把握しておくことも、無実・無罪を立証するためには欠かせません。
最終的に起訴・不起訴を判断するのは検察官となりますので、検察官に対して、不起訴(嫌疑なし、嫌疑不十分)として事件を処理するよう意見書を提出するなどしてこちら側の意見をしかりと主張します。

起訴後には、弁護側は、検察官が公判で提出する予定の証拠を見ることができますので、どのような証拠に基づいて犯罪の成立を証明しようとしているのかが分かります。
弁護人は、そのような証拠に、有罪を支えるだけの証明力と信用性があるかどうかを検討します。
そして、被告人に有利な証拠を見つけ出し、無罪を主張していきます。
例えば、被害者の供述に矛盾点や変遷がみられることから、その信用性が疑われることを主張したり、現場検証の結果、被告人とは別の人物が痴漢を行った可能性が高いことを主張することがあります。
また、公判では、被告人質問が行われますので、しっかりと質疑応答ができるよう被告人と綿密に打ち合わせを行う必要があります。

このような弁護活動は、刑事事件に豊富な経験を持つ弁護士に任せるのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
痴漢否認事件で対応にお困りの方は、弊所の弁護士に一度ご相談ください。
無料法律相談初回接見サービスに関するご予約・お問い合わせは、フリーダイヤル0120-631-881で24時間受け付けております。

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